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水銀党の方々は別にここまで狂人ではありません。
でも少なくとも俺が水銀党時代はこんなだったのでフィクションではありません。

水銀燈は俺の嫁!?

ー2nd stageー

「いやまったく、いつものことながら蒼の料理は絶品で。」

「あはは・・そんなことないよ・・ほ・・褒めすぎだってば・・」

まんざらでもなさそうに蒼は顔を赤くして苦笑いする

なんだかんだあってあれから二週間ほど経った
その間で俺と蒼もすっかり打ち解けて、最初は敬語だった蒼もタメ口で話すようになり
俺も「蒼星石」という長い名前を縮めて「蒼」と呼ぶほどまでになった

まぁそれはいいとしてだ。

「にしても、銀様来ねぇなぁ・・」

そう、蒼とはすっかり仲良しさんになれたが
俺の当初の目的であった銀様は声はおろか影すらも見せない

「そうだね・・彼女が目覚めてるとしたら襲ってくるとは思うんだけどね・・ボクも彼女の恨み、買ってるし。」

蒼は自嘲気味に影のある苦笑いを見せた
優しそうなコイツがどんなことを銀様にしでかしたか気になりはするけど・・
あんまり触れて欲しそうじゃないしな、やめておこう。

「つうかアリスゲームが始まってるかどうかもわからないんだろ?確か全員目覚めたらハジマリなんだっけ?」

「うん、だけど水銀燈はそんなこと気にしちゃ居ない。目覚めたらすぐに自らの私怨だけで動き始めるよ。
      • アリスゲームなんて関係無しに、ね。」

蒼が不安そうに左手で右腕を押さえつける
うーん・・やっぱり銀様って怖いのかなぁ。

「ボクは正直まだあなたがわからないよ、マスター?」

不安そうな表情のまま蒼が俺に近づいてきた
俺はそのまま蒼を持ち上げ答えてやる

「何が?」

まぁ殆ど答えの予想はすんでるけどな。

「妬みとか・・嫉みの気持ちで言ってるわけじゃないよ?・・何故彼女なんかと契約したがるの?
マスターはきっと・・『本当の水銀燈』を知らないだけだよ・・彼女は・・ただの復讐鬼なんだよ?」

蒼は抱きかかえられたまま俺のシャツの胸部をぎゅっと掴む

「じゃあさ、蒼はその『本当の水銀燈』とやらを知ってるのか?」

「!!」

俺を見上げて蒼は驚くような表情をした

「知ってるのか?」

「・・・わからない。ボクは2つの面の彼女を知ってるけど・・でも!今の水銀燈は・・!」

「『本当』なのか?」

「・・・っ」

蒼の顔が歪む
そしてなんだか気まずい空気が部屋中に流れてしまった

うーん・・これじゃ俺が蒼をいじめてるみたいだな・・
いじめられるのは好きだけどいじめるのは好きじゃないのになぁ・・

「ごめんね、マスター。その・・おろして?」

うう・・顔が暗いな・・
とりあえず言われたとおりに蒼をおろしてやる

「ちょっと・・考え事があるから・・一人にさせて?」

「あ・・お・・おう。」

そう言い残すと小走りで風呂場に入っていってしまった
うーん・・怒らせちゃったかな?それとも凹ませちゃったかな?

「女心は難しいなぁ・・」


  •   ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・

「はぁ・・・」

なんか、喧嘩みたいな形になっちゃったなぁ
マスター・・怒ってるかなぁ?

でもマスターも・・悪いよ。

いっつも・・マスターは水銀燈の話ばかり嬉しそうにして・・

水銀燈のことを話してる時だけ・・見たことも無いほどの笑顔をするんだ・・

ボクの話では絶対にでてこない笑顔・・

「って・・これじゃあただのヤキモチじゃないか!ボクのバカ!」

両手で強く頬を叩いてみた
よし!大丈夫!立ち直れた!

嫉妬・・ヤキモチなんて・・そうだよ、ボクがしていいハズはない。
ボクは・・ドールなんだ・・ただの。
人と・・なんて・・

      • ってあれ?

ぼ・・ぼぼぼぼくは何を言ってるんだ!?

人と・・なんて・・何!?
ぼくは・・マスターのことが・・?

いやいやいや!そ・・そんなことは!

ぼくは人形!マスターはマスター!それだけじゃないか!
なのに・・ボク・・

うあああああ!?違う違う!ボクはただ人形として水銀燈がうらやましいだけで!
決してそんな・・す・・すk・・だ・・う・・あああ・・・

「いつの間にそんな頬を真っ赤に染める生娘みたいな娘になったのかしらぁ」


聞き覚えのある声・・

ねちっこくて憎悪がこもったあの声・・!

「水銀燈!?」

「あらぁ、久しぶりなのにその表情はあんまりじゃなぁい?うふふ・・」

振り向くと正面の大きな鏡の中から水銀燈が現れて言った
この女は・・っ!

「それにし・て・も・・ダレのことを思ってあんなに頬を染めてたのかしらぁ?」

「その小憎たらしい笑みをボクに見せるなっっ!レンピカ!」

ボクはすぐさま庭師のハサミを召還し臨戦体系を取る。
元はといえば全部彼女のせいなんだ・・!このモヤモヤ全部ぶつけてやる!

「あらあら・・こわぁい・・さっきまでの可愛い顔はどこへ言っちゃったのかしらぁ?ねぇ?蒼星石ィィ!」

迂闊だった。
彼女の強さをすっかり忘れていた。

気付けば黒い羽のカタマリがボクの腹部に直撃していた

このダメージはっ・・!

「うぐっ・・あっ・・!」

目の前がぐるぐるする
しっかりと・・立てない!

「あぁら・・接近戦ではあなたの方が上かと思ってたけどそうでも無いみたいねぇ・・?油断しちゃったのかしら?
うふふふふ・・最強のドールを目の前にして・・?ばっかじゃなぁい!」

そう言うと水銀燈はボクの頭を強く踏みつけた

「ぅぐ・・ああ!」

「いいわぁ・・このままローザミスティカ・・もらっちゃおうかしらぁ?」

この顔だ・・!ボクは・・彼女の・・この顔が・・大嫌いなんだ!

人を見下した、蔑んだ、嘲笑った、この顔が!

それなのに・・くそっ!立てない・・
最初の一撃が・・ここまで後を引くか!

「それじゃ、おやす・・

バターン!

「蒼!?どうした!?大丈夫・・か・・・」

間一髪マスターがドアを開けて入ってきてくれた・・け・・ど・・

最初は心配そうに汗までかいていたマスターの顔がみるみる愉悦にそまっている
そんな・・この状況を見ても・・あなたは?

「銀様嗚呼あああああぁあああぁぁぁあぁぁあ!」

「きゃあ!?」

まばたきするヒマもなくマスターは水銀燈に飛び掛っていった
これが倒すためならカッコイイのに・・

と・・とにかく、助かった・・

けど・・このままじゃマスターが!

「銀様あああぁぁぁああ!今みたいにして踏んでください!罵ってください!蔑んでください!ああぁぁあ!」

「ちょっ・・こら!離しなさいよ!何人間ごときが私の脚に触って・・!ばっかじゃないのぉ!
くっ・・離さないとこのまま・・殺すわよぉっ!?」

水銀燈が黒い羽をマスターに向けた

「なっ・・マスター!あぶなっ・・」

ダメだ!間に合わない・・
マスター逃げ・・

「死になさぁい!」

「うぐおあああああああああ!」

「ますたあああああああああああ!」

直撃・・!
今のは人がくらったら・・・って・・あれ?

「はぁ・・はぁ・・さすが銀様・・過激なお一撃で・・も・・もっと・・もっとくださいぃぃいい!」

    • 唖然とするしかなかった
そんなめちゃくちゃな、『趣味』って理由だけで致命傷を避けれる一撃なのかい・・?今の・・

「ちょ・・な・・なんなのよぉ!こいつぅ!やだっ・・離しなさいって!ちょっ・・ああもう!気色悪いったらありゃしない!
蒼星石ぃ!?こいつをどうにかしなさぁああい!きゃあっ!?どこ触ってんのよぉ!ひゃん!や・・やめなさぁい!」

「はぁはぁ・・銀様!銀様の脚!銀様の生脚が目の前に!眩しい!眩しくて失明してしまいそう!
でも失明したら銀様の御姿が二度と拝見できない!厭だ!そんなの厭だ!ってぐほぉ!ああ!
うおおあああ!もっとぉ!もっと羽をくらさいい!」

出来れば・・今は関わりたくないな・・
というか、言っても聞いてくれる気がしない

「ほら、マスター?落ち着いて?水銀燈・・その・・困ってるから・・ね?」

「蒼・・で・・でも!銀様が!銀様が目の前に!おれ・・俺は!」

まさかここまで病的だとは思わなかった・・
いつも話してる時もテンションは上がるけどここまでじゃなかったし・・

「はっ・・はぁ・・はぁ・・ちょ・・ちょっと蒼星石!卑怯よぉ!なんなのそのデタラメ人間は!」

「『知らない』って今は言いたいけど・・恥ずかしながらボクのマスターです・・」

ああ穴があったら入りたい
というかこの気持ちは本来マスターがなるもんだと思うんだけど・・

「くっ・・今日はもう帰るわぁ・・興醒めだし・・真紅も目覚めたみたいだしねぇ・・次はあんたのローザミスティカもいただくし
その穢らわしい男の息の根も止めるからね!覚悟してなさぁい!」

「あ・・あはは・・なんか・・ごめんね?」

額に怒りマークがあがってるのが想像できるほどの勢いで怒鳴り散らして水銀燈は帰っていった
あそこまで動揺した水銀燈・・初めて見たかも。

「うう・・銀様ぁ・・銀様がぁ・・」

マスターは床に散らばった羽を抱えて泣いていた

    • 良く考えればボクは主人であるマスターの願いを・・無理矢理引き剥がしてしまったんだ・・
あまりにも病的だったから気付かなかったけど・・

それほど・・想いが強いってことだよね・・

「ごめんね、マスター」

ボクはマスターのそばにちょこんと座り、そう言いながら頭を撫でてあげた

「う・・ぎ・・銀様・・!?銀様あああああ!」

!?

ズキュウゥゥゥゥン

突然マスターがボクに・・覆いかぶさって・・唇・・を・・・?


「うおおおおおおおお!俺は!銀様の・・くちび・・あ・・あれ・・?」

気まずい空気が流れる
どうやらマスターも自分のしたことに気付いたらしい

「え・・えっとその・・蒼を・・あれ?」

「・・ま・・まままままま・・ますたぁの・・・アホ―――――――――――ッッ!!」

「え!?いや!その蒼さん!これは事故でして!そのハサミをしまっ・・ああ!もっと!もっとぉおお!
ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

マスター ドール:蒼星石
.リ .タ .イ .ヤ
再起不能

To be continued..→


つづく・・かも