聖夜の侵入者 > 聖夜のお手伝い

A0009 聖夜の侵入者


ミッション№
名前 特殊条件 人数 戦利品
初級
№A0009
09 / 12 / 08 ~ 09 / 12 / 28
聖夜の侵入者
特になし 2人 水のリングLV1
(3ポイント)

プロローグ
集会の帰り、モニクは窓辺で一人、窓ガラスに寄りかかり虚ろな瞳で外を眺めるクレールを発見した。
注意してみれば口元が僅かに動いており、何事かをぶつぶつと呟いている様だった。

明らかに尋常ではないその姿に心配したモニクが声を掛けようと近づいた瞬間、呟く内容が幽かに聞こえてきた。

クレール
「なんで・・・なんで・・・なんで、なんでなんで・・・」

ただ一言、その言葉だけを一心に呟き続けるクレール。
只ならぬ様子にモニクはそれ以上近づくことが出来なくなる。
すると、更に他の言葉も聞こえてきた。

クレール
「なんで・・・一昨年までは毎年ちゃんと持って来てくれていたのに・・・
なんで・・・何故だ…枢機卿としての業務も真面目にやっているし、酔っ払いの相手だってしてる・・・なのになんで」

興奮したように徐々に早口になる口調。
最後の辺など既に叫びと化している。

クレール
「なんでサンタさんは来てくれないんだ!」

最後、完全に天への叫びとなったその声を聞いた直後、モニクは気付かれぬ様そっとその場を後にしたのだった。
危険度


LC0038
魔導士アンリ

900 / 200 / 220
2/5/2/2/2
敵サポカ
水のリングLV1×2
ジャン
「で、何で俺とアンリまで付き合わなくちゃいけないんだよ」
モニク
「バカ! こんなこと一人でやってたら恥ずかしいだろ!」

小声で言い争う二人。
日付も変わった深夜、モニク、ジャン、アンリの三人はクレールの部屋の中にいた。
嘆く妹分の為、結局モ二クはサンタの振りをしてプレゼントを渡す事にしたのだった。

アンリ
「でも、話を聞く限り、モニクさんが今までサンタの振りをしてプレゼントをあげてたんですよね?」

作戦前、二人はモニクからこうなるまでに至った経緯と真相を聞かされていた。

モニク
「ああ、小さい頃サンタを信じるアイツの為にこっそり始めたんだが、一昨年から止めてた」
アンリ
「どうしてですか?」

アンリの疑問にモニクがはぁっと溜息をつく。

モニク
「アイツ・・・小さい頃はぬいぐるみだの魔法セットだのをお願いしてたんだけど、
最近になって〝胸を大きくしたい〟だの〝クシー体形にしてくれ〟だのお願いしだして・・・今回なんか〝料理の腕をプロレベルにしてくださ〟って、できるかー!!
最早物理的に不可能な願いごとばっかりしやがって、どうにもできんっちゅーの!!」
アンリ
「な・・・なるほど」

最後の方力が入りすぎて熱くなってしまったクレールにアンリは納得した様子で苦笑いを返す。

モニク
「ってなわけで、実は自分で考えるのも面倒臭いんで、アンタ達にそれっぽく思いつく物を用意してきて貰おうって考えもあったんだけどね」
ジャン
「やっぱりかよ」

モニク
「で、プレゼントちゃんと用意してきたんだろうな」
アンリ
「あ、はい・・・一応要望に答えられそうなものを探してもってきました」
モニク
「よし! んじゃ、とっとと置いて・・・」

パチッ

モニクが近づいた瞬間クレールが勢いよく目を開いた。
モニク達は瞬間的に動きを止め身体を強張らせる。
そして暫しの固着状態の後――三人が見守る中クレールはベッドからふらふらと起き上がった。
しかしその目はどこか焦点が定まっていない。

アンリ
「これは・・・寝惚けてるようですね」

アンリがいち早く状況を察する。

モニク
「よ・・・よし、じゃ、このままそっと置いて」

一先ず安心したモニクがゆっくりとベッドに近づこうとした瞬間――

ダダダダダダダダダダ

焦点の定まらない目をした、クレールが勢いよく襲い掛かってきた。
危険度
★★

LC0068
枢機卿モニク

1000 / 210 / 220
15/4/6/6/9
敵サポカ
火のリングLV1
風のリングLV1
モニク
「はぁはぁ・・・なんとか・・・起こさずに済んだな」
ジャン
「寝惚けてるっていうのにあの力・・・枢機卿、恐ろしいぜ」

無意識に侵入者を排除しようと暴れるクレールを押さえつけ、無理矢理ベッドに押し込んだ三人は荒い息で床に膝をついていた。

ジャン
「しかし、サンタを信じてるなんて、スゲー魔導士でもやっぱ子供っぽい所があるんだな」

先程の防衛本能剥き出しの姿とは打って変わり、今やベッドで安らかな寝息を立てている大魔導士の姿を見てジャンが素直な感想を述べる。

アンリ
「兄さまも数年前までは信じてましたよね」

そんな兄の言葉にアンリは昔を思い出し笑顔で答える。

アンリ
「サンタを信じる兄さまの為に毎年こっそりプレゼントを置いていたんですけど、あの日は兄さま途中で目が覚めてしまって・・・」
ジャン
「真っ暗な中、目を開けた瞬間弟の顔が横にあった時はショックだったぜ」
モニク
「いや、その前に弟に気を遣わせてた事に対してショックを受けろよ・・・」

その時、ベッドから寝返りを打つ音が聞こえ三人はまたも身構えた。
が、起きる気配はなかった為、一先ず緊張を解く。

アンリ
「兎に角、早く済ませて出て行きましょう」
モニク
「だな」

そういうと、モニクは枕元にそっとプレゼントを置いた。

モニク
「よし、うん、中々無難な物選んできたな」
ジャン
「で、俺達に用意させてモニクは何もないのか?」
モニク
「アタシだってちゃんと他の物用意してきてあるよ。ホラ」

そういうとモニクは手にした袋を開いて見せた。

ジャン
「これは・・・」
アンリ
「何ともコメントし辛い物ですね・・・」

そこにはクレールの絵をあしらった手製の置物が入っていた。

モニク
「何だよ! じゃ、いーよ、これはオマエ達にやるよ! ホラ、今日の駄賃だ!」

二人の微妙な反応に気分を害したモニクはジャン達に無理矢理袋を押し付けようとする。

ジャン
「いーって、いらねーって!」
アンリ
「モニクさん、ほんとに、お気遣いなく」
モニク
「何拒んでんだよ、手どけろって、」

ガシッ

袋をお押し付けるモニクの肩を何者かの手が掴んだ。
恐る恐る振り返ると――
そこには焦点の合わぬ目で見つめるクレールの姿があった。
エピローグ
早朝、窓から差し込んだ朝日に顔を照らされクレールは目を覚ました。

クレール
「うーん・・・何だか重い・・・」

ベッドの上で上半身だけ起こし伸びをすると、身体のあちこしが軋んだ様な音を上げる。

クレール
「か、身体が痛い・・・何なの? クリスマスだっていうのに最悪・・・」


クレール
「・・・でも、ないのかも・・・」

クレールは昨夜見た夢の内容を思い出し少し訂正をする。
昨夜の夢――アンリ(とオマケ)がクレールの部屋に来る夢・・・・・・。
そしてそのアンリ(とオマケ)を殴り倒す夢・・・・・・。
やけに生々しく感触までもが残っている。

クレール
「何であんな夢・・・あぁ」

幸福感よりも、何だか後ろめたい事をしてしまった後の様な気まずさの方が先に立ち、頭を抱え落ち込む。
と、俯いた視界の隅に何かが映る。

クレール
「これは・・・」

枕の横に中位の箱が置かれていたのだ。

クレール
「これはまさか! サンタさんからの・・・!?」

クレールは逸る気持ちを抑え、慎重に箱へと手を伸ばす。
そうして箱を顔へと近づけ表面に書かれた絵と内容を読んでいく。

ガシィッ

全て読み終えたクレールは突然箱を両腕で抱え込むように抱きしめた。
全身を震わし、その顔は溢れ出る感動を堪える様にぎゅっと目を瞑り歯を食いしばっている。

クレール
「これは!! やっぱりサンタさんからのプレゼントだ!! よかった、リストから外されてなかったんだ! ありがとう、サンタさん!!」

箱には何か丸い入れ物とケーキの絵が描かれており、その下にはこう記されていた。

『誰でも簡単にプロの味! 混ぜて焼くだけお手軽ケーキ作りセット』

■攻略法募集中■
■最終更新■(2011-03-27)

本日 -
昨日 -
総計 -

最終更新:2011年03月27日 15:15