ミッション№ |
名前 | 特殊条件 | 人数 | 戦利品 |
中級 №B0011 |
10 / 08 / 17 ~ 10 / 09 / 15 【1周年】!海が好きっ!! |
特になし | 4人 | 【1周年】二人の夏休み (1ポイント) |
プロローグ |
ロン公国西海岸――。 ジャン「ヒャッホー!! やっぱり夏は海だぜっ!」 夏の強い日差しが降り注がれる中、多くの人で賑わうビーチでジャンの元気な声が響く。 アリシア「久々にもらった夏休みだから、みんなも呼んだのにまだ来てないのかしら…?」 容赦なく照りつける日光を手の指をひろげて遮りながらアリシアは、はしゃぐジャンを横目に仲間を探す。 |
危険度 ★★ LC0009 枢機卿クレール 1200 / 230 / 220 9/21/15/14/3 敵サポカ 水のリングLV1×4 |
既に陽は高く上り気温は高く、砂浜は焼けるように熱い中、クレールがジャン達を探しながら歩いている。 早くも疲れた様子で、まるで満身創痍の砂漠を越えてきた兵士のような姿に近づく人々は、何やらぶつぶつと呟く内容が聞こえてきた瞬間足を止める。 「どこだ…どこだ…どこだ、どこだどこだ…」 ただ一言、その言葉だけを一心に呟き続けるクレール。 スイカ売りの露店の前を通り過ぎようとした際にふと店主の老人を見て聞いてみた。 クレール 「ちょっと聞くけど、私より少し年上の男女2人組を見なかった?」 老人は質問に対して暫く沈黙しながら右手であご髭を触り思い出しているようだったが次の瞬間、左眉をピクリを動かしゆっくりと喋りだした。 老人 「それなら知っておるぞ。さっき客にワシとスイカ割り勝負をして勝てばもう一つサービスと言ったら、余裕という顔で挑戦を受けた娘がおった。結果は娘の勝ちだったが、代わりにスイカを粉々に砕いてしまったんじゃ。残念ながらおまけする事はできなかったが、その凄い力の娘は同じ歳くらいの男連れじゃった。もしやその二人ではないかの?」 クレール 「間違いない。ジャンとアリシアだ! それでどっちに行ったのか教えてくれない?」 老人 「タダでは教えられんなぁ。どうじゃお嬢さんも一つスイカを買わんかの? サービスでスイカ割りに挑戦して、成功すればもう一つおまけする上に二人の事を教えるというのはどうじゃ?」 老人のセールストークに、クレールは目を輝かせて即答する。 クレール 「いいだろう! スイカ割りの一つや二つ出来なければ枢機卿の名が泣く!」 老人の指示に従い目隠しをしてバットを持ち、その場で10回まわりクレールのスイカ割りが始まった。 |
危険度 ★★ LC0068 枢機卿モニク 1300 / 240 / 230 21/7/12/16/9 敵サポカ 火のリングLV1×1枚 火のリングLV2×1枚 水のリングLV1×1枚 |
海辺のクレールのスイカ割り見物に集まった人々に届くほどの焼そばと焼きトウモロコシの香ばしい匂い。その匂いの元である海の家に入ろうとする一人の枢機卿の姿があった。 ジャンとアリシアを探し疲れて、少々苛立ち気味のモニクだったが、クレールのスイカ割りとは知らずに見物に集まった人集りを見て呟く。 モニク 「タダでさえ暑いのに、いったい何の騷ぎだってんだ? ジャンとアリシアも見つかりゃしないし…休憩だ!休憩!」 古びた海の家に入ると風鈴の音が暑さを微かに和らげてくれる。 壊れて首を降らない旋風機の風が当たる位置に座るとアルバイトと思われる若い男の店員がやって来た。 店員 「いらっしゃいませ! ご注文は?」 モニクが店内に貼られた片手で数えられるほどしかないメニュー札を眺めていると“本日のかき氷マウンテン成功者 ジャン様” という張り紙が目に止まった。 モニク 「ちょっと店員の兄ちゃん!この本日のかき氷マウンテン成功者のジャンって17くらいのバカみたいに元気の良い男?」 店員 「はい、同い年くらいの女性も一緒でしたけど…」 モニク 「ジャンのヤツ見つからないと思ったらこんな所で…」 壁に掛けられたメニュー札を眺めるのを辞めたと思った瞬間、店内に響きわたるような大声でモニクが叫ぶ。 モニク 「ねえねえ! アタシかき氷マウンテン食べたい!」 店員 「かしこまりました。こちらのメニューは15分以内に完食すれば無料ですが、失敗した場合はお代をいただきます。 よろしいですか?」 モニク 「もちろん! アイツなんかに負けられないっつーの!」 しばらくしてモニクの前のテーブルに直径30センチ、高さ30センチほどの山盛りのかき氷が運ばれた。 スプーンをもって軽く舌を出したモニクの後ろで開始の笛が吹かれた。 |
危険度 ★★★ LC0222 帝国の使者アンリ 1400 / 250 / 240 10/25/19/18/19 敵サポカ 火のリングLV1×1枚 水のリングLV2×1枚 機のリングLV1×1枚 |
浜ではモニクのかき氷マウンテン完食を告げる鐘の音が海の家から聞こえて来たのに対し、何事かと振り返るアンリがいた。 一瞬足を止めたが進行方向から聞こえるもう一つの鐘の音に誘われるように歩き続ける。 アンリ 「兄さまとアリシアはどこにいるんだろう? 相変わらず兄さま達には苦労させられちゃうな。」 前方から聞こえてくる鐘の音の正体はラムネ売りの少年が鳴らすものだった。 アンリは焼けるように熱い砂浜を裸足で歩き続けるラムネ売りの少年とすれ違う際に声をかけた。 アンリ 「すみません。ちょっといいですか? 17歳くらいの男女二人組をさがしているんですが見ませんでしたか?」 少年 「もしかして、お姉ちゃんの方は髪が長くて元気がいい? それなら見たよ。お兄ちゃんの方がラムネを買ってくれたんだけどお金が足りなくて、お姉ちゃんが立て替えてくれたんだ。後でお兄ちゃんはお姉ちゃんに謝ってたよ!」 アンリ 「間違いない兄さまだ! その二人組をどこで見たか教えてくれませんか?」 その時、少年の目に海辺で楽しそうに遊ぶ同い年の少年達の姿が止まった。 羨ましそうに見ていたが商売人らしい悪知恵が浮かんだらしく、口元を緩ませラムネの入ったケースを砂浜に降ろした。 そしてアンリの顔を下から覗き込むようにして笑いながら話す。 少年 「そうだね。教えてほしければ、オイラの代わりにお兄ちゃんが30分以内に1ケースラムネを売って来てくれたら教えてあげるよ! やるかい?」 少年の提案にアンリの顔は少々戸惑いの色を隠せないようだったが、溜め息を漏らした後に答える。 アンリ 「分かりました。引き受けましょう」 少年 「このラムネ1ケースを30分以内に売って来てね。 じゃあヨロシクっ!」 首からさげたラムネケースを両手で抱えて、アンリのラムネ売りが始まった。 |
危険度 ★★★ LC0308 【1周年】二人の夏休み 1500 / 260 / 250 24/28/34/27/28 敵サポカ 火のリングLV2×2枚 水のリングLV2×1枚 |
太陽がちょうど真上に差しかかろうとした頃、クレール、モニク、アンリがジャン達に合流した。 合流した三人はどことなく愛想がない様子だが、そんな事にお構いなくジャンが命令でもするかのように威勢よく話す。 ジャン 「よぅ~し! みんな集まったな。」 アンリ 「“集まったな”じゃないでしょう! 兄さま」 クレール 「お前達を探すためにスイカ割りをする事になるなんて思わなかった! あの程度の事は大したことではないが、集合場所くらい教えるべきだぞ!」 モニク 「アタシはクレールが行くって言うから来たってーのに! 集合場所を伝えねえなんてやっぱりジャンのやる事は抜けてやがるぜっ!」 ジャン 「モニク、お前なぁ!」 モニクの一言に噛み付くジャンだったが、事実だけにそれ以上の台詞はグッと呑み込んだ。 しばらく悪い空気が流れるのかと思われたが、ジャンの前にアリシアが飛び込んで来て手を合わせフォローする。 アリシア 「ごめんねみんな! わたしも悪かったの。」 クレール、モニク、アンリの3人は落ち着きを取り戻し、せっかくの夏休みを楽しもうと荷物を置くと海に向かって走りだした。 3人を追うようにアリシアも続き、頭の上にビーチボールを持って提案する。 アリシア 「どうかな? みんな集まったところでビーチバレーしない? チーム分けはジャンケンでどう?」 モニク 「アタシはジャンとはコンビを組みたくねぇな!」 ジャン 「言ってくれるじゃねぇか!望むところだ。」 アンリ 「まあ、まあ2人とも…チーム分けは公平にやりましょう!」 ジャンケンの結果、“ジャン”“アリシア”ペア対“クレール”“モニク”ペアになりアンリが審判をする事になった。 かくして灼熱の太陽が照りつけるビーチで、熱戦が繰り広げられようとしていた。 |
エピローグ |
ビーチで繰り広げられた熱戦は両ペア一歩も譲らずアドバンテージが交互に移動し、気がつけば太陽も水平線の向こうに沈もうとしていた。 ジャン 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…… 。お前ら、いい加減に降参してもいいんだぞ!」 モニク 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…… 。な、何言ってやがる! それはこっちの台詞だっつーの。」 クレール 「もうほとんどボールが見えないぞ!」 アリシア 「もう引き分けでいいんじゃない?」 浜辺は日中多くの人で賑わった事など信じられないくらい、辺りに人はいない。 アンリもこの勝敗のつけ方に頭を悩ませているようだった。 ジャン 「これで最後だ!」 “ジャン”“アリシア”ペアのボールでジャンがサーブを放った瞬間、“ド~~ン”という爆発音と共に紫色の空に大きな花火が上がった。 そして次々に咲き乱れる美しい花火に全員見とれてしまい、勝敗の事など忘れてしまった5人はしばらく夜空の花火を鑑賞した。 ジャン 「夏休みも、もう終わりだな。」 モニク 「だなっ!」 花火をバックにジャンとモニクが握手をするのを見て、クレールとアリシアも互いの顔を見て笑っている。 モニク 「そういえば、ジャン!かき氷マウンテンを完食したお前の記録タイムはアタシが更新しておいたぞ!」 ジャン 「なんだとぉ~!!!」 ジャンとモニクがビーチボールで攻撃し合うのを他の3人が呆れて見ている後ろで、夏休みの終わりを告げるように花火が咲き続けた。 |