ミッション№ |
名前 | 特殊条件 | 人数 | 戦利品 |
初級 №A0008 |
09 / 11 / 25 ~ 30 / 12 / 31 シガラミ?食べ物?美味い物? |
特になし | 2人 | 土のリングLv1 (1ポイント) |
プロローグ |
商品の買い付けの為、遠方の都市へと出向いた帰り道。 ロン公国近隣の森の中で、 スフレ 「おい、おまえ。オルメカの兵隊だろ? 食べ物の為に大人しくやられろ」 変なエルフと遭遇した……。 |
危険度 ★ LC0018 赤帽子のスフレ 880 / 175 / 170 2/2/5/7/4 敵サポカ 土のリングLV1×2 |
まず自分はオルメカ帝国の者ではないと否定する。 すると―― スフレ 「うそ付け! じゃ、何でここにいるんだ? 森にはオルメカの〝ざんとー〟が逃げ込んでるんだぞ」 自分は商品の買い付けの帰りであり、森へはロン公国で行われている戦争に巻き込まれない為に入った、と説明すると。 スフレ 「戦争から逃げるために? じゃ、やっぱり〝ざんとー〟だろ?」 これを否定をすると―― スフレ 「〝ざんとー〟じゃないのか? じゃ、やっぱりオルメカの兵隊か!? 戦争しに行く気だろ!」 そして最初の問いへと戻る……。 もう既に10回程このやりとりが行われているが、一向に先へと進む気配が無い。 もうそろそろウンザリしかけてきた頃―― スフレ 「キィィィーーーー!!! さっきから同じことばっかりぃーーっ!! いい加減にしろーーー!!!」 何でお前の方がキレるんだ……。 そう心の中で思いつつ、この殺る気満々のエルフをどうにかする為、取敢えず手近な木の棒あたりで応戦する事にした。 |
危険度 ★★ LC0051 傭兵スフレ 990 / 190 / 190 5/5/8/10/9 敵サポカ 風のリングLV1×2 土のリングLV1 |
スフレ 「おまえ、けっこー強いな」 戦闘というには余りに稚拙な、子供同士の取っ組み合いのような戦いを終え、 息一つ乱さずけろりとしているスフレを横目に、荒い呼吸を整える。 スフレ 「でも、おまえ倒さないとスフレのご飯がもらえないんだぞ」 その台詞で、なるほど、このエルフはロン公国に傭兵として雇われているのかという事をやっと理解する。 しかし、どういう事情があろうと違うものは違う。 再度時間を掛けて丁寧に説明を行うが、矢張りまだ、完全には納得ができていない様であった。 スフレ 「う~ん、武器商人? オルメカの兵隊じゃないのか? でも森にいるんだろ? う~ん…」 どうやらスフレの中では「森にいる=オルメカの残党」という図式が絶対のものとして成り立っているらしい。 しかし、違うものは違う。 またも時間を掛けて丁寧に説明を行う事にした。 スフレ 「そうか…〝ざんとー〟じゃなくても森にいるのか…」 生まれて初めて真実を聞かされ、世界観を覆されたかのような真剣な表情を見せるスフレ。 取敢えず、誤解は解けたようでひと安心と、体の力を抜こうとした瞬間―― チャキ スフレ 「じゃ、もうオルメカかなんてどうでもいいや。取敢えず首よこせ」 完全に抜ききらなくて良かった――!! とんでもなく物騒な事を無邪気な顔でサラリと口にしながら、短剣を握るスフレの姿に心の底からそう思い、木の棒を握りなおした。 |
エピローグ |
スフレ 「っふはっふ、うま、うまいぞ! おまえイイやつだなー」 パンを頬張りながら上機嫌で笑いかけるスフレ。 最初からこうすればよかったのか……。 街を出る際に買っておいた昼食用のパンは全てスフレの栄養と化したが、取敢えず生命の危険だけは免れた。 スフレ 「うん、スフレには、はっふ、最初っから、わかってたぞ、おまえがオルメカじゃないって」 じゃぁ、最初っから襲わないでください……。 心の中で呟きつつも、取敢えずその根拠を聞いてみることにした。 スフレ 「だって、おまえ恨んでないじゃないか」 一瞬、言われた事の意味が分からず「はぁ?」という返事を返してしまった。 するとスフレは馬鹿にされたと勘違いしたのか、少し怒った様子で話を続ける。 スフレ 「バカにするな、スフレはエルフだぞ。人間の背中に乗っかってるやつ位見える!」 背中に乗っかってるやつ? それはつまり〝しがらみ〟とか、そういったものの事だろうか? スフレ 「オルメカのやつらは、皆背中に誰かの恨みが乗っかってるんだぞ」 恨み? 噂ではオルメカは何かを手に入れる為にロンへの侵攻を行ったと聞いたが……。 多少の興味がわき、スフレへと疑問をぶつけてみた。 スフレ 「何か奪うために戦争したのか? スフレは食べ物を奪うときでも相手は殺さないぞ。オルメカは奪うだけでいっぱい殺してるぞ。人間はバカだなー。」 スフレは無邪気に笑いながら言う。 食べ物との交換に差し出す場合には殺すのか…と、つっこみたい気持ちはこの際置いておく事にした。 スフレ 「ロンもバカだ。それ守るために自分たちの住処を焼いたぞ。仲間をいっぱい殺して守るんだから、きっとすごく大事なものなんだろうな。美味しい物か…!?」 何かを奪うという名目で侵攻したオルメカ帝国。 国を焼いてまでその何かを守ろうとしたロン公国。 考えを巡らせていると、満腹になったスフレが立ち上がり、声を掛けてきた。 スフレ 「ご飯ありがとな! スフレはもう行くぞ。 次の獲物探しだ!」 そう言うと、さっさと森の奥へと駆けて行くスフレ。 その背中を見送りながらスフレの言葉を心の中で反芻する。 ――人間ってバカだなー 「そうかもなー……」 脇に置いた荷物袋の中、仕入れたばかりの自らの商売道具を見つめボソリと呟いてみた。 |