なんだかんだで全ての鍋が空になった。
  お腹一杯食べてみんな一休みしている。
 マ「みんなお疲れ様ー。今日は楽しかったよ。」
 銀「あんたは楽しくっても私達はくたびれもうけよぉ。」
 真「くんくんストラップが貰えなきゃ意味ないのだわ。」
 マ「もちろん覚えてるって。今取ってくるから待っててよ。」
 翠「なんでくれるですか?」
 マ「え、ご褒美にしようって約束したじゃない。」
 金「優勝してないのに賞品をもらっちゃっていいのかしら?」
 マ「優勝賞品?別にそんなのは用意してなかったけど・・・。」
 蒼「ひょっとしてさ、それは参加賞みたいなものだったのかな?」
 マ「まあそういう事かな。」
 翠「それを知らなかったせいで随分と無駄な苦労をした気がするです。」
 雛「うゆ・・・“さんかしょう”?あたらしい妹の名前?」
 雪「私ではありません。」
  いつの間に居たのか雪華綺晶の姿があった。
 翠「何しに現れやがったですか!」
 雪「さっきとんでもない物を食べさせられたので謝罪と賠償を要求に来て隠れてタイミングを窺っていました。
   ・・・そうですね、そのくんくんのストラップとかいいですね。」
 真「ふざけないで頂戴!なんであなたなんかに。」
 銀「そうよぉ、あれは私のものになる運命なの、諦めなさぁい。」
 翠「どさくさにまぎれて勝手に決めるなです!」
 雪「私は・・・あの謎の物体でローザミスティカを失いかけたんですよ?」
 雛「ところでなんで実体があるの?」
 雪「この器ですか?ラプラスが調達してくれました。
   お父様の作ではない“つなぎ”ですから本調子とまでなじみませんが、実力行使くらい出来ますよ?」
 槐「そいつを作らされた本人の前で言ってくれるじゃあないか。」
 薔「お父様の力・・・必要なら私が・・・お見せしますが。」
 銀「あら楽しそうな空気ぃ。だけど自称・お父様の弟子作の分際で敵うとでも思ってるのかしらね?」
 薔「相手は違えど・・・『お父様』への想いなら・・・あなたにも負けない・・・。」
 銀「ふふっ、面白い。それだけでどこまでやれるのかしら!」
  不穏な空気に残りの姉妹達も身構える。
 マ「あのさあ、別に1個しかないわけじゃないから喧嘩はやめようよ。ね?」
  のんきな一言がそのシリアスなムードを破壊した。
 金「何個あるのかしら?」
 マ「何個欲しい?」
 薔「質問を質問で返す・・・いけません・・・。」
 蒼「8個あればいいんじゃないかな。」
 マ「そんなにいる?」
 翠「お前は翠星石達に骨肉の死闘を演じさせるつもりですか?」
 マ「いやそんなつもりは無いけど。じゃあ待っててよ。」
  マスターが箱を抱えて戻ってきた。
 マ「じゃあみんなに配るね。はい、手を出して。一人8個ずつ、と。」
  両手を揃えて出した一同にマスターがストラップをじゃらじゃら配っていく。
 真「・・・お待ちなさいよ。」
 マ「足りない?だったら自分で箱から取ってくれていいよ。」
 翠「そうじゃなくて!なんでそんなにわんさか持ってるですか!!」
 マ「言ったじゃん、友達がくれたんだって。」
 銀「興味も無い人間がなんでそんなにもらうのよぉ!!」
 マ「くれるって言ったからついありったけ貰っちゃって。」
 蒼「マスター・・・本当にあなたって人は・・・。」
 金「なんか・・・急激にありがたみが失せた感じかしら。」
 雛「わーい、くんくんがたっくさんいるのー♪」
 薔「くんくん・・・ふふふ・・・嬉しい・・・。」
 雪「今回はくんくんに免じて大人しく引き下がります。ストラップを傷つけたくもないですし。アディオスです。」
 マ「まだ欲しかったら好きなだけ持ってってよ。」
 翠「こういう奴が居るから出回らなかったんじゃねえですか?」
 真「無欲の勝利って奴かしらね。」
 銀「なんか馬鹿らしくなっちゃたぁ・・・帰るわぁ。」
 真「今回ばかりは同感ね。のり、私達も帰るわよ。早くなさい。」
 の「あっ、待って真紅ちゃん。じゃあお邪魔しましたー!」
 翠「あばよです。」
 雛「今日はありがとうなの♪」
 み「カナ、私達も帰りましょう。早速デジカメの写真を現像して整理しなきゃ!!」
 金「はーい、わかったかしらー。」
 マ「なんか急激に人が減ってしまったな。」
 蒼「あっ!」
 マ「どうしたの?」
 蒼「みんなに・・・お片付け手伝ってもらえば良かった・・・。」
 マ「・・・このくらいなんとかなるさ・・・たぶん。」



 雪「こんばんは。」
 ラ「こんばんは雪華綺晶、あなたから会いに来るなんて珍しいですね。」
 雪「ふふっ、こんなものを手に入れましてね。」
 ラ「そ、それは!幻とまで称されたくんくんストラップ!?それもそんな大量に・・・。」
 雪「ちょっとした“つて”で手に入れたんですが、あなたも興味があったんですね。」
 ラ「そりゃあもう!彼の活躍を見ると心にさわやかな風が吹くんです。」
 雪「へえ。」
 ラ「このラプラスはピーターラビットにあこがれるよりも、くんくんにあこがれるようになったのです!」
 雪「この味は嘘をついている味ですよ?」
 ラ「いやいや、くんくんは本当に大好きですよ。」
 雪「それであなたにはこのかりそめの器を手に入れてもらったお礼ということで・・・」
 ラ「いただけるんですか!?」
 雪「あげません。」
 ラ「へ?」
 雪「見せてあげるだけです。」
 ラ「見せびらかしに来ただけッスか?」
 雪「はい♪獣臭くなりそうなんでさわってもいけませんから。」
 白「人間の姿になってもいけませんか?」
 雪「もちろん♪あと、しゃべり方が混線してますよ。」
 白「なんかイキイキしてますねー・・・・・・。」
 雪「うふふ、いいでしょう?」
 白「さわやかな方ですね・・・嫌味な自慢をされたのに奇妙なんですけれど・・・。」