蒼「マスター、お茶が入ったよ」
マ「お、有難う」

マスターは本を片手に、何やら白と黒に染まった板とにらめっこをしていた。

蒼「何してるんですか?」
マ「ん、蒼星石はオセロを知らないのか?」
蒼「オ・・セロ・・ッ」
マ「ストップストップ!!それ以上はKON○AIの版権に引っかかる!!!」
蒼「何の話ですか・・・」

マ「えー・・・こほん。蒼星石はオセロ・・・リバーシってゲームを知っているかい?」
蒼「リバーシ?」
マ「無理も無いか。このゲームが発明されたのはほんの200年程前の話だからね。」
蒼「そうなんですか。どんなゲームなんですか?」
マ「リバーシってのはね・・・」

オレは蒼星石にリバーシのルールを教えた。
とは言っても、非常にシンプルなルールなので、説明も簡単なモノだった。

蒼「簡単なゲームなんですね。」
マ「あぁ、でも奥は深いぞ。何せ(覚えるのに1分、極めるのに一生)って言われる程のゲームだからな。」
蒼「そうなんですか?」
マ「どうだ、オレと少しやってみるかい?」
蒼「いいですね―お手合わせ願います。」

オレと蒼星石はしばしの間、オセロに興じた。

蒼「あ・・・」
マ「これで逆転だな。」
蒼「ずっと優勢だったのに・・・」
マ「端っこをいかに取るかがミソなのさ、このゲームは。」
蒼「端っこを・・・?・・・あ!」
マ「気づいたかい?」
蒼「えぇ、端っこは取られにくいんですね。」
マ「そそ、そこを如何に取るかがミソなのよね。」
蒼「奥深いですね、このゲームは。」

蒼星石は満足感と共に満面の笑顔を見せた。
この笑顔には、癒されざるを得ないな。

蒼「ところで、マスターは何故さっきこれと向き合ってたのですか?」
マ「あぁ、実はな・・・」


~~~~~~


翠「チェックメイトですぅ!」
マ「げ・・・」
翠「おととい来やがれですぅ!!」
JUM「意外だな、翠星石がオセロ得意だなんて。」
翠「そりゃ、前のマスターにみっちりつき合わされましたからですぅ。」
マ「むぅ・・・」


~~~~~~


マ「・・・ってな事があってな、どうしても翠星石だけは倒したくてな―その対局を再現して、色んなパターンを覚えて、いつか負かそうって思ってたんよ。」
蒼「負けず嫌いですね。」
マ「まぁな。」
蒼「でも、そんなマスター」

そう言うと、オセロ盤を前にあぐらを掻いてるオレの膝の上に乗って、体に寄り添う蒼星。

蒼「そんな負けず嫌いだけど、向上心溢れるマスター・・・僕は大好きですよ。」
マ「かっかっかっ、そういう蒼星石だっていつかオレ・・・いずれは翠星石をオセロで倒したいと思ってるんだろ?」
蒼「あ、バレちゃいました?」
マ「おうよ。今の蒼星石は、まるっきり昔のオレだぜ。」
蒼「あははっ」
マ「はっはっは」


オレと蒼星石は、声を合わせて笑った。

暫くの後、蒼星石は笑い疲れたのか、オレの膝の上で眠り始めた。
その寝顔は、まるで子供のように純粋な寝顔だった。

マ「・・・ふっ、この純粋な寝顔の前には、どんな奴もデレるだろうな。それを目前で見れるオレは幸せだぜ。」
オレは蒼星石を鞄の中にそっと寝かせ、再びオセロ盤に向かい合った。


マ「なぁ蒼星石・・・こんな平和な現状も、アリスゲームという運命で崩されるのか?お互いが殺し合うアリスゲームよりも、こんな平和な争いな現状の方が絶対良いと思うぞ。
  ・・・まぁこればっかりは、薔薇乙女達の運命として割り切るしか無いのかな。」

そう思ったオレは、リバーシの研究を止めて、布団に入った。

マ「蒼星石・・・リバーシは最後の最後まで勝負は分からない。だからアリスゲームも最後まで分からないと思いたい。
   オレは、お前と平和に過ごしたい・・・ただそれだけが願いなんだ・・・」


そうしてオレは、眠りに付いた・・・