ストーリーモードに書かれているストーリーをまとめたページです。

ネタバレ含みますので、純粋に攻略を愉しみたい人は見ないほうがいいです。




7限目

プロローグ

アビロン本戦──アビリティ・アスロン全国大会本戦。
湾岸学園都市ほか各地方の特別指定都市や
厳しい地方予選を勝ち抜いてきたアビリティストたちにとって、
まさに年に一度だけ開催される晴れ舞台だ。
一年生代表組は、誰もが初出場。
期待に胸踊らせる娘や不安や緊張している娘たち、様々な娘たちが集う。
そんな中、美春たちを待ち受けるものとは!?
涼風 美春
「柚木ぃ。私たち、どこの学校と戦うのかなあ。
すっごく楽しみっ」
神名 柚木
「わたしは緊張してきたわ。
そうそう一紗、対戦表を見せてもらえる?」
新垣 一紗
「はい。グループリーグの対戦校は、
秋田、京都、沖縄とあたるみたい」
孫 美陽
「京都は昨年のベスト4。強豪あるネっ」
柳本 ひなの
「ええっ!? そーなんですかあっ」
久慈 天音
「それは、心してかからねばなりませんね…」
俵 真悠子
「今のうちに勝っちゃえば、決勝トーナメントが有利じゃんっ」
紫苑路 弥生
「そうかもしれんのぅ、ほほっ…。いよいよじゃな、美春」
美春
「弥生さんっ。応援に来てくれたんだっ」
弥生
(おく)してはいまいかと気をもんだが、
杞憂(きゆう)じゃったかの」
弥生
「さて、おぬしらの初戦は沖縄。
愛海浜(なるみはま)学園じゃな」
柚木
「愛海浜…どれほど強いのかしら?」
弥生
「美春や柚木たちと同じく、初出場じゃて」
ひなの
「なんだかっ、親近感みだいなものを感じるさねっ」
真悠子
「お互いにハンデ無しかあ。これってラッキーだよねっ」
弥生
「ふむ。ところで、チームバトルのルールは把握しておるな?」
天音
「ソロで2試合、デュオで1試合、
トリオでバトルロイヤルを1試合……」
一紗
「それぞれのバトルで得た点数の合計で、
勝敗を決めるんですよね」
美陽
「1試合につき、バトルは2回ずつアルっ!」
弥生
「ほっほっほっ、大丈夫そうじゃな。
それじゃ、行くとするかのぅ」
美春たち
「お────っ!」
運命の女神は、美春たちに微笑むのか…!?



1人目 紫苑路弥生【7限目】

【Chapter1 紫苑路 弥生】

全国から押し寄せた観客で、会場はごった返していた。
まるで、お祭りさわぎのようである。

場内アナウンスが、選手たちの最終エントリーを急かしていた。

紫苑路 弥生の前に、湾岸学園都市を代表する面々が集結する。
涼風 美春、神名 柚木、新垣 一紗、孫 美陽、柳本 ひなの、久慈 天音、俵 真悠子の7人だ。

紫苑路 弥生
「皆、エントリーを済ませてきたかのぅ?」

涼風 美春
「ちゃんと腕に、ゼッケンをプリントしてもらったよー」

美春が腕を突きだしてゼッケンの存在を意識すると、学校名とゼッケンナンバーが日焼けのように浮かび上がってきた。

弥生
「ほほっ、よいよい。ではな、万全の態勢で試合へ臨むには、準備運動が必要じゃ」

神名 柚木
「そうね。ここぞ、と言う場面でケガをしたら悔やみきれないもの」

柳本 ひなの
「それじゃあみんなしてぇ、準備体操するさね!」

弥生
「せっかくじゃから、わしの胸を貸してやるぞい。ささ、遠慮なくかかってくるがよいぞ」

俵 真悠子
「えええーっ、試合前にくたびれちゃうよおー」

弥生
「なあに、少々動き回って、へたばったぐらいの方が、ちょうど良いのじゃ。それ、何を遠慮しておる? さすれば、こちらから容赦せずにいくぞいっ♪」

孫 美陽
「よし、受けて立つアルっ!」

新垣 一紗
「私もがんばろっと。美春と柚木もファイトだよ!」

美春
「うんっ」

柚木
「ふたりとも、あまり無茶してはダメよ?」

久慈 天音
「どうぞ、お手柔らかに願います…」

弥生
「さて、わしの体に触れられるかな…?」

弥生が手を天にかざすと、地面がビリビリとふるえはじめた。



2人目 洲鎌蛍

【Chapter2 洲鎌 蛍(すがま ほたる)】

グループリーグの対決は、1対1で2連戦を戦うソロが2組、2対2で行うデュオ(タッグマッチ)が1組、3vs3が一斉に戦うトリオ(バトルロイヤル)1組で構成されている。
各試合で獲得した得点の合計により、勝敗を決する仕組みだ。

それぞれの試合が同時にできるように、会場内にはいくつものステージが用意されていた。
そしてどの会場の応援席でも、観客がひしめきあっている。

孫 美陽
「ワタシとソロで戦うのは、あの子ネ…」

ショートカットのクセっ毛が特徴的な少女だった。
美陽の歩みに合わせるように彼女もステージに上がると、あたりは声援に包まれた。

審判が、お互いの学園と名前、そして……それぞれの通り名を叫んで締めくくる。

美陽
「ワタシは〈龍脈気功〉という二つ名で通っていたのネ。相手は〈浜辺の尻尾〉……」

目の前に立ちはだかる少女は、武器を持っていなかった。

洲鎌 蛍(すがま ほたる)
「ワタシがすーぐに、捕まえてあげるさあー」

美陽
「そうはいかないネ。だったらアタシが、アナタのことを捕まえてあげるヨ」

審判が美陽と蛍の腕に記されたゼッケンを確認すると、ふたりをステージの中央で引き離した。
距離にして5メートルぐらい。アビロンにおいては、いきなり何が飛び出すか分からないからだ。

「構え」の号令を審判がくだし、いよいよ「バトル開始!」だ。


「ふふふ~。逃げられるワケないさあっ」

彼女の足下から黄金色の砂が沸き立つと、あたり一帯が瞬く間に砂地へと変化した。
まるで会場が、砂漠のまっただ中にある様な気がしてくる。

美陽
(これは、空間系のアビリティ……足が砂地に沈んでいくアル!?)

蛍を中心に、巨大な流砂の渦ができあがっていた。
徐々に美陽の体を飲み込んでいく。

美陽
「〈浜辺の尻尾〉というのは、砂の上に広がった〈渦巻き〉のことアルか」

美陽は立ち止まることなく動き続け、蛍へ攻撃を仕掛ける間合いを計ることにした。



3人目 諸見里由奈

【Chapter3 諸見里 由奈】

俵 真悠子
「あたしの相手は、誰かなぁーっと」

真悠子と1対1で勝負するアビリティストは、短い髪を三つ編みにしていた。
手には古めかしい手帳のようなものを握っていて、ライトの付いたヘルメットまで提げている。

お互いがステージの中央へ立つと、審判のマイクパフォーマンスがうなりを上げた。
対戦相手の名は、諸見里 由奈(もろみさと ゆな)。

由奈
「アビロン本戦だって言うから、どんなスゴイ子が相手かと思ったけど」

彼女はふるい書物を脇にはさむと、腕を組んでこちらを見すえてきた。
試合の様子を全国ネットで放映するカメラが、ふたりの動向をとらえている。

真悠子
「へへーんっ、今日は手加減なしでいくからっ。覚悟しておいた方がいいぞー」

由奈
「じょーとーよぉ、私には指一本、触れられないと思うけどさあっ」
(いいよっ、私には指一本、触れられないと思うけどさっ)

真悠子
「そんなの、やってみないと分からないじゃん?」

由奈
「じょーい、無理さっ」

こちらに向かって人差し指を立てると、左右に振り回した。

真悠子
「今なんて言ったの?」

由奈
「ぜぇえええったい、無理だねって、言ったのさあっ」

真悠子
「それじゃあ、指一本ふれずに倒してあげるよっ」

真悠子の挑発に、会場からの声援が一気に沸き上がった。

由奈
「どんな手を使ってくるのか、楽しみ」

真悠子
「絶対に勝つ、やるぞおっ!」

お互いに火花を散らしたところで、審判が割り込んできた。
両者の間隔が大きく広げられ、いよいよ戦闘開始である。

真悠子
「キミ、ちゃんと泳げる?」

地面から噴き上がった水柱に、真悠子が包み込まれた。
ステージの至るところから波が盛り上がって、みるうちに水没した。

由奈
「あいっ!? そうきたかぁ……面白いやっさーっ」

由奈が古文書を開いて何かをつぶやくと、不思議な石版が現れた。
それが光り輝くと、彼女を避けるように水が寄りつかないようになってしまった。
まるで、大きな泡の中に入り込んでいるように見える。

真悠子
「そういうコトなら、場外まで押し流しちゃうぞお」

2人の間で、壮絶な力比べが始まろうとしていた。



4人目 知花愛

【Chapter4 知花 愛】

タッグマッチのステージに上がったのは、久慈 天音だった。

天音
「ひなの さん、行って参ります」

柳本 ひなの
「無理はいげねぇから。マズがったら、すーぐ呼ぶんだよおっ、交代すっがらあっ」

天音
「はい、ありがとうございます。がんばります」

対戦相手は、大きなワイングラスにフルーツをてんこ盛りにしてたたずんでいた。
審判の紹介によると、彼女の名前は知花 愛(ちはな あい)という。


「手加減、よろしくおねがいしますねっ」

天音
「…はい。こちらこそ、よろしくお願いします」

ステージの外に控えている、もうひとりのアビリティストを確認する。
大月 灯香里(おおつき ひかり)という少女の格好は、明らかに好戦的だ。
なにせ、海賊船の船長のような容姿なのだから。

そしていよいよ、バトル開始。

天音
(両手でかかえられたフルーツ…うかつに手を出さない方が良いのでしょうか)

相手の出方をうかがう天音を前に、愛が先手を打ってきた。


「じっとしてるなら、遠慮なく行くからねっ」

愛がフルーツを手にすると、それが一瞬にしてワイングラスへと変化した。
ちゃんと、フルーツの果汁で一杯に満たされている。


「いただきまーすっ」

中身を一息に飲み干した彼女は、異なるジュースをグラスに生み出した。


「あなたも、おひとついかが?」

彼女は天音に向かって、ジュース入りのワイングラスをポーンと放り投げた。

天音
「──くっ」

とっさに発した天音のカタストロフィーが、ワイングラスを粉々に打ち砕いた。


「びっくりしたあっ。もお、せっかく力持ちになるジュースを分けてあげたのにっ」

天音
「これ以上、ジュースを召し上がらせるわけにはいかないようですね」

当てつけた愛の微笑みに、天音は戦りつを覚えた。
まだ戦いは、始まったばかりである。



5人目 大月灯香里

【Chapter5 大月 灯香里】

久慈 天音(くじ あまね)
「これで、降参してくださいませんか?」

知花 愛(ちはな あい)
「あがっ! フルーツが無くなったー…灯香里っ、交代してっ!」

彼女がそう叫んだ瞬間、曲刀を振りかざした海賊娘がステージに現れた。
愛のパートナーである大月 灯香里(おおつき ひかり)だ。

灯香里
「いよいよ、ボクの出番がきたかあ。腕が鳴るぜぃ」

パイレーツハットを指先で回しながら、天音へと近づいてくる。
愛はと言えば、ステージの外へと降りてしまっていた。

久慈 天音
(まともに相手をしたら、勝ち目はありませんね…)

天音は灯香里との距離を保ちながら、曲刀めがけてカタストロフィーを放った。
まばゆい光の帯が曲刀を貫いて、粉々に打ち砕いてしまう。

灯香里
「残念だけど、“得物”はいくらでも呼び出せるんだなー」

彼女が手を打ち合わせると、背中に新たな曲刀が生み出された。
それを抜きはなった灯香里の瞳が、キラリと輝く。

灯香里
「降参するなら今のうちだぞー」

すると、ステージの外から柳本 ひなの の声が響いた。

ひなの
「ほらあっ、無理しないで、わたすとタッチすさね!」

天音
「では、私たちも…選手交代です」

天音は駆けつけた ひなの と交代して、ステージを降りた。

ひなの
「さあっ、わたすが相手になるさね! 覚悟するさねっ!」

灯香里
「誰だってぇ、結果は同じだあっ」

彼女の振り下ろした曲刀を、ひなの はアンチアビリティの力で受け止めた。

ひなの
「これぐれぇのアビリティなんて、ぜんぜん通じないさねっ!」

灯香里
「ぬうーっ? ならば奥の手さあっ!」

彼女の繰り出す奥の手とは、果たしてどのようなものなのか?



6人目 照谷青空

【Chapter6 照谷 青空】

アビロン本戦において、ひときわ大きなステージで行われるのがバトルロイヤルだ。
敵味方それぞれトリオのアビリティストが、一斉に戦いを繰り広げるのである。

新垣 一紗
「いよいよ本番だねっ…うわあ、どうしよう。ドキドキしてきた」

涼風 美春
「沖縄の人たちって、どんな遊び方するのかなあっ…なんだか、ワクワクして来ちゃった!」

神名 柚木
「もおっ、美春ったらあっ。無茶だけはホンットに、ダメなんだからねっ!?」

美春
「うん。みんなで助け合えば、きっと勝てるよー」

一紗
「そうだよね。林間学校で勉強したこと、思い出してやってみようっ」

柚木
「あたしが、相手の出方を予測するわ」

美春
「私がみんなのことを守れば良いんだねっ」

一紗
「わたしはリボンで、精いっぱい攻撃するわっ」

美春、柚木、一紗は、互いに手を取り合った。

美春
「いくよっ!」

柚木と一紗
「おーっ!!」

彼女たちの結束は今、揺るぎないものとなった。

大手を振って現れた審判のパフォーマンスに、会場の盛り上がりは最高潮に達した。
6人のアビリティストが一堂に会し、アビリティ・アスロンの華であるバトルロイヤルが幕を開く。

──バトル、開始。

相手の構成は、船のオールを武器とするリーダー格の喜屋武 加奈美(きゃん かなみ)。
琉球巫女の、上原 柊花(うえはら しゅうか)。

そして、一紗が標的に選んだ、照谷 青空(てるや そら)だ。
彼女の手にしている武器は、一本の雨がさである。

一紗
「わたしの七色リボンで、可愛くしてあげる!」

ふわりと姿を現したリボンが、青空めがけてゆるやかな弧を描いた。
しかし、そのことごとくを雨傘でなぎ払った彼女は、こう叫んだ。

青空
「雨よ、降れぇー!!」

にわかに天候が崩れたのは、単なる偶然ではなかったのだ。



最終決戦! 上原柊花

【Chapter7 上原 柊花】

照谷 青空(てるたに そら)の呼んだ低い雲は、ステージに激しい豪雨をもたらしていた。

新垣 一紗
「すごい雨っ…相手がぜんぜん見えなくなっちゃったっ」

腕を前に突きだすと、降りしきる雨のせいで手先が霞んでしまうほどなのだ。
視界は、銀色のカーテンと化した雨にさえぎられている。

神名 柚木
「一紗っ、こっちに来て!」

シャラン…と、小鈴が鳴り響いた後。
一紗の背後から、琉球巫女である上原 柊花(うえはら しゅうか)が姿を現した。

一紗
「うわっ、ぜんぜん気づかなかったぁ」

柊花
「黒髪の子…勘が鋭いのね。残念」

美春
「大丈夫!? 一紗っ」

一紗
「うん、平気だよ」

柚木
「柊花って人は、あたしが相手になるわっ。美春と一紗は、あたしの合図で他のふたりをお願いするわ」

美春
「さっすが柚木。一紗と2人で、他の2人を近づけないようにするねっ」

柊花
(柚木と呼ばれた子が、司令塔の役割を果たしているのね。狙うならまずはその子から…)

鈴の音が響くと、柚木の目の前に柊花が現れた。

柊花
「あなたには未来が、どこまで見えているのかしら?」

柚木
「共に過ごす時間が長いほど、より正確な予測が可能になるわね」

柊花
「それじゃあ急いで、決着を付けなければいけませんねえ」

柚木
「美春と一紗には、指一本たりとも…触れさせたりしないわ」

柊花
「私の振るう鈴の音、どこまで追えるかしら?」

柊花は柚木のアビリティを、鋭い洞察力によるものだと判断したようだ。

しかし、柚木の〈高精度予測〉は、そんな生やさしいものではない。
過去と未来が、映像としてハッキリと見えるのだから。
彼女に武術の心得があったなら、鬼に金棒だったに違いない。

柚木
「わたしと、勝負ね」

美春と一紗を守るために。
柚木は初めて、自ら戦いを挑むのだった。



エピローグ (1周目)




最終決戦! 喜屋武加奈美

【Chapter8 喜屋武 加奈美】

再び、照谷 青空(てるや そら)のアビリティによって、激しい雨が降っていた。
激しくたたきつける雨粒によって、あたりは霧が立ちこめたようになっている。

涼風 美春
「今度も柊花(しゅうか)さんが、やってくるのかな?」

額に手を添えて〈高精度予測〉を続ける柚木が、正面を見すえた。

神名 柚木
「琉球古武術の、喜屋武 加奈美(きゃん かなみ)さんだわ」

新垣 一紗
「相手が武器を持つ相手なら、わたしが遠くから狙えば…」

柚木
「─待って」

一紗の意見を、柚木が不意にさえぎった。

美春
「どうしたの、柚木」

柚木
「加奈美さんに続いて、他のふたりも続いて来るみたい、一度に3人を相手に予測するのは、ちょっと難しいわ」

喜屋武 加奈美
「今度は純粋に、実力で勝負よ、さあ、受けてごらんなさいっ!」

彼女は身の丈を超えるような船のオール「櫂(カイ)」を、柚木へと突きだした。

柚木
「っ!? 散らばって!」

身を捻って体勢を崩した柚木の横髪を、加奈美の櫂がかすめて通った。

美春
「柚木!?」

美春の視界の端には、傘を振り上げて一紗に襲いかかっている照谷 青空の姿があった。
シャラン、と。小鈴が鳴り響いた。加奈美のさらに後方に、琉球巫女である上原 柊花の微笑む姿を認めた。
それは、体勢を崩しかけている柚木を、明らかに狙っていた。

美春
「危ないっ!」

美春は、時の流れが引き延ばされていくのを感じた。
柚木が美春の方へと振り返えり始めた瞬間、美春は駆けだしていた。

激しく降りしきる銀色のカーテンが、無数の水玉ドロップへと姿を変えていった。
美春の〈絶対領域〉によって、空中にとどまることを余儀なくされた、無数の雨粒。
柔らかな日の光を受けて輝く雨粒の中を、突き進む。
柚木を胸に抱き留めて、そのまま遙か高みへと跳び上がった。

美春
「柚木、大丈夫? ケガしていない?」

一紗と、愛海浜学園のアビリティストが、美春と柚木の姿を仰ぎ見ていた。
逆光になるらしく、皆が額に手をかざしている。

柚木
「──!? 美春。今、いったい……何を……?」

それを理解するのに、柚木は一時の間を要したのだろう。
無数にただよう虹色の雨粒が、とても幻想的で。

美春
「無事でよかったあ。このまま行くからね、柚木!」

美春たちの反撃が、始まろうとしていた。



エピローグ (2周目)






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最終更新:2011年05月07日 17:33