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マ「ふぅ…やっと課題が終わったぜ…」

  学校の課題を終え床に倒れこむ
  辺りを見回すともう辺り一面が橙色で包まれていた

マ「もうこんな時間か…課題に力入れすぎて全然気が付かなかった…」

  橙色の景色を眺め物思いに耽っていると
  鼻をツンと刺激するカレーの独特の香ばしい香りが台所から漂って来た。
  その香ばしい香りに釣られ台所に顔を出す俺

マ「おっ今夜はカレーか」
蒼「うん、それよりマスター、学校の課題は終わったのですか?」
マ「おかげさまでバッチリと、それより何か手伝える事はある?」
蒼「そうだね…じゃあお皿を出しておいてもらえるかな?」
マ「そんな事で良いの?」
蒼「もうカレー自体は出来上がってるからね、後は弱火で煮込むだけだよ」
マ「そっか、じゃあ皿を並べて待っておくね」

  そして俺は蒼星石に指示された場所に皿を置きテーブルに座った
  彼女の料理はどれも絶品だったので今回のカレーもきっと美味しいだろうと期待して待っていると

蒼「お待ちどう様、お替りもあるからどんどん食べてね」
マ「おぉ美味しそうだねぇ、ちょっとソース取ってくれるかな?」
蒼「いいけど…カレーだよ?ソースなんて何に使うの?」
マ「俺の家はカレーにソースを入れて食べててね、結構美味しいんだよ」
蒼「ふぅん…前のマスターは醤油を入れてたねぇ…マスターもやってみたら?」
マ「醤油なんて邪道だ!カレーにはソースと福神漬け!これが一番」
蒼「いくらマスターでもこれは譲れませんね、カレーには醤油です!」

  カレーに何を入れるか、などとくだらない話題で言い争う俺と蒼星石
  最初は他愛も言い合いだったのだが徐々に激しさを増していく二人

蒼「大体マスターは自分の意見を僕に押し付けすぎだよ!」

  言い合いで興奮してるのか今までの鬱憤を吐き出す蒼星石

マ「なっ!?そう言う蒼星石だって!」
蒼「いつ僕がマスターに意見を押し付けたって言うのさ!」
マ「いつもいつも…!俺の為だとか言って好きな時に間食させてくれないじゃないか!」

  そう言ってテーブルを激しく叩きつける俺
  その弾みでコップが跳ねて蒼星石にお茶が掛かった

蒼「熱っ!」
マ「あはは!いい気味だ」
蒼「よくもやってくれたね…」  

  蒼星石の目から優しさが消え
  以前水銀燈と戦った時に見た冷酷な目に変わる
  そして次の瞬間蒼星石の手から食器が離れ俺の方に飛んでくる

マ「うおっ、危ない…当たったらどうする気だ!」
蒼「あははごめんね、ちょっと手が滑っちゃった」
マ「わざとだろ!今の絶対わざとだろ!」
蒼「やだなぁ、不慮の事故だよ…」
マ「くそっ!これでも食らえ!」

  これでもかと言わんばかりに蒼星石に食器を投げつける俺
  蒼星石も負けじと食器を俺に投げつけてくる
  気が付いたらリビングは食器の破片だらけだった…

マ「いつも俺のため俺のためって…いい加減ありがた迷惑なんだよ!」
蒼「酷いよ…僕はただマスターに健康で居て欲しいだけなのに…もうマスターなんて知らない!」

  我慢できなくなったのか目に涙を浮かべて走り出す蒼星石
  そして鞄のある部屋の端で拗ねて居る蒼星石

マ「おーい、蒼星石?」
蒼「…………」
マ「ご飯は…」
蒼「マスターは大好きなソース入りカレー食べれば良いじゃないですか」
マ「……俺が悪かったから…許してくれよ…」
蒼「ダメです、先程のマスターの一言で僕の心はズタズタです」
マ「…そうか蒼星石がそこまで意地を張るなら俺にも考えがある」

  俺が悪いとはわかっているんだが蒼星石が余りにも意地を張るので
  自分もカッとなってしまった
  口から出た言葉を取り消すわけにも行かず、
  鞄のある部屋とリビングの境目に線を引き…

マ「この線からこっちに来たらダメだからな!」
蒼「全く…小学生じゃないんですから…」
マ「何とでも言えば良いじゃないか」

  重く苦しい空気が俺の家を包み込む
  この空気に耐えられずどこかに出かけようかと思ったその時
  窓ガラスが張り裂け鞄が俺の家に入り込んできた。

翠「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンですぅ」
マ「やぁ、翠星石いらっしゃい」
蒼「良く来たね、翠星石」
翠「って何ですかこの家の有様は!こんなに食器の破片が飛び散って…
  お前ら何しでかしたですぅ?」

マ「ちょっと蒼星石とゴタゴタがあっただけだよ」
翠「これはゴタゴタってレベルじゃねーですぅ…」
蒼「マスターが暴れたからこんな風になったんだよ…」
マ「蒼星石も十分暴れてたじゃないか!」
翠「お前ら少し落ち着けですぅ!」
マ「俺は十分落ち着いてますよ、でも蒼星石が…」
翠「言い訳はいいですから二人ともここに正座するですぅ!」

  そう言って翠星石は俺ら二人を正座させた
  いつもと違いふざけた様子も無く真面目な顔つきで俺らをじっと見る翠星石

マ「あの…義姉さん…そろそろ足が痺れてきたので手短に御願いできます?」
翠「何でお前らは喧嘩したのですか?」
蒼「そんなの…翠星石には関係ないじゃないか」
翠「蒼星石の姉としてこんな非常事態を見過ごすわけには行かないですぅ」
マ「俺と蒼星石が喧嘩していい気味じゃないのか?」
翠「そんな事はいいからさっさと何が原因か話すですぅ!」
蒼「実はね…」

  黙って俺達の話をずっと聞く翠星石
  そして原因を話し終わったあと彼女が呆れたように話し出す

翠「全くお前らは…そんなくだらねぇ事で喧嘩してたですか…」
マ「別に俺は悪くないですよ…」
翠「とりあえず、そんなのはいいからさっさと謝るですぅ!ほら、蒼星石も!」
蒼「何で僕が…マスターが仕掛けてきたのに…」
翠「喧嘩両成敗ですぅ!さっさとお前ら謝りあうですぅ!」
マ「ごめんなさい…」
蒼「すいませんでした…」
翠「お前ら仲直りする気あるですか!?」
マ「いや…別に今のままでも困らないでしょ?」
蒼「不本意だけど僕も同意見だね」
翠「お前ら!いい加減にするですぅ!」

  彼女の平手打ちが俺と蒼星石を襲う

蒼「いたた…何をするのさぁ…」
マ「いきなり平手打ちは酷いですよ…」
翠「お前らは馬鹿ですか!?こんな下らない事で喧嘩して!
  そんなにすぐ壊れるような絆じゃあアリスゲームが始まった時対処できねぇですぅ!」

マ「確かに…義姉さんの言う事が正しいですね…」
蒼「うん…本当に僕達何してたんだろうね…」
マ「俺が悪かった!…だから俺と仲直りして頂けないでしょうか…」

  深々と頭を下げ土下座の姿勢になり蒼星石に謝罪する俺
  すると、誠意が伝わったのか蒼星石の声が急に柔らかくなった

蒼「もういいですよ、マスター…頭を上げてください」
マ「じゃあ…許してくれるのか…?」
蒼「マスターにここまでされたら許すしかないじゃないですか…」
マ「本当にごめんよ…蒼星石にはいつもお世話になってるのに…」
蒼「僕の方こそ…あんなくだらない事で熱くなって…」
翠「ふぅ、手の掛かる二人ですね…」

  翠星石が今までに見たことも無い優しい笑顔で微笑む

マ「ありがとう義姉さん…貴女が居なかったら俺達は口も聞かなかったと思う」
翠「ふふん、翠星石から見たらお前も蒼星石もまだまだ子供ですぅ
  ですから困った時にはどんどん頼ってくれですぅ」
蒼「ふふ、頼りにしてるよ翠星石」

  雨降って地固まるとはよく言ったもので
  俺と蒼星石の仲は前より深まった気がする
  それに今回の一件で義姉さんとも気軽に話せるようになった

  そして一週間後…
  そこには元気に言い争うマスターと蒼星石の姿が!

マ「だから!目玉焼きには塩!これしかないでしょ!」
蒼「目玉焼きには醤油です!マスターが相手でもこれは譲れません」
翠「お前らいい加減にしろですぅ!」

                          完