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 マ「もーいーーかい?」

  当然ながらしんとして返事は無い。

 マ「もういいよね・・・・・・じゃあ探すからね!」

  一応そう宣言してから行動を開始する。
  どうすれば無駄なく探せるかと少し思案し、まずは寝室から調べてみることにした。
  部屋にそっと入り、後ろ手にドアを閉める。

 マ「・・・ビンゴかな。」

  布団の上にある毛布の真ん中が不自然に盛り上がっているではないか。

 マ「これは・・・誰か居るな?」

  こんな可愛い隠れ方をするのは金糸雀か雛苺あたりか。
  毛布の端をそっと掴むと、それに反応してか中からくぐもった声がした。

  『こ、ここには誰も居ませんよ!』

  その声の主が翠星石だったので少し驚いた。

 マ「・・・・・・。」

  呆気にとられているとまた声が聞こえた。

  『ここには誰も居ないからさっさと他を探せです!』

  少しはっきりしない声だが間違いなく目の前のふくらみから聞こえていた。

 マ「ふふっ、こんな風に隠れるなんて翠星石にも可愛いところが・・・」

  そっと毛布をどかした。

  『ヒャッハーー!!』

  いきなり中のものが不気味な叫びを挙げて暴れ出した。
  声も翠星石のものではない。

 マ「うわっ!!」

  不意打ちで驚かされてのけぞったため毛布をつかんだまま尻餅をついてしまった。

 翠「隙あり!食らうです!翠星ブラボー脚!!」

  背後から何かが飛んでくる気配。

 マ「させるかぁ!!」

  とっさに見当をつけて毛布を両手で振り回す。
  どさり、と何かが絡め取られた。

 マ「あぶねー!・・・いきなり強硬手段とは・・・そりゃ失神させれば見つけられないけど。」

  目の前にあったのは例の悪趣味なおもちゃ。
  こいつを囮にして背後から奇襲を仕掛ける作戦だったようだ。

 マ「かくれんぼってさ、ゲリラ戦とは違う・・・」

  ぼやきながら毛布の中身を確かめる。

 マ「なにぃ!?」

  そこには自分にも見覚えのある人形、もといぬいぐるみの後姿があった。

 マ「これは・・・くんくん・・・真紅のか?変わり身まで使うとはたまげたなあ。」

  となると本体はどこかに隠れたままでコイツを動かしたのか?それとも・・・。

 マ「・・・本当に薔薇乙女の力を使ってないのかな?」

  見つけ出したら確認する必要があるな・・・などと考えながらくんくんのぬいぐるみをぱんぱんと叩く。

  『ひゃっ!?』

 マ「ん?」

  翠星石の声がした。すぐ近くから、というか・・・まさか・・・。
  脇にあるぬいぐるみを少しくすぐってみる。

  『ん、んんっ・・・』

  抑えるような声が漏れてくる。これはさっきのような録音ではないだろう。
  試しにぐにぐにと揉んでみるとその感触は綿の柔らかさではない。

  『やめ・・・』

  どうやら間違いないだろう。

 マ「翠星石、見ーつけた!」

  くんくんのぬいぐるみを抱き上げてひっくり返すと悔しそうな翠星石の顔が現れた。

 マ「恐れ入ったよ、てっきりダミーだと思ったから盲点になって調べないまま放置するところだった。」

  まさか着ぐるみを使ってぬいぐるみに化けるとは思わなかった。

 翠「うー・・・許せんです。」
 マ「いや、かくれんぼだしさ。運が悪かったって事で諦めてよ。」
 翠「お前が翠星石に卑猥なことをしなきゃ声なんて出さなかったです!」
 マ「大声で誤解を招くような発言をしない!」
 翠「しらばっくれるなです!乙女の・・・あんな所を触って・・・それに今も・・・。」

  そういえば叩いたのはおしりの辺りだったかもしれない。
  ついでに言えばくすぐったり揉んだりしたのは胸の辺りだったかもしれない。
  無論わざとではない。今も偶然その辺を掴んでいるが掴み直したら認めたみたいで気まずい。

 マ「今も?何の事か分からないよ。」

  さらに言うと着ぐるみのせいでどこの感触かなんてさっぱり分からないのだが。
  それなのに文句を言われたら怒られ損・・・違う、蒼星石じゃなきゃ・・・という問題でもないか。
  心の中でそんなくだらないことを考えている脇で翠星石の文句は続いていた。

 翠「お前が・・・あんなところをねちっこく撫で回すから・・・翠星石は穢されてしまったですぅ!!」
 マ「人聞きが悪い!はたいただけじゃない!!」
 蒼「マスター何をしたの!!」

  寝室のクローゼットのドアを勢いよく開けて蒼星石が現れた。

 マ・蒼・翠「「「あ!」」」

  三人揃ってしばし固まる。

 マ「えーと・・・蒼星石も見っけ。」

  どうやらすぐ近くに隠れていたために騒ぎを聞きつけたらしい。

 蒼「ひ、ひどいよ。翠星石を囮に使うなんて、そんな事のためにひどい目に遭わせるだなんて。」
 マ「だーかーらー、何もしてない!!」
 翠「ううっ、もう翠星石は蒼星石に合わせる顔が無いです・・・。」
 蒼「翠星石・・・・・・そのカッコどうしたの?」

  蒼星石が翠星石が着ぐるみをまとっていることに気付く。

 翠「あ、これは・・・。」

  一瞬二人が黙ったのをチャンスとばかりにまくし立てる。

 マ「翠星石がこのカッコで隠れてたから気付かずに軽くはたいちゃったの、それだけ。」
 蒼「あ、なんだ・・・ごめんなさい。」
 マ「分かってもらえたんなら良し!さて次に行くかな。」
 翠「あ、こら・・・」
 マ「蒼星石はどうする?」
 蒼「僕?そうだな、見つかっちゃった以上マスターに全員見つけてもらわなきゃだから手伝うよ。」
 マ「じゃあ行こうか。」
 翠「ちょっと待つです!翠星石もついて行きます。」
 マ「なんで?手伝うの嫌そうだったじゃない。」
 翠「お前みたいな鬼畜人間と蒼星石を二人っきりになんてさせられません。」
 マ「まだ言うのか。」
 翠「とにかく、翠星石が監視してやります。」
 マ「分かったよ、じゃあ行こうか。」
 翠「じゃあ着替えるから待ってろです。」
 マ「制限時間があるんだし、急いでよね。じゃあ外で待ってるからよろしく。」

  とりあえずは二人、思いのほか速いペースで見つかった。
  この調子で頑張りたいものだ。


      -残り時間:54分-      残ったドールは・・・6人