ミッション№ |
名前 | 特殊条件 | 人数 | 戦利品 |
中級 №A0074 |
07 / 11 / 02 ~ 07 / 11 / 30 09 / 04 / 15 ~ 09 / 05 / 11 新たなる決意 |
なし | 2人 | ブリザードLV2 ストームLV2 (2ポイント) |
プロローグ |
フェルゼン「グィンネルが逝ったか・・・。」 ルークスたちが魔王グィンネルを倒した時、フェルゼンはディンマルグの国境にいた。 ともに神から魔族として身を堕としたフェルゼンとグィンネル。 人との間に生まれた娘により狂神の呪縛から解放されたフェルゼンだったが、他の魔人や魔王と呼ばれた元神たちを助けることはできなかった。 そのことを悔いながらも、グィンネルと対峙した者たちのひとりにアーヤがいたことに安堵していた。 天空人の想い。 その力によってグィンネルが神として生を全うできたことを感じ取っていたからだった。 フェルゼン「ソリアの言うとおり私たちには無い何かが彼らにはあるようだな。」 フェルゼンは静かに目を閉じた。 遠い昔、神として共に同じ時を過ごしたグィンネルを想って・・・。 どれぐらいそうしていただろうか。 目を開けたフェルゼンは、空を見上げ呟いた。 フェルゼン「記憶を取り戻し、生き残った者としての役割を全うすることにしよう。」 |
危険度 ★★ EC0407 重騎士 コルト 1100 / 250 / 210 1/1/1/25/1 敵サポカ 毒Lv3 重Lv3 |
魔王が倒れた後も、首都アジャンタでは多くの魔物が猛威を振るっていたが、孤高の剣士ルジュや十英雄のアゼルたちの活躍により、その魔物の姿も徐々に見なくなっていった。 そんなアジャンタの中央に座する城にフェルゼンはいた。 フェルゼン「ここのゲートは安定しているようだな・・・。」 フェルゼンは狂神のいる天空大陸を目指していた。 自らの手で神を討つために・・・。 ゲートのある場所を前にして、フェルゼンはその歩みを止めた。 その場を守る騎士がいたのだ。 コルト「あんた何者だい?ここに誰か来るなんて聞いてないぜ。」 全身を鎧で包んだその騎士は、巨大な斧を振りかざした。 その鎧に刻まれた傷の多さが、首都攻防戦の激しさを物語っていた。 彼はその戦いを生き抜いた精鋭だった。 フェルゼン「無作法で申し訳ないがのんびり説明をしていられるほど時間も無い。そこを通してもらえないか?」 緊迫した雰囲気の騎士に対し、フェルゼンは静かに告げた。 コルト「悪いが誰もここを通すわけにはいかない。魔王を倒してくれた勇者たちが戻るまではね。」 この騎士もまた他人の為に戦う心優しい者だとフェルゼンは気付いたが、彼の言う勇者の役に立つためにも歩みを止めるわけにはいかなかった。 フェルゼン「その勇者の助太刀に行く、と言っても信じてはもらえないのだろうな。悪いが力ずくで通させてもらおう。」 |
敗北時 | フェルゼン「その鎧、魔術で守られているな。なるほど、ここまで戦い抜いてきたことはあるということか。」 すべての攻撃を防ぐ重騎士と巨大な斧をかわすフェルゼン。戦いは膠着していた。 フェルゼン「それでは手加減無しで戦おう。それが力ある者への敬意の表れだ。」 |
危険度 ★★★ EC0477 サキュバス クレッサ 600 / 180 / 170 1/1/6/1/1 敵サポカ 水Lv1×2 風Lv1×1 |
魔術を受け付けない強固な鎧も、強力な衝撃に対しては中の人間が耐え切ることはできなかった。 だが普通の人間であれば1度で気を失うような衝撃にコルトは何度も耐え抜いた。 だからこそフェルゼンは手を抜くことなく全力で戦ったのだった。 フェルゼン「すまない。このお詫びは生きて帰れたらさせてもらう。」 そう告げ、フェルゼンは重騎士が守っていたゲートに姿を消した。 ゲートを抜けたフェルゼンの目前に広がったのは懐かしい景色だった。 大きく輝く月が天空大陸を照らしていた。 フェルゼン「この場所は隕石の被害をあまり受けなかったようだな。」 重騎士との戦いにより疲れた体を休ませるため、ゲート近くの岩に腰掛けた。 フェルゼンが冷たい夜風を浴びていると、少し離れた場所から飛んでくる人影があった。 クレッサ「あら、人間かと思ったら魔族だったのね。・・・でも、魔族にしてはなんか変な気配ね。」 飛んできたのはサキュバスのクレッサであった。 彼女もまたゲートを通り、天空大陸へやって来た1人だった。 ただしフェルゼンとは違う不安定なゲートを通ってきたのだが。 クレッサ「まぁいいわ。それよりもここはどこかしら?こんなに空が近い場所って私知らないのよね。あなた知っていたら教えてくれない?」 一時は黒の魔人として魔族を束ねていたフェルゼンであったが、このサキュバスはフェルゼンの顔を知らないようだった。 フェルゼン「私も1つ聞いていいか?この場所にはどうやって来た?」 クレッサ「もう私が先に質問したのに・・・。いいわ、教えるから私の質問にも答えてよね。」 フェルゼン「わかった。約束しよう。」 クレッサ「地上にいたんだけど、急にゲートが開いて入ってみたらここに着いたわ。そのゲートもすぐに消えちゃったのよね。さぁ次はあなたが私の質問に答える番よ。」 サキュバスの言葉を聞き、それまで座っていたフェルゼンは静かに立ち上がった。 その身に魔気を纏わせて。 フェルゼン「すまない。この場所を教えるわけにはいかないのだ。少しの間、気を失ってもらおう。」 |
敗北時 | フェルゼン「予想以上にディンマルグの騎士との戦いで消耗していたか。だが、こんな所で負けるわけにはいかないのだ・・・。」 |
エピローグ |
元魔人とサキュバスとの戦いは、予想よりも長引く戦いとなった。 フェルゼンはディンマルグの重騎士との連戦により、その魔気を大きく消耗していたのだった。 さらに手加減していたことが余計に戦いを長引かせる結果になった。 クレッサ「もう止めようよ。お互い殺す気がない戦いなら、話せば分かり合えるよ。ここがどこか教えてくれなくてももういいよ。」 サキュバスのその言葉が戦いを終わらせるきっかけになった。 フェルゼン「・・・すまない。」 クレッサ「良かった。それじゃ私はどうすればいい?」 フェルゼン「そこにゲートがある。そこから抜けて帰るか、この場所で暮らすか。どちらがいいか選ぶといい。」 クレッサ「この場所がどこかは教えてくれないのよね?それじゃゲートを選ぶわ。」 フェルゼン「すまない。ゲートはディンマルグ城に繋がっている。抜けた先に人間が倒れてると思うが、放っておいてすぐに城から出てくれ。」 サキュバスはフェルゼンの話を聞いてクスっと笑った。 その様子を不思議そうにフェルゼンは見ていた。 クレッサ「あっ笑ってごめんね。あなた謝ってばかりだし、何も聞かずにゲートを通って城を抜ければ良いことで必死に戦っていたのかと思うとちょっとね。」 フェルゼンにはサキュバスの言葉が意外に思えた。 そしてサキュバスの指摘通り簡単なことだと思いなおすと、不思議と笑みがこぼれた。 フェルゼン「アラグレスの影響を受けていたのかもしれないな。戦えば解決する。それは間違いだというのに。」 クレッサ「え?いま誰かの名前言わなかった?」 独り言のように呟いたフェルゼンの言葉はサキュバスには聞き取れなかったようだった。 フェルゼン「気にしないでくれ。それよりもさっき話したように、ゲートの先で倒れている者を無視して城を抜けてくれるか?」 クレッサ「いいわよ。それで解決するならね。」 そう言うとサキュバスは躊躇うことなくゲートに飛び込み、姿を消した。 その様子を見ていたフェルゼンは、再び岩に腰を下ろし体を休めた。 フェルゼン「少し気持ちが焦っていたのかもしれないな。しばらくはこの場所で休むことにしよう。」 魔気の消耗もさることながら、フェルゼンはゲートの先で倒れている重騎士を気に留めていた。 ゲートを守る者を倒してしまったフェルゼンは、数日の間、天空都市側からゲートを守護することにした。 それが戦いに気持ちが焦っていた償いであった。 こうして天空大陸に1人の力ある者が降り立ったのであった。 |