ストーリーモードに書かれているストーリーをまとめたページです。
ネタバレ含みますので、純粋に攻略を愉しみたい人は見ないほうがいいです。




Episode 5



プロローグ


ディンマルグの王都アジャンタに辿り着いたルークス、アーヤ、ジェノ、ミラナ。
アジャンタ王城こそ、魔王が封印されていると言われる地。

ジェノ
「王城までは目と鼻の先・・・といってもこれほどとは・・・。」

ジェノが絶句するのも無理はない。
王城前の広大な広場には、魔物たちがひしめき合っている。
その数、どう少なく見積もっても数百。
ディンマルグで出会った反乱軍や15年前の10英雄たちが
ルークスを王城まで導こうと先陣を切って突き進む!

アゼル
「雑魚どもは俺やグランゼたちが止める。
ルークス、アーヤ、ジェノ、ミラナ、お前たちが新しい希望だ。迷わず王城を目指せ!」

ルジュ
「・・・行きなさい。ここは私が引き受けます。」

ルークス
「行こう!みんなの気持ちを無駄に出来ないよ!
俺たちはどんな事があっても城まで、魔王の元まで辿り着くんだ!」


王城を巡る激しい攻防戦の幕は切って落とされた。
ルークスたちの前に王城入り口が見えたその時、巨大なドラゴンたちまでもが行く手を遮る!

アーヤ
「あと少しなのに・・・魔物たちはまだ来るの!?」

ミラナ
「アーヤちゃん!早く!」

ジェノ
「高速剣!・・・く!数が多すぎる!!」


その時、ルークスたちを助けるように、
一陣の光が群がる魔物たちに突き刺さり、魔物たちを圧倒する!

ルークス
「だ、誰!?」

リー
「王城に向かって進むものがいるかと思えばルークスたちか。
無事なようだな。だがのんびり話している時間はなさそうだ。とりあえず・・・。」

コウ
「魔王の元へ突き進むわよ。」

噂に名高き、魔導王国スヴェインの最強魔断師、リーとコウ!
彼らもまた、ルークスたちを助けるため、魔王を打ち滅ぼすためにこの地に辿り着いたのだった!

1人目 (コドラ)


騎士国フィンの勇者ルークスと魔術師アーヤ。騎士国ノールのフェンリルナイト ジェノと薬師ミラナ。そして、魔導国スヴェインの最強魔断師リーとコウの6人は、遂に魔王のいる王城へと侵入を果たした。

ルークス
「リーさんとコウさんも来てくれたんですね。」

リー
「約束したからな。だが、少し遅くなってすまない。」

コウ
「アーヤちゃん、遅くなってごめんね。」

アーヤ
「そんな。こうやって来てくれて、本当に心強いわ。ありがとう。」

城内は信じられないほど静かだった。
1年前に王城が陥落して以来、初めて人が踏み入れた場所。そこは人という存在を拒絶しているかのような静寂に包まれていた。

アーヤ
「そうだ、ジェノさんとミラナさんを紹介しないとね。」

そう言うとアーヤはジェノとミラナの前に駆け寄った。

アーヤ
「こっちの騎士さんがジェノさん。そして薬師のミラナさんよ。」

ジェノとミラナを紹介し終えると、次はリーとコウの前に駆け寄る。

アーヤ
「それじゃリーさんとコウさんの紹介もするね。こちらはスヴェインの魔断師でリーさんとコウさん。あれ?コウさんは?」

さっきまでそこにいたコウを探し辺りを見回す。

リー
「すまない。コウは人見知りが激しくてね。」

そう言うとリーは城内の通路の奥に顔を向けた。その視線の先にはコウがいた。

リー
「先に奥の様子を見てくるって言ってた。挨拶もそこそこで申し訳ないが、先に進まないか?」

ジェノ
「そうだな。ルークスとアーヤから、君たち2人の話は何度も聞かされてる。頼りにしていいよな?」

リー
「もちろん。だが、おれとコウの近くで戦わない方がいい。おれたちの力はあまり協力して戦うには向いていないんだ。」

手短に挨拶をすませて城内の奥へ進むと、突然前を歩くコウが炎に包まれた。

ミラナ
「きゃ。なに?」

リーとルークスたちは慌てて駆け出した。

コウ
「来ないで大丈夫。これぐらい私ひとりで相手できるから、そこで待ってて。」

炎に包まれたコウだったが、その体には怪我ひとつなかった。
魔導解放することなく、コウは魔物の攻撃を防ぎ、そして反撃に転じようとしていた。体内に眠る魔物の力を己の力として昇華させ、以前よりも成長していたのだ。

コウ
「すぐに終わらせるわ。」

2人目 (水の化身 ウンディーネ)


コウは宣言通り、苦戦することなく魔物を撃退した。そして再び静寂に包まれた城内を進み始めた。

リー
「このまま進みながらでいい。ルークスたちも知っておいて欲しい話がある。」

ルークス
「なんですか?」

リーはアーヤを一瞥してから、スヴェインの光の魔術師ファランからの報告を話し始めた。

リー
「魔王を倒すためには天空の力が必要だというのはおれたちも聞いてる。アーヤ、君がそれを継承していることもね。」

コウ
「15年前では果たせなかったことが、今なら果たせるかもしれないってファランは言っていたわ。」

リー
「ただ、ファランからの報告で1つ気になることがある。天空の力とは、天空人の意思ってことらしい。伝説だと思っていた天空人。どうやら確かに存在していたようだ。天空都市と共にね。」

ジェノ
「天空都市…。」

リーは話を続けず、間を一拍開けてルークスたちが理解したのを確認した。

リー
「そしてこれはあくまでスヴェインの魔導調査団の推測なんだが…。」

ルークス
「う、うん。」

リー
「地質調査や歴史を紐解いた結果、魔物がこの世に現れたのが、およそ1000年前だとわかった。」

ジェノ
「1000年…。赤の魔人ソリアが残した言葉。それと関係があるのか?」

ウンディーネ
「人間は色々と興味を持つのね。」

ルークスたちが話しに気を取られていると、目の前に美しい女性が現れた。ただし、その女性は人間ではなく、ひと目で魔物とわかる姿をしていた。

ウンディーネ
「そろそろおしゃべりはおしまいにしない?ここは元々人間の城だったけど、いまは魔王の居城なのよ。人がいてはいけない場所。だから今すぐ消えて。」

ウンディーネは強大な魔力によって大量の水を召喚した。

ウンディーネ
「さぁ水の化身である私に溺れるがいい。」

水に足を取られ、ルークスとジェノは本来の力を出すことができなかった。

リー
「みんな下がっていてくれ。ここはおれが相手をする。」

コウ
「兄さんが戦うまでもないわ。私が行く。」

リー
「コウはさっき戦ったばかりだから少し休んでいるといい。それともおれだと不安か?」

コウ
「不安だなんて…兄さんに任せるわ。」

その言葉を聞いて、リーはウンディーネの前に歩み出た。

リー
「待たせたね。それじゃおれが相手しよう。」


3人目 (炎の化身 イフリート)


ウンディーネとの戦いは、壮絶な戦いとなった。大量の水により動きを奪うウンディーネに対し、リーは体に秘めた力を解放し、すべての水を凍らせた。それは魔力対魔力の純粋な力比べであった。勝敗は、その身に宿した魔物の力を自らの魔力へと昇華させたリーがすべてを凍らせることで決した。

リー
「…話を続けよう。1000年前に魔物は、どうやって現れたのか。その理由も憶測だが知ることができた。」

コウ
「魔界とこの世を繋ぐゲートを記した書物が見つかったの。」

リー
「その書物によると、初めてゲートができたのは1000年前。」

アーヤ
「最初のゲート…!それはどこにできたの?」

コウ
「この城よ。ここに巨大な岩が降ってきて衝突したらしいわ。それが1000年前だと言われているの。」

ルークス
「えっと、つまり…1000年前、魔物がこの世に現れたのはディンマルグに出来たゲートから、ってこと?」

コウ
「そうね。」

リー
「そしてここからが本題だ。魔物の出現と同じ時期を謳った詩がみつかった。」

ミラナ
「詩…?」

リー
「吟遊詩人のラファルという男が謳う詩だ。今までの話と詩を合わせると、1つの結論に辿り着く。」

ルークス
「ど、どんな結論?」

リー
「天空都市は、1000年前の隕石によって終焉を迎えた。そして、天空人はディンマルグへ堕ち、それと同時にゲートと魔物がこの地上に現れた。」

コウ
「天空人と魔物、別の存在と思われていたものが、同時にこの地上に現れたのよ。」

ルークス
「え…ええ!?まさか天空人が魔物になったとでも…。」

リー
「あくまで可能性に過ぎない。ただ情報がないため他に推測しようもない。」

ジェノ
「突拍子もない考え方かもしれないが、俺には赤の魔人が言っていた『天空へ…』という言葉が気になる。」

ミラナ
「あの魔人さん、嘘はついていないように見えたわ。」

イフリート
「赤の魔人様は気紛れなお方だけど、嘘はつかないよ。」

剣を肩に担いだ男が声を掛けてきた。

イフリート
「話しながら来るなんて余裕だね。」

その男は体に炎を纏い、炎の化身と呼ぶに相応しい姿をしていた。

ジェノ
「今度は自由に動けそうだな。それじゃルークス、おれたちも活躍させてもらおうか。」

ルークス
「はい。あの人強いですね。アーヤ、ミラナさん。援護を頼みます。」

そう言うとふたりの剣士は剣を抜き、走り出した。


4人目 (大地の化身 タイタン)


イフリートの炎が通路を塞ぎ、ルークスとジェノの行方を遮った。

ジェノ
「これじゃああいつに近づけない。」

立ち止まるジェノとルークスの背後から、突然まばゆい光が辺りを照らした。その光は炎を消し去り、イフリートを守るものをなくした。その後、勝敗を決するのは一瞬だった。

ルークス
「ありがとう。アーヤ。」

先ほどの光はアーヤの持つ天空人の光だった。その力が魔物の炎を消し去り、勝利へと導いた。

タイタン
「懐かしい光ね。」

一部始終を見ていた魔物がいた。

タイタン
「水の化身ウンディーネと炎の化身イフリートを倒したんだ。君たち強いね。」

その魔物は小柄な少女の姿をしていた。だが、その手に持つハンマーの大きさが普通の少女でないことを物語っていた。

タイタン
「たぶん、私は勝てないと思う。だからと言って、簡単にここを通すわけにはいかないの。だから、イフリートと戦って疲れている今相手してもらうわよ。」

少女はそう言うと、手に持つハンマーを地面に叩きつけた。城は大きく揺れ、地面には大きな亀裂が走った。ルークスたちがその揺れに足を取られているとき、少女はハンマーを大きく振り上げ襲い掛かってきた。


5人目 (風の化身 ジン)


ハンマーで地面を叩き、ルークスたちの足を止めて戦う少女に対抗できたのは、魔断師であるコウとリーだけだった。

そしてコウとリーが少女と戦っている時、さらにひとりの魔物が姿を現した。

ジン
「そこの娘。先ほど見せたその力、それは・・・まさか・・・噂に聞く天空の力なのか?フッ・・・ハハハハハハ!」

ミラナ
「なにがおかしいの!」

ジン
「いまさら現れたか。天空の力を持つ者よ。だが、もはや誰も止められぬ。もはや我々は天に帰れぬのだ!」

初老は天を仰ぎ見た。

ジェノ
「天に帰れぬ、か。天空とお前たち魔物、どんな関係があるんだ?」

老人は静かにルークスたちを見回した。その瞳は諦めに似た悲しみの色をしていた。

ジン
「話したところで何の解決にもならぬ。お主たちはここで倒れ、我はこの地上を支配する。それ以上でもそれ以下でもない。」

アーヤ
「とても悲しい目。教えてもらえないかしら?1000年の呪縛って何なの・・・?」

ジン
「全ては天空から始まった。1000前にな。」

ジェノ
「それじゃ、さっきのリーの話は確かなのか・・・。」

ジン
「さて1000年前にあったことを知りたいならば、生き残ることじゃな。わしを倒してな・・・。」


6人目 (純血魔族 ロキ)


ジン
「強いな・・・。じゃが我らは役割を果たした。あの方のご息子がお目覚めになられた・・・。」

その言葉と同時にジンの姿は消え去った。そして奥の扉が開いた。

扉をくぐると、そこには圧倒的な魔気を纏う男がいた。その魔気はルークスたちの経験でも出会ったことが無いほどだった。

ジェノ
「この魔気・・・魔人以上か?」

ロキ
「魔人以上?力だけならば、かな。ソリア様は別格だがな。」

ジェノの呟きに応えた。

リー
「魔王はこの先。ここは俺とコウで引き受ける。ルークスたちは先に行け!」

ミラナ
「何を言っているの。協力して先に進みましょう。」

コウ
「お願い、先に行って!この魔物・・・下手に関わるのは危ない。全員で戦うより、私と兄さんだけの方がいいの。」

そう言うとリーとコウは手に巻いた封印を解いた。

リー
「俺たち2人の完全な魔導開放は全てを破壊する。ルークスたちを避けて戦うなんて芸当はできないんだ。わかってくれ!」

スヴェインの地で共に戦った事のあるルークスは理解していた。ここに残るとリーとコウの足手まといになるということを。

ルークス
「うん・・・わかってる。俺たちをここまで辿り着かせてくれた人たちのためにも・・・。魔王を倒すことが必要なんだ!だから・・・俺たちは先に行くよ。」

リー
「それでいい・・・。なぁに、また会えるさ。きっとな!」

ロキ
「通さぬ、と言いたい所だが・・・。魔断師、君たち2人とも十分に強いようだ。」

そう言うとロキは興味なさそうに、警戒しながら走り抜けるルークスたちを眺めていた。

ロキ
「さて、邪魔者はいなくなった。アルティアが言っていた魔断師というのは君たちだろう?」

リー
「アルティアを知っているのか?」

ロキ
「私もアルティアと同様、魔王から生まれたのでね。私も楽しませてくれるんだよね?」

リー
「最後に1つだけ聞きたい。お前が魔王に忠誠を誓うその姿に敬意を表して。」

ロキ
「ほう・・・フッ。よかろう。お前たち兄弟の強さと宿命に敬意を表して。」

リー
「魔王とは・・・いや、魔族とは何者なんだ?」

ロキ
「・・・私の覚えている事はわずか。我らは6人の神と共に天空都市にいた。空から降ってきたのは巨大な隕石だったか・・・。そして地上に。・・・フフ、残念ながらこれ以上は覚えていない。今の私は魔王様のために動くのみ。さぁ、気は済んだか?そろそろ行かせてもらおう!」


最終決戦 ! (魔王 グィンネル)


背後で巨大な爆発音が響き渡る。

アーヤ
「今のは!・・・リーさん、コウさん。お願い無事でいて。」

ジェノ
「彼らを信じよう。今はそれしかできない。そしてもう、俺たちにはそんな余裕もない・・・。」

ミラナ
「ここは・・・。」

ルークス
「辿り着いた、よね。」


そこは魔王の間


魔王グィンネル
「ようこそ、現代の英雄たち。そしてお前がルークス、だな。ソリアから聞いている。」

ルークス
「そうだ!魔王。俺はお前を倒す前に来た!」

魔王グィンネル
「ほう、良い目をしている。さすがはアーガスの息子というところか。」

ルークス
「父さん・・・。」

魔王グィンネル
「アーガスとその一行。たしかに強き者たちであった。それでもなお、この私を滅ぼすにはいたらぬ。アーガスが命と引き換えに行なった中途半端な封印も全て無駄だったな。」


ジェノ
「それは負け惜しみにしか聞こえないな。」

フェンリルソードを抜いたジェノは、アーヤとミラナを庇うように立った。

ミラナ
「そうよ。どんな形にしても15年前、あなたを封印した事には変わりないんだから!」

左手に癒しの薬をたずさえ、癒しの力を発動するミラナ。

アーヤ
「そして今度こそ・・・倒します!私に宿る天空の力で!」

杖を自分の前にかざし、一心に祈るアーヤ。その想いは天空の力となって周囲を包み込む。

魔王グィンネル
「そうか・・・地上に残る最後の天空の力まで宿し、我の元へ辿り着いたか・・・。貴様らは知っているようだな。我を滅ぼすには天空の力が用いるしかないこと。話が早くて助かる。最後に生き残っているか。それだけだな!」

ルークス
「俺たちは絶対に負けない!父さんの仇と、世界を平和にするために、行くぞ、魔王!」


エピローグ (1周目)



ジェノ
「ハァァァァ・・・・ハッ!」

ジェノの光速剣をもってしても魔王グィンネルに傷一つ負わすことは出来なかった。

ジェノ
「ルークス。残念だが、俺の力では奴の攻撃を防ぐぐらいしか役に立てそうにないらしい。」

ミラナ
「そんな。ジェノでも駄目なの?」

回復役に専念していたミラナの表情が曇る。

ジェノ
「これからは俺は奴の攻撃を防ぐ盾になる。

だからルークス、君は守りを考えずに斬りかかってくれ。」

ルークス
「それじゃジェノさんが危険すぎます。」

ジェノはグィンネルから視線を外さずに背後にいるミラナに言葉を投げかけた。

ジェノ
「ミラナ。ちょっと怪我するかもしれないけど、ミラナの薬を信用していいよな。」

アーヤ
「駄目!少しくらいの怪我で済むはずが・・・」

ミラナと共に後方に下がっていたアーヤが引き留めようとするが、その言葉を遮ってミラナが叫んだ。

ミラナ
「うん。任せて。だからジェノは魔王の攻撃だけに集中して!」

ルークス
「何言ってるんだ。そんな危険なことするぐらいなら、アゼルさんやリーさんのところまで一旦引こう。」

話している間もグィンネルから目を離すことは出来なかった。
それだけグィンネルとルークス達の力の差は開いていた。


魔王グィンネル
「相談は終わったか?それとも、もっと時間が必要かな?」

余裕の笑みを浮かべ、ルークスたちを眺めていたグィンネルが間合いを詰めてきた。

ジェノ
「ルークス!迷っている時間はない。行くぞ!」

意気消沈仕掛けていたルークスに声を掛け、ジェノはグィンネルの前に飛び出した。

ミラナ
「ルークス。お願い。あなたの竜の力で魔王を討って!ジェノだけじゃなくて、ここまで導いてくれたみんなのために!」

その声を聞いたルークスは剣を握りなおし、ジェノの後を追いかけた。

ルークス
「そうだ。ここまでこれたのは俺だけの力じゃない。助けてくれた人たちのためにも、立ち止まれないんだ。」


魔王グィンネル
「覚悟を決めたか。守りに徹したところで、私から逃れると思うな!」

グィンネルの攻撃がジェノとルークスを襲う。
だがルークスを狙った攻撃は全てジェノが防いだ。

アーヤ
「私の中にある天空人の想い、天空の力。お願い。力を貸して!」

その言葉に呼応するようにアーヤの中から光が溢れ、グィンネルを照らした。

魔王グィンネル
「何!まだこれだけの力を秘めていたとは。」


眩い光は徐々に広がり、魔王の間を包み込んだ。

魔王グィンネル
「忌々しい光。私を拘束しようというのか。」

ルークス
「負けるわけにはいかないんだ。うぉぉぉぉぉぉ・・・!」

ルークスの大きく振りかぶった剣がグィンネルを捕らえた。


魔王グィンネル
「ぐっ・・・。」

ルークスは手応えを感じていた。

ジェノ
「やったか?」


眩い光が消え、元の薄暗い部屋に戻ったとき、その場に魔王の姿はなかった。

ミラナ
「え?魔王を倒したの?これで平和になるの・・・?」


アーヤ
「いえ・・・、私の中の天空人の想いがまだ終わりじゃないって言ってるわ。」


渾身の力を込めた一撃を放ったルークスは、呼吸を整えながら奥へと進んでいった。

ルークス
「確かに、まだ終わりじゃないみたいだ。」

ルークスの視線の先には、更に奥へと続く扉があった。

アーヤ
「扉の奥に私の中にある光と似た光を感じる・・・」


疲労しているルークスの手を取り、アーヤも扉へと歩き始めた。

アーヤ
「行こうルークス。すべて終わらせるために。」

2人は扉を開け、光の中へ消えていった。

最終決戦 ! (グィンネル 狂気と暴走)


1年前まではディンマルグの王が鎮座していた玉座の間。そこは荒れ果て、人ではない王が座っていた。

アーヤ
「あの人・・・魔王です。」

魔王を見たことのないアーヤが一番先に魔王の存在に気づいた。

アーヤ
「私の中の天空人の想いが、魔王だって教えてくれてる。・・・でも、なんか様子が変。」

魔王グィンネル
「何者だ?・・・4人?ソリア、レクネロス、ガリアンレイス、フェルゼン・・・。お前たちか?」

明かりの無い暗がりの中、魔王はルークスたちの方を見ながら声を掛けてきた。

ルークス
「魔王!」

剣を抜き、構えるルークス。

魔王グィンネル
「魔王?君たちは誰だい?フェルゼンたちはどうしたんだ。」

魔王の視線は一点を見つめることなく、宙を彷徨っていた。

ミラナ
「なんか様子が変ね。こちらを見ていないみたい。」

アーヤ
「私の中の天空人の想いが、あの人を助けてって・・・。」

魔王の意識は錯乱し、現実を幻の区別が付かなくなっているようだった。

魔王グィンネル
「まさかマルドラス!貴様、この天空都市をどうしようというのだ!」

突然、魔王グィンネルの視線がルークスを捕らえた。だが、その瞳はルークスではなく、別の誰かを見ているようだった。

魔王グィンネル
「・・・この世界を消させはしない!」

ジェノ
「来るぞ。あいつが誰と戦おうとしているかは関係ない。俺たちは、魔王を倒してみんなの元へ帰るんだ!」

ミラナ
「そうだよね。ちゃんと帰ろう。」

ルークス
「父さんの仇だから戦うんじゃない。ここまで導いてくれたみんなの為に戦うんだ!」

アーヤ
「私の中の天空人の想いも魔王がいなくなることを望んでいる。みんなの想いを託された私たちだから。・・・だから負けられない!」

魔王との最後の戦いが始まった!


エピローグ (2周目)




アーヤ
「私の中にある天空人の想い、天空の力。お願い。力を貸して!」

その言葉に呼応するようにアーヤの中から光が溢れ、魔王グィンネルを天空の力が包み込む!

ルークス
「目覚めろ!俺の中に眠る竜の力!」

ルークスは、天空の力によって動きを封じられた魔王グィンネルに渾身の一撃を放った!」

魔王グィンネル
「グッ・・・グァァァァァァ。」

グィンネルの断末魔の叫びが魔王の間に響いた。次の瞬間、グィンネルは全ての記憶を取り戻した。

グィンネル
「優しい光だ。私に時間をくれるのか?」
さっきまで魔王グィンネルを拘束していた天空の力が、いまは消え去りそうなグィンネルの魂をディンマルグの地にとどめていた。

グィンネル
「ルークスとアーヤ。君たちに知ってもらいたい話がある。聞いてくれるか?」

先ほどまでとは違うグィンネルがそこにいた。

グィンネル
「すべては1000年前、天空都市から始まった。そこには6人の神と呼ばれる天空人がいてね、その6人はのちに魔王、赤、青、白、黒の魔人と
呼ばれる存在となった。そしてもうひとり、まだ君たちが出会っていない、1000年前の悪夢の元凶となった狂った神がいたんだ。」

ジェノ
「1000年前の悪夢っていうのは、天空都市を襲った
隕石のことか?」

グィンネル
「少しは知っているようだね。そう。その隕石を呼び寄せたのが狂神なのさ。」

ミラナ
「なんでそんなことしたの?天空都市には6人の神以外にも住んでいたのよね?」

グィンネル
「狂神は最初から狂っていたわけじゃない。だが、我々は彼の変貌に気付くことができなかった。そして、隕石を止めることもできなかったんだ。隕石は、多くの天空人と共に天空都市をこのディンマルグの地に・・・。」

ルークス
「そしてゲートが生まれた?」

グィンネル
「そう。ゲートは魔界に繋がっていた。かろうじて生き残った天空人も、狂神と魔界の影響を受け、魔物へと変貌していった。」

アーヤ
「私の中にある天空人の想いは、もしかして隕石と共に肉体を失った人たちの思念ですか?」

グィンネル
「おそらくそうだろう。狂神によって変貌した世界や天空人を憂い、そしてこの世界が元の姿に戻ることを願っている。」

突然、グィンネルを包んでいた光が薄れはじめた。

グィンネル
「もう時間のようだ。生と死。この理は神と呼ばれていた者たちも逆らうことはできない。」

ルークス
「待って。もうひとつ教えてほしい。狂神は隕石と共に消えたってことはないよね?」

グィンネル
「そう。1000年前に大きな傷を負ったが、彼はまだ生きている。」

アーヤ
「狂神はどこにいるの?」

グィンネルは振り返り、ルークスたちの為に道を開けた。

グィンネル
「天空の力と竜の力を持つ勇気ある者たちよ。玉座の奥にある扉から彼の元へ行くがいい。」

仰々しく叫んだグィンネルの声に力は無かった。

そのグィンネルを一瞥し、ルークスとアーヤは扉へと歩き出した。

ミラナ
「消えてしまうんですね。こうして話し合うことができるようになったのに。」

グィンネル
「それが私が受けるべき罰なのだろう。叶うならば、私が消える前に行ってくれないか?」

ジェノは悲しむミラナの手を握り、扉に向かった。

グィンネル
「ノールのフェンリルナイトよ。ひとつ教えてほしい。レクネロスは苦しまずに旅立てたか?」

ジェノは足を止め、振り返らずにグィンネルの問いに答えた。

ジェノ
「あぁ。最後まであんたのことを心配していたよ。」

その言葉を最後に、ジェノとミラナはルークスたちに続いて扉へ消えていった。

その場には、はるか昔、神と呼ばれた男が立っていた。

だがその姿は神と呼ぶには程遠く、今にも消え去りそうだった。

グィンネル
「そうか。すまなかったね。・・・レクネロスいまから君の元へ行くよ・・・。」

その言葉を最後に静寂が王の間に訪れた・・・。


玉座の後ろにあった扉の先には、光が中心に集まっている場所があった。

アーヤ
「この光、私の天空の力に似ているような気がする。」

ミラナ
「この先に本当の敵が待っているのね。」

ルークス
「行こう。最後の決着をつけに!」


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最終更新:2011年03月05日 16:11
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