ミッション№ |
名前 | 特殊条件 | 人数 | 戦利品 |
中級 №A0026 |
06 / 12 / 08 ~ 07 / 03 / 31 08 / 06 / 11 ~ 08 / 07 / 31 シャルク外伝1 |
リーダーカードは シャルクのみ |
6人 | エメラルドの原石 (14ポイント) |
プロローグ |
シャルク 「私は父さんと母さんの仇を討ち、そしてこの世の混乱を治めてみせるわ。見守っていて、父さん、母さん・・・」 15年前の魔王復活。人々と魔物の戦い、その戦火は世界中に広がった。その大戦は、アーガス率いる10人の英雄により治まったのだが・・・シャルクは黒く巨大な魔物により両親を失ってしまった。 両親の仇を討つべく、強く美しく成長したシャルク。だがその表情に笑顔はない。両親の仇を討つまで、彼女の時計は止まったままなのかもしれない・・・。 そんなシャルクが戦いの日々の中で出会ったルークスとアーヤたち。少年たちの一途な想いに惹かれるように、共に旅を続けるシャルク。 一行は、魔導大国ディンマルグに足を踏み入れた。この地でシャルクの運命が急速に回り始めることは、まだ誰も知らない・・・ |
危険度 - - - - EC0179 ワイバーン 500 / 150 / 150 3/3/3/3/3 敵サポカ 土Lv1 |
魔導大国ディンマルグ北部、コスタという村に立ち寄ったルークス、アーヤ、グレン、そしてシャルク。滞在2日目の夜、コスタ村に魔物の群れが襲い掛かかる。 ルークス 「これ以上この国で暴れさせるものか!」 シャルク 「けっこうな数だけど、個体としては強くないみたい。ルークス、グレン、一気に片をつけましょう」 |
危険度 - - - - EC0265 黒の魔人 その影 800 / 190 / 190 5/5/5/5/5 敵サポカ 火Lv2×2 風Lv2×1 |
襲ってきた魔物のほとんどを倒した次の瞬間、そいつは突如現れた。シャルクたちの眼前の空間が歪み、空間を割るようにして現れた黒く巨大な影。その巨大さ、人間のゆうに2倍以上であろう。 黒の魔人 「ほう、なかなかやるな人間たちよ。我は黒の魔人。我自ら貴様らの相手をしてやろう。我の目に映るもの全てを破壊してくれよう・・・」 ルークス 「え・・・!?黒の魔人!」 アーヤ 「まさか、4魔人の1人なの?」 グレン 「いや、これは本体ではないな。魔人の影か。それでもさっきの雑魚たちとは魔力の桁が違うようだがな」 眼前の強敵に対し、慎重に構えを取る3人。その瞬間、3人の背後からシャルクの叫びが響く。 シャルク 「あ、あ、あ!イヤーー!!!お・・・おまえは、おまえは!」 常に冷静なシャルクがその気持ちを抑えきれずに、剣を抜いて飛び掛かる! シャルク 「我が両親が仇!ここで・・ここで会おうとは!」 美しいまでの剣光が魔人の影に襲い掛かる。それは凄まじい一撃だった。魔人の影という存在が一瞬圧倒されたように。 黒の魔人 「ほう!凄まじき一撃。そしてこの魔力の質・・・もしや貴様は・・・」 |
危険度 - - - - EC0096 死神・・・・? 1650 / 278 / 265 6/3/4/4/18 敵サポカ なし |
魔人の影を討ち滅ぼした4人。 黒の魔人 「なるほど、強いものだな。しかし所詮我は影。我を滅ぼしたところで本体には何の影響もない。そして思い出したぞ、シャルクとやら。貴様の母はたいそう美しかったな。そうか、敵討ちとして我を追って来たか!なんとも楽しみな事よ!ならばノールとディンマルグの国境付近にある古城に向かってみよ・・・そして我の元に辿り着けるならば相手してやろう。辿り着ければ、だがな。ハーッハッハッハ!」 そう言い残し、消え去る魔人の影。 ルークス 「シャルク、まさかこの黒の魔人が・・・」 グレン 「ヤツがお前の両親の仇なのか?」 シャルク 「・・・みんな、勝手を言ってごめんなさい。あの影が残した言葉、信じてみたい。私を・・・その古城に向かわせて。1人で十分。みんなは先にディンマルグの首都を目指して」 アーヤ 「大丈夫かしら・・・ワナだったら・・・」 シャルクはややうつむき、かすかに震えながら答える。 シャルク 「黒の魔人、ヤツの胸元に埋め込まれた人型の彫像が見えた?あれは・・・私の母をかたどった彫像・・・幼い頃の記憶とあの魔人が重なるの・・・ワナかもしれない。それでも私は行かなければいけない」 息を呑む一同。動き出したシャルクの宿命。明くる朝、旅立つシャルクを見送るルークスたち。 グレン 「シャルク・・・お前の気持ちは痛いほど分かる。復讐など何も生まない。しかし、走り続けなければならない想いもある。止める気もないし止められないだろう。だが、決して無茶だけはするなよ・・・」 シャルク 「ありがとう、グレン。あなたも、ね」 シャルクはルークスたち一行と別行動で、魔人の影が言い残した古城へと向かうのだった。深い森の中、目指す古城まであとわずか。目指す古城には、自分にとって大きな運命が待ち受けている、そう確信するシャルク。なぜそう思えたのか?その理由は彼女の奥底に眠る力。その力は黒き力。シャルクが必死に抑えてきた彼女の力が訴える。その城には何かがある、と。突如暗闇から美しい声が響く。 謎の声 「シャルク・・・あなたこの先には行かないほうがいいわ」 そして前方から小さな魔物が現れた。 |
危険度 - - - - EC0260 マーシュ 再臨 2250 / 275 / 275 8/15/17/10/7 敵サポカ 凍Lv3×1 嵐Lv3×1 土Lv2×1 土Lv3×1 機Lv2×1 機Lv3×1 |
古城に辿り着いたシャルク。その入り口で、先ほどの声の主が姿を現した。さきほど退治した死神・・・?は、フルフルと震えながら主人であろうこの声の主の下へ逃げ帰った。 マーシュ 「来ちゃったか。人の忠告はちゃんと聞いた方がいいときもあるわ」 シャルク 「その魔気、魔物のようね」 マーシュ 「そう。私の名前はマーシュ」 知る人が見れば驚いたかもしれない。常に気まぐれ、笑顔を絶やさぬマーシュが今回に限り深刻な表情と口調でシャルクに話しかける。 マーシュ 「両親の仇、どうしてもとりたいの?」 シャルク 「なぜその事を・・・?」 剣の柄に手をかけ、臨戦態勢をとりながら静かな口調で答えるシャルク。しかし、シャルクはマーシュの瞳の中に悲しげな色が満ちている事を感じていた。 マーシュ 「私も意地悪な事聞いてるわね。わかってる、何があってもあなたはこの古城の奥に向かうわよね」 シャルク 「私のこと、色々と知っているようね・・・」 マーシュ 「あなたは私を見て、魔物の気、魔気という言葉をつかったわね。あなたは気付いている?その魔気が・・・」 シャルク 「気付いているわ・・・魔気が私の奥底にも宿っている事を」 その言葉を聴いたマーシュの瞳、より一層悲しみの色を深めたのは錯覚であろうか。 マーシュ 「そか。そだよね。全ての覚悟は決めてあるのよね。あなたは・・・強く成長したわ。できれば普通の暮らしをしていてほしかった」 しばし見つめ合うシャルクとマーシュ。シャルクの瞳に宿る決意とマーシュの瞳に宿る悲しみ、言葉はなくとも確かに2人の想いは交錯した。 シャルク 「マーシュ・・・さん。そこを通してもらえますか?」 やや穏やかな口調のシャルク。 マーシュ 「あなたの覚悟はわかったわ。ここを通りたければせめて私を退ける力を見せて。じゃないと、この先で生き残れないから・・・」 ゆっくりと、愛用の巨大なカマをかまえるマーシュ。美しき剣士シャルクと美しき魔天使マーシュ。月明かりが見届ける2人の戦い、まさに究極の美。 |
危険度 - - - - EC0023 吸血鬼 フェルゼン 1300 / 200 / 200 5/3/8/2/10 敵サポカ 機Lv3×3 |
マーシュは本当に強かった。だからこそシャルクは今まで必死に抑えていた力を解き放つ。それは黒き力! マーシュ 「本当、強いわ。今回は私の負けでいいわ」 ちょっとおどけた口調で、マーシュはシャルクに巨大なカマを見せる。その柄は、シャルクの一撃で2つに折られていた。 シャルク 「私の中に秘められた魔の力・・・」 勝利を喜ぶことなく、自らの力に動揺を隠せないシャルク。 マーシュ 「知らないほうが幸せな事もあるけどね・・・。シャルク、あなたのお父さんの名前は・・・フェルゼンよね?」 シャルク 「・・・・そうよ」 マーシュ 「奥に行きなさい。そして・・・フェルゼン様に会ってきなさい」 そう言い残し、姿を消すマーシュ。マーシュの言葉の意味、一瞬シャルクは理解ができなかった。 シャルク 「え・・・?父さんが・・・生きて!?」 そして古城の奥に、これも美しい人影が立ちはだかった。 フェルゼン 「そう・・・シャルクよ、お前の父は死んではいない・・・」 シャルク 「誰・・・?」 フェルゼン 「その問い、答えた方がよいか?」 シャルクの問いは、掻き消えそうなほど小さな声だった。返事などもらう必要などなかった。一目見た瞬間、記憶に眠る我が父フェルゼンの面影と魔気、それが目の前に現れた男に酷似する! シャルク 「と・・・父さん・・・お父さん。ああ、記憶がよみがえる・・・どうして!?」 次の瞬間、フェルゼンの刃のごとき爪がシャルクの眼前に振り下ろされる!間一髪、シャルクの前髪のみを切り裂くフェルゼンの手刀。 フェルゼン 「言葉はいらぬ・・・私を倒せ、我が娘よ」 |
危険度 - - - - EC0053 魔貴族 フェルゼン 2000 / 330 / 260 10/10/10/10/10 敵サポカ 火Lv1×2 風Lv3 強Lv3 |
シャルク 「父さん・・・どうして?」 フェルゼン 「母の、シセの仇をとりたいのだろう?ならば・・・私を討つべきだ・・・シャルクよ」 シャルクの心に直接伝わる想い。フェルゼン、この魔物はあまりに深く、黒い悲しみに支配されている。シャルクは感じる。この魔貴族は人間の敵にまわるような男ではないはず。泣き出しそうな表情でフェルゼンに問いかける。 シャルク 「父さん、どうして?どうして斬りあわなければいけないの・・・?」 今の彼女は、レディナイトと呼ばれる強く冷静な彼女ではなかった。そこにいるのは1人の娘としてのシャルク。フェルゼンを父だと理解しているからこそ、本当は抱きしめて欲しい・・・1度でいい、父のぬくもりを感じたいと願う少女シャルクがそこにいたのだ。 フェルゼン 「・・・もう20年前になるか、黒の魔人として君臨していた私は・・・1人の女性と、シャルクよ、お前の母と恋に落ちた。」 フェルゼンは攻撃の手を止め、ゆっくりと話し出す。 フェルゼン 「魔界において、人間との恋など許されぬ。それは魔人であろうと例外ではない。魔王様の逆鱗にふれた私には、数々の刺客が差し向けられた」 シャルクはフェルゼンの静かな声に耳を傾けた。 フェルゼン 「魔界の掟は絶対だ・・・とはいえ、私も魔人と呼ばれていたもの。当時の私に勝てる魔物など限られている・・・だから狙われたのだ、私の大切な家族を人質としてな」 シャルク 「私と母さんが・・・」 透き通るようなフェルゼンの声がさらにこだまする。 フェルゼン 「刺客を退けながら生きる日々。しかしアラグレスという魔物にシセを人質としてとられた。反撃しようものならばシセを殺す、とな。私は何も出来なかった・・・。そしてアラグレスの攻撃が私にトドメを刺そうとした瞬間・・・シセは自らの命を絶つことで・・・」 フェルゼンの悲しみはシャルクの胸に直接響いてくるかのようだった。 フェルゼン 「シセを失った私は、そう、壊れたのだよ。もはや前には進めぬ。強く美しい我が娘よ。私を倒しこの世を平和へと導く力を宿すのだ。お前と・・・私の凍りついた時を動かしてくれ・・・」 血のつながりがシャルクに教えている。この人は私に倒されたがっているのだ・・・と。 |
エピローグ |
シャルクの剣がフェルゼンの胸元に突き刺さる。 フェルゼン 「ここまで力を操れるとは・・・本当に強くなった」 シャルクの剣を体に受け、苦悶の表情を浮かべながらも、フェルゼンはやさしくシャルクを抱きしめた。 シャルク 「お父さん・・・私よりも、もっと・・・もっと辛かったのに。もう、もうこれで終わりにして?父さんが悪いわけじゃない!」 フェルゼンのぬくもりを感じるシャルク。こらえていたものが溢れ出すかのように、シャルクの頬に涙がこぼれ落ちる。あまりにも悲しい親子の再会を、月がやさしく照らしていた。 謎の声 「もうそれくらいでいいだろう?フェルゼン」 シャルク 「だ・・誰!?」 頬を伝う涙をぬぐい、声のする方へと向き直るシャルク。 フェルゼン 「フ、心配をかけたな、古き友よ」 謎の声 「ん・・・いや、こっちこそ親子の対面に水を差してすまないな・・・ここで止めないとヤバそうだったからな。フェルゼン、まだ死ぬ気か?」 フェルゼンに古き友と呼ばれたこの声の主、暗闇の中に立っているため、姿は見えないが、声から男性だということはわかる。 フェルゼン 「赤の魔人ソリアよ・・・本当に世話をかけ続けているな。フフ、シャルクが、我が娘が私の止まっていた心を動かしたかもしれぬ・・・」 ソリア 「お、そいつは何よりだ。じゃないとあの時命を救ったかいがない」 ソリアは少しだけ嬉しそうに答えた。 シャルク 「命を・・・?」 フェルゼン 「そう、ソリアはアラグレスの攻撃から私とシャルクを救ってくれたのだ。シャルク、両親が殺されたと錯覚したのは、複雑な運命から解き放つ意味を込めて、ソリアが少しだけ、お前の記憶を変えていたのだよ」 ソリア 「まぁ、そんなことはどうでもいいけどな・・・フェルゼンが大丈夫そうだから、俺はそろそろ帰るぜ。じゃあね、美しいお嬢さん」 次の瞬間、赤の魔人ソリアと呼ばれた男の気配は完全に消えた。シャルクに向けられた最後の言葉、それはとてもやさしい響きをひめていた。 フェルゼン 「シャルクよ・・・父として何もしてやれなかった事、すまなく思う・・・シセの仇を討つため、この世に平和をもたらすために教えよう。黒の魔人アラグレスの事を」 シャルク外伝2に続く |