マ「ふふふ・・・ははは・・・はーはっはっは・・・!」
 蒼「だ、大丈夫マスター?」
  マスターがぐりーんと首だけを回して蒼星石の方を見る。
 蒼「ど、どうしたのかな・・・。」
  マスターがにやっと笑うとがしっとたじろぐ蒼星石を抱きしめる。
 マ「ああー、なんで蒼星石はこんなにかわいいんだ!もはや宇宙の神秘であり奇跡だぁ!!」
 蒼「そんな事ないったら!」
 マ「もう~謙虚なところがまたかーいーなー♪すりすりしちゃうぞー!」
 蒼「落ち着いてってば、とりあえず放して。ね?」
 マ「放さなきゃダメ?」
 蒼「ダメじゃないけど、ちょっと・・・。」
 マ「・・・わかった、放すよ。」
 蒼「ありがとう。」
  蒼星石をそっと解放する。
 マ「う、う・・・うわーーーん、蒼星石に嫌われたぁ!もう生きていけない!!」
  テーブルに突っ伏して泣き出してしまう。
 蒼「そんな、マスターのことを嫌ってなんかいないって。」
 マ「えぐっ、えぐっ・・・ほんと?」
  マスターが顔を上げる。
 蒼「嘘じゃないよ、」
 マ「じゃあさ、なんで放せって言うの?・・・やっぱり嫌なんだーー!!」
  またおいおいと泣き出してしまった。
 蒼「違うよ。僕だって本当はそうしてもらえると嬉しいけど、そんなに甘えちゃいけないかなって。」
 マ「なんでだよー!そんなに信頼されてないのかぁー。ううっ、頼りなくてごめんよぉ・・・。
   蒼星石からいっぱい幸せをもらってるのにお返しできなくてごめんよー!」
 蒼「そうじゃなくって、その・・・僕は甘えん坊だから。
   マスターにわがままを言い過ぎて迷惑をかけちゃいそうで。」
 マ「いいじゃない、いいじゃない!こっちは好きなだけ甘えて欲しいんだーからー!!」
 蒼「・・・いいの?」
 マ「いいんだって!!さぁ、なんだってマスターさんに言ってご覧なさーい。」
  そう言って蒼星石を迎え入れるように両手を大きく広げる。
 蒼「う、うん。それじゃあお願いするね。」
  蒼星石が広げられた腕の間にぴょこんと飛び込む。
 マ「あーもう、かわいいなあ。一生大事にしちゃうんだから♪」
 蒼「えへへ、大事にしてくれるの?」
 マ「もちろんですとも!」
 蒼「うれしいな。じゃあさ、優しく頭をなでてもらえる?」
 マ「いいよ~。やさしく、やさしーーくなでなでしちゃうもんね♪」
 蒼「ああ・・・気持ちいいな。・・・マスター・・・・・・だいすき。」
  蒼星石がマスターの胸に体を預ける。
 マ「・・・・・・・・・。」
 蒼「どうしたの?」
 マ「うおーーん、もう死んでもいい!!」
  感極まってまた泣き出してしまった。
 蒼「だめだよ、そんなことになったら僕が困っちゃうもの。」
 マ「わかった。何があっても絶対に死んだりしないから!」
  その言葉に蒼星石がにっこりとほほえむ。
 蒼「ありがとう。あのね、他にもお願いがあるんだ・・・」





 蒼「マスター起きて。」
  蒼星石の声に起こされる。
 蒼「ほら、マスター起きて!朝ごはんはしっかりと食べようよ。」
 マ「いたたた・・・。」
  痛む頭を押さえながら起き上がる。
 マ「うーん・・・昨日は大騒ぎしちゃったような・・・。いろいろとごめんね。」
 蒼「え、覚えてるの!?」
 マ「途中まではしっかりと。確か蒼星石に逃げろとか変なこと口走っちゃったっけね。
   あれぐらいだと理性はなくなっても中途半端に記憶は残っちゃうからかえって恥ずかしいんだよね・・・。」
  ため息をつきながらおぼろげな昨夜の記憶をたどる。
 マ「えーと、確か大泣きしたような・・・。でもなんでだっけ?」
 蒼「そ、それはいいから。さあ、ご飯が冷めないうちに早く!!」
 マ「・・・はーい。」
  だるい体に鞭打って食卓に着く。
 マ「はぁ・・・もう金輪際、禁酒しようかな。周りに迷惑かけちゃいそうだし。」
  そう言いつつシジミのお味噌汁をすする。
  しでかした事に身に覚えが無いだけに、お互いにとってたちが悪い。
 マ「蒼星石もそう思うよね?」
 蒼「うん・・・だけどたまにならいいんじゃないかな。
   お酒は百薬の長とも言うし、ストレス解消にもなるだろうしさ。
   まあ、外で迷惑をかけるのはまずいけれどその分も家で存分に飲めばいいよ。」
 マ「えっ、そう思うの?でもそれだと蒼星石に迷惑かけちゃうからさ。」
 蒼「いいんだよ。僕だっていろいろお世話になってるんだからね。ただ、量はきちんと加減してね。」
 マ「そうだね、昨日分かった限界よりもちょっとぐらい・・・」
  少なめに抑えとかないとな、と思っていると蒼星石が笑いながら言った。
 蒼「・・・ちょっとぐらい多めに飲まないとね。」
 マ「へ?」
  その訳を聞いても、蒼星石はただにこやかにほほえんでいるだけだった。