東名首都圏電気鉄道
東名首都圏電気鉄道(とうめいしゅとけんでんきてつどう、英称:Tomei Urban Electric Railway Corporation)は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・静岡県・愛知県を営業区域とする旅客鉄道会社。東名名阪ホールディングスの子会社である。本社は東京都港区。コーポレートカラーは■ダークブルーメタリック。代表取締役社長は眞飛鳥。
会社概要
社名 | 東名首都圏電気鉄道株式会社 |
英文社名 | Tomei Urban Electric Railway Corporation |
種類 | 株式会社 |
略称 | 東名電鉄 |
本社所在地 | 〒108-0075 東京都港区港南二丁目 |
設立 | 2012年(平成24年)6月1日(株式会社アーバントランス) |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 都市交通事業(旅客鉄道事業) 不動産事業 流通事業 他 |
代表者 | 眞飛鳥(代表取締役社長) |
資本金 | 1億円 |
発行済株式総数 | 800株 |
売上高 | 4194億円(2012年3月期) |
営業利益 | 381億円(2012年3月期) |
純利益 | 110億円(2012年3月期) |
純資産 | 2941億円(2012年3月期) |
総資産 | 1兆1,908億円(2012年3月期) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | 東名名阪ホールディングス(株) 100% |
概要
路線
以下の各線を保有している。
色 | 路線名・区間 | |
東名本線 | 内宿駅 - 名古屋駅 | |
京葉縦断線 | 東京駅 - 銚子駅 | |
京浜相模線 | 品川駅 - 小田原駅 | |
副都心線 | 池袋駅 - 品川駅 | |
池袋線 | 小川町駅 - 池袋駅 | |
東京環状線 | 東京駅 - 東京駅 | |
筑波線 | 溜池山王駅 - つくば駅 | |
空港線 | 成田駅 - 成田空港駅 | |
大井埠頭連絡線 | 東京港駅 - 武蔵小杉駅 | |
下田線 | 熱海駅 - 下田駅 | |
寄居線 | 寄居駅 - 小川町駅 | |
神宮線 | 佐原駅 - 鹿島神宮駅 | |
九十九里線 | 銚子駅 - 外川駅 |
車両
通勤形車両
近郊形車両
特急形車両
400系電車
500系特急形電車
10000系電車
12000系電車
13000系電車
20000系電車
21000系電車
22000系電車
23000系電車
24000系電車
25000系電車
26000系特急形電車
キハ10000系気動車
500系特急形電車
10000系電車
12000系電車
13000系電車
20000系電車
21000系電車
22000系電車
23000系電車
24000系電車
25000系電車
26000系特急形電車
キハ10000系気動車
試験用車両
RS9000系"Technology Flyer"
保安装置
1991年からJR西日本と共同で開発したATS-SWを使用していたが、新快速や特急の最高速度上ATSでは安全確保が難しいと判断され、デジタル伝送式新CS-ATCを独自に改良した『東名CS-ATC』を導入した。
この東名CS-ATCは新CS-ATCをベースに、独自の照査パターンや信号現示に対する許容速度の条件を追加したものである。独自の照査パターンについては以下の点が挙げられる。
- 列車の編成両数に対してホームが短い駅における分割作業の際、前方の列車がホームから抜け切らないうちに後方の列車が発車出来る照査パターンを追加。
- 入れ替え作業を素早く実施するために、入れ替え作業専用の照査パターンを追加。
上記以外にも東急東横線のCS-ATCで採用されている次の閉塞までの間にハーフブレーキのみで走行速度が指示速度に下がりきるかを車上でパターンを発生させて計算する機構、駅停車制御をトランスポンダによる伝送により停車駅手前で種別ごとにCS-ATC装置が車上でパターンを引きオーバーランを防止するとともに、過走時には自動的に後方防護もなされる機構を後年追加している。なお、東急東横線のCS-ATCは停車駅手前のパターン計算は500m程手前で実施されるが、東名CS-ATCでは最高速度が高いことから650m程度手前で実施するように設定されている。
しかし、グラスコックピットの採用によって更なる細かな制御が可能となったこと、CS-ATCでは1km/h単位の細かな制御が難しいことを理由に、2009年度の事業計画でDS-ATCを改良した新ATC、『ATC-IM』の導入を発表、2010年2月から東名本線新富士~静岡間に導入し試験を実施、問題点の改良を行い2011年度から本格導入を開始している。このATC-IMでは、前述の細かい速度制御のほかに列車位置を演算するシステムを生かし、乗務員支援用のナビゲーションシステムが組み込まれている。ナビゲーションシステムは次の指示速度予告のほか、次の駅の情報(通過/停車の予告・進入番線(車掌側の場合はのりば)予告・進入時の制限速度、ポイントの有無(制限速度予告は運転士側のみ)・ドアの開閉方向予告(車掌側のみ))、自列車の種別案内、指令からの指示読み上げ(伝送制御システム搭載車のみ)などを音声で行う。これらの音声にはまきいづみと寿美菜子が起用されており、乗務員の気分でどちらを選ぶか選択できる。なお、ATC-IMのIMはこのナビゲーションシステムを担当する二人の名前(Izumi Minako)の頭文字から採られている。
運行管理システム
各路線に以下の運行管理システムを導入している。
システム名 | 導入路線 | 導入区間 | 導入年月日 | 使用開始年月日 | バージョン |
京葉縦断線システム | 京葉縦断線 | 東京~佐原 | 1994年3月30日 | 1994年4月15日 | Version1.0 Rev.2.24 |
空港線 | 成田~成田空港 | ||||
東名本線システム | 東名本線 | 内宿~熱海、浜松~名古屋 | 2006年5月12日 | 2006年7月1日 | Version1.5 Rev.2.57 |
大井埠頭連絡線 | 東京港~武蔵小杉 | 2010年3月5日 | 2010年4月1日 |
種別
以下の種別が運行されている。
種別名 | 英語表記 | 運転路線 |
普通 | Local | 全線 |
区間快速 | Regional Rapid Service | 東京環状線・京葉縦断線・筑波線・神宮線 |
B快速 | B Rapid Service | 京葉縦断線・東京環状線・副都心線・神宮線 |
快速 | Rapid Service | 全線 |
直通快速 | Direct Rapid Service | 副都心線・京浜相模線・京葉縦断線・東京環状線 |
空港快速 | Airport Rapid Service | 東京環状線・京葉縦断線・空港線 |
駿河路快速 | Surugaji Rapid Service | 東名本線 |
相模路快速 | Sagamiji Rapid Service | 東名本線・京浜相模線 |
武蔵路快速 | Musashiji Rapid Service | 東京環状線・京葉縦断線 |
筑波路快速 | Tsukubaji Rapid Service | 東京環状線・筑波線 |
新快速 | Special Rapid Service | 東名本線・下田線 |
空港特急 | Airport Limited Express | 京浜相模線・東名本線・東京環状線・京葉縦断線・空港線 |
特急 | Limited Express | 全線 |
連合会内最多の12種別が運転されており、これはJRを除いた鉄道会社では日本一の種別数である(JRも含めた場合は西日本旅客鉄道(JR西日本)の14種別が最多)。
速度種別
東名首都圏電気鉄道では所属する全形式の速度種別を公表している。各形式の速度種別は以下の通り。
車両形式・列車名など | 速度種別 | 速度換算 (km/h) |
MT比 | 運転区間・運行条件など |
通勤形車両 | ||||
200系 | A0 | 100 | 2M2T,4M4T | |
A5 | 105 | 4M3T | ||
A7 | 107 | 4M2T | ||
600系 | A12 | 112 | 4M4T | |
A14 | 114 | 4M3T | ||
A18 | 118 | 4M2T | ||
800系 | A15 | 115 | 4M4T | 0番代 |
A19 | 119 | 4M3T | ||
A20 | 120 | 4M2T | ||
A26 | 126 | 2M2T | 1000番代 | |
1000系 | A47 | 147 | 3M4T | 0番代・普通運用時 |
A50 | 150 | 0番代・快速運用時 | ||
A52 | 152 | 1000・2000番代 | ||
1300系 | A71 | 171 | 3.5M3.5T | |
1500系 | A45 | 145 | 4M4T | |
近郊形車両 | ||||
300系 | A2 | 102 | 2M2T,2M1T | |
A11 | 111 | 4M2T | ||
A8 | 108 | 4M3T,6M5T | ||
700系 | A17 | 117 | 2M2T | |
A22 | 122 | 4M2T,8M4T | 快速運用時 | |
A29 | 129 | 新快速運用時 | ||
2000系 | A58 | 158 | ||
2300系 | A68 | 168 | 2M2T,4M4T | 0・2500番代 |
2M2T,3M5T | 1000番代 | |||
A71 | 171 | 2000・5000番代 | ||
A58 | 158 | 1M1T,2M2T | 5500番代 | |
A66 | 166 | 2M2T,3M5T | 6000番代・東名首都圏電気鉄道・東京新都心高速線内 | |
A57 | 157 | 6000番代・武蔵野鉄道線内 | ||
2500系 | A77 | 177 | 2M2T,4M4T | 5000番代 |
A80 | 180 | 0番代 | ||
A77 | 177 | 6000番代・東名首都圏電気鉄道・東京新都心高速線内 | ||
A57 | 157 | 6000番代・武蔵野鉄道線内 | ||
2700系 | A51 | 151 | ||
3000系 | A33 | 133 | ||
3300系 | A66 | 166 | ||
3500系 | A49 | 149 | ||
特急形車両 | ||||
400系 | A47 | 147 | 特急「かがやき」 | |
500系 | A47 | 147 | 特急「きらめき」・「スーパーきらめき」 | |
10000系 | S27 | 227 | 2M4T,3M6T | 直流区間 |
S26 | 226 | 交流区間 | ||
12000系 27000系 |
S32 | 232 | 2M4T,3M6T | 0・2000・8000番代・直流区間 |
S31 | 231 | 0・2000・8000番代・交流区間 | ||
S42 | 242 | 3M6T | 4000番代・直流区間 | |
S41 | 241 | 4000番代・交流区間 | ||
13000系 | S57 | 257 | ||
20000系 | S0 | 200 | 特急「はるか」 | |
21000系 | S20 | 220 | 2M4T,3M6T | 特急「オーシャンアロー」 |
23000系 | 3M3T,4.5M4.5T | |||
22000系 | A52 | 152 | 2M5T,4M10T | |
24000系 | S20 | 220 | 4.5M4.5T | 特急「澪」・「紬」 |
S16 | 216 | 3.5M3.5T | 特急「なのは」 | |
25000系 | S16 | 216 | 2M4T,3M6T | 特急「あかぎ」・東名首都圏電気鉄道線内 |
A66 | 166 | 特急「あかぎ」・武蔵野鉄道線内 | ||
26000系 | S36 | 236 | 4.5M4.5T | |
キハ10000系 | S19 | 219 | 4M,6M | 特急「ことぶき」・東名首都圏電気鉄道線内 |
A16 | 116 | 特急「ことぶき」・鹿島臨海鉄道線内 |
車両基地・車両工場
- 綾瀬総合車両所
- 綾瀬総合車両所浦和美園支所
- 綾瀬総合車両所神楽坂支所
- 綾瀬総合車両所初音支所
- 綾瀬総合車両所成田支所
- 沼津総合車両所
- 沼津総合車両所品川支所
- 沼津総合車両所熱海支所
- 沼津総合車両所伊東支所
- 静岡総合車両所
企業方針
女性専用車・女性専用席
東名首都圏電気鉄道では一時期女性専用車の設定を推進していた時期があり、当時は終日設定を行うほどであった。しかしその後、徐々に設定が縮小され、現在では東名本線の平日朝ラッシュ時に東京駅に8時30分~9時00分の間に到着する普通電車以外では設定を廃止している。しかし、これも2017年3月18日に予定されているダイヤ改正で廃止される予定である。
特急列車でも一時期女性専用席を設けていたが、大した防犯効果は見込めないと判断されたため、こちらは女性専用車より早く2011年7月9日を持って廃止されている。
連合会各社との関係
品川駅・新木場駅で東京ベイサイドライン、日吉駅でインターシティ三鷹線と接続している。東京ビックサイトでの大型イベント開催時には品川・新木場駅での接続を考慮したダイヤに変更される。2007年冬のコミックマーケットからは副都ベイサイドラインへの直通運転を開始しており、大型イベント時には臨時ダイヤと直通運転の2本立てで対応している。社長同士の仲も良好である。
新橋駅で接続しているほか、小田原~蓮田間で直通特急を運転している。社長同士の仲もよく、東名首都圏電気鉄道社長がよくPCの相談を持ちかけている。
関連各社
- JR西日本
1988年より業務提携を行っており、非常に親密な関係となっている。
東名首都圏電気鉄道の車両設計やデザイン、運行ダイヤに多大な影響を与えており、
東名首都圏電気鉄道の車両設計やデザイン、運行ダイヤに多大な影響を与えており、
- 京浜急行電鉄
横須賀・久里浜方面の輸送で協力関係にある。土曜・休日などの行楽シーズンには京急沿線から伊豆方面へ向かう連絡きっぷが発売されているほか、京急~副都心線新宿・池袋方面への連絡きっぷが安価で通年設定されている。
- 小田急電鉄
箱根・江ノ島方面の輸送で協力関係にある。連絡切符の発売も積極的に行われているほか、小田原駅、高座渋谷駅で小田急線との接続を考慮して利便性を重視したダイヤを組んでいる。
- 川崎重工業車両カンパニー
通勤形から特急形に至るまでの東名首都圏電気鉄道の車両を広く建造している。
- 近畿車輛
東名首都圏電気鉄道の車両の建造を担当している。なお、東名首都圏電気鉄道は近畿車輛のレーザー溶接技術を高く評価しており、最近では1300系の全編成を発注したり、近郊形の主力である2500系の製造など、通勤形や近郊形電車を数多く近畿車輛に発注している。特急形車両の増備も盛んであり、最も東名首都圏電気鉄道と取り引きの多い会社と言える。
1300・1500・2500系に取り付けられている液晶ディスプレイの製造を担当している。また、近年主要駅を中心に導入が進められているLCD行先案内表示器もこの三菱電機製である。
1300・2500・2700・24000系の主制御器や補助電源装置、パンタグラフなどの電装品の製造を担当している。
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