Beat?
口を開ける
最終更新:
beat
-
view
- 口を開ける
僕は口を開けようとする時、
物心ついて以来、まさに「くち」を開けていた。
食べるときも、話すときも、飲むときも、歌うときも、息も。
物心ついて以来、まさに「くち」を開けていた。
食べるときも、話すときも、飲むときも、歌うときも、息も。
だけど、違ってた。
下あごの軸は、口よりずっと後ろにある。耳の裏あたり。
そこを支点にして、下あごをカパッと落としてみた。
下あごの軸は、口よりずっと後ろにある。耳の裏あたり。
そこを支点にして、下あごをカパッと落としてみた。
そしたら、開いた。
予想をはるかに超えて大きく開いた。
予想をはるかに超えて大きく開いた。
今まで僕が喉だと思っていたところは、舌の後ろ半分だった。
味わいが深くなった。
酒が染み渡る。
味わいが深くなった。
酒が染み渡る。
声帯と気管も開いた。
声帯は喉の上に向けるものではなくて、
まっすぐに口に向けて開くもんだった。
声が綺麗になった。
声帯は喉の上に向けるものではなくて、
まっすぐに口に向けて開くもんだった。
声が綺麗になった。
今までなんと力んでいたのかと思うと同時に、
数十年変わることのなかったイメージを、遥かに超えるこの世の豊かさを感じ、
これからが嬉しくなってきた。
数十年変わることのなかったイメージを、遥かに超えるこの世の豊かさを感じ、
これからが嬉しくなってきた。