ミッション№ |
名前 | 特殊条件 | 人数 | 戦利品 |
初級 №A0006 |
09 / 10 / 14 ~ 30 / 12 / 31 アイアン ソウル アモーレ |
特になし | 4人 | 機のリングLv1 (1ポイント) |
プロローグ |
ここティターノの野営地で、ロボット兵達がオイル休憩の為、束の間の休息を得ていた。 アモーレ 「キュウケイ! キュウケイ! オイル! オイル!」 そんなアモーレの群れをすぐ側の茂みの中からじっと見つめる人物がいた。 ジーモ 「さぁ~て、先ほどの兵士さんが戻ってこない内に終わらせてしまいましょうか。」 そう言うとジーモは茂みの中から両腕を伸ばし、すぐ前を歩いていた1体のアモーレを茂み内へと引き入れた。 ・・・ 担当兵士 「あ~もう、こんなに時間かかっちゃったよ」 「あ~~もうすぐ行くよアモーレちゃん!!」 兵士は足を速め、その群れを一気に通り抜け、天使達の待つテント前広場へと躍り出た。 しかし彼の目に愛しのアモーレの姿が映し出されることはなかった。 担当兵士 「な……これは……ど…どこに…」 そこに見られるはずの抱き心地の良さそうな鋼鉄のボディも、天使のような機械質な声も何もない―― 彼の目に映し出されたものは誰もいない広場だけであった。 担当兵士 「ア…モ…アモーーーーレェェェェーーーーアモ…アモーーレェェ!!! ちょ…なんで!? どこに、一体!!? どこにいったんだぁぁぁぁ!!?(ボクの)アモーレたちがボクの言いつけを無視していなくなるなんて……」 「まっ……まさか…誘拐!!?」 自分でいなくなったのではないとすると何者かによって連れ去られた可能性が高い。 その何者かが部隊内の誰かならばいい、しかしそれ以外の誰か、何かであったなら…… 担当兵士 「あわわわわわわ……大変だ…二重の意味で大変だ…親心的にも管理責任的にも…あわわ…」 最悪の事態を想定し、彼はもはや周りのことなど目に入らないくらいに取り乱していた。 だから、それに気がついたのも全身が陰に覆われてから―― 頭上1m、見上げた彼の眼前に迫った時だった。 |
危険度 ★ LC0077 クローチェ隊隊長ジゼラ 650 / 200 / 150 8/6/6/8/6 敵サポカ 無し |
ティターノ野営地クローチェ隊のテント前では、ニノとラウラそれに隊長のジゼラが食事の支度を行っていた。 そんな午後の夕食作りに勤しんでいるとき、 兵士 「てっ…敵襲ーーーー敵襲ーーーーー!!!」 突然の警告に一同は身構える。 テント内にいたウーゴ、ルカ、ティーナの三人も武器を手に一斉に外へと飛び出してきた。 アモーレ隊長 「クローチェ隊の皆さん、大人しく投降して下さい!」 その姿を見て一同は驚きの声を上げる。 ジゼラ 「アモーレ? あんたたちどうしちゃったの!?」 担当兵士 「アモーレ達はどうやら誰かにプログラムを弄られたようで…設定された命令を無視して独自の思考回路を持ってしまったようです…」 ジゼラ 「独自の思考回路ぉっ!?」 アモーレ隊長 「その通り! 我々は自分たちの意志に基づいてこうした行動を行っているのです」 「最早我々は人間に使役される存在ではない!我々は自身の意志を持ってここに人間達からの独立を宣言する!!」 ニノ 「ちょ…人間達からの独立って…」 取り敢えず今はアモーレ達を何とかする方が先である。ジゼラは残るメンバーに指示を与える。 ジゼラ 「これ以上事態が悪くなる前に何とかした方がいいわね…相手方が数では勝っているとはいえ、所詮あのアモーレよ!力の差で押し切、」 瞬間、ジゼラ達の背後から全身を包み込むように何かモチモチべたべたしたものが覆い被せられた。 ジゼラ 「なにこれぇぇぇぇぇぇーーーーー!!!」 アモーレ隊長 「お約束の捕獲用トリモチです、そしてこれは」 ビィィィィィィィン アモーレ隊長 「お約束の力が抜ける高周波です」 こんな、一切乱れることなくお約束の展開に持ち込まれるなんて――! ジゼラはトリモチの抱擁の中さすがに焦った。 アモーレ隊長 「さぁ、今だ! ジゼラさん達を取り押さえろ!!」 |
危険度 ★ LC0082 魔導剣のアイアス 800 / 225 / 155 4/8/4/4/8 敵サポカ 無し |
トリモチとクローチェ隊のメンバーでぎゅうぎゅうの網の中でジゼラが咆哮を上げていた。 アモーレ隊長 「ふぅー、これで全員か? では、これよりボルス連邦に向けて出発する!!!」 アモーレ兵 「ぴぎぇぇぇぇぇーーー!! たいちょおおおおおお!!!」 各員を引き連れ歩き出したアモーレ隊長の背後から隊員の叫び声が響く。 見れば、隊員は空高く打ち上げられていた。 アモーレ隊長 「何事だ!?」 驚きの声を上げるアモーレ隊長の背後から冷静な声が聞こえる。 アイアス 「忘れてもらっては困る…」 アモーレが対峙するようにアイアスの前に立つ。 アイアス 「ふ……鉄の身体に宿る魂か…美しいな」 アモーレ隊長 「しかしアイアスさんいくら素早い貴方と言えど、この脱力高周波のまえでは無力」 アイアス 「くっ…」 戦況はアイアスにとって芳しいものではなかった。 アモーレ隊長 「美しいとお褒めの言葉を頂いた我々の意思、しかと貴方の手で受け取って下さい!」 |
危険度 ★ LC0090 ガーター隊員マリルー 900 / 200 / 200 5/3/5/11/2 敵サポカ 土LV1×2 |
場面変わって森の中、茂みの中から野営地の騒動を覗く二つの目がある。 目の前の現場では今、丁度アイアスが真っ白に染め上げられたところだった。 マリルー 「おわっ! ほんとに仲間割れしてる…」 目の主はオルメカ帝国ガーター騎士団に所属する新米騎士マリルーのものだった。 マリルー 「これはチャーンス! ここで何人か捕虜を奪えれば、作戦内容を引き出す事ができるかも」 「よーし! それ行くんにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああっっ!!!!!」 威勢よく茂みから飛び出した瞬間、マリルーの目の前には白いモチモチした海が広がっていた。 アモーレ隊長 「かかりましたか…」 後方から響く絶叫を耳にしたアモーレ隊長が呟く。 その口調からはそこで起こったであろう事柄を全て察している風な様子が覗えた。 アモーレ隊長 「第一部隊は周りの魔導兵を! 第二部隊はティターノの皆さんの網を切れ! 我々は敵のリーダーを押さえる!」 アモーレ隊長は後方に控える部下達に素早く指示を出し、その指示を聞いた部下達がティターノを戒める網を切除し始める。 ジゼラ 「何これ…どういうことなの?」 アモーレ隊長 「詳しい話は後です! 皆さんも身柄の解放された方から各自敵を迎撃してください!!」 アモーレ隊長はそんな一同に指示を促すと、自身は罠に掛かったであろう敵の元へと向かった。 マリルー 「んにゃぁぁ~~なにこれ、なんなのぉぉ~~、安全に攻められるんじゃなかったのぉぉ~~~!?」 アモーレ隊長 「大人しくしろ!」 見れば、先程までティターノと戦闘を行っていた筈のアモーレがこちらに向かって飛んできていた。 その後ろには白い衣を所々にブラブラブラブラぶら下げたティターノの面々の姿が……。 マリルー 「んなぁぁぁぁ~~っ!!! トリがティターノしょってきたぁ!!! 何で!? 仲間割れしてたんじゃないの!? 仲直りしたの!?」 |
危険度 ★★ LC0089 異端のジーモ 1000 / 250 / 165 5/2/2/13/14 敵サポカ 土LV1×2 機LV1×2 |
アモーレ隊長 「皆さん申し訳ありませんでした」 ジゼラ 「どういうことか説明してもらおうかしら?」 アモーレ隊長 「はい、実は…我々はある人物の手によってプログラムを書き換えられました」 「人間に対し敵対行為を行う…そうプログラムされた我々は、貴方がたに対し造反を起こすはずでした、しかし……」 「プログラムを弄られた事で我々にはあるものが生まれたのです…それが」 担当兵士 「自我……」 アモーレ隊長 「この自我により、我々は自身で物事を判断することが可能となったのです。 そしてこれがティターノを混乱に貶めようと企む者の仕業であると判断したのです。」 ジゼラ 「敵を誘き寄せるために一芝居打ったという訳ね」 アモーレ隊長 「はい…いくら芝居とはいえ、皆さんには本当に申し訳ないことをしたと思っております…」 ラウラ 「でも、結果こうして犯人を捕まえることが出来たわけですし…。 大切なものを何も失わずに済んだのは、よろしいことじゃありませんか。」 何はともあれ犯人は捕まった。ティターノ壊滅の危機は去ったのである。 しかし、アモーレ隊長は言い難そうに否定の言葉を口にした。 アモーレ隊長 「いえ、それが…どうやら我々に細工をしたのはこの方ではないようです…自我が生まれる前の出来事でしたのでハッキリとしたことは言えないのですが…もっと何かこう…」 マリルー 「めがねーーーーーー!!!」 アモーレ隊長「そう、めがね」 ドゴオオオオオオオオオン その時、轟音と共に何か巨大な物体が飛来した。 ジーモ 「おや? おやおやおや? これは一体どうしたことでしょうか? 予定ですと今頃ティターノは大混乱に陥っているはず……ですが、その様子はありませんね~」 アモーレ隊長 「このざわつき…あいつです! あいつが犯人です!」 マリルー 「この眼鏡ぇ! この嘘つき! 全然仲間割れなんかしてないじゃない! 逆にこっちが嵌められちゃったじゃないぃ! この眼鏡! だめがね!」 ジーモ 「な…なんですって!? この天才がどんなミスを犯したっていうのです!!」 アモーレ 「それは、我々の心です」 ジーモ 「こ…こころぉ!?」 ジーモ 「機械に心? 何を言っているんです。 若しも自我が芽生えたというのならそれはただのバグです」 言い放つジーモの左側面から何者かが凄まじい速さで飛び込んできた。 見れば、それは翼を広げた一体のアモーレであった。 |
エピローグ |
ジーモは結局その後健闘はしたものの、最後はトリモチまみれになりながら帰って行った。 アモーレ隊長 「危険は去りました……これも皆さんが心を一つにし立ち向かったからです…謂わば絆の勝利と言えましょう」 ジゼラ 「はぁ…」 ラウラ 「そうですわね、今回はアモーレ達のお陰ですわね」 カルロ 「お前達は立派な仲間だ…連邦軍の一員だ! これからも改めてよろしく頼む、アモーレ」 アモーレ隊長 「カルロさん、お言葉は嬉しいのですが、それは出来ないのです」 「我々に…もしも敵の手によりプログラムを書き換えられた際の処置がなされているのです……」 自動爆破装置――機械が人間によって作られたものである以上、その運命を人間の手によって握られるのは仕方のないこと…… カルロ 「それは…本当なのか…!?」 アモーレ隊長 「はい…機械とはそういうものなのです」 ルカ 「何とかならないの?…そうだ、プログラムを元に戻せば!!」 アモーレ隊長 「一度起動した機能を解除することは出来ません…」 「それでいいのです…我々はこうして皆さんを守ることが出来…最後には皆さんに仲間だと言ってもらうことが出来た。それだけで我々はもう十分です。」 アモーレ隊長は穏やかに、そして心の底から満足そうに言葉を紡ぐ。 その瞳は機械のそれであってもとても幸せそうに見えた。見れば後ろに控えるアモーレ達も皆同じ瞳をしていた。 アモーレ隊長 「皆さんありがとうございました…どうやらもう時間のようです…我々から離れてくださ…い」 アモーレ隊長 「カル…ロさん…貴方の言葉本当に嬉しか…た…」 音声がどんどんと高く金属的なものに変わる。 カルロ 「アモーレ…」 アモーレ隊長 「あ…り…が…」 それが、最後の言葉となった、直後―― ドォォォォォォンッ カルロ 「アモーレ!!!!アモォォォォォレェェェェェェェェェッ!!!!」 ・・・ ティターノ野営地の一角にあるテントの前で、数体のアモーレがメンテナンスを受けていた。 その内の一体の正面にはしゃがみ込み何やら観察を行うウーゴの姿があった。 ウーゴ 「なぁ…ルカ、ロボットって夢とか見るのか…?」 丁度良く現れたルカにウーゴは先程から抱いていた疑問を投げかける。 ルカ 「さぁー、知らないけど過去の出来事を思い出す…とかってのはあるんじゃないの?」 ウーゴ 「いや、さっきからすげぇ寝言いってんだけど…たまに難しいこと言ってる…独立とか自我とか」 ルカ 「じゃぁ、きっと壮大なスケールの夢でも見てるんだよ」 ウーゴ 「やっぱ夢とかあんのか…でもこいつら目が覚めたら今まで見てたものと世界が一転してて凄く混乱すんだろーな」 機械の身を案じるウーゴにルカはふっと笑って言葉を返した。 ルカ 「そうして彼らも夢オチって言葉を知るのさ」 |