ミッション№ |
名前 | 特殊条件 | 人数 | 戦利品 |
上級 №A0063 |
07 / 07 / 27 ~ 07 / 09 / 27 スヴェイン大聖堂の再来 |
なし | 4人 | ルビーの原石 ブリザードLV3 (?ポイント) |
プロローグ |
多くの人が恐れていた魔王の復活。そしてアジャンタ王城を巡る攻防戦は、集結した魔物と人により熾烈を極めていた。 そんな中、騎士国フィンの勇者ルークスと魔術師アーヤ。騎士国ノールのフェンリルナイト ジェノと薬師ミラナ。そして、魔導国スヴェインの最強魔断師リーとコウの6人はすべての戦いを終わらせるため、アジャンタ王城へ侵入していた。 王城内において魔王を守護していたのは水、炎、大地、風の化身、そして魔王のいる玉座の前には、魔王の息子ロキが待ち構えていた。 リー 「魔王はこの先。ここは俺とコウで引き受ける。ルークスたちは先に行け!」 ミラナ 「何を言っているの。協力して先に進みましょう。」 コウ 「お願い、先に行って!この魔物・・・下手に関わるのは危ない。全員で戦うより、私と兄さんだけの方がいいの。」 魔断師であるリーとコウの能力は、敵だけではなく周囲の味方をも巻き添えにしてしまう恐れがあった。だからこそ共に戦ったことのあるルークスとアーヤは先に進むことを選んだ。足手まといにならないために。そして、すべての人の願いである魔王を倒すために立ち止まることは許されなかった。 ルークス 「うん・・・わかってる。俺たちをここまで辿り着かせてくれた人たちのためにも・・・。魔王を倒すことが必要なんだ!だから・・・俺たちは先に行くよ。」 リー 「それでいい・・・。なぁに、また会えるさ。きっとな!」 ロキを警戒しながらルークスたちは玉座へ向かった。 ロキ 「さて、邪魔者はいなくなった。アルティアが言っていた魔断師というのは君たちだろう?」 リー 「アルティアを知っているのか?」 ロキ 「私もアルティアと同様、魔王様から生まれたのでね。逃げ帰った話は聞いているよ。私も楽しませてくれるんだよね?」 因縁とも呼べる魔断師と魔王の息子の戦いが始まろうとしていた。 |
危険度 ★★★ EC0359 美しき悪魔 マノア 500 / 150 / 150 10/2/2/2/2 敵サポカ 凍Lv1×1 |
魔断師とロキが間合いを縮める中、突然激しい破壊音と共に強固な城壁が壊れ、外から風が吹き込んできた。 マノア 「2対1っていうのは卑怯じゃないかしら。それでもロキ様は負けないでしょうけどね。」 風と共に飛び込んできたのは、ロキの側近である美しき悪魔 マノアであった。 ロキ 「加勢か?いらないことを・・・。」 マノア 「ロキ様が拒絶しても、私は勝手に邪魔させてもらいますわ。いままでと同様に・・・。」 1000年前。隕石により神のいる天空都市は地上へと堕ちた。このとき、傷ついた神からロキが誕生した・・・。 天空都市落下の衝撃により開かれた魔界と地上を繋ぐゲート。このゲートからマノアは地上へ現れた。そして天空都市の瓦礫の中でロキを見つけたマノアは、このときから想いを寄せ始めた。叶わぬ想い、告げることの無い想いを幾重もの年月の間秘め続けた。 元は天空人でありながら罪人として魔界に幽閉され魔族となったマノアと、神から生まれたロキでは身分が違い過ぎたのだ。 ロキ 「何を言っても退かないんだろうね。いいよ。そっちの女の相手をするといい。」 リー 「いいのか?コウも強いぞ。俺と同じぐらいな。」 マノア 「手加減はするつもりは無いわ。もちろん生かす気もないわよ。」 コウ 「・・・。」 マノアは口元に残忍な笑みを浮かべ、コウに近寄った。対するコウは、静かにそして少しずつ体内の魔物の力を解放していった。 |
敗北時 | コウ 「・・・負けたの?駄目。兄さんの元には行かせない。まだ私も戦えるわ。」 マノア 「人としてこの世を去りたいなら諦めなさい。それ以上魔気を扱えば人ではなくなるわよ。」 コウ 「兄さんの役に立てるなら・・・それでもいい。」 マノア 「貴方の想いも強いわね。いいわ。その想い私が砕いてあげる。」 |
危険度 ★★★★ EC0357 純血魔族 ロキ 900 / 200 / 160 20/1/1/1/1 敵サポカ なし |
マノアとコウの魔気が激しくぶつかりあっていた。 その影響により、魔物でさえも身動きが取れなくなるほどの魔気が周囲を覆っていた。 ロキ 「君の妹もなかなか強いじゃないか。でも、あの力は人間というよりも私たち魔物に近いね。あれだけ魔気を放出して、いつまで人でいられるかな?」 リー 「お前たち魔物を倒す時間があれば十分。さぁお喋りよりも俺の相手になってもらおうか。」 |
敗北時 | ロキ 「魔物を体に埋め込んだからと言って、私に勝てると思っていたのかい?」 リー 「ならば、人であることをやめてみせよう。」 ロキ 「良い覚悟だね。それじゃもう一度戦おうか。」 |
危険度 ★★★ EC0227 仮面のアルティア 1200 / 220 / 210 10/5/5/5/1 敵サポカ 火Lv2×1 土Lv2×2 |
ロキ 「まさか・・・、私が負けるとはね。」 魔断師と魔族の戦いは熾烈を極めた。周囲の惨状が戦いの激しさを物語っていた。 本来、彼らのいる場所は王のいる玉座の前に作られた一室であったが、マノアの乱入により壁が崩れ、そして戦いの終わった今では部屋と呼べない状態になっていた。 ロキ 「人の身でありながら、それだけの力を秘めているとは。アルティアでは勝てぬわけだ。」 すでにロキの体には立ち上がる力すら無かった。 リー 「向こうは終わったようだな。」 リーの視線の先には静かに横たわるマノアと、近寄ってくるコウの姿があった。コウの右手にはレッドリボンが巻かれ、魔物の封印が行なわれていた。マノアとの戦いの際に行なった魔導解放により、激しく疲労したため、魔導解放を維持することができなくなったのだった。 シンと静まる一瞬の静寂の中、リーとロキの間に1人の男が突然現れた。まるで最初からその場にいたかのように・・・。 アルティア 「アッハッハッハッハ。どうしたんだい兄さん。その姿は。」 リー 「・・・アルティア。」 アルティアの出現により、コウがリーの元へ駆け寄ろうとしたその時、リーはコウに近付かぬようにと目配せをした。 リー 「まさかまた倒されに来るとはな。今度は逃がしはしない。」 アルティア 「言っただろう。君たちを滅ぼすって。僕と同じ魔王の息子である兄さんと戦った君に、以前のように僕を倒す力は残ってるのかい?」 リー 「戦えば分かる。そうだろう?」 アルティア 「余裕ぶってるんじゃないよ!」 |
敗北時 | アルティア 「以前の僕とは違うだろ。さぁ次は君の妹君に相手してもらおうか。」 リー 「まだ終わりじゃないさ。俺も以前とは違うところを見せてやろう。」 |
危険度 ★★★★★★ EC0452 アルティア 究極融合 2200 / 290 / 260 20/20/20/20/40 敵サポカ 水Lv3×1 土Lv3×1 機Lv3×2 |
アルティアとリーの実力は拮抗していた。互いが決め手に欠けるまま、戦いは長引くかと思われた。 コウ 「兄さん。もう平気。私も戦うわ。」 マノアとの戦いで魔気の制御により疲労していたコウは、再び封印を解き、魔導解放を始めた。 リー 「無理はするな。今片付ける・・・。さぁ俺の中の魔物。もっと俺に力をよこせ。いま戦っている相手は貴様でも勝てぬ相手だ。出し惜しみしていると、俺と共に消えることになるぞ。」 リーとコウの魔気は膨れ上がり、2人の体を魔物へと変貌させようとしていた。 コウ 「体がもたないかも・・・。でも、いまあいつを倒さないと・・・。」 アルティアは、2人の魔断師が全力での魔導解放を行なう様子を静かに見つめていた。 アルティア 「美しき兄妹愛・・・。楽しませてくれる。それじゃロキ兄さん、僕たちも協力しないかい?」 その言葉を聞いたロキは耳を疑った。 ロキ 「貴様の口から協力とはな。何を考えている?」 すでに戦う力を無くしたロキが協力どころか足手まといにしかならないのは明白だった。 アルティア 「大丈夫。兄さんは少し黙っていればいいだけだからね。」 そう言うとアルティアはロキに向けて手をかざした。 アルティア 「兄さんと僕は同じ魔王の体から生まれた。だから今こそ1つになるんだ。」 アルティアの手の平から出た眩い光がロキを包み、消滅した。偶然にもロキの消滅と同時に、王の間を支配していた巨大な禍々しい魔気が消えた。それが意味することとは・・・。 アルティア 「アハハハハ!ロキの力を手に入れて魔王に近付いたと思ったら、魔王まで滅びたようだ。仕方ない、唯一の息子である僕が魔王を継いでやるさ。手始めにリー、コウ、君たちを消してあげるよ。」 |
敗北時 | リー 「もっとだ。もっと力をよこせ!いまあいつを野放しにするわけにはいかないんだ。」 コウ 「魔王がいなくなったのなら、兄さんと私の敵はアルティアだけ。この体と引き換えにしてでも・・・。」 |
エピローグ |
アルティア 「なっなぜだ!魔王となる僕が…」 圧倒的な力でリーとコウを追いつめていたアルティアの体に突然異変が起きた。魔王の息子であるアルティアであってもロキの吸収は容易ではなく、アルティアの体から魔気が際限なく流れ出ようとしていた。 リー 「終わりだ。お前さえいなくなれば、誰も魔王の影に怯えることが無くなる。」 アルティア 「ふざけるなふざけるなふざけるなぁ!魔物の力を借りなければ僕と戦えない人間に負けるわけが無いだろう。」 その言葉とは裏腹に、アルティアからは魔気が消えようとしていた。 リー 「同族の力を得て、俺たちに対抗しようとしたお前の言葉とは思えないな。」 アルティア 「うるさい!いいさ。消えていく力なら使い切ってやる!」 アルティアの決意がそれまで流れ出ていた魔気を引き戻し、自らの体に溜め始めた。 リー 「往生際が悪い…。これ以上何もさせずに終わらせる。…なに?」 アルティアを中心に渦巻き始めた魔気が、リーとコウの魔気も捕らえていた。 アルティア 「光栄だろ。僕と共にこの世界を去れるんだからな!」 リー「コウ!魔導解放を解いて封印を急げ!」 魔導解放を解き、封印を施すことで魔気の流出を防ぐ。 アルティア 「諦めろ。僕を止められる…者など…いな…」 アルティアの許容量を超えた魔気は、体の中で暴走し、爆発した。爆発と共に舞い上がった煙が静まり。視界が戻ってきたとき…、そこにはコウを庇い、抱きしめるリーの姿があった。 コウ 「なんで兄さん?魔導解放を解いたんじゃないの?」 一瞬の決断だった。リーはコウに魔導解放を解かせ、魔気の流出を防ぐと共に、自らの封印となるレザーベルトをアルティアに巻きつけたのだった。レザーベルトにより魔気の放出による爆発を最小限に留めたのだ。 リー 「賭けだったがうまくいったようだな。」 周囲には爆発の中心となったアルティアの姿は無かった。 コウ 「これで終わったの?」 リー 「まだ終わりじゃないのかもしれない。だが、俺たちにできることはここまでらしい。」 爆発により受けた傷は深く、長時間の魔導解放による消耗も激しかった。コウの体に寄りかかるように片膝をついたリーの視線は、ルークスたちが向かった玉座へと向けられていた。 リー 「あとは彼らに任せよう。自分の手で決着をつけられないのは残念だがな…。」 |