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前回


 マ「あの・・・これは一体?」
 山「私にも・・・分かりません。ただ帰ってきたら入り口のところに・・・。」
  どうやらかなりのショックを受けているようだった。
  会ったばかりだが同好の士がこんな目に遭ったのだから当然だろう。
  近くでうずくまっている桜花さんの方に目を向ける。
 梅「私の・・・エリザベスが・・・。」
  どこか呆けたようにそう言った。
  無理もない、大切にしていたはずの人形がこんな無残な姿で発見されたのだから。
  布製のかわいらしい人形は今や綿を撒き散らしぼろくずの様になってしまっている。
 み「ひどい、なぜこんな事・・・。」
 マ「その子はさっき連れてきてませんでしたよね。部屋に置いておいたんですか?」
 梅「ええ。」
 み「じゃあ空き巣に入られたって事!?」
 梅「そうでしょうね。ただ、部屋の鍵は忘れ物をして慌ててたからうっかり忘れたのかも・・・。」
 山「どうしましょう。黒崎さんや旅館にに報告した方がいいわよね?」
 マ「部屋に侵入されたのならそうした方がいいでしょうね。」
 梅「待って下さい。今夜はもう遅いですし黒崎さんも潰れちゃってましたからやめておきます。」
 み「でもまたやって来るとは思わないけど物騒ですよ?」
 梅「とりあえず荷物等を確認して被害をはっきりさせておきます。それに少し・・・心当たりもあるんです。」
 マ「脅かすわけではないですけど気味悪くないですか?」
 梅「まあそれはちょっと・・・。」
 山「じゃあ私が一緒に居ますよ。幸い部屋も近いですから。」
 梅「でも申し訳ないから。」
 山「いいんですよ。私も一人じゃ心細いですしさっきのお話の続きでもしましょう?」
 梅「じゃあお願いします。」
  話がまとまり、桜花さんはエリザベスの残骸を丁寧に拾い集めて帰っていった。
  桜花さんと山田さんの姿が部屋に消える。
  その様子をただ見守っているしか出来なかった。
 み「この事・・・どうします?」
 マ「とりあえず皆には秘密にしておきましょう。いたずらに不安がらせても仕方が無い。」
 蒼「なんであんな事を・・・。」
  悲しみと不安を帯びた表情に胸が押し潰されそうになる。
 金「あの子、かわいそう。あんな姿にされて・・・。」
  やはり二人の方が自分達の仲間のむごたらしい姿にショックを受けているようだ。
  かけるべき言葉も見つからずにしばらく皆して黙っていた。
 マ「・・・ひとまず用事を済ませて戻りましょう。皆を待たせてもいけませんし。」
  一同がこっくりとうなずく。
  そんな気まずい空気の中、何かに背を押されるように大急ぎで買い物を済ませて部屋に戻った。




 真「あら、随分と遅かったじゃない。」
 翠「たかが買い物でどんだけどんくさいんですか。」
 雛「お腹すいたのー。」
 金「ごめんなさい。ちょっと手間取っちゃったかしら。」
 ジ「・・・何かあったのか?」
 マ「いや別に。桜花さんたちに会ったからちょっと話をしていただけだよ。」
 ジ「そうですか・・・。」
  下手に嘘をついてもボロが出るだけなのでそう言って話を済ませる。
 翠「何を買って来たですか?」
 蒼「飲み物はソフトドリンクとビールにワンカップ、食べ物はスナック菓子にちょっと甘いものを買ったよ。」
 の「じゃあ並べたら宴会を始めましょうね。」
 雛「あーい♪」
  居残り組みがうきうきと飲食物の準備をする。
 み「さっ、私達もパーッと楽しみますか。」
 マ「そうですね。」
  さっきの出来事を脳裏から振り払うように宴会を楽しむ事にした。
 の「さっ、じゃあ始めましょうか。」
 み「あ、ちょっと待ってて。」
  そう言って部屋を出て行ってしまった。
 翠「この期に及んで何やってるですかね。」
 雛「早く食べたいのー。」
  しばらくして息を切らせたみっちゃんさんが紙袋片手に戻ってきた。
 み「ごめんなさいね、うっかり忘れるところだったわ。」
 マ「それはなんですか?」
 み「ふふふ・・・温泉といったらこれよーーー!!」
 ジ「あれは・・・浴衣?」
 み「ピンポンピンポーン!この日のためにドールサイズの浴衣を用意してきたんだから。」
 の「わあ素敵。やっぱりその方が風情がありますよね。」
 真「そうね、郷に入れば郷に従えとも言うし日本文化に触れるのも悪くないわね。」
 金「早く着せてかしら。」
  なんだかんだで皆も乗り気になったようだ。
 の「それじゃあお着替えしましょうね。」
 雛「あーい。」
 ジ「・・・もしもし。」
 マ「ん?」
 ジ「ちょっと外しませんか?」
 マ「だよね。外そっか。」
  二人してその場を離れる。
 蒼「あれ、どこ行くのさ?」
 ジ「着替えてる間どっかに行ってるよ。」
 翠「別にお前達ごときを気にしねえですから構やしませんよ。」
 マ「こっちが構うの!!」
 み「あ、じゃあ二人もジュン君たちの部屋で浴衣に着替えてきて下さいよ。私達もここで着替えますから。」
 マ「はーい、了解です。」




  ジュン君とのりちゃんの部屋で浴衣に着替える。
  頃合いを見て部屋に戻ると皆着替え終わっていた。
 マ「おっ、みんな似合ってるじゃない。」
 ジ「西洋人形なのにすごいな。」
 金「ふふっ馬子にも衣装って奴よね。」
 マ「それ全然自慢してないよー。」
 の「でも急に温泉っぽい雰囲気になった気がするわ。」
 真「たまにはこんな格好もいいわね。」
 蒼「でもなんかスースーして落ち着かないかも。」
 翠「直に慣れますよ。似合ってるんだから気にするなです。」
 マ「そうそう。とっても可愛いよ。」
 蒼「あ、そう?えへへ・・・。」
  はにかむ蒼星石が愛らしくてその頭を撫でる。
 み「はーい、皆こっちを見てー。」
  声の方を見るとフラッシュがたかれた。
 雛「まぶしかったのー。」
 真「撮るなら撮ると言って頂戴。それ相応のポーズを取りたかったのだわ。」
 金「ちょうど目をつぶっちゃったかしらー!」
 み「ふふふ・・・この旅行のためにデジカメを新調した甲斐があったわー。」
 マ「すごい気合の入りようですね。」
 み「そうよ!なんてったってこれなら動画も十分に録れるし、それこそ全行動を記録しちゃうんだから!!」
 翠「相変わらずリミッターがぶっちぎれてますね。」
 金「ああなったみっちゃんはノンストップよ。」
 ジ「とりあえず始めちゃった方がいいんじゃないかな。」
 マ「そだね。」
 の「じゃあ飲み物を注いじゃいましょう。」
  ハイテンションなみっちゃんさんを横目に乾杯の準備を進める事にした。

続きは…


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