ミッション№ |
名前 | 特殊条件 | 人数 | 戦利品 |
中級 №A0079 |
08 / 04 / 28 ~ 08 / 06 / 30 機械国を覆う暗雲 |
なし | 2人 | ストームLV2 ロックLV2 レーザーLV2 (5ポイント) |
プロローグ |
10英雄の活躍により魔王が封印されてから10年。世界は再び混沌に包まれようとしていた・・・。 そんな中、機械国カルマルへ向けてのんびりと旅を楽しむ一行がいた。 ドウガ 「良い天気じゃ。まさに旅日和じゃな。」 眩しそうに空を見上げる初老の魔術師ドウガと、暖かい日差しを受け、気持ち良さそうに眠るケロリーナがいた。 ドウガは10年前に魔王を封印した10英雄のひとり。そして同じく10英雄のひとりの呼び掛けに応じて、騎士国フィンより長旅を経て、機械国カルマルに入ろうとしている所だった。 ドウガ 「ん?あれは・・・。」 馬車の向かう先にドウガが良く知る人物が現れた。その人物は10英雄のひとりではなく、魔術師の少ないカルマルの役に立てばと考え、派遣した弟子のファテッドであった。 ファテッド 「ドウガ導師、お待ちしてました。」 ドウガ 「なんじゃ、わざわざ迎えに来たのか?」 久々の再会にドウガは喜んだが、ファテッドの様子は違った。即座にただならぬ気配を感じ、ドウガは静かに弟子に言葉を促した。 ドウガ 「どうしたんじゃ?あまり言い話ではないようじゃな。」 ファテッド 「はい。それが・・・。」 ファテッドが言葉を続けようとしたその時、新たな人影が近寄っていた。 |
危険度 ★★ ES0016 自由人 アルマ 1800 / 310 / 255 4/8/6/15/6 敵サポカ 土Lv2×2 土Lv3×2 |
アルマ 「あんたが10英雄のひとり?悪いけど消えてくれるかな?」 その声は突然頭上の木の上から聞こえてきた。ドウガとファテッドが驚き、木を見上げるとそこには奇妙なマスクを被った者が立っていた。 アルマ 「そこの女が案内してくれたお陰で探し回らなくてすんだよ。ありがとね。」 ファテッドは顔を青ざめ、自分がしてしまった過ちを悔いた。だがドウガは弟子の失態を咎めることなく、静かに杖を持ち馬車から降りた。 アルマ 「あんた物分り良いね。それじゃさっさと終らせるから、あんたは下がっててよ。」 まだ気が動転しているファテッドを邪魔者扱いしたアルマは、少し離れた場所へと飛び降りた。 ファテッド 「ドウガ導師、ここは私が・・・。」 ドウガ 「平常心を失っていては勝てる戦いも勝てなくなる。ここはわしに任せて、おぬしは馬車とケロリーナを守っているんじゃ。」 弟子に役割を与え、ドウガはアルマの元へと近付いていった。 ドウガ 「待たせたな。それではおぬしの望みどおり相手となろう。ただし、後で話を聞かせてもらうぞ。」 ドウガの言葉を聞き、アルマは予想以上に楽しい戦いができると感じて喜んだ。短い時間ではあるが、アルマはこの初老の魔術師を気に入ったのだった。 アルマ 「後で聞く余裕があればいいよ。手加減する気はないけどね。」 マスクの中でアルマは嬉しそうに笑みを浮かべ、手に持った武器を振りかざした。 |
危険度 ★★★ ES0015 魔術師 アシュリン 1500 / 400 / 10 5/2/2/3/10 敵サポカ 土Lv3×2 |
アルマ 「へぇ。10年前の英雄だって聞いてたから、もう埃でも被って使い物にならないかと思ってたけどあんたやるねぇ。」 軽い口調ではあったがアルマに余裕は無かった。そんなアルマに対し、ドウガにはまだ余力があった。いざとなれば後ろにファテッドが控えている。そのことがドウガの余裕となり、同時に守るべき存在が力の糧となっていた。 アルマ 「聞いていたよりも強いじゃん。魔導省のお飾り10英雄の女はこんなに強くなかったのに・・・。」 アルマの口から飛び出した愚痴は、ドウガにとって予想外の内容だった。 ドウガ 「今なんと言った。おぬしインフィニティを知ってるのか?」 ドウガの意識が一瞬乱れ、戦いを忘れた隙をアルマは見逃さなかった。 アルマ 「ごめん、さっきの約束は無し。余計なことを喋ったのがばれたら、後で何言われるかわからないから。」 早口でそう言うとアルマは躊躇うことなく、ドウガに背後を見せて走り去った。ドウガは隙だらけのアルマを追い掛ける気は無かった。それよりも現状の把握を優先し、できるだけカルマルへ急ぐべきだと感じていたのだった。 ドウガ 「インフィニティ・・・。ファテッド、お主が迎えに来たのもインフィニティが関係しておるのか?」 ファテッドがもたらした情報は多くは無かった。 10英雄にしてカルマルの魔導省の元老であるインフィニティの消失。それから門を閉ざし続ける魔導省の不穏な気配。自分だけでは手に負えないと感じたファテッドは、インフィニティの誘いによってカルマルに向かう師と合流することを選んだのだった。 それから一行がカルマルに着くのは早かった。そしてドウガが真っ先に訪れたのは魔導省であった。 ドウガ 「門が開いている・・・。これはわしを誘っているのか?」 罠と感じながらもドウガは迷わずに魔導省に足を踏み入れた。 ドウガ 「こ・・・これは魔王の気配?いや、魔王はアーガスが命を賭して封印したのだ。魔王のはずは・・・。」 突然建物の中に現れた魔気に、ドウガは魔王の存在を感じ取った。だが、その魔気は魔王のものと比べると弱弱しく、自らの存在を隠しているかのようでもあった。 ドウガ 「なぜ魔導省に魔気が・・・。」 アシュリン 「その答えは私が教えてさしあげましょう。この世を去るあなたの手向けとして。」 魔気に気を取られたドウガの隙を突いて、魔導省の元老補佐を務めるアシュリンがドウガに襲い掛かった。 |
エピローグ |
ドウガ 「さぁ話を聞かせてもらおう。時間は存分にあるのでな。」 ドウガの魔力がアシュリンの自由を奪い、戦いは幕を閉じた。・・・かと思われたその時、魔導省に入ったときに感じた魔気がドウガの魔力を消し去った。 ドウガ 「なんじゃと、これほど強力な魔気を操る者・・・、まさか本当に魔王が甦ったというのか?」 その魔気は一瞬で消え去ったが、ドウガの意識からアシュリンを忘れさせるのには十分だった。 ドウガ 「・・・しまった、わしとしたことが。」 アシュリンと魔気は消え去り、魔導省には静寂が支配しはじめていた。シンと静まり返る魔導省。本来であれば魔術を志す者が集う場所であるはずが、誰も近付こうとしない場所となっていた。 ドウガ 「魔気の主、見極めねばなるまいな。ここまで先を見通していたのか?インフィニティよ・・・。」 魔導省の奥にある元老の部屋。そこにドウガ宛の手紙が1通清浄なる魔力により守られ、受け取るべき者の来訪を待ちわびていた。 |