【種別】
魔術

【初出】
十四巻

【解説】
神の右席』の一人、左方のテッラが用いる、事象の「優先順位」「強弱」を変更する魔術。
神話において「神の子」が「ただの人間」に殺された、
つまり「本来の順位」が逆転してしまったことを再現しているらしい。

小麦粉をメイン武器に用いるのは、『十字架を使った「神の子」の処刑』を模したミサにおいて、
葡萄酒が『神の血』、小麦粉が『神の肉』の代替物であるため。
小麦粉のギロチン(任意変形)はこの術式の副産物として生成されるものである。

「相手の攻撃」を「自身」より「下」にすればどんな攻撃でも完全防御できるし、
「小麦粉のギロチン」を「的」より「上位」に設定すればどんなものでも切断できる。
単純な攻撃や防御だけでなく、
「自身の肉体」を「壁」よりも「上位」にして壁抜けしたり、
「空気」を「敵」よりも「上位」に設定して敵の動きを止めるといった応用もできる。

だが、どうやら未調整だったらしく、近距離から放たないと刃の精度が落ちたり、
一つの『優先』から別の『優先』に切り替えるには再設定が必要、という欠陥がある。
つまり、一度に複数の対象の優先順位を操ることはできない。
このため攻撃と防御を同時に行うことはできないし、
複数種類の攻撃を防ぐこともできず、複数のものを同時に切断することもできない。
が、多少の融通は利くようで、
服は相手の一部としてカウントされるし、「魔術」といった大雑把な括りでも有効。
また、地殻破断の不意打ちも完全に防ぎ切っていることから、再設定はごく僅かな時間で出来る模様。
ちなみに小麦粉のギロチンは、『優先』の補正抜きでは人体を切断する程の切れ味は持たない。

【詠唱】
「――優先する」
「優先する。――外壁を下位に、人体を上位に」

最終更新:2020年05月19日 00:00