ミッション№ |
名前 | 特殊条件 | 人数 | 戦利品 |
上級 №A0086 |
09 / 04 / 08 ~ 09 / 04 / 30 天空大陸の開放 |
EP 6カードのみ | 3人 | ルビーの原石 ブリザードLV3 ストームLV3 ロックLV3 |
プロローグ |
ミラナ「それじゃ私とジェノは結界の中心にある塔に向かうね。」 朝日が昇るよりも早く、ジェノとミラナは天空都市を後にした。 天空都市を守る結界を解除するために・・・。 この結界の存在により、天空都市は狂神から守られてきた。 その反面、結界により天空都市から狂神のいる島へ渡ることもできなかった。 多くの天空人が試みたができなかった結界の解除。 それは結界を張った者がすべての魔力を失ったように、解除者もすべての魔力を代償とする必要があった。 ミラナはそのことを知りながらも結界の解除に向かった。 そしてジェノもミラナを守るために付き添うことを選んだ。 その決意を無駄にしないと約束し、ルークスとアーヤは狂神のいる島へと渡る決意をした。 天空都市に住む者たちも彼らと共に戦うと立ち上がったが、ルークスたちはそれを断った。 結界のなくなった天空都市は、狂神からの脅威にさらされることになるからだ。 こうしてジェノとミラナ、ルークスとアーヤ、そして天空人たちはそれぞれが最後となる戦いへと挑むのだった。 |
危険度 ★★★★ EC0544 魔剣士 ヴィヴィ 1300 / 230 / 240 7/3/5/4/2 敵サポカ 火Lv3×2 機Lv3 |
ミラナ「ジェノとふたりで旅するのって久しぶりだね。」 騎士国ノールを出発した時はふたりだけの旅だった。 それが魔導国ディンマルグの領土に入ったころルークスとアーヤに出会い、今朝まで一緒に旅をしてきた。 ジェノ「そうだな。まさか空の上に来るなんて、ノールを出発する時は考えもしなかったよな。」 ミラナ「うん。でも天空人も良い人ばかりだったね。」 ジェノ「あぁ、良い人たちばかりだ。」 ミラナ「もうアーヤたちも出発するころかな?」 見えなくなった天空都市の方角を眺め、そして空に昇った太陽を眩しそうにミラナは眺めた。 ミラナ「もうすぐお昼になるね。急いで塔まで行かないと、アーヤたちを待たせちゃうね。」 ここまでは魔物に出くわすこともなく順調な旅路だった。 だが塔が見え始めたとき、状況は一変した。 それまでは穏やかな風が吹き、太陽の暖かさを感じることができたのに、急に辺りは空を覆う雲により陰りだしたのだ。 ジェノ「気をつけろ、塔の前に誰かいる。」 その言葉の通り、塔の入り口の前に人影があった。 人影は剣を持ち、その身から溢れる魔気を隠そうともせずにジェノたちがやって来るのを待っていたようだった。 ジェノ「どうやら通させてはくれないらしい。」 ミラナ「でも、私たちだって何もしないで帰るわけにはいかないわ。」 ジェノ「そうだな。それじゃ一気に行くぞ!」 |
危険度 ★★★★★ EC0471 神罰代行人 キサラ 1700 / 285 / 255 8/8/40/8/10 敵サポカ 風Lv3×2 鞭Lv3 |
塔の重い扉を開き、ジェノとミラナは内部に入った。 魔剣士ヴィヴィとの戦いは激しいものだったが、これまで多くの強敵と戦ってきたジェノの敵ではなかった。 ジェノ「この塔の上に結界を張っている石があるんだな。」 塔の中は螺旋階段により、上へと続く道があるのみだった。 ミラナ「急ぎましょう。私たちよりも先に塔に入った人がいるみたいだしね。」 先に侵入者が階段を上ったのは調べるまでもなかった。 足跡が複数あるのだ。 少し前についた足跡が。 ジェノ「そうだな。この足跡の主が何の目的でこの塔に来たのかわからないが、急いだほうがよさそうだ。」 ふたりは螺旋階段を勢いよく駆け上がり始めた。 だが徐々にその勢いは衰え、普通に歩くのと変わらないペースになる。 ジェノ「この階段はどれぐらい続くんだ?」 疲れたわけではなかったが、終わりの見えない階段で無駄に体力を消耗するのは避けたかった。 これから遭遇するであろう敵に出会う前に疲れ切ってしまっては、勝てる戦いも勝てなくなる。 最初ほどの勢いはなくなったものの、歩みを止めることなくふたりは登り続けた。 どれぐらい階段を上っただろうか、延々と螺旋階段を上ることで時間の感覚が無くなってきたころ階段は終わり、小さな踊り場に辿りついた。 キサラ「やっと来たか。待ち疲れたぞ。」 踊り場の先に扉があり、その前にひとりの男が立っていた。 キサラ「戦う体力は残しているんだろうな。」 ジェノ「これから戦う相手の心配か?確かに少し疲れたが・・・。」 ジェノの言葉が終わる前にミラナは持っているポーションをジェノにふりかけた。 ミラナ「これでもう大丈夫。疲れたり怪我してもすぐに治せるようにたくさん用意しておいたわよ。」 ジェノ「ってことだ。だから手加減の心配は無用。最初っから手加減する気もなさそうだけどな。」 |
危険度 ★★★★★★ EC0516 アラグレス 狂神の波動 1600 / 270 / 250 12/30/30/12/3 敵サポカ 火Lv3 水Lv3 風Lv3 土Lv3 |
アラグレス「ちっ、キサラの奴めしくじったか。」 扉の先の部屋の中央には巨大な結界石が緑色に光っていた。 その前には、かつて黒の魔人として地上で猛威を振っていた者がいた。 ジェノとミラナが以前の黒の魔人に出会ったことがあれば、風貌以上に大きく変貌を遂げた魔気に気づいたかもしれない。 だが、ジェノたちが感じたのは驚異的な強さと狂気にとりつかれたようなその表情だった。 アラグレス「お前たちはこの結界を解くつもりだろう?だが、それはあのお方にとっては都合が悪いんだそうだ。」 数は少ないとはいえ狂神は、これまで結界に守られた天空都市に一方的に魔物を送り込むことができた。 だが、結界が無くなれば狂神の島へ渡れるのだ。 天空都市を守る結界が、皮肉にも狂神に恩恵をもたらしているのだ。 アラグレス「フェルゼンは連れてこなかったのか?あいつの魔気がこの天空大陸に現われたことには気づいてるんだ。お前たちはあいつと一緒じゃなかったのか?」 ジェノとミラナはフェルゼンという名に聞き覚えがなかった。 知らない者の名前を聞かされ、ジェノとミラナは戸惑った。 だが、アラグレスはフェルゼンの名を続けて言葉にする。 アラグレス「フェルゼン・・・、黒の魔人である私をこんな体にしやがって。絶対に許しはしない・・・。」 黒の魔人の視線は宙をさまよい、その場にいないフェルゼンの幻を見ているようだった。 アラグレス「お前たちを倒して探しに行くとしよう。天空都市を襲えば正義感ぶったあの男も現れるだろうからな。」 |
エピローグ |
アラグレス「な、なぜだ。あのお方に授かったこの体まで滅びるというのか・・・。」 ジェノの剣を受けたアラグレスの白い体に亀裂が入り、指の先から崩れ始めた。 アラグレス「私はフェルゼンを倒さなければいけないのだ。そのためにあのお方に甦らせていただいた。なのに、なぜ・・・。」 ジェノ「俺はフェルゼンって奴じゃないし、この場にそいつはいない。だけど、お前はフェルゼンと戦おうとしてた。俺の剣を見ようとせずにな。」 フェルゼンへの復讐心で満たされていたアラグレスは、ジェノと戦いながら、ジェノの剣筋ではなく、フェルゼンの剣筋を追いながら戦っていたのだ。 これでは以前よりも大きな力を手に入れた魔人といえど、魔王と戦ったことのあるジェノを負かすことなどできなかった。 アラグレス「私は滅びはしない。たとえこの体が朽ち果てようとも、私は甦ってみせる。何度でもな!」 その言葉を発した後、黒の魔人アラグレスの体は砕け散り、形を残すことなく消え去った・・・。 残ったのはジェノとミラナ、そして緑色に輝く結界石だけとなった。 ミラナ「ジェノのおかげでやっと辿りつけたね。」 ジェノ「あぁ思ってたよりも苦戦したけどな。」 辺りを見回し、敵の気配がないことを確認したジェノはその場に座り、剣を置いた。 立っていられないほど疲れたわけではない。 立っているとミラナを引き留めてしまいそうだったから。 ミラナ「それじゃ次は私の番だね。私がこの結界石で結界を解けば、ルークスとアーヤが狂神を倒してくれる。」 だが、結界を解いた代償としてミラナは魔力を失う。 薬師として魔力がないのは致命的ではないが、激しい戦いの中に身を置くジェノと一緒にいられなくなる。 ミラナ自身が幾日も悩んだ末、決意して天空都市を出発したはずだが・・・。 ジェノ「なぁミラナ。ミラナは魔力がなくても俺と一緒にいてくれるよな?」 ミラナ「えっ?」 ジェノ「いままでミラナの薬に助けられてきてたから、いざって時にミラナがいないと不安なんだよな。」 ジェノの言葉を聞き、ミラナの心は揺らいだ。 もう一緒に旅はできなくなると覚悟を決めたのに・・・。 ミラナ「・・・なんで今そんなこと言うのよ。ずっと悩んでた私がバカみたいじゃない。」 ジェノ「いいじゃないか。それで答えは?」 ミラナ「もちろん、これからもジェノが無茶しないように一緒にいて見張るんだから。」 そう言うとミラナは結界石に手をかざした。 その顔には迷いはない。 ミラナ「ジェノ、ありがとね。」 小さく囁いたミラナの声はジェノに届かなかった。 感謝の言葉を発するのと同時に、ミラナは結界石に触れ、結界の解除を念じたのだ。 辺り一面に緑の光が広がり、あまりの眩しさにミラナとジェノは目を閉じた。 すぐに光は消え、目の前にあった結界石も消えていた。 ミラナ「もう終わり?これで結界は消えたのかしら?」 ジェノ「消えたんじゃないのか。さっきまであった石が無くなったし。」 ミラナ「・・・私の魔力も無くなったみたい。」 ジェノ「そっか。それじゃ次はルークスたちの番だな。」 こうして1000年の間、天空大陸を守ってきた結界は消え去った。 ジェノとミラナは役割を終え、ルークスとアーヤが約束した役割を果たすときが来た。 |