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 真「・・・CD、ぬいぐるみ、着ぐるみ・・・ふむ、一通り揃ってるわね。安心したわ。」
 蒼「これは食玩のフィギュアだね。コンプリートしてる、流石だ。」
 真「あなたは揃えられなかったの?」
 蒼「いや、そもそも買ってない。揃うまでダブらせながら買い続けるのもなんかもったいないしね。」
 真「ふうん、そんなに高い物でもないのに?」
 蒼「いや、やはりマスターにはもっと有意義にお金を使って欲しいしさ。」
 真「あらあら、私はとても意義深いと思うわよ?」
 蒼「はは、真紅ほどに愛情を持ってればまた別なんだろうけどね。」
 真「ふふっ、あなたにはもうくんくん以上に愛情を注ぐ存在が居るものね。」
 蒼「な!もう、冷やかさないでよ!!」

  その様子を横からじーっと見続けていた雪華綺晶が質問した。

 雪「食玩というのは何ですか?」
 蒼「ああ、さっき食べてたようなお菓子とかにね、おまけでおもちゃがついてるんだよ。
   そういった玩具を食玩って言うんだよ。大抵は食べ物の方がおまけみたいなものだけど。」
 雪「なるほど。くんくんのフィギュアですか。なかなかいい出来みたいですね。」
 真「雪華綺晶、あなたも興味あるの?」
 雪「はい、今までこういった物には文字通り触れる機会もなかったですし。」
 真「そうね、くんくんが何個かダブってるからあげるわ。他にも持ってない人は手でも出してもらえる?」

  雪華綺晶、薔薇水晶、そして水銀燈が手を差し出す。

 真「はい、薔薇水晶に雪華綺晶、あと・・・蒼星石。」
 蒼「え、僕?」
 真「さっきの話から察するに一個も持ってないんでしょう?」
 蒼「まあ・・・そうだけどさ。」
 真「じゃあ受け取りなさい。」

  蒼星石の手に半ば無理やり握らせた。

 銀「蒼星石にあげるのは構わないけど、で、私のくんくんは?」

  所在無く手を出したままの水銀燈が言った。

 真「ごめんなさい、このダブリ3人分だったの。」
 マ「うわ・・・。」

  真紅のあまりにもあまりな一言に場の一同が凍りついた。
  女子高のイジメとかってこんな感じなのかな?
  ああ、もうおうちに帰りたくなってきた・・・ってここか。
  逃げ場も無い、我が家のエンジェル蒼星石さんに癒してもらう事も叶わない。
  なんか・・・もう耐えられそうに無いよ、ママン。

 銀「あなた・・・長女を敬おうって気は無いわけぇ?」
 真「姉だったら妹に譲るものでしょ?それにうっかり握りつぶされてももったいないし。」
 銀「ふぅん・・・あんたの気持ちはよーく、分かったわぁ・・・。」

  水銀燈の手がわなわな震える。
  一気に険悪なムードが漂い出す。
  その様子を見ていた蒼星石が水銀燈の出しっ放しの手に食玩を乗せた。

 蒼「僕のをあげるよ。僕も真紅からしてみれば姉だからね、同じ姉なら上を立てておこうよ。」
 銀「あら・・・ありがとね。」

  面食らいながらも水銀燈がそれを受け取った。

 蒼「ふふっ、どういたしまして。」
 真「あら、せっかく蒼星石にあげたのに。」
 蒼「一つだけ持っていてもあまり意味は無いからね。
   僕がもらった物をどう扱おうと自由だろ?違うかい?」
 真「まあ・・・あなたがそれでいいのなら異論は無いわ。」

  蒼星石の行動に毒気を抜かれたのかこの場は収まったようだ。

 マ「ああーー、なんていい子なんだぁー!!」

  溜まり溜まっていたものが弾けて蒼星石に思いっきり飛びつく。

 蒼「マ、マスターったら、みんな見てるよ。」
 マ「うぅー、本当にうちに来てくれたのが蒼星石で良かったー!!」
 蒼「あ、あの・・・僕の方こそ・・・じゃなくって!!恥ずかしいからひとまず離して?」
 翠「こいつめ!!」
 マ「アウチ!」

  蒼星石に抱きついていたところを背後から思いっきり蹴られた。

 翠「どさくさにまぎれてみんなの面前で蒼星石に手を出そうとはとんでもねえ破廉恥野郎です!」
 薔「あれは・・・痛い・・・。」
 金「先日はかわしまくってたのに見事に蹴られちゃったわね。」
 翠「女に目がくらんだ男の背後を取るなどたやすい事ですぅ。」
 マ「でも愛は欲しいです、お師様。」
 翠「寝言は寝てから言えです。蒼星石、もう寝ましょう。」
 蒼「ああ、もうそんな時間なのか。」
 真「そうね、もう寝るのだわ。」
 マ「じゃあみんなお休み。片付けはやっておくから。」
 蒼「でも・・・」
 翠「じゃあお言葉に甘えますよ。お休みです。さっ、蒼星石。」
 蒼「う、うん・・・。」
 雛「おやすみなの。」
 金「カナも眠くなってきたかしら。」

  そんな風にして一同が就寝した。
  後には自分一人。後片付けはすぐに終った。
  翠星石が来てから蒼星石とは同じ部屋ですら寝ていない。
  だがそれも今夜で最後と思うと特に寂しくもなかった。