ストーリーモードに書かれているストーリーをまとめたページです。

ネタバレ含みますので、純粋に攻略を愉しみたい人は見ないほうがいいです。



{

Episode 6




プロローグ


1000年前の出来事。
地上に住む人間と天空大陸に住む天空人の平和は、
ひとりの神により突然破壊された。
のちに狂神として天空人に怖れられる神は、隕石を天空都市に
落としただけでは飽き足らず、数多くの魔物を放った。
隕石の破壊から逃れた天空都市も魔物によって荒らされ、
その影響は地上までに及んだ。

隕石の影響により出現したゲートにより、魔物は地上へと
降り立ち、さらなる破壊をもたらした。
ゲートは時間と共に消失し、徐々にだが魔物の増加は止まる気配を見せた。
だが、一箇所だけ閉じる気配のないゲートが存在した。
そのゲートは現在、ディンマルグ城のある場所にあった。

数多くの魔物が地上に現れる中、ひとりの天空人が
ゲートを通って地上へ降り立った。
天空人は自らの魔力を引き換えに、ゲートとその先に
存在する天空都市に結界を施した。
その後、魔力を失った天空人は封印されたゲートの存在を
隠すため、近隣の地上の民との協力により城を立て、国を作った。

それから長い年月が過ぎ、魔王の魔気によりディンマルグ城に
施された封印は解け、再び地上と天空都市を繋ぐゲートが開いたのだった。
そして魔王を倒したルークス、アーヤ、ジェノ、ミラナは天空大陸の存在に
戸惑いながらも、歩み止めることなく天空人のいる都市へ辿り着いたのだった。

ミラナ
「それじゃ私とジェノは結界の中心にある塔に向かうね。」

朝日が昇るよりも早く、ジェノとミラナは天空都市を後にした。
天空都市を守る結界を解除するために・・・。
この結界の存在により、天空都市は狂神から守られてきた。
その反面、結界により天空都市から狂神のいる島へ渡ることもできなかった。

多くの天空人が試みたができなかった結界の解除。
それは結界を張った者がすべての魔力を失ったように、
解除者もすべての魔力を代償とする必要があった。

ミラナはそのことを知りながらも結界の解除に向かった。
そしてジェノもミラナを守るために付き添うことを選んだ。
その決意を無駄にしないと約束し、
ルークスとアーヤは狂神のいる島へと渡る決意をした。
天空都市に住む者たちも彼らと共に戦うと
立ち上がったが、ルークスたちはそれを断った。
結界のなくなった天空都市は、
狂神からの脅威にさらされることになるからだ。

ルークス
「さあ俺たちも行こう。」

ジェノとミラナの姿が見えなくなった後、
ルークスとアーヤもまた天空都市を後にした。

1人目 (スカルドラゴン)


天空都市から離れた岬。
そこから狂神のいる島を見ることができた。
雲の切れ間から姿を現したその島は、小さいながらも不気味な気配を発しているようだった。
それが狂神によるものなのか、または島の周りを飛んでいる存在によるものなのかは分からなかった。

アーヤ
「ミラナさんたちは平気かしら・・・。」

ルークス
「信じようよ。ミラナさんたちが俺たちになら狂神を倒せると信じてくれるように。」

その時、アーヤは何かが割れるような音を聞いた。
その音はルークスたちを狂神の島へと導くために付いてきたホワイトミストのフェレルにも確かに聞こえていた。

フェレル
「彼らは約束を守ったようですね。それでは私たちも行きましょうか。」

ルークスとアーヤは頷き、そしてフェレルの背に跨った。

フェレル
「結界が解けたことで、あの島の周りを飛んでいた魔物がこちらに気づいたようです。振り落とされないようにしっかりつかまっててね。」

その言葉の通り、狂神の島から魔物が向かってくるのが見えた。
こうして狂神との戦いが幕を開けた・・・。

2人目 (下級天使 アリシャ)


フェレル
「怪我はない?」

狂神の島から天空都市に向かって飛ぶ翼竜の群れを抜けたフェレルは、その体に無数の傷を負っていた。
だが、ルークスとアーヤは傷ひとつ負っていなかった。

アーヤ
「私たちは大丈夫。あなたが守ってくれたから。」

ルークス
「俺たちも戦えたのに・・・。」

フェレル
「いいのよ。ここまでは私の役目。だけど、ここから先はあなたたちに託すしかないから。」

傷ついたフェレルを岩陰に避難させ、ルークスとアーヤは狂神の島に上陸した。
命ある者の息吹を感じさせないその島は荒れ果てていた。
小さな島の中に不釣合いなほど巨大な城があった。
一目でそこに狂神はいると分かるほど、禍々しい気配を発していた。
これからの戦いを想像したアーヤは息を呑んだ。

ルークス
「俺たちならできるってみんなが信じてくれた。だから俺たちも自分だちの力を信じるんだ。」

不安そうなアーヤの様子を感じ取ったルークスは自分の気持ちも奮い立たせるように言うと、城に向かう道を歩き始めた。

アリシャ
「あなたたちが創造主様の邪魔をしようとしている人たち?」

その声は空から聞こえてきた。
あまりにも敵意のない静かな声に警戒を忘れたルークスとアーヤは、一瞬その美しい姿の天使に見入ってしまった。

アリシャ
「創造主様はこう言っていたわ。邪魔者がこの島にやって来ると。それはあなたたちのことかしら?」

白い羽を持つその姿はまさに天使そのものだった。
だが、その天使は自ら狂神の島の主を創造主と呼んでいる。
天使の真意を読みきれないルークスとアーヤは返答に困っていた。
だが、天使に迷いはなかった。

アリシャ
「答えなくてもいいわ。私の役割はあなたたちの答えを聞くことじゃなくて、倒して創造主様に喜んでいただくことだから。」

神を絶対なる存在と崇める天使は、迷うことなく侵入者であるルークスたちに襲い掛かってきた。


3人目 (焔岩のメリベル)


城の入り口には炎の翼を持つひとりの女が待ち受けていた。
女の名はメリベル。
狂神により城に侵入する者を駆除するのが彼女の役割だった。

メリベル
「この場所に来たのはあなた達だけ?魔断師の男はいないのかしら?」

魔断師の男?
ルークスたちは天空大陸で出会った10英雄のひとり、魔断師ギルバートを思い出した。
だが、目の前の女が求めている男はギルバートではなかった。

ルークス
「この場所に来たのは俺たちだけだ。他の人たちはお前たち魔物の襲撃に備えて天空都市に残っている。」

メリベル
「それじゃあんたを倒して私から会いに行ってあげる。あの人の氷の腕が忘れられないの。借りを返すためにこんな体になったんだもの。正々堂々正面から戦って力の差を分からせてあげる。」

氷の腕の魔断師。
その言葉に、ルークスとアーヤはギルバート以外の魔断師を思い出した。
目の前の女が探している魔断師は、ギルバートではなくリーのことだったのだ。

メリベル
「それじゃ急いで迎えに行くから、あなた達は早く燃えてくれるかしら。」

そう言うとメリベルの背中の炎は輝きを増し、左手のアメジストのような結晶から強力な魔気が噴き出した。
開放した魔気は、ルークスたちがこれまで戦った魔人を超えていた。
狂神を前にして強敵との戦いによる疲労は避けたいルークスたちは一瞬怯み、その場に立ち尽くした。

クルン
「見つけた!」

その声は空から聞こえてきた。
気だるそうに空を見上げた女が見たのは、白い羽を持った幻獣とその背から飛び降りた女剣士の姿であった。
空から舞い降りた女剣士は剣を抜き、その勢いのままメリベルに切り掛かった。
まさにその様子は、天からの一条の光が突き刺さったようであった。

アーヤ
「シャルクさん!」

女剣士はルークスたちの祖国フィンで出会い、共に途中まで魔王討伐の旅をしてきた剣士シャルクであった。

シャルク
「追いついたわね。まずはこの魔物を倒すわ。話はその後でいいわね。」


4人目 (凍風のマグナス)


メリベルとの戦いに勝利したルークスたちは城に入る前に、しばしの休憩を取ることにした。

クルン
「本当にルークスだよね?やっと追いつけた。」

フィン国でルークスの帰りを待っていたはずのクルンは、その背にシャルクを乗せてこの狂神の島までやってきたのだった。
それはまさに勇者ルークスと共に人々を救うホワイトミストとしての運命がクルンを駆り立て、遠いフィンからこの場所まで呼び寄せたかのようだった。

クルン
「ディンマルグと天空大陸がゲートで繋がったとき、母さんの声が聞こえたんだ。それでルークスのところに行かなきゃいけないって思って向かったら、途中でシャルクさんと会って。」

母親の敵である黒の魔人を倒したのち、シャルクは父親のフェルゼンと別れてから、ルークスとアーヤが通った道を辿り、ここまでやってきたのだった。

シャルク
「もう休憩はいらないわ。先を急ぎましょう。」

ルークス
「それじゃクルンは教えた場所まで戻っててくれ。そこにフェレルがいるはずだから。」

こうしてルークス、アーヤ、シャルクの三人は先を急いだ。
城門はさきほどメリベルと戦った後から変化はなかった。

アーヤ
「良かった。まだ誰にも気づかれていないようね。」

マグナス
「そうでもない。少なくとも私は気づいていたよ。」

その声は空から聞こえてきた。
声の主からは凍りつくような魔気が発せられていた。
あまりに堂々とした魔気に、それまで誰も気づかなかったのが不思議なくらいだった。

マグナス
「メリベルとのとの戦いから見ていたが、やはり魔断師は来ないか。あの者と再び戦うため、狂神の力を借りるという屈辱を甘んじて受けたというのに・・・。」

マグナスの体を取り囲むように風が巻き起こり、凍てつく魔気により周囲が凍りつき始めた。
それほどまでにマグナスの水の魔気は強大なのだ。
その魔気は、ルークスたちがスヴェインを旅したときに噂に聞いた4魔将を彷彿させた。

マグナス
「こうなれば再びスヴェインの地に、こちらから出向くことにしよう。そのためにもまずは貴様たちを眠りにつかせるとしよう。」

先ほど戦ったメリベル、そして目の前のマグナス。
彼らはかつて4魔将と恐れられた者たちの変わり果てた姿であった。
そのことを知らないルークスたちだったが、ルークスたちに向けられたマグナスの魔気が避けれない戦いへといざなうのであった。


5人目 (黒衣の使者 サブリナ)


サブリナ
「あら、創造主様の使いを倒してしまいましたの?」

マグナスを倒し、休むことなく城内へと入ったルークスたちを待ち受けていたのは、黒衣のドレスに身を包んだ女性だった。
彼女は優しい顔に不似合いな魔気を隠そうともしていなかった。

アーヤ
「あなたも魔族なんですか?」

サブリナ
「あなたたちから見たらそうなんでしょうね。でも、隣にいる友達も私たちに近い存在みたいね。」

サブリナはシャルクの中に流れる魔気を見抜いていた。
魔に落ちたフェルゼンと人の間に生まれたシャルクは、生まれながらに魔気を秘めていた。
それは元神であったフェルゼン血が流れている証拠でもあった。
それはまさに奇跡とも言える稀有な存在なのだ。
だが、その事実に気づいているものは少ない。
当の本人であるシャルクでさえ、ことの重大さに気づいていないのだから・・・。

サブリナ
「なぜあなたたちは戦うのかしら。神である創造主様に背くのは大罪だと思うのだけど、その自覚はある?」

盲目的に狂神に従うのは、まさに狂神によって創り出されたためなのだろう。
優しく微笑むその顔には敵意はなかった。
だがサブリナは確固たる意思を秘めていた。
主である狂神の妨げになる者を駆除する。
それがこの狂神によって創り出された者たちに与えられた役割なのだから・・・。

シャルク
「確かに神に逆らうのは大罪かもしれない。だけど神の行いがすべて許されるわけじゃないわ。」

ルークス
「少なくとも俺たちは魔王を倒すために旅をして、そして魔王の背後にいるのが神と知った。だから俺たちはここにいるんだ。」

サブリナ
「そう。それじゃ神が神であることを止めたら、いったい何者になるのかしらね。そんなこと考えたことある?」

シャルクとルークスは剣を構え、自分たちの意思を表した。
それに対してサブリナもまた自らの信念に従うため、空へと舞い上がった。
サブリナの背には、それまでなかった黒い翼が現れていた。

サブリナ
「あなたたちの罪、私が創造主様に代わって粛清してあげますわ。」


6人目 (うつろう者 アーガス)


王座へと続く回廊にひとりの男が立っていた。
その男はルークスたちにとって見覚えのないはずの男だった。

アーガス
「ルークス・・・本当にお前なのか?顔を見せてくれ。我が子、ルークス。」

凍りつくルークス。
同じ10英雄である魔術師ドウガが幼いルークスに語ったのは、帰らぬアーガスの雄姿であった。

アーヤ
「もしかして、魔王を倒したことでルークスのお父様も解放されたのかも・・・。少なくとも目の前にいるのは幻ではないわ・・・。」

魔術やアーヤの中にある天空人の想いに問いかけても、目の前の男がルークスの父親アーガスではないという確証は得られなかった。
だが、それは本物だという証明にはならない。

アーガス
「ディンマルグで目を覚ましたときは驚いたよ。私の息子が魔王を倒したというんだからな。」

優しく微笑むその顔は、まさに子を思う親の顔だった。
だが、シャルクだけは奇妙な違和感を感じていた。
目の前の男は優しく微笑んでいるはずなのに、時々一瞬だけだが顔が見えなくなる気がしたのだ。

シャルク
「ルークス待って、なにかおかしいわ・・・。」

最初から違和感を感じていたシャルクは自分の感覚を信じて剣を抜いた。

アーガス
「さぁルークス。私と共に戦いの無い世界を作るんだ。抵抗する者のいない世界を・・・。」

アーガスのことを知らないアーヤとシャルクでもわかる不自然な言葉。
だが、今のルークスはそのことにさえも気付かなかった。

アーヤ
「ルークス、そっちに行っては駄目。その男は敵よ!」

ルークス
「え?アーヤ何を言ってるんだよ。俺は父さんと行くんだ・・・。」

ルークスはアーガスだけを見ていた。
まるで他には誰も存在していないかのように。

シャルク
「貴様、ルークスに何をした!」

アーガス
「君たちは私の息子にとって必要のない存在となったんだよ。」

すでに男の顔は、先ほどまでの優しい父親のものではなくなっていた。
姿形こそ変わらなかったが、今はアーヤにもわかるほどの魔気をまとっているのだ。

アーヤ
「ルークスを返して。」

アーガス
「やれるかな?我が子の力がなければ、ここまで来れなかっただろうに・・・。」

アーヤ
「確かにルークスがいなければ力では勝てないかもしれない。でも諦めたりはしないわ。ルークスは私たちに必要な人だから。」


最終決戦 ! (狂神 マルドラス)


アーガスだったはずの存在は、いつしか奇妙な姿へと変貌を遂げていた。

うつろう者
「まさか私の術が破られるとはな・・・。」

狂神の力により冥界より生まれ出た男は、冥界に彷徨っている魂を我が物とし、その身に宿すことができるのだった。

うつろう者
「予想以上の意志の強さを見せてもらった。狂神マルドラスに借りを返すつもりだったが、今の私にはそれは難しいようだ。ここは引かせてもらう。」

一方的に告げた男は次第に姿が薄れ、そして消え去った。
その間、正気を取り戻したルークスも先ほどまで戦っていたアーヤとシャルクさえも攻撃することができなかった。

ルークス
「今のはなんだったんだ?」
アーヤ
「わからないわ。だけど、この島に渡ってきてから奇妙なことばかりが続いている。」
ルークス
「これもすべて狂神のせいなのか・・・。」

三人は精神的な疲労を感じながら、状況を理解しようと心が焦っていた。
そんなとき回廊の先にある豪奢な扉の中から声が聞こえてきた。

マルドラス
「私の部屋の前で立ち話を続けるつもりか?」

その声は特別大きくはなかったが聞き逃すことはなかった。

ルークス
「行こう。俺たちの目指していた敵が扉の向こうで待ってる・・・。・」


扉を開けた先は、大きな窓から明るい日差しと涼やかな風が入り込んだ部屋であった。
平和に見えたその部屋の中央に、一人の男とその傍らに奇妙な存在がいた。
狂神マルドラスの手によって生み出された無機質な体に鳥の翼を持つ存在。

マルドラス
「ようこそ、キミたちが私の手から世界を救う勇者かい?」
アーヤ
「あなたが狂神?」
マルドラス
「そう呼ばれてるね。狂っているのは私ではなく、この世界だというのに・・・。」
ルークス
「世界が狂っているから地上に魔物を放ったとでもいうのか!」
マルドラス
「キミたちは長い旅をしてきたのだろう。ではひとつ問おう、地上は自らの命を代償にしてまでも護るべきものだったか?」

悠久の刻を通して地上を見てきた神の問いに対し、ルークスたちはすぐに答えることができなかった。その問いが間違いではないことを知っていたから・・・。」

マルドラス
「答えに困ってしまったようだね。だけど、もう悩む必要はないよ。この場で君たちの旅は終わるんだからね。」

穏やかな時が一変して、常人では耐えることができないほどの魔気が辺りを支配した。


エピローグ (1周目)


マルドラス
「なるほど、確かにキミたちから私の知らない力を感じる。」

シャルクの一撃を受けたマルドラスは何もなかったように静かに囁いた。

シャルク
「手応えはあったのに・・・。」

アーヤの魔術、そしてルークスとシャルクの剣戦。
それは確実にマルドラスの体をえていた。
だが、そのマルドラスは苦闘の表情すら見せることはなかった。

マルドラス
「確かにキミの剣は私の体を斬った。
だが、それも一瞬の切り傷でしかない。もう治ってしまったんだよ。」

その言葉通りマルドラスの体は恐ろしいほどの治癒能力を備えているのだった。

マルドラス
「キミはフェルゼンの娘だったね。・・・神の力を引き者か。
だが残念ながらキミでは私には勝てない。」

力の差。
まさにその言葉が今の状況を的確の表していた。
マルドラスは戦いの最中、ルークスたちの実力を試しながら、
この状況を楽しんでいたのだった。

マルドラス
「そしてキミの名はアーヤだったか?キミの存在は興味深い。
まさか1000年の間、神を封じる者が生き永らえているとは・・・。」
アーヤ
「神を封じる者・・・?」
マルドラス
「おや、その表情は知らなかったのか?
強力すぎる神の抑止力として、神の元を離れ地上へ降りた一族ということを。」

それはアーヤも知らない事実。
まさにこの場にいるのは運命だったのだ。

マルドラス
「しかしどうやって隠し通していた?私でさえさっきまで気づくことができなかった。
だが、今のキミの力を感じ取ることができるほど強力になっている。何故だ?」

戦いの最中、アーヤは自らの魔力が高まるのを感じた。
だがそれは気持ちの高ぶりによるものだと思っていたのだ。

マルドラス
「神を封じる者、そして神の力を引く者。
このふたりは私の前に現れる運命だったのだろう。だがキミは何故この場にいる?」

それはルークスのことだった。
先ほどまでの戦いでもマルドラスはルークスに秘められていた力を感じ取ることは無かったのだ。

マルドラス
「ソリアが認めた者たちだから何かあると思ったんだがルークス、キミからは何も感じられなかった。

その実力は認めるが、それだけでは私を倒すことなどできない。」

ここまでの戦いはアーヤがマルドラスの力を抑え、ルークスはマルドラスの強力な攻撃を受け止める守りに徹していた。
そうしてできた隙をついてシャルクの剣がマルドラスを斬る。
つまりマルドラスに対し、ルークスは一太刀も浴びせることができなかったのだ。

マルドラス
「その剣、それは十英雄から託された物だね。
その剣に力が秘められているのか?試しに私を斬ってみるか?」

その剣はマルドラスの言葉の通り、十英雄のひとりであるジルスから手渡されたものだった。
ルークスの父、アーガスが魔王と戦ったときに使っていた剣をジルスが15年という長い年月をかけて打ち直した一品であった。
その剣を握りなおしたルークスは、無防備に近付いてくるマルドラスに全力で切りかかった。

ルークス
「諦めはしない。たとえ俺に力がなくても、必ず戦いを終わらせるんだ!」

すべての力をぶつけようとするルークスに対し、それまで無防備だったマルドラスは突然その身を翻し、かわそうとしたそだ。

マルドラス
「今のは何だ・・・竜?」

それまで防御に徹していたことで表に出なかったルークスの力の一端が、すべてを掛けた捨て身の攻撃により解放された一瞬だった。

マルドラス
「その力・・・、どこで手に入れた。」

その声はそれまでにない焦りが含まれていた。
ルークスの一撃は直撃はしなかったものの、マルドラスの体に傷を負わせた。
治ることのない傷を・・・。

マルドラス
「まさか私の体がこれだけの傷で崩れるというのか・・・。」

その言葉の通りマルドラスに与えた傷は治るどころか、徐々に広がり始めていた。
その力こそルークスの内に秘めた竜の力によるものだった。

マルドラス
「なるほど、キミはその身に破滅の竜の力を秘めているのか。
神さえも燃えつくす竜の力・・・。」

静かに話すマルドラスが崩れ始めた。
竜の力によってできた傷は、まさに炎のようにマルドラスの体を侵食していく。

マルドラス
「私の負けのようだ。・・・この場はね。
敗因は、キミたちを甘く見すぎたことだね。」

意味深な言葉を残し、マルドラスは崩れてゆく右手を大きく振り下ろした。
手から発せられた廃気により、ルークスたちは身動きが取れなくなった。

マルドラス
「ちょうどこの世界の呪縛から逃れる方法を獏索していた所だ。
崩れ去る体を捨て、新たな世界の創造を行なうことにしよう。」

世界の終わりを告げる言葉を残し、狂神マルドラスは姿を消した。
マルドラスの力が及ばない天界大陸の結界が消えたら今、新たな世界を創造するマルドラスの計画を阻止する障害はなくなってしまったのだ。

アーヤ
「もう終りなの・・・?」
シャルク
「私はルークスたちのおかげで母さんの敵を討てて。諦めずに前に進むことを教えてもらったから。まだ私たちの体は動く。まだ終わりじゃない。」
ルークス
「終わらせるわけにはいかないんだ。俺たちだけじゃない、みんなの未来への思いを無駄にしないために諦めちゃいけないんだ!」


ルークスたちは諦めかけた気持ちを奮い立たせ、再び狂神マルドラスに挑むために歩き始めた・・・。



最終決戦 ! (マルドラス 刻の崩壊)


マルドラス
「神に抗うか・・・。」

その声は深い闇の底から聞こえてくるような静けさを秘めていた。

マルドラス
「なるほどソリアが託すわけだ。あの男にもない力を持っている。私を倒すために必要な力・・・。」

声の主は人の姿を保ってはいなかった。
力を欲したものの末路。
そう呼ぶに相応しい姿であった。

マルドラス
「地上は人の咎により汚染された。
天空大陸を築いた天空人こそが、人から進化した神であったはず。
だが、それすらも違った・・・。
この天空大陸においても争いがなくなることはなかったのだ。」

独白に聞こえるその言葉は、誰に届けようとしていただろうか・・・。

マルドラス
「だから気づいたのだよ。人が争いを作り出す咎を持つならば、この世界を壊し、この導きの神である私が世界を創造し、正しい道へと導くのだ。と・・・。
この導きの神である私が正しい世界を創造する必要があることに・・・。」

力を渇望したマルドラスは、あらゆる力を求め、研究に没頭した。

そしてマルドラスはある時、何者かが発した言葉を耳にした。
マルドラスと共にその場に多くの研究者がいたが、その声を野課の者たちが聞くことはなかった。
なぜならばマルドラスの中より発せられた声だったのだから・・・。

ルークス
「終わりにしよう。あなたの過ちもすべてここで。」
アーヤ
「天空人の想いが囁いてきます。この場所が過ちの始まりだったと・・・。人であることをやめ、人を超えた存在を信じ、天空人となったことが間違いだったと・・・。」


エピローグ (2周目)


天空大陸。
その場所には地上を離れた多くの者たちが住んでいた。
その者たちは自らを天空人と呼び、さらに選ばれた者たちを神と呼んだ。

導きの神 マルドラス
混沌を統べる神グィンネル
慈愛の女神レクネロス
知恵を司る神フェルゼン
光もつ神ガリアンレイス

そしてもうひとり、神として与えられた名を拒否した神、ソリア。

彼らの導きにより世界は秩序と平和が訪れるはずであった。
だが、その平和は長く続くことは無かった。
地上に残った人間による争い。
それが無くなることが無かったのだ。

すべての神がそのことを憂いながら、自分たちのできることの全力を尽くした。
だが神の名を持つ者たちも、そのルーツは人。
奇跡と呼ばれる神秘的な力と、科学の研究・発達により人を超えた存在となった神も生まれたときは人だったのだ。

「人に完璧などありえない。」
あるひとりの神がそんな結論に辿り着いた。
そして他の神は「人に完璧を求めることが間違いだ」と告げた。 その神は言葉を続けた。
「我ら神も元は人。神もまた完璧ではないのだか
ら・・・」と。

そんな中、ひとりの神は人を導くものは完璧である必要があると考えた。
そしてその神は力を渇望し、完璧であるために必要な研究
にひとり没頭した。
その姿を見た人は一様に、「なにかに取り憑かれているようだ」と囁いた。

そして起きた災厄。
隕石による世界崩壊は起きた。

「私たちが神になったことでこの世界の役割は終えた。
この世界に必要なのは破壊、そして新たな世界の誕生・・・。
新世界は私の導きにより完璧な秩序と平和が約束されるのだ。」

狂気に取り憑かれた導きの神の行動を他の神々は阻止しようと試みたが、
強大な力を手に入れた導きの神を止めることはできなかった。
ただひとり、名も無き神を除いて・・・。

「キミはこの世界に執着はなかったのではないのか?」
「だからと言って無くすっていうのは乱暴すぎるだろ。
それにこの世界がなくなったらあいつが生きていた証もなくなっちまう。」
「まだ過去を引きずるか・・・。」
「過去があるから今がある。そう考えたことはないか?」
「無いな。過去に縛られて未来を失うなど愚かなことだ。」
「お前とは最後まで意見が合わないな。」
「ふっそうだな。だがキミのことは嫌いではなかった。」

ふたりの神の戦いは壮絶を極めた。
そして大きな傷を負ったひとりの神は、傷の修復のため天空大陸に留まることを余儀なくされた。
だが、もうひとりの神もまた力を失い、地上へと姿を消したのだった。




マルドラス
「まさか私が人に倒される日が来るとは・・・。」

狂神マルドラス
「・・・ソリアはこのことを予見していたのか?」

おそらくこの場にソリアがいたら
「未来はわからないから面白いんだろう」と答えただろう。
マルドラスも同じ返答を想像し、口元に笑みを浮かべた。

マルドラス
「やはり私はキミのことが嫌いだ。キミの考え
には不確定要素が多すぎる。それは秩序とは遠すぎる考えだ。」

意識が混濁し、宙を彷徨っていた視線が突然ルークスたちを捕らえた。

マルドラス
「どうやら私の負けらしい。キミたちの手によって混沌とした世界は崩壊を免れたわけだ。
だが、最後の神である私がいなくなって世界は平和になるのか・・・?」

それまでマルドラスの言葉を静かに聞いていたアーヤが問いに答え、ルークスシャルクもそれに続いた。

アーヤ
「すべての人が平和になるのは難しいかもしれない。
でも、少なくとも1000年の間は苦難の中、人は生きてきました。」
ルークス
「神がいなくなることが世界の終わりじゃないな
ら、これからは神のいない世界の始まりだから。」
シャルク
「助け合うことで乗り越える。それは今までも、
そしてこれからも変わらない。」


アーヤは瞳を閉じ、自分の中にある天空人の想いに耳を傾けた。

アーヤ
「たぶん人は諦めが悪いんです。だから私たちは仲間と出会い、アナタを倒せた・・・。」

狂神マルドラスの消滅。
その時、空から雲が消え、光り輝く太陽が地上や天空大陸
に住む者すべてを照らした。
多くの者たちは眩しそうに天を仰ぎ見た後、再び忙しい日常へと戻っていった。
そんな中、一握りの者たちだけが脅威が去ったことに気づいた。

ルークス
「さぁフィンに帰ろう。俺たち人間の世界に!」

若き勇者たちと共に世界は新しい時代を迎えた。
終わりではない新しい未来。
狂神がいなくなったことで魔物が消えたわけではない。
若き勇者たちの冒険はまだ終らない・・・。



本日 -
昨日 -
総計 -

  
添付ファイル