ストーリーモードに書かれているストーリーをまとめたページです。

ネタバレ含みますので、純粋に攻略を愉しみたい人は見ないほうがいいです。




4限目

プロローグ

――とある日の放課後。
美春・柚木・琴音・ひばりの4人は、
友達の一紗に呼ばれて、
天之咲(あまのざき)学園へとやってきた。
???
「やっほーっ」
と、美春たちは背後から声をかけられた。
美春
「一紗ぁ、ひさしぶりーっ!」
一紗
「お友達たくさん連れてきたねっ」
弥生
「よろしくのう」
美春と柚木
「や、弥生さんっ!?」
雪奈
「あっ、あのっ、弥生さん……
わたしは何をすればっ」
弥生
「わしと一緒にいれば、安全じゃよ」
雪奈
「ぇえっ!?
ど、どうゆうことですかあっ?」
???
「弥生がどうしてココにいるのかしら?」
目の前に、ひとりの女生徒が姿を現した。
弥生
「久しぶりじゃな、星華(せいか)
遊びに来たぞい」
星華
「帰ってちょうだいっ。
あなたたちは立ち入り禁止なのっ」
美春
「一紗が遊びにおいでって、
招待してくれたんだよー」
星華
「彼女にはこれから、
あたしの仕事を手伝ってもらうのっ」
ふたりの女生徒が現れて、一紗をかついで連れ去ってしまった。
一紗
「きゃあああああーーっ、
美春っ、柚木ぃーーっ」
美春と柚木
「一紗っ!?」
星華
「これで用はなくなったでしょう?
ほら、さっさと帰りなさいっ」
星華の姿は、その場で消えてしまった。
弥生
「すまぬ美春。
わしも一紗を助け出すために力を貸すぞい。
雪奈もおる」
美春
「もしかして……」
琴音
「アビロンであそぶのぉ?」
弥生と星華の間には、果たして何があるのか?
美春たちは一紗と再会を果たすべく、天之咲学園へと突入する。



1人目 深山 安那

【Chapter1 深山 安那】

美春と柚木たちは、校舎ビルの裏手へと回り込んだ。
あたりはアスファルトで舗装されているし、すれ違うのはサラリーマン風の大人たちばかりだ。
端では、コンビニで使われているエアコンのコンプレッサーが、ごうごうと音を立てている。

校舎ビルの1階はガラス張りのエレベーターホールになっていた。ここからはビルの反対側には抜けられないようになっている。

琴音
「うわぁ、上を見てっ、すごくきれいだよぉ」

吹き抜けの天上からは立派なシャンテリアが下がっていた。

ひばり
「うわあ、きれいっ」

広場の奥には、エレベーターがずらりと並んでいた。

弥生
「あやつらの行き先は、おそらく生徒会長室じゃろうて」

柚木
「どうしようか、美春」

美春
「学校の中に入って、生徒会長室の場所を聞いてみよっか?」

ひばり
「それがいいと思うわ」

通学用と表示されたエレベーターにみんなで乗り込むと、ゆっくりと扉が閉じた。

美春
「ひろーい。20~30人は乗れるよね、きっと」

柚木
「ホント……ちょっと、扉を見て」

エレベーターの扉は立派な支柱で囲われ、上部には〈私立・天之咲学園〉と記されていた。

弥生
「どうやら、2階までしか上がれないようじゃな」

体が床に押しつけられるような感覚はほんの数秒で、すぐに今度は宙に舞い上がるような感覚に捕らわれてしまった。

扉が開くと、そこは室内にもかかわらず大地があった。
青々とした木々や花だんが並び、庭園のようになっている。

美春
「なんだか、外にいるみたいだねーっ」

すると、ひとりの女生徒が大あわてで駆けつけてきた。

女生徒
「待ってください。あなたたちを通すわけにはいきませんっ」

弥生
「さっそく、おいでなすったか。おじゃま虫さんが」

琴音
「だあれ、このひとぉ」

安那(あんな)
「風紀委員の深山 安那です。あなたたちは指名手配されました」

美春
「わたしたち、お友達に会いに来たんだよーっ」

安那
「ごめんね。でも今は、おとなしく指示にしたがってください」

弥生
「これは、宣戦布告しかないのっ」

柚木
「ああ、やっぱりそうなっちゃうのねえ」

天之咲学園を舞台にした、壮絶な鬼ごっこが幕を上げる。



2人目 河原井 来夢

【Chapter2 河原井 来夢】

安那(あんな)
「ひょっとして……ツキジョのアビロンフェスタで無類の強さをほこっていたっていう、サクジョのふたり組っ!?」

美春
「柚木とは幼なじみだよーっ」

柚木
「あたしたちがアビロンフェスタに参加していたって、どうして分かったの?」

安那
「お昼の校内放送で、連日にわたって放映されてたもの。これは、大変だわっ」

安那はくるりと背を向けて、室内庭園の奥へと逃げていった。

琴音
「勝ったぁ。ねぇねぇ美春ぅ、先に進もうよお」

すると、庭園内にチャイムが響き渡った。
続いて、安那の声があたりにひびきわたる。

安那
『緊急事態をお知らせします。校舎ビル内に、無許可で侵入した他校の生徒がいます。見つけた生徒は、園内通信で速やかにご連絡ください。なお、侵入者が抵抗する場合には、アビリティの使用を許可します』

柚木
「これって、事が大きくなってきてるんじゃないの?」

琴音
「敵さんがいーっぱいってこと?」

美春
「生徒から見つからないように、こっそり進めばいーんだよっ」

彼女たちのはるか前方に、人影が現れた。

女生徒
「あっ、あそこにいるの、そーじゃない? サクジョの制服着てるし」

雪奈
「み、見つかっちゃいましたあっ」

弥生
「めざすは、生徒会室じゃぞ」

美春
「じゃあ出発ーっ!」

美春と柚木たちは人工庭園を駆け抜けて、次なるエレベーターへと飛び乗った。

地上16階まで上がると、目の前にはカフェテリアが広がっていた。

ひばり
「窓ガラスに、私たちの顔が映し出されてますっ、恥ずかしいっ」

柚木
「ガラス面を、テレビの画面みたいに使えるのねっ」

琴音
「似顔絵の上に、うぉんてっど、って書いてあるぅ」

美春
「あれえ? お店でおやつ食べてる人たちが、みんなこっちみてる感じがするよー?」

美春は、窓際でサンドイッチをパクついていた女生徒と目が合ってしまった。

弥生
「囲まれる前に、さっさと逃げた方がよさそうじゃなっ」

カフェテリアの女生徒が、いっせいに席を立ち始めたっ!



3人目 寺松 紅葉

【Chapter3 寺松 紅葉】

カフェテリアの小さなステージで、ひばりは〈ハッピーシュトラウス〉を演奏した。
すると、演奏に魅了された女生徒たちから、戦意をうばうことに成功する。

ひばり
「みなさん、大丈夫ですかっ」

雪奈
「急いで逃げないと、ほかの生徒が集まってきちゃいますぅ」

柚木
「これは……」

柚木は、床に転がり落ちていた生徒手帳をとりあげた。

柚木
「なるほど。あたしたちの動きは、すでに把握されているみたいね」

美春
「え、どーしてぇ?」

柚木
「天之咲の生徒手帳はケータイと同じで、校内の情報をすぐにチェックできるみたい」

柚木が手にした生徒手帳には、美春たちの現在地が表示されていた。

柚木
「こんな広いところに留まっているのは危険なだけだわ。生徒会長室へ急ぎましょうっ」

手にしていた生徒手帳をテーブルの上に置いた柚木は、カフェテリアの奥にある階段を指さした。

琴音
「さんせいっ……でも、階段なのぉ?」

美春
「一緒に登ろう、琴音ちゃん」

琴音
「うん、わかったぁ」

つづら折りになった階段を駆け上がって、23階まで上りつめた。

弥生
「ふぅむ、まだまだ先は長そうじゃの。美春、これを見てみい」

弥生は、階段の踊り場にある案内掲示板を指さしていた。
掲示板には、校舎ビルの案内図が貼り付けられていた。

ひばり
「空に向かって、商店街が積み重なってるみたい」

柚木
「今いる23階は、天之咲総合ラボのエリアで、実験施設が多いみたい」

雪奈
「ここは、幼稚園から大学院まで全部はいってるんですね」

弥生
「お店、銭湯、病院、運動場、寮に地下鉄と、なんでもござれじゃな」

美春
「生徒会長室って、一番上にあるんだーっ」

柚木
「90階なんて信じられないけど。そこまで一気に上れればいいわねえ」

23階のろう下を注意深く歩いて行くと、第5理科室と掲示された扉がサッと開いた。

???
「学園内を走り回っている子リスちゃんってのは、キミたちだね」

黒いマントを羽織った怪しげな女生徒が立っていた。

弥生
「風変わりな娘じゃの」

紅葉(くれは)
「ちょうどいい。ドクター紅葉の新発明で、一網打尽にしてやろうっ」

琴音
「あやしぃわ、ものすごくっ」

紅葉はマントをはためかせて、美春たちの前におどり出たっ!



4人目 小早川 莉子

【Chapter4 小早川 莉子】

紅葉
「アビロンには負けたが。これで研究は立証されたっ」

美春
「あれれっ、どーして笑っちゃうんだろっ、あはははっ、あははははっ」

柚木
「彼女が使った爆弾のガスの影響みたいねっ……くすっ」

琴音
「くっ、きゃははははっ、なにこれっ、あははははっ、おなか痛いっ」

あたりに警報が鳴り響いて、強い風がろう下を吹き抜けた。

雪奈
「ひぇえっ、今度はなんなんですかぁ?」

紅葉
「単なる空気の入れ換えさ。ところで、キミたちは何の目的があってココにいる?」

琴音
「いっつもプリプリ怒ってるみたいな、生徒会長を追いかけてるのぉ」

紅葉
「プリプリとは面白い。生徒会長室なら、この校舎ビルの最上階にあるが……」

風の吹き抜ける音が静まってくると、複数の足音が近づいてくる気配を感じた。

雪奈
「誰か来ますぅ、逃げなきゃっ」

紅葉
「ワガママ生徒会長が失脚したら、私が生徒会長に立候補しよう。さらばだ」

そう言って紅葉は、理科室へと姿を消した。

柚木
「最上階へ目指して、進みましょう」

追っ手を振り切るようにして新たなエレベーターに飛び乗った一行は、32階の購買フロアで降りることになった。

琴音
「わあっ、お菓子が売ってるっ、向こうにはオモチャもあるよぅ」

瞳をプラチナ色に輝かせた琴音は、売店へと駆けていく。
琴音とすれ違う生徒たちが、皆振り返っていく。

ひばり
「琴音ちゃんを追いかけましょうっ」

柚木
「もお。あたしたちはおたずね者なのにっ」

美春を連れた柚木たちは、琴音の後を追いかけていく。

琴音
「こ、これは一般では売ってないアクセサリーセットぉ!」

???
「いらっしゃーい。どこの小学校からお越しになったのぉ?」

琴音
「あたしが着てる制服、知らないのー? これでも高校生なんだからぁ」

莉子(りこ)
「そー言われてみれば、確かにサクジョかあ。ひょっとして、莉子と同じ1年生か?」

琴音
「1年生だよぉ。10歳だけどっ。年増じゃないモン」

莉子
「と、年増って、アンタ。……ゆーてはならんコトを」

莉子は奥のカウンターからピコピコハンマーを2本取り出した。
そして、それぞれに付いている笛の部分を取りのぞいた。

莉子の振り下ろすピコハンが、うなりを上げた。



5人目 一之瀬 比奈

【Chapter5 一之瀬 比奈】

莉子
「わかった、わかったぁ、こらエラいわ。堪忍してなあ」

戦意を失った莉子は、両手に握ったピコハンを背中に背負い込んだ。

美春
「生徒会長室ってどうやって行くの?」

莉子
「けったいな人たちやなあ。アンタら、何してはるの?」

美春
「遊びに来たら、友達が生徒会長に連れて行かれちゃったんだよー」

そうこうしていると、売店の周りに天之咲の生徒たちが集まり始めていた。

女生徒
「サクジョの侵入者たち発見っ! みんな来てえっ!」

美春
「人だかりになっちゃうよお」

琴音
「あたしたち、有名人ねぇ」

莉子
「ほな、商品を入れるのに使ってる業務用エレベーターがあるから、それで地下5階に降りたらいいわ。
そこから特別なエレベーターに乗れるらしいから。それで上がったらええわ」

美春
「地下5階っ!?」

莉子
「なんでも、病院や大会議とかを結んでるらしいで。行ってごらん」

美春
「ありがとー莉子ちゃん」

雪奈
「で、でも、そんなエレベーターを勝手に使ったらいけないんじゃ……」

莉子
「何をおっしゃいますのんっ。アンタら勝手に、こないな所まで入ってきてるっちゅーねんっ」

莉子は取り上げたピコハンで、ベシッと雪奈の肩にツッコミを入れた。

柚木
「莉子さん、案内してくれる?」

莉子
「ええで。そのかわり、帰りにでも何か買うてってや」

案内されたエレベーターは校舎ビルを一気に下り、地下5階の物資搬入フロアへと降り立った。

琴音
「なんだか油くさいよぉ」

ひばり
「仕事で使う機械が動いているからですよ」

弥生
「どうやら、地下鉄・天之咲学園下駅につながっているようじゃの」

雪奈
「待ってください、誰かいますぅ」

両手に荷物をいっぱい抱えた女生徒が、こちらの様子をうかがっていた。

???
「校舎ビルから反応が消えたと思ったら、こんなところにいたんですねっ」

弥生
「いるところには、いるもんじゃのう」

???
「ごほうびにもらえるケーキバイキングのフリーチケットは私のものよ。さあ勝負っ!」

柚木
「そんな素敵なものがもらえるなんて……だからあたしたちを捕まえようと必死なのねっ」

美春たちは、襲いかかってくる女生徒を迎え撃つ!



6人目 柳木 真琴

【Chapter6 柳木 真琴】

先ほど使った業務用エレベーターから、何人もの女生徒が駆けつけてきた。

女生徒
「比奈ちゃーん、大丈夫っ! こらまてーっ! サクジョのアンタたちーっ!」

比奈
「大丈夫だよーっ! みんな気をつけてぇー」

いま倒したこの子が、比奈ちゃんらしい。

弥生
「友達の援軍が駆けつけてきたようじゃな」

美春
「柚木、はやく行こうっ」

柚木
「そうね」

弥生
「たまには能力を存分に解放してやらんとな」

突如として床がめくれ上がり、幾本もの植物が生い茂っていく。

琴音
「美春と柚木は先に進んでよぉ。あたしたちはここで遊んでるからぁ」

能力を解き放った琴音は、家宝の〈まさむねちゃん〉を宙に躍らせる。

美春
「向こうのエレベーターに乗ってみようよっ」

柚木
「わかったわ。みんな、後をお願いしますっ」

美春と柚木は、新たなエレベーターへと向かった。

エレベーターに乗り込んで、扉を閉めて、行き先ボタンを確認する。
ボタンの並びには、IDカードを差し込めるような口もあるのだけど……。

B6F … 天之咲学園下駅・物資搬入フロア
57F … 校舎ビル制御室
89F … 大会議室
90F … 学院長室,生徒会長室
屋上 … ヘリポート

90階のボタンを押すと、エレベーターがゆっくりと上昇を始めた。

美春
「これで一紗に会えるねっ」

柚木
「こんな簡単に進めるなんて。逆に誘い込まれているような気もするわね」

57階のボタンが光ったところで、エレベーターが停止した。
すると、どこかで見覚えのある女子生徒が乗り込んでくる。


美春
「ああっ!? 一紗を担いでいった人だーっ」

???
「89階へどうぞ」

彼女はそれだけしか、言わなかった。
首からはカギのアクセサリーをさげていて、そこには小さく「Maho」と刻印されていた。

真歩
「こちらへ。柳木真琴さんがお待ちです」

89階で降りたふたりを、待ち受けている女生徒がいた。
器用な手つきで、刺しゅうを編んでいる。
コンサートホールのように広い大会議場には、彼女がひとりだけだった。

真琴
「あたしを倒せたら、90階へ通してあげるっ。つかまえてごらんっ」

柚木
「気をつけて、美春っ。どんな攻撃をするのか見当が付かないわ」

美春
「うんっ」

真琴は刺しゅうをそっといすの上に置いて、美春たちの方へと近づいてくる。



最終決戦! 天草 星華

【Chapter7 天草 星華】

柚木
「真っ正面から来るわっ」

真琴が大きく舞い上がった。

真琴
「今度こそ外さないからっ」

一匹のハチが、風を切って急降下する。

彼女の手にしている槍の切っ先が、美春をとらえた。

美春
「うわぁあっ!?」

迫り来る切っ先に両手をつきだして、美春は両目をギュッと閉じた。

真琴
「これで降参しちゃえっ」

柚木
「美春っ!?」

美春がかざした手のひらから波紋が広がり、槍の切っ先を受け止めた。

美春
「今よ、柚木。つかまえてっ!」

槍を止められて動けなくなった真琴を、柚木はしっかりとつかまえた。

柚木
「これであたしたちの勝ちね」

真琴
「負けたよ。約束通り、生徒会長室まで案内するよ」

エレベーターで90階へ到着すると、真琴がカードを使ってエレベーターの扉を開いた。
生徒会長室の扉に近づくと、ひとりでに扉が開いた。

星華
「ふんっ、なかなかの戦いっぷりね。今までの行動は、すべて見させてもらったわ」

生徒会長室には、校内カメラの映像が無数に浮かんでいた。
その真ん中で、星華が立派ないすに腰を下ろしていた。

一紗(かずさ)
「美春ーっ、お疲れ様ぁーっ」

一紗は星華のとなりの学習机で、ストロベリーパフェを食べていた。

美春
「かずさぁ、なーんだあ、無事でよかったあ」

顔をしかめた柚木が、1歩、2歩と、星華に歩み寄る。

柚木
「どういうコトなのか、説明してください」

星華
「わたしは弥生が嫌いなのっ。アンタたち、そこの新垣一紗と遊びたくて来たんでしょ? だから、あの子と会えなくすれば、弥生も一緒におとなしく帰ると思ったのっ。ココまでやってくるとは思ってなかったのっ。これで分かったでしょ!? 恥ずかしいコト言わせないでよっ!」

一紗
「せ、生徒会長……カワイイっ!」

星華
「いいわ、わたしが相手になってあげるっ。覚悟なさいっ」

美春
「よーし、一紗っ、見ててねっ!」

一紗
「がんばれーっ、美春ーっ!」

星華が胸の前で腕を交差させると、真っ白に光りかがやく羽根が、舞い散りはじめた。



エピローグ (1周目)




最終決戦! 新垣 一紗

【Chapter8 新垣 一紗】

美春たちと距離をおいて着地した真琴は、槍を下ろして片手を上げた。

真琴
「降参ーっ。手も足も出ないわ」

美春
「やったーっ。それじゃあ、一紗のいるところへ案内してくれるんだねーっ」

柚木
「いよいよ、生徒会長とご対面ね」

下の階から上ってきたエレベーターが到着した。
そして扉が開くと、そこにはおなじみの顔ぶれがそろっていた。

不敵な笑みを浮かべてうで組みをする弥生。
半べその雪奈。
〈まさむねちゃん〉を担いだホコリまみれの琴音。
ステージドレスのバトルスーツに身を包んだひばり。

弥生
「これ、寄り道とは感心できんのう」

美春
「みんな、ケガとかしてない?」

琴音
「うん、へーきぃ」

雪奈
「もう帰りたいですぅ」

真琴
「じゃあ、ふたりとも乗って。生徒会長室まで案内するから」

弥生
「ほほっ、どんな面をして待っているのか、楽しみじゃて」

真琴がエレベーターにカードを通すと、自動的に90階へと到着した。
長い廊下を通じて、ひとつ手前が生徒会長室、もっとも奥に位置するのが学園長室だった。
生徒会長室の前にさしかかると、勝手に扉が開いていく。

星華
「くっ……紫苑路、弥生っ」

弥生
「ずいぶんと、ごぶさたじゃったの」

星華
「あたしのコトをみんなで笑いに来たんでしょっ!? 許さないわぁ!」

弥生
「やれやれじゃな・・・・・・」

星華
「うるさーいっ! 指図しないでっ! いいわ、今日ここで決着を付けるんだかからっ! 勝負よ、弥生っ!」

プリプリと怒りをあらわにした星華は、もはや弥生のことしか見えてないようだった。

星華に真っ白な羽根が降り注いで変身が始まると、弥生も負けじと変身を遂げていく。
生徒会長室の奥から、一紗(かずさ)が姿を現した。

一紗
「美春っ、柚木っ、無事でよかったーっ」

美春
「いきなり連れて行かれちゃうから、びっくりしちゃったー」

一紗
「ねえ……あたしたちも久しぶりに、アビロンで遊ばない?」

柚木
「えっ!? ここでいきなりなのっ?」

美春
「いーよーっ。どっからでもかかってきてよーっ!」

柚木
「ちょっと、美春ったらっ!?」

一紗
「それじゃあ、バトル開始っ!」

犬猿の仲と、心腹の友が、ひとつの部屋でバトルを繰り広げようとしていた。



エピローグ (2周目)






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最終更新:2011年03月07日 19:12