キーンコーンカーンコーン


本日最後の授業の終わりを告げるチャイムが校内に響く。

その瞬間、俺は鞄を持って誰よりも早く教室から飛び出し、昇降口では音速で靴を履き替え、駐輪場で自分の自転車に跨る。

学校を出て、家まで片道10kmの道のりをひたすら一心不乱にペダルを回す。

学校なんかに俺の居場所はない。

俺の居場所は、大切な人が待つ自分の家。

強い向かい風が吹いても、ペダルはひたすら回り続ける。



息を荒げて玄関の扉を開き、呼吸も整えずに声を上げる。

ただいま。


「お帰りなさい、マスター」