ミッション№ |
名前 | 特殊条件 | 人数 | 戦利品 |
中級 №A0055 |
07 / 10 / 19 ~ 07 / 12 / 30 大切な人を探して・・・ |
なし | 2人 | 修羅LV2 剣舞LV2 機雷LV1 (2ポイント) |
プロローグ |
京で起きた黄泉路騒動がひと段落した頃、その京に繋がる街道を歩く1人の青年がいた。その青年の目には、目指している京を黒い雲が覆い始めているのが見えていた。 セム 「京で覇王が目覚めたか。ノキアが無事だといいが・・・。」 その青年は1人の女性を探していた。 幼い頃より同じ時を育ってきた幼馴染。かけがえの無いその存在が突然村から姿を消してしまったのだ。悪い想像が頭を巡り、セムの気持ちは焦り始めていた。 セム 「京まではまだ遠いか。なんだ、この嫌な感じは。」 セムの中に流れる常人とは違う血が覇王を感じているのか?もしくは幼馴染のノキアの身になにか・・・。 セム 「考えていても始まらない。先を急ごう。」 そう自分に言い聞かせたセムは、自分の体への負担を顧みることなく京に向かい駆け出した。 |
危険度 ★★★ SC0263 鎧武者 1100 / 200 / 250 10/3/10/3/3 敵サポカ 鬼道Lv1×1 鬼道Lv2×1 鬼道Lv3×1 |
「きゃー!」 「ば、化け物だ!」 京に続く街道で人の叫び声が辺りに響いた。 セム 「なんだ、妖気?」 セムは叫び声以外にも、霧のような妖気が辺りに広がっていることに気付いた。その霧は街道を離れた方向から流れてくるようだった。 セム 「この妖気、京の上にある黒雲と関係があるのか?」 ノキアを探すため京に急ぎたいセムは原因不明の状況に出会い迷っていた。その時、街道を離れた木々の中から鎧が擦れる音とうめき声が聞こえてきた。 鎧武者 「グォォォ!」 セム 「黄泉から迷い出てきたのかよ。それとも誰かに呼び出されたか?」 鎧武者の禍々しいその姿を見たセムには迷いはなくなっていた。右手に短刀を持ち構える。 セム 「出てこなければ無視したかもしれないが、黄泉から来た者を見逃す気は無いんだ。それにおれの勘が告げてるんだ。ノキアは京にはいないってね。」 その言葉を鎧武者が理解できたかはわからなかったが、短刀を構えたセムに鎧武者は斬りかかってきた。 セム 「さっさと終わらせて奥に行かせてもらおう。」 |
敗北時 | セム 「くっまさか次々と出てくるなんて。このままだと数で負ける。一旦引くか。」 |
危険度 ★★★★ SC0245 旅客 キサラギ 1400 / 230 / 230 5/10/20/10/5 敵サポカ 修羅Lv3×1 剣舞Lv3×2 機雷Lv1×1 |
セム 「次から次へと・・・。」 鎧武者は1体だけではなかった。次から次へと木々の間から現れる鎧武者に、人並み外れた体力を持つセムも疲労の影が見えていた。 セム 「こんな所で倒れるわけには行かないんだ!」 負けることこそ無いだろうが、セムはこれ以上の疲労は危険だと感じた。だからこそ、それまで使うことを躊躇っていた鬼の力に頼ることにしたのだった。 鬼の血の覚醒。それはセムの姿を鬼へと変貌させた。 セム 「地獄から逃げ出したことを後悔させてやるよ。」 その一言のあとセムは炎を纏った右手を無造作に薙いだ。するとそれまでセムに襲い掛かってきていた鎧武者が燃え、崩れ去ったのだった。 圧倒的な力。それが覇王の力に匹敵する鬼の力であった。辺りに鎧武者の姿が見えなくなり、セムは鬼の力を鎮めようと静かに立ちすくんでいた。 ザザ・・・。 背後の茂みから人影が現れた。その人影は大きな荷物を背負った女性だった。 キサラギ 「悲鳴が聞こえてきたと思って来てみたら鬼が出るか。まったく、京は物騒だねぇ。」 セムは一瞬、女性が何のことを言っているのか理解できなかった。 セム 「おれのことを言ってるのか?」 そう聞くのが精一杯だった。鬼の力を覚醒させてセムは、あらゆる気配に敏感になっているはずだった。それがこの女性が近付いて来ていることに一切気付かなかったのだ。鬼の力に対する絶対なる自信が崩れ去った瞬間だった。 キサラギ 「なんだい?鬼って言われて意外そうな顔するとはね。でも容赦しないよ。」 女性はそう言うと大きな荷物から袋を取り去り、出てきた巨大な槍で襲い掛かってきた。 |
敗北時 | セム 「なんだってんだこの女。鬼の力が負けるって言うのか?・・・何者なんだ。」 |
エピローグ |
キサラギ 「悪い悪い。早とちりしちまったみたいだね。」 本気で倒すつもりで掛かってくる相手を倒さずに戦意を失わせるのは至難の業だった。だがセムはやってのけた。ほとんど偶然だったが・・・。一度、鬼の力を鎮めようとしたことが結果的には功を奏した。その身に宿った鬼の力はすぐには消えず、女性との戦いの最中に突然消えた。通常であれば一度覚醒した鬼の力は戦いが終わらないかぎり静まることなど無かった。それほどまでに鬼の力は戦いを欲するのだ。 キサラギ 「あんた何者だい?その力、普通の人間じゃないよね。」 セムはどう応えるか迷った。鬼の力は人の目に触れさせてはいけないものだった。そのため多くの者たちが人から隠れて生活し、そして秘密を守り続け死んでいった。今こうして幼馴染のノキアを探して村を出たことも禁じられていることだった。 女性はセムが無言で考えている間、同じように無言で考えがまとまるのを待っていた。そのことに気付いたセムが、この女性を信頼できる人間だと思うようになるまで大して時間は掛からなかった。 セム 「他言は無用。それは約束してもらえるか?」 キサラギ 「内容次第と言いたいけど、・・・いいよ。あたしの胸に秘めると約束するよ。」 そう約束を交わしたセムは、鬼人であること、そして幼馴染と覇王を探していることを告げた。 キサラギ 「覇王にはあたしも用があるんだ。良かったら協力しないか?」 セムにはキサラギの反応は意外だった。鬼の力を知った人間の反応は2つだと聞かされていたからだ。1つは我が物とすることを企む者。もう1つは理解できない存在を排除しようとする者。キサラギの言葉はどれにも当てはまらなかった。 キサラギ 「あんた結構怪我してるね。少し休む必要があるだろう。」 セム 「休んでなどいられるか!おれは、痛・・・。」 言葉を荒げるセムの足をキサラギは軽く蹴り上げた。 キサラギ 「そんなんじゃ彼女を助けることも、覇王を見つけることもできないよ。」 セム 「ノキアは幼馴染だ。」 いつの間にかセムはキサラギのペースに乗せられていた。こうなると話は早かった。 キサラギ 「街道を少し京に近付いたところに雨宿り用の小屋があるはずだよ。そこで休んでな。あたしが京にいる仲間を呼んでくるからそいつと協力しな。」 こうして言いくるめられたセムはキサラギの案内で小屋で休むことにした。この小屋で数日過ごすわけだが、キサラギが約束した助っ人がくることはなかった。キサラギはカイにセムのことを伝えなかったのだ。 キサラギ (どうせあの男はカイが行くまで待つはずも無いだろうからね。説明とかして無駄な時間過ごすよりも、先に行かせたほうが良いに決まってる。) キサラギの思惑通りことが進んだかどうか、それはここで語るべきではない別の話・・・。 |