title:双子の長い一日

翠「お腹すいたですぅ~、蒼星石、お菓子無いですか?」
蒼「お菓子かい?冷凍室にアイスがあるよ」
翠「アイスですか久しく食べてないですね、ありがたく頂くとするですぅ」
蒼「でも冷凍室の位置高いよ?僕がイス支えてなくて大丈夫?」
翠「心配無用ですぅ」
蒼「本当に大丈夫?」
翠「全く蒼星石は心配性過ぎるですぅ、これ位1人で大丈夫ですぅ」
蒼「確かにアイス取るぐらいなら一人で大丈夫か…」
翠「ねんがんのアイスクリームを手に入れたですぅ!」
蒼「ころしてでもうばいとr…じゃなくて、イスの上でそんなにはしゃぐと危ないよ!」
翠「大丈夫ですぅ、この翠星石様がイスから落ちるなんてヘマをするわけg…ひゃっ!」

  翠星石はイスから転げ落ち僕の方に倒れて来て…!?(ゴツン!)

「痛てて…だからあれほど言ったじゃないか!」
「うぅ…しょうがないですよ、まさか落ちるとは翠星石も思ってなかったですぅ」

  痛みが引いてやっと目を開けたその時、僕の目の前にはとんでもない光景があった

「えぇぇ!?」
「蒼星石どうしたです?…ってえぇ!?」 

  目の前に居たのは黒いシルクハットに栗色の短い髪そして青いケープ
  そうまるで僕の格好をそのまましたような翠星石…じゃない
  目の前に居るのは間違いなく僕だ
  そして目の前に居る彼女が見てるのも自分自身であろう

蒼(翠)「な、なんで翠星石が目の前に居るんですぅ!?」
翠(蒼)「お、落ち着くんだ翠星石!どうやら僕達は入れ替わってしまったようだね」
蒼(翠)「蒼星石は落ち着きすぎですよ!と、とにかくこれからどうするですぅ?」
翠(蒼)「やっぱりマスター達に事情を話さないわけには行かないね…」
蒼(翠)「い、嫌ですぅ!ダメ人間に翠星石の失敗を知られるなんて最大の屈辱ですぅ」
翠(蒼)「じゃあどうするのさ?」
蒼(翠)「バレないように自然に振舞うですぅ」
翠(蒼)「口調も変えないとバレるy…じゃない…ですぅ」
蒼(翠)「そ、そうでs…だね……うう…やっぱり難しいですぅ…」
翠(蒼)「とりあえず今は僕達以外誰も居ないからこのままでも大丈夫だよ」
蒼(翠)「そうですね、これからどうするか考えましょうか」

  口調を変えるのだけでも必死なのだがもう一つ大きな障害が浮かび上がった

翠(蒼)「仮に今日中に戻らないとしたら翠星石がマスターのお世話をするんだよね?」
蒼(翠)「不本意ですがする事になるですね。」  
翠(蒼)「翠星石って家事した事あった…?」
蒼(翠)「失礼ですね!流石にそれぐらいはあるですぅ、」
翠(蒼)「本当かい?」
蒼(翠)「本当ですぅ、ゴミ食べ機で部屋を掃除したり、ゆで卵だって作れるですよ、」
翠(蒼)「ご、ゴミ食べ機?」
蒼(翠)「えっと確か掃除機とか言うんでしたっけ?」
翠(蒼)「掃除機…ゆで卵…ちょっと前に雛苺から聞いたけど
    全部失敗に終わったそうじゃないか!」
蒼(翠)「チビ苺の奴…あれほど話すなって口止めしたはずですぅ!」
翠(蒼)「それよりもどうするの?もうすぐマスター帰って来る時間だけど…」
蒼(翠)「げっ!もうそんな時間ですか…」
翠(蒼)「ど、どうするの…?」
蒼(翠)「あのダメ人間なら騙せるかもしれないですぅ。」
翠(蒼)「そ、そうかな…僕は君を演じきる自信がないよ…」
蒼(翠)「でも、真紅達が相手だと蒼星石が心配なので
    あの人間に夕食時まで置いて貰う事にするといいですぅ。」

  と、ちょうどこの後どうするか決まったその時…

マ「たっだいまー!」
蒼(翠)「マ、マスター…おかえりですぅ」
翠(蒼)「蒼星石ったらぼk…翠星石の真似なんてするなで…すぅ(///)」
マ「あ、義姉さん来てたんですか、どうぞごゆっくりして下さいなー」
蒼(翠)「だから義姉さんって言うなですぅ!」
マ「へ?…」
翠(蒼)「その…ですね…蒼星石は翠星石の真似をして遊んでるんで…すぅ」
マ「へぇ~中々斬新な遊びだね」
翠(蒼)「(バレてない…これなら上手く誤魔化せるかも…)」
マ「とにかく俺は奥で勉強してくるから、用があったら何なりと言ってね」
蒼(翠)「ニn…マ、マスター…
    今日翠星石がここで夕食を食べたいって言ってるんだけど大丈夫ですか?」
マ「俺は大丈夫だけど…ジュン君達には言ったのかい?」
蒼(翠)「それなら大丈夫ですぅ、チビ人間には翠s…ぼ、僕が言っておくですぅ」
マ「そう?ならいいんだけど…今日は二人とも変だよ…?」
翠(蒼)「な、何言ってるのさマスター!そ、そんな事全然無いよ」
蒼(翠)「何言ってるんですかダメ人間!そんな事一切無いですぅ!」
蒼&翠「あっ…」
マ「あのー…2人とも本当にどうしたの…?」
翠(蒼)「はぁ…流石にもう誤魔化すのは無理みたいだね…」
蒼(翠)「そうですね…じゃあさっきあった事を有りの侭話すですぅ」

  そして僕達は今までに起こった事を有りの侭全部
  マスターに話しました

蒼(翠)「と、言うわけなんですぅ」
マ「またまたぁ~二人して俺をからかおうとして、
  そんな漫画みたいな話が実際にあるわけ無いでしょ」
蒼(翠)「はぁ…どうしたら信じてくれるですかね…」
翠(蒼)「僕に任せて!確かここら辺に…あった!」
マ「げっ…それは…俺の秘蔵の蒼星石の同人誌…どうして隠し場所が…」
翠(蒼)「前夜中に起きた時マスターがこの本d…」
マ「ストップ!本当に蒼星石なのは分かったからそれ以上は言わないで!」

  必死に僕の話を遮るマスター、
  僕にはバレたく無かったのだろう顔が物凄く真っ赤だ…
  顔を真赤にしたまま電話へ向うマスター

蒼(翠)「まさかチビ人間にこの事を言うつもりですか…?」
マ「いや…一応翠星石のマスターだから彼にも言わざるを得ないでしょ…」
翠(蒼)「言っても信じて貰えないと思いますよ…
    マスターも最初信じてなかったですし…」
マ「ふむぅ…じゃあ彼には言わないでおこうか」
蒼(翠)「そうですね、真紅やチビ雛にまで翠星石の失態を知られるわけにはいかねぇですぅ」
マ「義姉さん…そんなにイスから落ちたの知られるの嫌なんですか…」
翠(蒼)「あはは、翠星石は妙にプライドが高いからね」
蒼(翠)「余計な事言うなですぅ!」
マ「おっ、電話だ…ちょっと出てくるね」

  そう言ってマスターは電話の方に歩いていった
  そして数分後…マスターが電話を終えたらしくこっちに戻ってきた

マ「うぅ…元に早く戻らないとマズイかも知れないぞ…」
翠(蒼)「どう言う事?マスター…」
マ「のりさんからジュン君とおでかけするから
  夕方から9時頃まで真紅達も預かってくれないかって」
蒼(翠)「えぇぇ!?」
翠(蒼)「って事は早く元に戻らないと、真紅達を誤魔化さないとダメなんだね…」
蒼(翠)「うぅ…奴らが相手は非常に厄介ですよ…」
マ「話してても埒が明かないよ…とりあえずどうすればいいか考えようよ」
蒼(翠)「そうですね、ぶつかって入れ替わったのならもう一度ぶつかればいいですぅ」
翠(蒼)「ふむ…単純だけど確かにそれが一番確実かも…」
マ「じゃあ、やってみようか」

  そして事故の時と同じような状況を作ってみた

蒼(翠)「じゃあ行くですよ!」
翠(蒼)「うん!」
   (ゴツン!)

  入れ替わった時と同じように僕と翠星石がぶつかった

「あぅぅ…これで上手く行ったですか?」
「痛たた…」

  そして目を開けてそこに居たのは…僕だった…

翠(蒼)「ダメだったね…」
蒼(翠)「さっきと同じようにしたはずですぅ…」
マ「ぶつかったのが直接的な原因じゃなかったのかな?」

  こうして元に戻るべく努力した僕達3人だったが夕方になっても戻る事は無かった…

マ「結局2時間ほど頑張ったけど…ダメだったね…」
蒼(翠)「全く…ぶつかってばっかりですから頭に瘤が出来てしまったですぅ」
翠(蒼)「うぅ、頭がジンジンするよ…」
マ「そんな事よりどうするんだ、早く何とかしないと真紅達来るぞ?」
蒼(翠)「げぇっ!?もうそんな時間ですか…マズイですね…」
翠(蒼)「もう諦めて真紅達にも事情を話そうよ…」
マ「俺もそうした方がいいと思うな…意地張っても碌な事無いだろうし…」
蒼(翠)「嫌ですぅ!何としても隠し通すですよ!」
マ「はぁ…義姉さんは頑固ですね…」

  結局最後まで意地を張り続けた翠星石に負けた形になった
  そしてとうとう…真紅達がマスターの家にやってきた

真「お邪魔するのだわ」
雛「ヒナもお邪魔するのー」
マ「やぁ、よく来たね、真紅、雛苺」
翠(蒼)「真紅、ひn…チビ苺よく来たです…ぅ(///)」
蒼(翠)「真紅に雛苺良く来たね、まぁ汚い所ですが上がりやがれですぅ」
マ「(あちゃあ…これじゃあボロが出るのも時間の問題かな…)
  そろそろ食事にするかい?」
雛「わーい、ご飯なのー」
真「そうね、そろそろ小腹がすいてきたのだわ」
マ「じゃあ俺が食事作るから皆はその間向こうで遊んでて」

  そしてマスターに促され僕達は向こうに行って遊ぶ事にした
  しかし…マスターでもダメだったのに彼女達を騙せるのだろうか…
  あれ程意地を張ってた翠星石は騙す気がもう無くなったのか
  いきなり雛苺にちょっかいを出している…

雛「うゆー蒼星石ぃ~ヒナのうにゅー返してなのー!」
蒼(翠)「ボケーっとしてるチビ苺が悪いd…よ」
翠(蒼)「やめるで…すぅ、す…蒼星石、雛苺ももうすぐご飯だから我慢しようね」
真「あなた達うるさいのだわ!全く…落ち着いて本も読めないのだわ」
雛「今日の蒼星石変なの、いつもはこんなイジワルしないのー」
真「そうね、翠星石も少し様子が変なのだわ」
蒼(翠)「そ、そんな事ねぇですぅ!ね、翠星石!」
翠(蒼)「そうだよ!ぼ、僕達別に普通だよ!」  
真「明らかに動揺しているのだわ…」
雛「2人とも絶対おかしいの、まるで入れ替わってるみたいなのー」

  核心を突いた雛苺の発言に固まる僕と翠星石
  全く、純粋な子の発想は柔軟すぎるから困る。
  もう無理かなと思ったその時
  リビングの方からマスターの声が聞こえた

マ「みんなー、夕食が出来たよー」
真「今行くわ、蒼星石、翠星石、後で事情をキッチリ聞かせて貰うのだわ」
雛「わーい、ご飯なのご飯なのー」
翠(蒼)「ふぅ、良いタイミングだったね、僕らも行こうか、って翠星石…何してるの?」
蒼(翠)「無駄にヒヤヒヤさせやがった罰ですぅ!
    タンスの上にうにゅーを置いてやるですぅ」
翠(蒼)「やめなよ翠星石、イスの上に乗ったりしたら危ないよ。」
蒼(翠)「大丈夫ですよ蒼星石、翠星石は同じ失敗はしないですぅ」
翠(蒼)「全く…少しは懲りた方がいいと思うよ…」
蒼(翠)「無事タンスの上にうにゅーを設置完了ですぅ。」
雛「あっ!ヒナのうにゅーをそんな所に置いちゃダメなのー!」

  自分の持っていた苺大福が無い事に気が付いたのか
  僕達が居る部屋に雛苺が戻ってきた、
  そして翠星石の乗って居るイスを揺らし始めた雛苺

蒼(翠)「わ、わ、チビ苺!やめてよ!」
雛「ヒナのうにゅーを返すまでやめないの!」
翠(蒼)「ほ、ほら二人ともやめるです…ぅ」

  そしてとうとう耐え切れなくなったのか
  イスの上の翠星石がバランスを失ってこちらに倒れてきた…
  この状況どこかで見た事ある気が…まさk(ゴツン!)

「痛てて…もう!2人共はしゃぎ過ぎるからこんな事になるんだよ!」
「うぅ…チビ苺がイスを揺らすから悪いんですぅ」
雛「うゆ?2人共やっぱり変なの
  何で蒼星石がヒナ達を注意して、翠星石が怒るのー?」
蒼&翠「え…?あっ!」

  僕の目の前に居たのは紛れも無く僕の双子の姉、翠星石だった

マ「皆どうしたの?早くしないとご飯冷めちゃうよー」
雛「蒼星石がヒナのうにゅーをタンスの上に置いちゃったの」
マ「あー…あれね、よいしょっと、ほら取れたぞー」
雛「ありがとうなの、じゃあヒナもご飯とうにゅーを食べるとするのー」
マ「ふぅ…やれやれ…ただでさえややこしい状況なのに
  真紅と雛苺の相手もするのは大変だな…」
蒼「あのね、マスター…その事だけど…」
翠「もう元に戻ったから心配無用ですぅ。」
マ「へ…何でまた…?」
蒼「翠星石がまたイスから落ちたんだよ」
マ「俺らで頑張ってみた時はダメだったのに何でだろうね…」
翠「まぁいいじゃないですか!ほら早く行かないと翠星石達の分が無くなるですぅ!」
マ「あはは、お替りもあるからそんなに急がなくても大丈夫だよ」
蒼「翠星石、これに懲りたら当分は、やたらとはしゃがないでね」

  こうして僕達2人のとても長い1日が終わった…

  そして場所は変わってあるフィールド…
  不敵な笑みを浮かべる白兎が一羽

ラ「いつまでも同じような展開が続く下らない人形劇では少々物足りなくなったので
  緑薔薇のお嬢さんと青薔薇のお嬢さんの人格を入れ替えてみましたが…
  入れ替えても影響が無かったので元に戻しましたが…
  やはりいつも一緒に居る彼女達を入れ替えても影響は無い様ですね
  次は黒薔薇のお嬢さんと青薔薇のお嬢さんを入れ替えるのも面白いかもしれませんね
  次の喜劇にも期待していますよ…か弱い薔薇乙女の皆さん…
  おっと、そろそろこの物語も幕切れのようです、それでは皆さんまた会う日まで…」