ストーリーモードに書かれているストーリーをまとめたページです。

ネタバレ含みますので、純粋に攻略を愉しみたい人は見ないほうがいいです。




3限目

プロローグ

五月連休も明けた、とある昼休み。
美春と柚木は、お弁当を食べていた。
美春
「はぐっ、ん……タコさんウィンナー、おいひっ」
柚木
「よくかんで食べなくちゃだめよ?」
加奈子
「涼風さん、神名さん、ちょうど良かったわ。」
この手紙、
「クラスのみんなに配ってくれないかしら?」
両手でかかえたバケットには、便せんがてんこ盛りになっている。
美春
「んぐんぐっ……わっかりましたー」
柚木
「みんなに手紙? 誰からなのかなあ……」
加奈子
「あっ、楠葉さんと沢桐さんも、手伝ってくれる?」
小夜
「……はい」

「わー、
紙に書かれたメールだあ。
めずらしー。もーらいっと!」
手紙を受け取った美春と柚木は、さっそく中身を読んでみた。
美春
「えっとー。サクジョの皆さんを、文化祭に招待します」
柚木
「ツキジョ・アビロン・フェスタ……?」
ツキジョとは、月見沢学園のことだ。
弥生
「どうじゃ、実に面白そうじゃろう?」
美春
柚木
「……えっ!?」
ツキジョで待ち受けているものとは、いったい……?



1人目 中沢 麻美

【Chapter1 中沢 麻美】

美春と柚木は、楠葉 小夜、沢桐 唯、そして紫苑路 弥生たちと一緒に月見沢学園を目指していた。

学園へと向かう竹林の通学路は、賑わいを見せている。
校門をくぐり抜けると、目の前には大きな池が広がっていた。
すみ渡った水面には、青空に浮かぶ雲と、対岸の校舎が映りこんでいる。

美春
「うわーっ、校舎が池の向こうにあるっ。すごーいっ」
美春は池のほとりに駆け寄って、水面をのぞきこんだりしている。
柚木
「浮島には東屋まであるわ」
弥生
「会場はな、対岸に見える校舎の向こうじゃ。では行くとしようかの」
小夜
「……はい」

池の浮島に建っている東屋では、ひとりの女子があわただしく働いていた。
ちょっと頼りなさげで、目が離せない感じである。

美春
「お茶屋さんが出てるー」

茶店を取り巻くテーブルでは、たくさんの人たちが舌つづみを打っている。

弥生
「どれ、売り子さん。わしは、おダンゴと抹茶を馳走になるかのぅ」
麻美
「はい、ご注文を承りました。あのぅ、本日はアビロンでわたしに勝つと、おダンゴが食べ放題になるサービスがあるんですけど……」

彼女が身につけている胸章には、「麻美ちゃん」と書かれていた。

美春
「えっ!? おなかいっぱい食べられるのっ!? こしあん君と、あやめちゃんも?」
麻美
「えっと、はい。あやめダンゴも、こしあんダンゴも、好きなだけご注文いただけるようになります」

それを聞いた美春の瞳が、キラキラと輝きはじめた。

柚木
「んもお美春ったら。がぜん、やる気になってるじゃないっ」

「無理ないよ。だって、太っ腹じゃーん。お小夜っちは、どーするのっ?」
小夜
「わたし、草餅」

つつましやかな小夜は、ポツリとつぶいた。


「いやいや、注文じゃあなくて、麻美ちゃんとアビロンするのって話だよおー」
小夜
「…………うん」

ずいっと一歩前に出た美春は、みんなの興味を引きつけた。

美春
「いちばん最初は、わたしが頑張ってみるっ」

そう宣誓した美春に、まわりから温かい声援と拍手が送られる。

麻美
「えっと、アビロン・バトルは、ひとりずつでお願いしますっ……そうだっ、腕をまくって、と。くつひもは……と。これでOKだよねっ。よ、よしっ、がんばるぞおっ!」
弥生
「それでは、バトル開始じゃ」

弥生の手は、くしダンゴへとのびていた。



2人目 鈴川 るりか

【Chapter2 鈴川 るりか】

麻美
「きゃあっ、待ったあ、参りましたあっ」
美春
「やったー、おダンゴ食べほーだいっ。こしあん君に、あやめちゃんー」

拳を天に力強く突き上げた美春は、とても嬉しそうだ。
テーブルに案内されてニコニコとしている美春の前に、ほかの学校の女子がやってきた。

他校の女子
「ねーねーちょっと、サクジョの子でしょ?」
美春
「そーだよっ。よろしくねっ」

にっこりと微笑んでピースサインを送る。

他校の女子
「アビロン、すっごく強いねーっ。ぜひわたしの相手をしてください。お願いしますっ!」

彼女のお願いをきかっけに、美春と対戦を望んでいそうな人たちが集まりはじめた。


「美春ばっかりズルいじゃーん。わたしだって相手になるぞー」
小夜
「わたしは……お茶」
柚木
「美春、おダンゴ食べてる場合じゃないわ。逃げましょうっ!」

柚木は立ち上がって、美春の手を取った。

美春
「えっ!? ちょっと──ふええっ、おダンゴさんがあっー」

浮島から校舎側にかかる橋を駆け渡ると、ツキジョの生徒が笑顔で待ち構えていた。

ツキジョの女子
「こんにちはーっ。ツキジョ・アビロンフェスタへようこそっ」

彼女の背後にある小屋には、小さなはち植えがたくさん並べられている。

美春
「こんにちはーっ。お花屋さんだよ、柚木ぃ」
柚木
「これはお花屋さんじゃなくて、チャリティーをやっているのよ」
ツキジョの女子
「はいっ。募金をいただいた方には、そちらからお好きな鉢植えをプレゼントしますよっ」
美春
「じゃあわたし、募金するーっ」

制服から可愛らしい財布を取り出して、ささやかな寄付をした。

柚木
「そういうところ、感心するわー。あたしも少しだけ」
ツキジョの女子
「ありがとうございまーすっ。そうだっ、優しいおふたりを、秘密の場所へご招待しましょうっ」
美春
「えっ?」

美春と柚木を中心に、辺りの風景が広大な庭園へとぬり替えられていく。

美春
「うわあっ、いま渡ってきた池が、草原になってるー」
柚木
「これは、空間系アビリティの一種みたいね。王宮庭園かしら、素敵ねえ……」

緑色のドレスに身を包んだ鈴川さんがクルリとステップを踏むと、辺りの草木が元気よく成長を遂げていく。

鈴川
「鈴川るりか のプレシャス・ガーデンに、ようこそっ!」



3人目 海老原 真由香

【Chapter3 海老原 真由香】

手入れの行き届いた庭木の回廊を、美春と柚木が駆け抜ける。

柚木
「美春っ、次の曲がり角を左に行って」
美春
「見つけたっ! つかまえるよっ、えーいっ!」

終わりのない自然の迷宮で、逃げる鈴川さんに後ろから抱きついた。

鈴川
「あーっ、捕まっちゃったかあっ。私の負けだね」

延々と続いていた緑が美春たちを中心に収束して、ツキジョの校舎裏へと戻ってきた。
すると、東屋のある池の方から声が聞こえてくる。

他校の生徒
「見つけたっ、さっきのサクジョの人。私とアビロンでバトルしてくださいっ!」
美春
「わたしたちのこと、まだ探してたんだあ」
柚木
「ちょっと休憩したいわ……行きましょうっ」

美春と柚木は手をつないで、その場をあとにした。

そのまま一息に校舎の表側へ回り込んで、アビロン・フェスタの本会場へとたどりついた。

柚木
「体育館で何かやってるみたいね。あの中へ逃げましょうっ」
美春
「うんっ」

体育館の扉を開いて暗幕をくぐり抜けると、そこはライブ会場だった。

歌手
「ちょっとおっ、真由香のライブに乱入するつもりっ?」

入口から差し込む光を背に浴びて、ふたりは立ち尽くしていた。
誤解されても仕方のないシチュエーションが、できあがっている。

柚木
「しまったぁ」
美春
「ごっ、ごめんなさーいっ」

真由香がステージを降りて、美春の下へとやってきた。

真由香
「あなたサクジョじゃない。それなら、アビロンで決着させましょうっ。ふたりとも、ステージに上がってっ」

観客の盛り上がりは、最高潮に達していた。



4人目 宇都宮 涼子

【Chapter4 宇都宮 涼子】

真由香
「いえーいっ。このまま真由香と一緒に、ライブ盛り上げていこうよっ」
柚木
「いいえーっ! お邪魔しましたあっ……今のうちに、美春っ!」
美春
「バトルしながら歌うのって、楽しいかもっ!」

体育館を飛び出して疾駆するふたりは、そのまま本校舎へ突入した。

各教室ではアトラクションが展開されていて、ろう下はお客さんでごった返している。

美春
「あれっ、あそこにいるの琴音ちゃんだっ」

姫路琴音と合流した美春と柚木は、喫茶店を開いている教室で休憩することにした。

琴音
「あたし、イチゴみるくパフェがいいわっ」

美春はオレンジジュース、柚木はアイスティーを注文した。

店員さん
「お待ちどおさまでした。ところで今日は、サクジョから“ふわっふわなハイ・アビリティスト”が遊びに来ているそうですね。ご存じないかしら」
美春&柚木
「──んぶっ!?」

それを聞いた美春と柚木は、思わず飲み物を吹き出しそうになってしまった。

琴音
「おいしいっ。……ところでその“サクジョ”で、“ふわっふわ”っていうの、美春っぽいかんじじゃない?」

琴音が、デザートスプーンをペロリと舐めてつぶやいた。

美春
「うゎあっ、バレちゃったあっ」

口元を手のひらでおおった美春は、柚木と顔を見あわせてしまう。

柚木
「ちょっとお、自分から白状したら意味ないでしょおっ!?」
店員さん
「なるほど。キミが今ウワサで持ちきりのハイ・アビリティストね。この宇都宮 涼子と勝負してくださる?」
美春
「うへぇ。どうしてもバトルになっちゃうんだねえ」

オレンジジュースを一気飲みした美春は、涼子と正面から対峙する。



5人目 田処 萌

【Chapter5 田処 萌】

涼子
「わたしの絶対服従スィーツが通用しないなんて。自信作だったのに……」

彼女が手にしていた武器から炎が立ち消えると、続いて変身も解いてしまったようだ。

美春
「えっへん。ケーキ、ごちそうさまでしたっ」
柚木
「美春ったら。ほっぺにクリーム付いちゃってるわよ」

ハンカチを取り出した柚木は、美春の口元をぬぐった。

ツキジョの女子
「いたいた。サクジョの凄いヤツってのを見つけたわーっ! 次はアタシが相手よっ!」
美春
「見つかっちゃったあっ」

琴音はと言えば、マイペースにイチゴみるくパフェを食べていた。

美春
「琴音ちゃん、またねーっ」
琴音
「あむっ……またねぇ」

彼女のバイバイに見送られて、美春と柚木は図書室へと逃げ込んだ。

美春
「あれっ? サクジョの子がいるよっ」

その女子は、両手で本を開いて読みふけっていた。

柚木
「ホントね。わたしもここで、休憩していこうかな」

ふと本から目線を離した女子は、本を閉じて脇に抱える。

サクジョの女子
「あれーっ? 図書室もアビロン会場だったんだー。それじゃあ文芸部を代表して、お手合わせをしなくちゃねっ」

女子は片手で本を開くと、もう一方の手先で美春たちを指さした。

美春
「ええっ!? どーして?」
サクジョの女子
「だって、アビロン・フェスタなんでしょ? サクジョ同士、お手柔らかにねっ」
柚木
「ちょっと本気なのっ? ここはツキジョの図書室なんだよっ?」

「私は田所 萌。それじゃ、いっくよーっ♪ あなたに相応しい一冊を、教えてあげるっ」

ぐらり、と。
本だなに納められた無数の書物が、うごめいた気がした。



6人目 水無月 雛

【Chapter6 水無月 雛】

紙でできた高波が、美春たちを飲み込もうとしていた。

美春
「うわぁわあっ!? つぶされちゃうーっ!」

「そのまま保健室まで、流されちゃえーっ」

額に指先をあてたまま詠唱を続ける柚木は、何かの間合いを見計らっている。

柚木
「今よ美春っ、絶対領域っ!」

美春へ振り向いた柚木の黒髪が、大きくなびいた。

美春
「よっし、いっくよぉー。それぇえぇー!!」

浮遊感に襲われたふたりは、高波を越えて浮かび上がる。


「……あれ? 高波がとまっちゃった」

勢いをなくした高波は砕け散り、紙片がゆっくりと舞い散っていく。

美春
「わあ、図書室に雪が降ってるみたーい」

「やっぱり文芸部は、読書してるのが一番だよねー。帰って、本の続きを読もうっと♪」

アビロン・バトルを楽しんだ萌は、そのまま図書室を出て行ってしまった。

高波で押し流された机とイスを元通りに整とんして、美春と柚木も図書室を後にする。

美春
「追いかけてくる人、もう居ないみたいだね。下の階に降りて、いろんなイベント会場を見て回ろーよっ」
柚木
「そうね。行きましょう」

階段を下りていると、頭上から女子の声が響き渡った。

??
「そこ、どいた、どいたーっ!」

振り返ると、階段の手すりへ横座りになったツキジョの生徒が、勢いよく階段を滑り降りていった。

柚木
「ちょっとお、危ないじゃないのよ!」
??
「教えてあげないよー。文句があるなら、アタシのこと捕まえてごらんっ」

そう言って、彼女は柚木のヘアバンドをサッと取り上げた。

柚木
「あっ、ちょっと、何するのよあなたっ、返してっ」

「あたしの名前は“おまえ”じゃない。雛(ひよこ)だもんっ」
美春
「よーし、わたしが柚木のカチューシャを取り戻してあげるーっ」

ツキジョを舞台に、アビロン鬼ごっこが幕を上げた。



最終決戦! 俵 真悠子

【Chapter7 俵 真悠子】


「そーら、こっちおいでー」

額に手を押し当てて考え込んでいた柚木が、ふっと顔を上げた。

柚木
「あのひと、摩擦の抵抗をコントロールできるのね。宙に浮いているのとは、違うみたい」
美春
「よく分かんないけど、なんだかすごく面白そうだよねーっ」

歯がみする柚木に、美春が満面の笑みをたたえた。

柚木
「もお、美春ったらあ。……そうだ、ふたりで挟み撃ちにしましょ」
美春
「うんっ、わかった。わたしが ふわふわーん の力で ひよこちゃん を追い抜けばいいんだねっ」

絶対領域の力で美春が宙に浮かび上がると、らせん軌道を描いて下の階へと舞い落ちていく。


「えええっ!? そ、そんなの反則だあっ!?」

雛の行く手を阻む事に成功した美春のお陰で、鬼ごっこは決着した。

美春
「はい、柚木のカチューシャ」

雛から返してもらったカチューシャを身につけて、柚木はホッと胸をなで下ろした。

柚木
「ありがとう、美春っ」
美春
「これくらいへっちゃらだよー」

「あーあっと。暇つぶしにはなったかなー。じゃあねえっ」

雛は人混みの中へと消えてしまった。

柚木
「それじゃあ、あたしたちは東屋へもどってみましょう」
美春
「うんっ」

校舎を出ようとしたところで、ゴウッという地鳴りが響いた。
ほどなくして、きゃーーーーっという悲鳴が遠くから近づいてくる。

柚木
「なんで校庭に水が流れてくるのっ!?」
他校の女子
「いやあああああああああああっ!?」

ざっぱーん、と。
右手から左手の方へと向かった大波に、何人もの生徒が流されていった。

??
「まとめて、いっちょあがりーっ♪」

波の来た方を振り向くと、美春たちを飲み込むような大波が間近に迫っていた。

柚木
「きゃーーーーーーっ、逃げて美春っ」
??
「次の敵さん、見つけたーっ! ツキジョ水泳部のホープ、俵 真悠子が相手だあっ!」

美春と柚木が波に飲み込まれると、水位は一気に2階の窓にまで達していた。

ふたりにとっては、これがはじめての水中戦である。



エピローグ (1周目)




最終決戦! 竹内 沙也佳

【Chapter8 竹内 沙也佳】

水面から顔を出した美春と柚木は、ブルブルと顔を振るった。

美春
「あれえっ、真悠子ちゃんがいないっ」
柚木
「真下から来るわよ、美春っ」

柚木の予測が的中し、美春の絶対領域が真悠子を捕らえる。

美春
「つかまえたーっ。これならもう動けないでしょ?」
真悠子
「うあっ、こら、放せーっ、って、動いてたら息苦しくなってきたような……こ、降参するっ! 参ったよおぅ」

湖のようになっていたツキジョの校庭が、ゆっくりと干上がっていく。

柚木
「はあ、一時はどうなるかと思ったわ」

すると、この機を狙いすましたかのように美春のケータイが着信した。

美春
「弥生ちゃんからだー」

弥生の指示に従い、美春と柚木は校舎の屋上へとやってきた。

弥生
「どうじゃ、楽しんでおるかの?」
美春
「いろんなアビリティストがいて、ビックリしましたー」
弥生
「せっかくじゃし、月見沢学園のハイ・アビリティストと遊んでみんかの。昨年のアビロン本線でも活躍した、実力者でな。いい機会じゃて」
柚木
「ツキジョの、ハイ・アビリティスト……どんな人なんだろう」
美春
「柚木、会ってみたいの? それじゃあ、遊んでみよっかなあー」
??
「そうかそうか。私はぜんぜんかまわないぞ」

いきなり背後から声をかけられて、美春たちは振りあおいだ。

美春
「わっ、ビックリしたあ」

背丈はほんのちょっとだけ高いけど、無駄なお肉の付いていないスリムな女子が立っていた。

沙也佳
「はじめまして」
美春
「わあー。すらっとしてて、カッコイイーっ」
柚木
「美春ったら、あいさつもなしに失礼でしょ? えっと、あの、はじめまして」
沙也佳
「竹内 沙也佳だ。よろしくな、美春ちゃん、柚木ちゃん」

真っ白なヘアバンドとバンデージからは、とても活発な印象を受ける。

弥生
「遊び疲れたら、みんなでお茶会にでもしようかの」
美春
「よろしくおねがいしまーすっ、竹内さん」
沙也佳
「沙也佳でいいよっ。遠慮なく、手加減なしでかかっておいで」

美春たちの正面に歩み出て向き直った沙也佳は、足を踏み開いて拳を手のひらに打ちつけた。

柚木
「雰囲気からして、いままでの相手とは違うみたいよ。美春っ、気をつけてね」
美春
「うんっ」

そして美春と柚木は、アビロン本戦の片鱗を示されることになる。



エピローグ (2周目)






本日 -
昨日 -
総計 -