ミッション№ |
名前 | 特殊条件 | 人数 | 戦利品 |
中級 №A0003 |
08 / 09 / 30 ~ 08 / 10 / 31 ラクロア城への襲撃 |
リーダー 騎士ギャン |
2人 | ファイアーLV2 アクアLV2 ウィンドLV2 (?ポイント) |
プロローグ |
ラクロア王国の城下町に、武器を打ち合わせる激しい戦いの音が響く。 街中に突如なだれ込んで暴れまわっているゴブリンザクに対処するため、城の兵士が打って出たのだ。 その混乱に乗じ、ひとり悠々と城門を潜る者がいた。 切っ先の鋭いレイピアを腰に差した影は、ジオン族の騎士ギャンである。 騎士ギャンは城下町だけでなく、あらかじめ近隣の村をモンスターに襲撃させており、そちらにも兵士が派遣されているので、城内の戦力はほとんど空だ。 この隙に城に侵入することこそが騎士ギャンの狙いだった。 「貴様何者だ、止まれ!」 門兵の警告にも歩みを止めない騎士ギャン。 門兵が槍を突こうとするも、その前にゴブリンザクが割り込んで妨害する。 「フンッ、私を知らないだと?」 騎士ギャンはそう言って芝居がかった仕種でマントを跳ね上げた。 「レビル王よ、サタンガンダム様の忠実な僕、騎士ギャンが貴様の首を貰いにきたぞ! フハハハハッ」 |
GC0000 ??? ★×? *** / *** / *** * / * / * / * / * |
2段構えの陽動で手薄になった城の防備をかいくぐり、騎士ギャンは王の間の扉に手をかける。 騎士ギャンの発案したこの作戦が成功し、レビル王を暗殺することができれば、騎士ギャンはサタンガンダムの下でさらに重要な役を与えられる予定だ。 これまではより腕の立つ者たちの後塵を拝していたが、策略ならば誰にも負けない自信があった。そして彼は策略に長けた者こそ、主であるサタンガンダムの側近に相応しいとも考えている。 作戦の成功をほとんど確信しながら、扉を開け放つ騎士ギャン。 王の間には、王の盾となるために集まった親衛隊と、レビル王その人が控えていた。 親衛隊は部下に任せ、騎士ギャンはレビル王に向かう。 「これほど強引にわしを狙うとは、よほど手柄が欲しいと見える」 「黙れ、老いぼれめ。そうやって時間を稼ぐつもりだろうが、付き合う気はないぞ」 騎士ギャンがレイピアを構えたとき、レビル王の前に飛び込む人影があった。 「レビル王、ここは私が。」 城の警備を任されている武闘家ネモは、レビル王を隠すように騎士ギャンへと歩み寄る。 「良いだろう。貴様を倒して、レビル王を亡き者にしてくれる」 |
敗北時 | 「馬鹿なっ!?」 武闘家ネモの軽快な動きに翻弄され、床に転がされる騎士ギャン。 しかし、やられながらも騎士ギャンは油断なく左右に目を走らせる。 どうやらまだ城下町に出た兵士は戻ってきていないようだ。もう少し時間は残っている。 そう判断し、騎士ギャンは再び武闘家ネモへ剣を向けた。 |
GC0000 ??? ★×? *** / *** / *** * / * / * / * / * |
武闘家ネモを倒し、レビル王にとどめを刺すべく、ゆっくりと近づく騎士ギャン。 「……ここでわしを殺したところで、貴様らもすぐに滅ぼされることになるぞ。騎士ガンダムによってな」 「世迷言を。誰だ、それは?」 「ラクロア王国に降臨した、伝説の勇者だ」 「さてはあの、陽動に引っ掛かって飛び出していった見慣れぬ騎士か。頼りにならない勇者だったな」 嘲りの笑いを浮かべ、騎士ギャンは剣を振りかぶる。 しかしそこに駆け込んでくる者がいた。 「やらせはしないっ!」 その勢いに、剣を振り下ろせぬまま騎士ギャンは後退させられる。 騎士ギャンとレビル王の間に立ってレビル王を庇ったのは、騎士アムロだった。 「人間、そこをどけっ」 「そんなことを言われて、どくものか」 内心の焦りを隠し、騎士ギャンはレイピアを繰り出す。 |
敗北時 | 騎士アムロの剣にしたたかに打ち据えられ、騎士ギャンは膝をつく。 取るに足らぬ相手と思っていたこの騎士は、思ったよりも強敵のようだ。 しかし、だからといってここで負ければ、大量の兵を失っただけで作戦は失敗に終わってしまう。 そうすれば出世の道が閉ざされるどころか、敗者に厳しいサタンガンダムにどのような仕打ちを受けるか知れたものではない。 己の欲望と、何より主への恐怖が騎士ギャンを再び立ち上がらせる。 |
エピローグ |
騎士ギャンのレイピアに全身を切り裂かれた騎士アムロが、床に倒れ伏す。 「手間を取らせおって」 しかし、騎士ギャンの余裕もそこまでだった。 騎士アムロが時間を稼いだお陰で、町に出ていた兵士が戻ってきたのだ。 絶体絶命の危機と思われたが、騎士ギャンの行動に躊躇はなかった。 懐から取り出したナイフをレビル王に向けて投げつけると同時に、兵士たちとは別の出口に向けて走り出す。 ナイフは騎士アムロが傷つきながらも最後の力で掲げた盾に防がれたが、その隙に騎士ギャンはまんまと囲みを突破した。 「追え、やつを逃がすな!」 レビル王の号令で兵士たちは騎士ギャンを追いだすが、実はこの時騎士ギャンは城から逃げようとするのではなく、より上、フラウ姫の私室へと向かっていた。 虚を突き、見事にフラウ姫のもとにたどり着く騎士ギャン。 「無礼者、下がりなさい!」 気丈に命じるフラウ姫の首筋に一撃を食らわせ、気絶させると素早く小脇に抱える。 その時、騎士ギャンの目に、机の上にある紙とペンが目に入った。 彼はフラウ姫を人質に逃げ去るだけのつもりだったが、その智謀は一瞬で別の策を練り上げる。 紙に何事かを書き付ける騎士ギャン。その内容は、フラウ姫を人質に騎士ガンダムを呼び出すものだった。 「レビル王は逃がしたが、ラクロア王国の新たな希望である勇者を殺せば、サタンガンダム様もお喜びになるだろう」 そうして、己の考えた起死回生の策に満足しながら、騎士ギャンはフラウ姫もろとも窓から身を投げ出す。 下には、部下たちに用意させていた逃走用の馬が待っているはずだ。 「策士とは、二手三手先まで考え、失敗を成功に変えられるものよ」 勝ち誇る騎士ギャンだったが、この時彼はまだ、自分が騎士ガンダムの力を過小評価していることに気付いてはいなかった――。 |