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[[サクジョTOP]] [[カードリスト>サクジョTOP/カードリスト]] [[ステータス>サクジョTOP/ステータス]] [[エボ>サクジョTOP/エボ]] [[攻略>サクジョTOP/攻略]] [[敵データ>サクジョTOP/敵データ]] [[ストーリー>サクジョTOP/ストーリー]] ------------------------------------------------------------ ストーリーモードに書かれているストーリーをまとめたページです。 ネタバレ含みますので、純粋に攻略を愉しみたい人は見ないほうがいいです。 ------------------------------------------------------------ [[1限目>サクジョTOP/ストーリー/1]] [[2限目>サクジョTOP/ストーリー/2]] 3限目 [[4限目>サクジョTOP/ストーリー/4]] [[5限目>サクジョTOP/ストーリー/5]] [[6限目>サクジョTOP/ストーリー/6]] [[7限目>サクジョTOP/ストーリー/7]] [[8限目>サクジョTOP/ストーリー/8]] ------------------------------------------------------------ #contents ------------------------------------------------------------ #CENTER{ * 3限目 **プロローグ |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:五月連休も明けた、とある昼休み。&br()美春と柚木は、お弁当を食べていた。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「はぐっ、ん……タコさんウィンナー、おいひっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「よくかんで食べなくちゃだめよ?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):加奈子&br()「涼風さん、神名さん、ちょうど良かったわ。」&br()この手紙、&br()「クラスのみんなに配ってくれないかしら?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:両手でかかえたバケットには、便せんがてんこ盛りになっている。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「んぐんぐっ……わっかりましたー」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「みんなに手紙? 誰からなのかなあ……」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):加奈子&br()「あっ、楠葉さんと沢桐さんも、手伝ってくれる?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):小夜&br()「……はい」&br()唯&br()「わー、&br()紙に書かれたメールだあ。&br()めずらしー。もーらいっと!」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:手紙を受け取った美春と柚木は、さっそく中身を読んでみた。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「えっとー。サクジョの皆さんを、文化祭に招待します」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「ツキジョ・アビロン・フェスタ……?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:ツキジョとは、月見沢学園のことだ。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):弥生&br()「どうじゃ、実に面白そうじゃろう?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()柚木&br()「……えっ!?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:ツキジョで待ち受けているものとは、いったい……?| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| **[[1人目 中沢 麻美>サクジョTOP/敵データ/中沢麻美]]&anchor(1) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter1 中沢 麻美】&br()&br()美春と柚木は、楠葉 小夜、沢桐 唯、そして紫苑路 弥生たちと一緒に月見沢学園を目指していた。&br()&br()学園へと向かう竹林の通学路は、賑わいを見せている。&br()校門をくぐり抜けると、目の前には大きな池が広がっていた。&br()すみ渡った水面には、青空に浮かぶ雲と、対岸の校舎が映りこんでいる。&br()&br()美春&br()「うわーっ、校舎が池の向こうにあるっ。すごーいっ」&br()美春は池のほとりに駆け寄って、水面をのぞきこんだりしている。&br()柚木&br()「浮島には東屋まであるわ」&br()弥生&br()「会場はな、対岸に見える校舎の向こうじゃ。では行くとしようかの」&br()小夜&br()「……はい」&br()&br()池の浮島に建っている東屋では、ひとりの女子があわただしく働いていた。&br()ちょっと頼りなさげで、目が離せない感じである。&br()&br()美春&br()「お茶屋さんが出てるー」&br()&br()茶店を取り巻くテーブルでは、たくさんの人たちが舌つづみを打っている。&br()&br()弥生&br()「どれ、売り子さん。わしは、おダンゴと抹茶を馳走になるかのぅ」&br()麻美&br()「はい、ご注文を承りました。あのぅ、本日はアビロンでわたしに勝つと、おダンゴが食べ放題になるサービスがあるんですけど……」&br()&br()彼女が身につけている胸章には、「麻美ちゃん」と書かれていた。&br()&br()美春&br()「えっ!? おなかいっぱい食べられるのっ!? こしあん君と、あやめちゃんも?」&br()麻美&br()「えっと、はい。あやめダンゴも、こしあんダンゴも、好きなだけご注文いただけるようになります」&br()&br()それを聞いた美春の瞳が、キラキラと輝きはじめた。&br()&br()柚木&br()「んもお美春ったら。がぜん、やる気になってるじゃないっ」&br()唯&br()「無理ないよ。だって、太っ腹じゃーん。お小夜っちは、どーするのっ?」&br()小夜&br()「わたし、草餅」&br()&br()つつましやかな小夜は、ポツリとつぶいた。&br()&br()唯&br()「いやいや、注文じゃあなくて、麻美ちゃんとアビロンするのって話だよおー」&br()小夜&br()「…………うん」&br()&br()ずいっと一歩前に出た美春は、みんなの興味を引きつけた。&br()&br()美春&br()「いちばん最初は、わたしが頑張ってみるっ」&br()&br()そう宣誓した美春に、まわりから温かい声援と拍手が送られる。&br()&br()麻美&br()「えっと、アビロン・バトルは、ひとりずつでお願いしますっ……そうだっ、腕をまくって、と。くつひもは……と。これでOKだよねっ。よ、よしっ、がんばるぞおっ!」&br()弥生&br()「それでは、バトル開始じゃ」&br()&br()弥生の手は、くしダンゴへとのびていた。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0158.jpg,画像倉庫)| **[[2人目 鈴川 るりか>サクジョTOP/敵データ/鈴川るりか]]&anchor(2) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter2 鈴川 るりか】&br()&br()麻美&br()「きゃあっ、待ったあ、参りましたあっ」&br()美春&br()「やったー、おダンゴ食べほーだいっ。こしあん君に、あやめちゃんー」&br()&br()拳を天に力強く突き上げた美春は、とても嬉しそうだ。&br()テーブルに案内されてニコニコとしている美春の前に、ほかの学校の女子がやってきた。&br()&br()他校の女子&br()「ねーねーちょっと、サクジョの子でしょ?」&br()美春&br()「そーだよっ。よろしくねっ」&br()&br()にっこりと微笑んでピースサインを送る。&br()&br()他校の女子&br()「アビロン、すっごく強いねーっ。ぜひわたしの相手をしてください。お願いしますっ!」&br()&br()彼女のお願いをきかっけに、美春と対戦を望んでいそうな人たちが集まりはじめた。&br()&br()唯&br()「美春ばっかりズルいじゃーん。わたしだって相手になるぞー」&br()小夜&br()「わたしは……お茶」&br()柚木&br()「美春、おダンゴ食べてる場合じゃないわ。逃げましょうっ!」&br()&br()柚木は立ち上がって、美春の手を取った。&br()&br()美春&br()「えっ!? ちょっと──ふええっ、おダンゴさんがあっー」&br()&br()浮島から校舎側にかかる橋を駆け渡ると、ツキジョの生徒が笑顔で待ち構えていた。&br()&br()ツキジョの女子&br()「こんにちはーっ。ツキジョ・アビロンフェスタへようこそっ」&br()&br()彼女の背後にある小屋には、小さなはち植えがたくさん並べられている。&br()&br()美春&br()「こんにちはーっ。お花屋さんだよ、柚木ぃ」&br()柚木&br()「これはお花屋さんじゃなくて、チャリティーをやっているのよ」&br()ツキジョの女子&br()「はいっ。募金をいただいた方には、そちらからお好きな鉢植えをプレゼントしますよっ」&br()美春&br()「じゃあわたし、募金するーっ」&br()&br()制服から可愛らしい財布を取り出して、ささやかな寄付をした。&br()&br()柚木&br()「そういうところ、感心するわー。あたしも少しだけ」&br()ツキジョの女子&br()「ありがとうございまーすっ。そうだっ、優しいおふたりを、秘密の場所へご招待しましょうっ」&br()美春&br()「えっ?」&br()&br()美春と柚木を中心に、辺りの風景が広大な庭園へとぬり替えられていく。&br()&br()美春&br()「うわあっ、いま渡ってきた池が、草原になってるー」&br()柚木&br()「これは、空間系アビリティの一種みたいね。王宮庭園かしら、素敵ねえ……」&br()&br()緑色のドレスに身を包んだ鈴川さんがクルリとステップを踏むと、辺りの草木が元気よく成長を遂げていく。&br()&br()鈴川&br()「鈴川るりか のプレシャス・ガーデンに、ようこそっ!」}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0159.jpg,画像倉庫)| **[[3人目 海老原 真由香>サクジョTOP/敵データ/海老原真由香]]&anchor(3) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter3 海老原 真由香】&br()&br()手入れの行き届いた庭木の回廊を、美春と柚木が駆け抜ける。&br()&br()柚木&br()「美春っ、次の曲がり角を左に行って」&br()美春&br()「見つけたっ! つかまえるよっ、えーいっ!」&br()&br()終わりのない自然の迷宮で、逃げる鈴川さんに後ろから抱きついた。&br()&br()鈴川&br()「あーっ、捕まっちゃったかあっ。私の負けだね」&br()&br()延々と続いていた緑が美春たちを中心に収束して、ツキジョの校舎裏へと戻ってきた。&br()すると、東屋のある池の方から声が聞こえてくる。&br()&br()他校の生徒&br()「見つけたっ、さっきのサクジョの人。私とアビロンでバトルしてくださいっ!」&br()美春&br()「わたしたちのこと、まだ探してたんだあ」&br()柚木&br()「ちょっと休憩したいわ……行きましょうっ」&br()&br()美春と柚木は手をつないで、その場をあとにした。&br()&br()そのまま一息に校舎の表側へ回り込んで、アビロン・フェスタの本会場へとたどりついた。&br()&br()柚木&br()「体育館で何かやってるみたいね。あの中へ逃げましょうっ」&br()美春&br()「うんっ」&br()&br()体育館の扉を開いて暗幕をくぐり抜けると、そこはライブ会場だった。&br()&br()歌手&br()「ちょっとおっ、真由香のライブに乱入するつもりっ?」&br()&br()入口から差し込む光を背に浴びて、ふたりは立ち尽くしていた。&br()誤解されても仕方のないシチュエーションが、できあがっている。&br()&br()柚木&br()「しまったぁ」&br()美春&br()「ごっ、ごめんなさーいっ」&br()&br()真由香がステージを降りて、美春の下へとやってきた。&br()&br()真由香&br()「あなたサクジョじゃない。それなら、アビロンで決着させましょうっ。ふたりとも、ステージに上がってっ」&br()&br()観客の盛り上がりは、最高潮に達していた。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0160.jpg,画像倉庫)| **[[4人目 宇都宮 涼子>サクジョTOP/敵データ/宇都宮涼子]]&anchor(4) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter4 宇都宮 涼子】&br()&br()真由香&br()「いえーいっ。このまま真由香と一緒に、ライブ盛り上げていこうよっ」&br()柚木&br()「いいえーっ! お邪魔しましたあっ……今のうちに、美春っ!」&br()美春&br()「バトルしながら歌うのって、楽しいかもっ!」&br()&br()体育館を飛び出して疾駆するふたりは、そのまま本校舎へ突入した。&br()&br()各教室ではアトラクションが展開されていて、ろう下はお客さんでごった返している。&br()&br()美春&br()「あれっ、あそこにいるの琴音ちゃんだっ」&br()&br()姫路琴音と合流した美春と柚木は、喫茶店を開いている教室で休憩することにした。&br()&br()琴音&br()「あたし、イチゴみるくパフェがいいわっ」&br()&br()美春はオレンジジュース、柚木はアイスティーを注文した。&br()&br()店員さん&br()「お待ちどおさまでした。ところで今日は、サクジョから“ふわっふわなハイ・アビリティスト”が遊びに来ているそうですね。ご存じないかしら」&br()美春&柚木&br()「──んぶっ!?」&br()&br()それを聞いた美春と柚木は、思わず飲み物を吹き出しそうになってしまった。&br()&br()琴音&br()「おいしいっ。……ところでその“サクジョ”で、“ふわっふわ”っていうの、美春っぽいかんじじゃない?」&br()&br()琴音が、デザートスプーンをペロリと舐めてつぶやいた。&br()&br()美春&br()「うゎあっ、バレちゃったあっ」&br()&br()口元を手のひらでおおった美春は、柚木と顔を見あわせてしまう。&br()&br()柚木&br()「ちょっとお、自分から白状したら意味ないでしょおっ!?」&br()店員さん&br()「なるほど。キミが今ウワサで持ちきりのハイ・アビリティストね。この宇都宮 涼子と勝負してくださる?」&br()美春&br()「うへぇ。どうしてもバトルになっちゃうんだねえ」&br()&br()オレンジジュースを一気飲みした美春は、涼子と正面から対峙する。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0161.jpg,画像倉庫)| **[[5人目 田処 萌>サクジョTOP/敵データ/田処萌]]&anchor(5) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter5 田処 萌】&br()&br()涼子&br()「わたしの絶対服従スィーツが通用しないなんて。自信作だったのに……」&br()&br()彼女が手にしていた武器から炎が立ち消えると、続いて変身も解いてしまったようだ。&br()&br()美春&br()「えっへん。ケーキ、ごちそうさまでしたっ」&br()柚木&br()「美春ったら。ほっぺにクリーム付いちゃってるわよ」&br()&br()ハンカチを取り出した柚木は、美春の口元をぬぐった。&br()&br()ツキジョの女子&br()「いたいた。サクジョの凄いヤツってのを見つけたわーっ! 次はアタシが相手よっ!」&br()美春&br()「見つかっちゃったあっ」&br()&br()琴音はと言えば、マイペースにイチゴみるくパフェを食べていた。&br()&br()美春&br()「琴音ちゃん、またねーっ」&br()琴音&br()「あむっ……またねぇ」&br()&br()彼女のバイバイに見送られて、美春と柚木は図書室へと逃げ込んだ。&br()&br()美春&br()「あれっ? サクジョの子がいるよっ」&br()&br()その女子は、両手で本を開いて読みふけっていた。&br()&br()柚木&br()「ホントね。わたしもここで、休憩していこうかな」&br()&br()ふと本から目線を離した女子は、本を閉じて脇に抱える。&br()&br()サクジョの女子&br()「あれーっ? 図書室もアビロン会場だったんだー。それじゃあ文芸部を代表して、お手合わせをしなくちゃねっ」&br()&br()女子は片手で本を開くと、もう一方の手先で美春たちを指さした。&br()&br()美春&br()「ええっ!? どーして?」&br()サクジョの女子&br()「だって、アビロン・フェスタなんでしょ? サクジョ同士、お手柔らかにねっ」&br()柚木&br()「ちょっと本気なのっ? ここはツキジョの図書室なんだよっ?」&br()萌&br()「私は田所 萌。それじゃ、いっくよーっ♪ あなたに相応しい一冊を、教えてあげるっ」&br()&br()ぐらり、と。&br()本だなに納められた無数の書物が、うごめいた気がした。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0162.jpg,画像倉庫)| **[[6人目 水無月 雛>サクジョTOP/敵データ/水無月雛]]&anchor(6) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter6 水無月 雛】&br()&br()紙でできた高波が、美春たちを飲み込もうとしていた。&br()&br()美春&br()「うわぁわあっ!? つぶされちゃうーっ!」&br()萌&br()「そのまま保健室まで、流されちゃえーっ」&br()&br()額に指先をあてたまま詠唱を続ける柚木は、何かの間合いを見計らっている。&br()&br()柚木&br()「今よ美春っ、絶対領域っ!」&br()&br()美春へ振り向いた柚木の黒髪が、大きくなびいた。&br()&br()美春&br()「よっし、いっくよぉー。それぇえぇー!!」&br()&br()浮遊感に襲われたふたりは、高波を越えて浮かび上がる。&br()&br()萌&br()「……あれ? 高波がとまっちゃった」&br()&br()勢いをなくした高波は砕け散り、紙片がゆっくりと舞い散っていく。&br()&br()美春&br()「わあ、図書室に雪が降ってるみたーい」&br()萌&br()「やっぱり文芸部は、読書してるのが一番だよねー。帰って、本の続きを読もうっと♪」&br()&br()アビロン・バトルを楽しんだ萌は、そのまま図書室を出て行ってしまった。&br()&br()高波で押し流された机とイスを元通りに整とんして、美春と柚木も図書室を後にする。&br()&br()美春&br()「追いかけてくる人、もう居ないみたいだね。下の階に降りて、いろんなイベント会場を見て回ろーよっ」&br()柚木&br()「そうね。行きましょう」&br()&br()階段を下りていると、頭上から女子の声が響き渡った。&br()&br()??&br()「そこ、どいた、どいたーっ!」&br()&br()振り返ると、階段の手すりへ横座りになったツキジョの生徒が、勢いよく階段を滑り降りていった。&br()&br()柚木&br()「ちょっとお、危ないじゃないのよ!」&br()??&br()「教えてあげないよー。文句があるなら、アタシのこと捕まえてごらんっ」&br()&br()そう言って、彼女は柚木のヘアバンドをサッと取り上げた。&br()&br()柚木&br()「あっ、ちょっと、何するのよあなたっ、返してっ」&br()雛&br()「あたしの名前は“おまえ”じゃない。雛(ひよこ)だもんっ」&br()美春&br()「よーし、わたしが柚木のカチューシャを取り戻してあげるーっ」&br()&br()ツキジョを舞台に、アビロン鬼ごっこが幕を上げた。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0163.jpg,画像倉庫)| **[[最終決戦! 俵 真悠子>サクジョTOP/敵データ/俵真悠子]]&anchor(7) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter7 俵 真悠子】&br()&br()雛&br()「そーら、こっちおいでー」&br()&br()額に手を押し当てて考え込んでいた柚木が、ふっと顔を上げた。&br()&br()柚木&br()「あのひと、摩擦の抵抗をコントロールできるのね。宙に浮いているのとは、違うみたい」&br()美春&br()「よく分かんないけど、なんだかすごく面白そうだよねーっ」&br()&br()歯がみする柚木に、美春が満面の笑みをたたえた。&br()&br()柚木&br()「もお、美春ったらあ。……そうだ、ふたりで挟み撃ちにしましょ」&br()美春&br()「うんっ、わかった。わたしが ふわふわーん の力で ひよこちゃん を追い抜けばいいんだねっ」&br()&br()絶対領域の力で美春が宙に浮かび上がると、らせん軌道を描いて下の階へと舞い落ちていく。&br()&br()雛&br()「えええっ!? そ、そんなの反則だあっ!?」&br()&br()雛の行く手を阻む事に成功した美春のお陰で、鬼ごっこは決着した。&br()&br()美春&br()「はい、柚木のカチューシャ」&br()&br()雛から返してもらったカチューシャを身につけて、柚木はホッと胸をなで下ろした。&br()&br()柚木&br()「ありがとう、美春っ」&br()美春&br()「これくらいへっちゃらだよー」&br()雛&br()「あーあっと。暇つぶしにはなったかなー。じゃあねえっ」&br()&br()雛は人混みの中へと消えてしまった。&br()&br()柚木&br()「それじゃあ、あたしたちは東屋へもどってみましょう」&br()美春&br()「うんっ」&br()&br()校舎を出ようとしたところで、ゴウッという地鳴りが響いた。&br()ほどなくして、きゃーーーーっという悲鳴が遠くから近づいてくる。&br()&br()柚木&br()「なんで校庭に水が流れてくるのっ!?」&br()他校の女子&br()「いやあああああああああああっ!?」&br()&br()ざっぱーん、と。&br()右手から左手の方へと向かった大波に、何人もの生徒が流されていった。&br()&br()??&br()「まとめて、いっちょあがりーっ♪」&br()&br()波の来た方を振り向くと、美春たちを飲み込むような大波が間近に迫っていた。&br()&br()柚木&br()「きゃーーーーーーっ、逃げて美春っ」&br()??&br()「次の敵さん、見つけたーっ! ツキジョ水泳部のホープ、俵 真悠子が相手だあっ!」&br()&br()美春と柚木が波に飲み込まれると、水位は一気に2階の窓にまで達していた。&br()&br()ふたりにとっては、これがはじめての水中戦である。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0164.jpg,画像倉庫)| **エピローグ (1周目) #openclose(){ |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「やっほ~、ふわふわ~ん」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:美春の絶対領域で空高く舞い上げられた真悠子は、&br()水面めがけて真っ逆さまに落ちていく。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):真悠子&br()「ぎゃあああああ、高いの怖いよーっ!!&br()落ちるぅー!?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER: ──ざっぱーんっ。 &br()水没していく真悠子をあわてて引き上げた美春は、&br()真悠子のほほをプニプニしてみた。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「ねえねえ、起きてよーっ。目がうず巻きになっちゃってるよーっ?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「飛び込み種目は、きっと苦手だったのね」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):真悠子&br()「きゅぅぅぅぅぅ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「それにしても、この水の量。学園の外は大丈夫かしら?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):弥生&br()「心配無用じゃ。学園の外へは及ばんようになっておる」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「とにかく真悠子ちゃんを起こさないと、水がとまんないよーっ!」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:こうして、アビロン・フェスタの会場は水没してしまい……&br()後日、あらためて開催されることになったのでした。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:~2週目に続く~| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| } **[[最終決戦! 竹内 沙也佳>サクジョTOP/敵データ/竹内沙也佳]]&anchor(8) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter8 竹内 沙也佳】&br()&br()水面から顔を出した美春と柚木は、ブルブルと顔を振るった。&br()&br()美春&br()「あれえっ、真悠子ちゃんがいないっ」&br()柚木&br()「真下から来るわよ、美春っ」&br()&br()柚木の予測が的中し、美春の絶対領域が真悠子を捕らえる。&br()&br()美春&br()「つかまえたーっ。これならもう動けないでしょ?」&br()真悠子&br()「うあっ、こら、放せーっ、って、動いてたら息苦しくなってきたような……こ、降参するっ! 参ったよおぅ」&br()&br()湖のようになっていたツキジョの校庭が、ゆっくりと干上がっていく。&br()&br()柚木&br()「はあ、一時はどうなるかと思ったわ」&br()&br()すると、この機を狙いすましたかのように美春のケータイが着信した。&br()&br()美春&br()「弥生ちゃんからだー」&br()&br()弥生の指示に従い、美春と柚木は校舎の屋上へとやってきた。&br()&br()弥生&br()「どうじゃ、楽しんでおるかの?」&br()美春&br()「いろんなアビリティストがいて、ビックリしましたー」&br()弥生&br()「せっかくじゃし、月見沢学園のハイ・アビリティストと遊んでみんかの。昨年のアビロン本線でも活躍した、実力者でな。いい機会じゃて」&br()柚木&br()「ツキジョの、ハイ・アビリティスト……どんな人なんだろう」&br()美春&br()「柚木、会ってみたいの? それじゃあ、遊んでみよっかなあー」&br()??&br()「そうかそうか。私はぜんぜんかまわないぞ」&br()&br()いきなり背後から声をかけられて、美春たちは振りあおいだ。&br()&br()美春&br()「わっ、ビックリしたあ」&br()&br()背丈はほんのちょっとだけ高いけど、無駄なお肉の付いていないスリムな女子が立っていた。&br()&br()沙也佳&br()「はじめまして」&br()美春&br()「わあー。すらっとしてて、カッコイイーっ」&br()柚木&br()「美春ったら、あいさつもなしに失礼でしょ? えっと、あの、はじめまして」&br()沙也佳&br()「竹内 沙也佳だ。よろしくな、美春ちゃん、柚木ちゃん」&br()&br()真っ白なヘアバンドとバンデージからは、とても活発な印象を受ける。&br()&br()弥生&br()「遊び疲れたら、みんなでお茶会にでもしようかの」&br()美春&br()「よろしくおねがいしまーすっ、竹内さん」&br()沙也佳&br()「沙也佳でいいよっ。遠慮なく、手加減なしでかかっておいで」&br()&br()美春たちの正面に歩み出て向き直った沙也佳は、足を踏み開いて拳を手のひらに打ちつけた。&br()&br()柚木&br()「雰囲気からして、いままでの相手とは違うみたいよ。美春っ、気をつけてね」&br()美春&br()「うんっ」&br()&br()そして美春と柚木は、アビロン本戦の片鱗を示されることになる。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0165.jpg,画像倉庫)| **エピローグ (2周目) #openclose(){ |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):沙也佳&br()「どうやら、ふたりを見くびっていたのかもな」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「はあっ、はあっ、つ、強いよおっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()(相手は、まだまだ余裕って感じね。&br()これが、ハイ・アビリティストの実力……)| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):弥生&br()「よいよい、それまでじゃな」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):沙也佳&br()「ふうっ。たいしたもんだぜ、驚いたなあ。&br()美春、おまえは強くなるぞっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「はっ、はいっ! ありがとうございましたあっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:戦いが終わった美春たちは、みんなで教室に戻ってきていた。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「もうクタクタで動けないわあ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):唯&br()「美春っ、柚木っ、こっちで休憩しなよーっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):小夜&br()「クッキー、あるわ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「あーっ、みんなして、ずるーいっ!?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「美春ったら、制服のえりが曲がったままじゃないのっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「うわっ、柚木ってば、くすぐったいよー。きゃははっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:そんなサクジョ達の様子を見て、戦いを終えたばかりの沙也佳は&br()満足そうに笑い声をあげていた。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):沙也佳&br()「あっははははははっ」&br()(今年のアビリティ・アスロンは、白熱しそうだな)| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:──美春にまた新たなライバルが出現!?していたようなのだが・・・&br()サクジョ達はいつものように気づくこともなく、&br()平和なツキジョでの1日が過ぎていくのでした。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:4限めへつづく| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| } } ------------------------------------------------------------ #openclose(show=コメントフォームの表示){ } ------------------------------------------------------------ 本日&counter(today) 昨日&counter(yesterday) 総計&counter() ------------------------------------------------------------
[[サクジョTOP]] [[カードリスト>サクジョTOP/カードリスト]] [[ステータス>サクジョTOP/ステータス]] [[エボ>サクジョTOP/エボ]] [[攻略>サクジョTOP/攻略]] [[敵データ>サクジョTOP/敵データ]] [[ストーリー>サクジョTOP/ストーリー]] ------------------------------------------------------------ ストーリーモードに書かれているストーリーをまとめたページです。 ネタバレ含みますので、純粋に攻略を愉しみたい人は見ないほうがいいです。 ------------------------------------------------------------ [[1限目>サクジョTOP/ストーリー/1]] [[2限目>サクジョTOP/ストーリー/2]] 3限目 [[4限目>サクジョTOP/ストーリー/4]] [[5限目>サクジョTOP/ストーリー/5]] [[6限目>サクジョTOP/ストーリー/6]] [[7限目>サクジョTOP/ストーリー/7]] [[8限目>サクジョTOP/ストーリー/8]] ------------------------------------------------------------ #contents ------------------------------------------------------------ #CENTER{ * 3限目 **プロローグ |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:五月連休も明けた、とある昼休み。&br()美春と柚木は、お弁当を食べていた。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「はぐっ、ん……タコさんウィンナー、おいひっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「よくかんで食べなくちゃだめよ?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):加奈子&br()「涼風さん、神名さん、ちょうど良かったわ。」&br()この手紙、&br()「クラスのみんなに配ってくれないかしら?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:両手でかかえたバケットには、便せんがてんこ盛りになっている。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「んぐんぐっ……わっかりましたー」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「みんなに手紙? 誰からなのかなあ……」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):加奈子&br()「あっ、楠葉さんと沢桐さんも、手伝ってくれる?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):小夜&br()「……はい」&br()唯&br()「わー、&br()紙に書かれたメールだあ。&br()めずらしー。もーらいっと!」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:手紙を受け取った美春と柚木は、さっそく中身を読んでみた。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「えっとー。サクジョの皆さんを、文化祭に招待します」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「ツキジョ・アビロン・フェスタ……?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:ツキジョとは、月見沢学園のことだ。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):弥生&br()「どうじゃ、実に面白そうじゃろう?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()柚木&br()「……えっ!?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:ツキジョで待ち受けているものとは、いったい……?| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| **[[1人目 中沢 麻美>サクジョTOP/敵データ/中沢麻美]]&anchor(1) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter1 中沢 麻美】&br()&br()美春と柚木は、楠葉 小夜、沢桐 唯、そして紫苑路 弥生たちと一緒に月見沢学園を目指していた。&br()&br()学園へと向かう竹林の通学路は、賑わいを見せている。&br()校門をくぐり抜けると、目の前には大きな池が広がっていた。&br()すみ渡った水面には、青空に浮かぶ雲と、対岸の校舎が映りこんでいる。&br()&br()美春&br()「うわーっ、校舎が池の向こうにあるっ。すごーいっ」&br()美春は池のほとりに駆け寄って、水面をのぞきこんだりしている。&br()柚木&br()「浮島には東屋まであるわ」&br()弥生&br()「会場はな、対岸に見える校舎の向こうじゃ。では行くとしようかの」&br()小夜&br()「……はい」&br()&br()池の浮島に建っている東屋では、ひとりの女子があわただしく働いていた。&br()ちょっと頼りなさげで、目が離せない感じである。&br()&br()美春&br()「お茶屋さんが出てるー」&br()&br()茶店を取り巻くテーブルでは、たくさんの人たちが舌つづみを打っている。&br()&br()弥生&br()「どれ、売り子さん。わしは、おダンゴと抹茶を馳走になるかのぅ」&br()麻美&br()「はい、ご注文を承りました。あのぅ、本日はアビロンでわたしに勝つと、おダンゴが食べ放題になるサービスがあるんですけど……」&br()&br()彼女が身につけている胸章には、「麻美ちゃん」と書かれていた。&br()&br()美春&br()「えっ!? おなかいっぱい食べられるのっ!? こしあん君と、あやめちゃんも?」&br()麻美&br()「えっと、はい。あやめダンゴも、こしあんダンゴも、好きなだけご注文いただけるようになります」&br()&br()それを聞いた美春の瞳が、キラキラと輝きはじめた。&br()&br()柚木&br()「んもお美春ったら。がぜん、やる気になってるじゃないっ」&br()唯&br()「無理ないよ。だって、太っ腹じゃーん。お小夜っちは、どーするのっ?」&br()小夜&br()「わたし、草餅」&br()&br()つつましやかな小夜は、ポツリとつぶいた。&br()&br()唯&br()「いやいや、注文じゃあなくて、麻美ちゃんとアビロンするのって話だよおー」&br()小夜&br()「…………うん」&br()&br()ずいっと一歩前に出た美春は、みんなの興味を引きつけた。&br()&br()美春&br()「いちばん最初は、わたしが頑張ってみるっ」&br()&br()そう宣誓した美春に、まわりから温かい声援と拍手が送られる。&br()&br()麻美&br()「えっと、アビロン・バトルは、ひとりずつでお願いしますっ……そうだっ、腕をまくって、と。くつひもは……と。これでOKだよねっ。よ、よしっ、がんばるぞおっ!」&br()弥生&br()「それでは、バトル開始じゃ」&br()&br()弥生の手は、くしダンゴへとのびていた。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0158.jpg,画像倉庫)| **[[2人目 鈴川 るりか>サクジョTOP/敵データ/鈴川るりか]]&anchor(2) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter2 鈴川 るりか】&br()&br()麻美&br()「きゃあっ、待ったあ、参りましたあっ」&br()美春&br()「やったー、おダンゴ食べほーだいっ。こしあん君に、あやめちゃんー」&br()&br()拳を天に力強く突き上げた美春は、とても嬉しそうだ。&br()テーブルに案内されてニコニコとしている美春の前に、ほかの学校の女子がやってきた。&br()&br()他校の女子&br()「ねーねーちょっと、サクジョの子でしょ?」&br()美春&br()「そーだよっ。よろしくねっ」&br()&br()にっこりと微笑んでピースサインを送る。&br()&br()他校の女子&br()「アビロン、すっごく強いねーっ。ぜひわたしの相手をしてください。お願いしますっ!」&br()&br()彼女のお願いをきかっけに、美春と対戦を望んでいそうな人たちが集まりはじめた。&br()&br()唯&br()「美春ばっかりズルいじゃーん。わたしだって相手になるぞー」&br()小夜&br()「わたしは……お茶」&br()柚木&br()「美春、おダンゴ食べてる場合じゃないわ。逃げましょうっ!」&br()&br()柚木は立ち上がって、美春の手を取った。&br()&br()美春&br()「えっ!? ちょっと──ふええっ、おダンゴさんがあっー」&br()&br()浮島から校舎側にかかる橋を駆け渡ると、ツキジョの生徒が笑顔で待ち構えていた。&br()&br()ツキジョの女子&br()「こんにちはーっ。ツキジョ・アビロンフェスタへようこそっ」&br()&br()彼女の背後にある小屋には、小さなはち植えがたくさん並べられている。&br()&br()美春&br()「こんにちはーっ。お花屋さんだよ、柚木ぃ」&br()柚木&br()「これはお花屋さんじゃなくて、チャリティーをやっているのよ」&br()ツキジョの女子&br()「はいっ。募金をいただいた方には、そちらからお好きな鉢植えをプレゼントしますよっ」&br()美春&br()「じゃあわたし、募金するーっ」&br()&br()制服から可愛らしい財布を取り出して、ささやかな寄付をした。&br()&br()柚木&br()「そういうところ、感心するわー。あたしも少しだけ」&br()ツキジョの女子&br()「ありがとうございまーすっ。そうだっ、優しいおふたりを、秘密の場所へご招待しましょうっ」&br()美春&br()「えっ?」&br()&br()美春と柚木を中心に、辺りの風景が広大な庭園へとぬり替えられていく。&br()&br()美春&br()「うわあっ、いま渡ってきた池が、草原になってるー」&br()柚木&br()「これは、空間系アビリティの一種みたいね。王宮庭園かしら、素敵ねえ……」&br()&br()緑色のドレスに身を包んだ鈴川さんがクルリとステップを踏むと、辺りの草木が元気よく成長を遂げていく。&br()&br()鈴川&br()「鈴川るりか のプレシャス・ガーデンに、ようこそっ!」}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0159.jpg,画像倉庫)| **[[3人目 海老原 真由香>サクジョTOP/敵データ/海老原真由香]]&anchor(3) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter3 海老原 真由香】&br()&br()手入れの行き届いた庭木の回廊を、美春と柚木が駆け抜ける。&br()&br()柚木&br()「美春っ、次の曲がり角を左に行って」&br()美春&br()「見つけたっ! つかまえるよっ、えーいっ!」&br()&br()終わりのない自然の迷宮で、逃げる鈴川さんに後ろから抱きついた。&br()&br()鈴川&br()「あーっ、捕まっちゃったかあっ。私の負けだね」&br()&br()延々と続いていた緑が美春たちを中心に収束して、ツキジョの校舎裏へと戻ってきた。&br()すると、東屋のある池の方から声が聞こえてくる。&br()&br()他校の生徒&br()「見つけたっ、さっきのサクジョの人。私とアビロンでバトルしてくださいっ!」&br()美春&br()「わたしたちのこと、まだ探してたんだあ」&br()柚木&br()「ちょっと休憩したいわ……行きましょうっ」&br()&br()美春と柚木は手をつないで、その場をあとにした。&br()&br()そのまま一息に校舎の表側へ回り込んで、アビロン・フェスタの本会場へとたどりついた。&br()&br()柚木&br()「体育館で何かやってるみたいね。あの中へ逃げましょうっ」&br()美春&br()「うんっ」&br()&br()体育館の扉を開いて暗幕をくぐり抜けると、そこはライブ会場だった。&br()&br()歌手&br()「ちょっとおっ、真由香のライブに乱入するつもりっ?」&br()&br()入口から差し込む光を背に浴びて、ふたりは立ち尽くしていた。&br()誤解されても仕方のないシチュエーションが、できあがっている。&br()&br()柚木&br()「しまったぁ」&br()美春&br()「ごっ、ごめんなさーいっ」&br()&br()真由香がステージを降りて、美春の下へとやってきた。&br()&br()真由香&br()「あなたサクジョじゃない。それなら、アビロンで決着させましょうっ。ふたりとも、ステージに上がってっ」&br()&br()観客の盛り上がりは、最高潮に達していた。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0160.jpg,画像倉庫)| **[[4人目 宇都宮 涼子>サクジョTOP/敵データ/宇都宮涼子]]&anchor(4) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter4 宇都宮 涼子】&br()&br()真由香&br()「いえーいっ。このまま真由香と一緒に、ライブ盛り上げていこうよっ」&br()柚木&br()「いいえーっ! お邪魔しましたあっ……今のうちに、美春っ!」&br()美春&br()「バトルしながら歌うのって、楽しいかもっ!」&br()&br()体育館を飛び出して疾駆するふたりは、そのまま本校舎へ突入した。&br()&br()各教室ではアトラクションが展開されていて、ろう下はお客さんでごった返している。&br()&br()美春&br()「あれっ、あそこにいるの琴音ちゃんだっ」&br()&br()姫路琴音と合流した美春と柚木は、喫茶店を開いている教室で休憩することにした。&br()&br()琴音&br()「あたし、イチゴみるくパフェがいいわっ」&br()&br()美春はオレンジジュース、柚木はアイスティーを注文した。&br()&br()店員さん&br()「お待ちどおさまでした。ところで今日は、サクジョから“ふわっふわなハイ・アビリティスト”が遊びに来ているそうですね。ご存じないかしら」&br()美春&柚木&br()「──んぶっ!?」&br()&br()それを聞いた美春と柚木は、思わず飲み物を吹き出しそうになってしまった。&br()&br()琴音&br()「おいしいっ。……ところでその“サクジョ”で、“ふわっふわ”っていうの、美春っぽいかんじじゃない?」&br()&br()琴音が、デザートスプーンをペロリと舐めてつぶやいた。&br()&br()美春&br()「うゎあっ、バレちゃったあっ」&br()&br()口元を手のひらでおおった美春は、柚木と顔を見あわせてしまう。&br()&br()柚木&br()「ちょっとお、自分から白状したら意味ないでしょおっ!?」&br()店員さん&br()「なるほど。キミが今ウワサで持ちきりのハイ・アビリティストね。この宇都宮 涼子と勝負してくださる?」&br()美春&br()「うへぇ。どうしてもバトルになっちゃうんだねえ」&br()&br()オレンジジュースを一気飲みした美春は、涼子と正面から対峙する。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0161.jpg,画像倉庫)| **[[5人目 田処 萌>サクジョTOP/敵データ/田処萌]]&anchor(5) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter5 田処 萌】&br()&br()涼子&br()「わたしの絶対服従スィーツが通用しないなんて。自信作だったのに……」&br()&br()彼女が手にしていた武器から炎が立ち消えると、続いて変身も解いてしまったようだ。&br()&br()美春&br()「えっへん。ケーキ、ごちそうさまでしたっ」&br()柚木&br()「美春ったら。ほっぺにクリーム付いちゃってるわよ」&br()&br()ハンカチを取り出した柚木は、美春の口元をぬぐった。&br()&br()ツキジョの女子&br()「いたいた。サクジョの凄いヤツってのを見つけたわーっ! 次はアタシが相手よっ!」&br()美春&br()「見つかっちゃったあっ」&br()&br()琴音はと言えば、マイペースにイチゴみるくパフェを食べていた。&br()&br()美春&br()「琴音ちゃん、またねーっ」&br()琴音&br()「あむっ……またねぇ」&br()&br()彼女のバイバイに見送られて、美春と柚木は図書室へと逃げ込んだ。&br()&br()美春&br()「あれっ? サクジョの子がいるよっ」&br()&br()その女子は、両手で本を開いて読みふけっていた。&br()&br()柚木&br()「ホントね。わたしもここで、休憩していこうかな」&br()&br()ふと本から目線を離した女子は、本を閉じて脇に抱える。&br()&br()サクジョの女子&br()「あれーっ? 図書室もアビロン会場だったんだー。それじゃあ文芸部を代表して、お手合わせをしなくちゃねっ」&br()&br()女子は片手で本を開くと、もう一方の手先で美春たちを指さした。&br()&br()美春&br()「ええっ!? どーして?」&br()サクジョの女子&br()「だって、アビロン・フェスタなんでしょ? サクジョ同士、お手柔らかにねっ」&br()柚木&br()「ちょっと本気なのっ? ここはツキジョの図書室なんだよっ?」&br()萌&br()「私は田所 萌。それじゃ、いっくよーっ♪ あなたに相応しい一冊を、教えてあげるっ」&br()&br()ぐらり、と。&br()本だなに納められた無数の書物が、うごめいた気がした。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0162.jpg,画像倉庫)| **[[6人目 水無月 雛>サクジョTOP/敵データ/水無月雛]]&anchor(6) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter6 水無月 雛】&br()&br()紙でできた高波が、美春たちを飲み込もうとしていた。&br()&br()美春&br()「うわぁわあっ!? つぶされちゃうーっ!」&br()萌&br()「そのまま保健室まで、流されちゃえーっ」&br()&br()額に指先をあてたまま詠唱を続ける柚木は、何かの間合いを見計らっている。&br()&br()柚木&br()「今よ美春っ、絶対領域っ!」&br()&br()美春へ振り向いた柚木の黒髪が、大きくなびいた。&br()&br()美春&br()「よっし、いっくよぉー。それぇえぇー!!」&br()&br()浮遊感に襲われたふたりは、高波を越えて浮かび上がる。&br()&br()萌&br()「……あれ? 高波がとまっちゃった」&br()&br()勢いをなくした高波は砕け散り、紙片がゆっくりと舞い散っていく。&br()&br()美春&br()「わあ、図書室に雪が降ってるみたーい」&br()萌&br()「やっぱり文芸部は、読書してるのが一番だよねー。帰って、本の続きを読もうっと♪」&br()&br()アビロン・バトルを楽しんだ萌は、そのまま図書室を出て行ってしまった。&br()&br()高波で押し流された机とイスを元通りに整とんして、美春と柚木も図書室を後にする。&br()&br()美春&br()「追いかけてくる人、もう居ないみたいだね。下の階に降りて、いろんなイベント会場を見て回ろーよっ」&br()柚木&br()「そうね。行きましょう」&br()&br()階段を下りていると、頭上から女子の声が響き渡った。&br()&br()??&br()「そこ、どいた、どいたーっ!」&br()&br()振り返ると、階段の手すりへ横座りになったツキジョの生徒が、勢いよく階段を滑り降りていった。&br()&br()柚木&br()「ちょっとお、危ないじゃないのよ!」&br()??&br()「教えてあげないよー。文句があるなら、アタシのこと捕まえてごらんっ」&br()&br()そう言って、彼女は柚木のヘアバンドをサッと取り上げた。&br()&br()柚木&br()「あっ、ちょっと、何するのよあなたっ、返してっ」&br()雛&br()「あたしの名前は“おまえ”じゃない。雛(ひよこ)だもんっ」&br()美春&br()「よーし、わたしが柚木のカチューシャを取り戻してあげるーっ」&br()&br()ツキジョを舞台に、アビロン鬼ごっこが幕を上げた。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0163.jpg,画像倉庫)| **[[最終決戦! 俵 真悠子>サクジョTOP/敵データ/俵真悠子]]&anchor(7) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter7 俵 真悠子】&br()&br()雛&br()「そーら、こっちおいでー」&br()&br()額に手を押し当てて考え込んでいた柚木が、ふっと顔を上げた。&br()&br()柚木&br()「あのひと、摩擦の抵抗をコントロールできるのね。宙に浮いているのとは、違うみたい」&br()美春&br()「よく分かんないけど、なんだかすごく面白そうだよねーっ」&br()&br()歯がみする柚木に、美春が満面の笑みをたたえた。&br()&br()柚木&br()「もお、美春ったらあ。……そうだ、ふたりで挟み撃ちにしましょ」&br()美春&br()「うんっ、わかった。わたしが ふわふわーん の力で ひよこちゃん を追い抜けばいいんだねっ」&br()&br()絶対領域の力で美春が宙に浮かび上がると、らせん軌道を描いて下の階へと舞い落ちていく。&br()&br()雛&br()「えええっ!? そ、そんなの反則だあっ!?」&br()&br()雛の行く手を阻む事に成功した美春のお陰で、鬼ごっこは決着した。&br()&br()美春&br()「はい、柚木のカチューシャ」&br()&br()雛から返してもらったカチューシャを身につけて、柚木はホッと胸をなで下ろした。&br()&br()柚木&br()「ありがとう、美春っ」&br()美春&br()「これくらいへっちゃらだよー」&br()雛&br()「あーあっと。暇つぶしにはなったかなー。じゃあねえっ」&br()&br()雛は人混みの中へと消えてしまった。&br()&br()柚木&br()「それじゃあ、あたしたちは東屋へもどってみましょう」&br()美春&br()「うんっ」&br()&br()校舎を出ようとしたところで、ゴウッという地鳴りが響いた。&br()ほどなくして、きゃーーーーっという悲鳴が遠くから近づいてくる。&br()&br()柚木&br()「なんで校庭に水が流れてくるのっ!?」&br()他校の女子&br()「いやあああああああああああっ!?」&br()&br()ざっぱーん、と。&br()右手から左手の方へと向かった大波に、何人もの生徒が流されていった。&br()&br()??&br()「まとめて、いっちょあがりーっ♪」&br()&br()波の来た方を振り向くと、美春たちを飲み込むような大波が間近に迫っていた。&br()&br()柚木&br()「きゃーーーーーーっ、逃げて美春っ」&br()??&br()「次の敵さん、見つけたーっ! ツキジョ水泳部のホープ、俵 真悠子が相手だあっ!」&br()&br()美春と柚木が波に飲み込まれると、水位は一気に2階の窓にまで達していた。&br()&br()ふたりにとっては、これがはじめての水中戦である。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0164.jpg,画像倉庫)| **エピローグ (1周目) #openclose(){ |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「やっほ~、ふわふわ~ん」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:美春の絶対領域で空高く舞い上げられた真悠子は、&br()水面めがけて真っ逆さまに落ちていく。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):真悠子&br()「ぎゃあああああ、高いの怖いよーっ!!&br()落ちるぅー!?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER: ──ざっぱーんっ。 &br()水没していく真悠子をあわてて引き上げた美春は、&br()真悠子のほほをプニプニしてみた。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「ねえねえ、起きてよーっ。目がうず巻きになっちゃってるよーっ?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「飛び込み種目は、きっと苦手だったのね」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):真悠子&br()「きゅぅぅぅぅぅ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「それにしても、この水の量。学園の外は大丈夫かしら?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):弥生&br()「心配無用じゃ。学園の外へは及ばんようになっておる」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「とにかく真悠子ちゃんを起こさないと、水がとまんないよーっ!」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:こうして、アビロン・フェスタの会場は水没してしまい……&br()後日、あらためて開催されることになったのでした。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:~2週目に続く~| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| } **[[最終決戦! 竹内 沙也佳>サクジョTOP/敵データ/竹内沙也佳]]&anchor(8) |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):SIZE(16):&spanclass(height380px){【Chapter8 竹内 沙也佳】&br()&br()水面から顔を出した美春と柚木は、ブルブルと顔を振るった。&br()&br()美春&br()「あれえっ、真悠子ちゃんがいないっ」&br()柚木&br()「真下から来るわよ、美春っ」&br()&br()柚木の予測が的中し、美春の絶対領域が真悠子を捕らえる。&br()&br()美春&br()「つかまえたーっ。これならもう動けないでしょ?」&br()真悠子&br()「うあっ、こら、放せーっ、って、動いてたら息苦しくなってきたような……こ、降参するっ! 参ったよおぅ」&br()&br()湖のようになっていたツキジョの校庭が、ゆっくりと干上がっていく。&br()&br()柚木&br()「はあ、一時はどうなるかと思ったわ」&br()&br()すると、この機を狙いすましたかのように美春のケータイが着信した。&br()&br()美春&br()「弥生ちゃんからだー」&br()&br()弥生の指示に従い、美春と柚木は校舎の屋上へとやってきた。&br()&br()弥生&br()「どうじゃ、楽しんでおるかの?」&br()美春&br()「いろんなアビリティストがいて、ビックリしましたー」&br()弥生&br()「せっかくじゃし、月見沢学園のハイ・アビリティストと遊んでみんかの。昨年のアビロン本線でも活躍した、実力者でな。いい機会じゃて」&br()柚木&br()「ツキジョの、ハイ・アビリティスト……どんな人なんだろう」&br()美春&br()「柚木、会ってみたいの? それじゃあ、遊んでみよっかなあー」&br()??&br()「そうかそうか。私はぜんぜんかまわないぞ」&br()&br()いきなり背後から声をかけられて、美春たちは振りあおいだ。&br()&br()美春&br()「わっ、ビックリしたあ」&br()&br()背丈はほんのちょっとだけ高いけど、無駄なお肉の付いていないスリムな女子が立っていた。&br()&br()沙也佳&br()「はじめまして」&br()美春&br()「わあー。すらっとしてて、カッコイイーっ」&br()柚木&br()「美春ったら、あいさつもなしに失礼でしょ? えっと、あの、はじめまして」&br()沙也佳&br()「竹内 沙也佳だ。よろしくな、美春ちゃん、柚木ちゃん」&br()&br()真っ白なヘアバンドとバンデージからは、とても活発な印象を受ける。&br()&br()弥生&br()「遊び疲れたら、みんなでお茶会にでもしようかの」&br()美春&br()「よろしくおねがいしまーすっ、竹内さん」&br()沙也佳&br()「沙也佳でいいよっ。遠慮なく、手加減なしでかかっておいで」&br()&br()美春たちの正面に歩み出て向き直った沙也佳は、足を踏み開いて拳を手のひらに打ちつけた。&br()&br()柚木&br()「雰囲気からして、いままでの相手とは違うみたいよ。美春っ、気をつけてね」&br()美春&br()「うんっ」&br()&br()そして美春と柚木は、アビロン本戦の片鱗を示されることになる。}|BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:&ref(KC0165.jpg,画像倉庫)| **エピローグ (2周目) #openclose(){ |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):沙也佳&br()「どうやら、ふたりを見くびっていたのかもな」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「はあっ、はあっ、つ、強いよおっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()(相手は、まだまだ余裕って感じね。&br()これが、ハイ・アビリティストの実力……)| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):弥生&br()「よいよい、それまでじゃな」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):沙也佳&br()「ふうっ。たいしたもんだぜ、驚いたなあ。&br()美春、おまえは強くなるぞっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「はっ、はいっ! ありがとうございましたあっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:戦いが終わった美春たちは、みんなで教室に戻ってきていた。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「もうクタクタで動けないわあ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):唯&br()「美春っ、柚木っ、こっちで休憩しなよーっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):小夜&br()「クッキー、あるわ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「あーっ、みんなして、ずるーいっ!?」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):柚木&br()「美春ったら、制服のえりが曲がったままじゃないのっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):美春&br()「うわっ、柚木ってば、くすぐったいよー。きゃははっ」| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:そんなサクジョ達の様子を見て、戦いを終えたばかりの沙也佳は&br()満足そうに笑い声をあげていた。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):沙也佳&br()「あっははははははっ」&br()(今年のアビリティ・アスロンは、白熱しそうだな)| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:──美春にまた新たなライバルが出現!?していたようなのだが・・・&br()サクジョ達はいつものように気づくこともなく、&br()平和なツキジョでの1日が過ぎていくのでした。| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):CENTER:4限めへつづく| |BGCOLOR(PINK):COLOR(RED):&ref(spacer.jpg,画像倉庫,x=480,y=0)| } } ------------------------------------------------------------ #openclose(show=コメントフォームの表示){ } ------------------------------------------------------------ 本日&counter(today) 昨日&counter(yesterday) 総計&counter() ------------------------------------------------------------

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