夢を見ていた…

とても優しく暖かい夢を…

見ている時はとても心地が良かった

しかし夢から醒めた時、物凄い虚脱感が俺を襲う

今思い出しても夢のような毎日だった…

そうあの日が来るまでは…


銀「終わりよぉ蒼星石ぃ、おやすみなさぁい」
蒼「うわあっ!」

水銀燈の一撃が蒼星石の胸を貫く
蒼星石が力尽き倒れた
そして蒼星石の体から綺麗に光る物体が出てきた

マ「蒼星石!!」
蒼「ごめ…ん…ねマスター…僕…負け…ちゃ…った」
マ「蒼星石!逝くな!俺を置いて逝かないでくれ!」
蒼「マス…ター…こん…な僕の…為に泣かないで…?」
銀「最後の挨拶は済んだかしらぁ?お別れの時間よぉ」
蒼「さよ…ならマスター…元気で…ね」


そうだ、蒼星石はアリスゲームで負けたんだ…

最後まで彼女は俺の事を気にしていた…

彼女が居なくなって元の生活に戻った筈なのに何もかもを失った気がする…

あの時の事を思い出すと心の底から絶望感がこみ上げてくる

彼女の居ない世界、こんな世界に居てもどうしようも無いと思えてきた…

俺は部屋を締め切り練炭を焚く事にした、そうすれば彼女の元へ行けると思えた…

部屋の中に煙が立ち込める、俺の意識が徐々に遠くなっていく…

あぁ…もうすぐ彼女の元へ向える…そう思った時、

俺の家のガラスが張り裂け家中に轟音が響く

ガラスを破り俺の目の前に現れたのは彼女の双子の姉の翠星石だった。

翠「お前!一体何してるですか!?」
マ「義姉さん…俺はもう蒼星石の所に逝きます…」
翠「馬鹿言うなですぅ!お前はこんな事して蒼星石が喜ぶとでも思ってるのですか!?
  それに今お前が死んでも蒼星石の所へは行けねぇですぅ!」
マ「でも…俺はまた彼女と喋りたい…彼女の笑顔をもう一度見たい…」
翠「辛いのはお前だけじゃねぇですぅ…翠星石も辛いですよ…でも…」
マ「義姉さんは俺と違って強いですね…」
翠「翠星石は沢山の別れを経験したです…その分別れに慣れてしまっただけですぅ…」
マ「義姉さん…時々俺の家に遊びに来てくれます?ずっと俺1人だと狂ってしまいそうで…」
翠「しょうがねぇですね、お前が蒼星石の抜け殻に妙な事しないかたまに見張りに来るですぅ」
マ「ありがとうございます…義姉さん…」

気が付いたら俺の目から涙がこぼれていた

今まで流した涙の量を全て足した数を上回る位泣いた…

翠「気が済むまで泣くといいですぅ、もう蒼星石の後を追うなんて馬鹿なことを考えるなですよ?」
マ「分かりました、蒼星石が帰ってきた時に立派なマスターになってるよう努力します」
翠「その意気ですぅ!」

俺と翠星石は二人で笑いあった

辛いのを誤魔化すようにずっと…

そんな二人を見ている不気味な影が一つ…

銀「二人で傷を舐め合うなんて惨めねぇ…でも安心なさい、
  すぐにあなた達も蒼星石に会わせてあげるわぁ」

水銀燈が不気味な笑みを浮かべているとも知らず

二人はただ笑いあうだけだった…