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 翠「マスタ~、僕をお寿司食べに連れていってよ~ですぅ!回ってるやつでいいですから~。ごろにゃーん。」
  翠星石が胸にすがりつきながらおねだりしてくる。
 マ「・・・で、なぜそれをわざわざうちに来て言うのかな?」
 蒼「それってもしかすると誰かの真似のつもりなのかな?うん?」
 翠「のりに言っても学生二人+α暮らしの家庭じゃそんな余裕はねえと一蹴されちまったです。」
 マ「それでたかりに来られても困るんですがねえ。」
 翠「まあまあ、いいじゃねえですかあ、だんなぁ。もしも寿司を食べに連れてってくれたら
   蒼星石にあ~んなことやこ~んなことをしても不問にしてやるですよ。ひっひっひ・・・。」
 蒼「な、何を勝手に話を決めてるのさ!」
 マ「駄・目!残念ながらそんな不純な甘言では動かされませーん♪」
 翠「う・・・翠星石は、せっかく日本に来たから一度でもいいから寿司を食べたいだけですのに・・・。
   今までの長~い人生で初の寿司を体験したいだけですのにい・・・。」
  そんな事を言ってぐずりだす。
 マ「長生きしてるんならお寿司ごときで泣かないでよ・・・。」
 翠「う・・・うぅ・・・く・・・。」
  しばらくそんな様子でいるのを見かね、ため息混じりに言った。
 マ「・・・・・・まあ日本文化の一つの極みだしね、そう言われてみれば自分もたまにはお寿司を食べたい気もするな。
   蒼星石、お昼ごはんの仕度って今どうなってる?」
 蒼「だいたいの下ごしらえとかは済ませたけど、まだ作り始めちゃったのはないかな・・・。」
 マ「じゃあ・・・たまには回転寿司屋さんにでも行こうか。
   どうせなら大勢で行った方が楽しくて美味しいだろうしなあ。・・・良かったら翠星石も一緒に来ない?」
 翠「本当ですか!?」
  翠星石の顔がぱっと輝く。
 マ「ええ、ええ、よろしかったらどうぞ。」
 蒼「良かったね、翠星石。」
 翠「やったですぅ!!ふっ、何を隠そうここに来た一番の理由はお前が大のお人好しだからですよ。」
 マ「そういうことは思ってもいいから隠したままにしておきなさい!
   ・・・あと一応言っておくけどね、別に嘘泣きに騙されたんじゃないからね。
   今回はなんとなくいたたまれなかっただけだから、もう次は通用しないんだからね。」
 蒼(そんなんだからお人好しって言われるんだよ・・・。)
 マ「まあいいや、じゃあ親子連れという設定にしようか。翠星石もそれに合わせて子供らしく振舞うようにね。」
 翠「分かったです。さっきお前自身も見たように、何を隠そう翠星石は演技の達人ですよ?
   裏設定としては、お前は甲斐性無しで妻に捨てられてしまった哀れな男やもめ。
   それが子供のご機嫌取りに必死の思いで寿司屋に連れてきたということでいいですかね。」
 マ「そんな悪意と悲壮感にあふれる裏設定はいりません!とにかく、こっちの条件を飲むのなら連れていくよ。」
 翠「やったですぅ。念願の寿司が食えるですぅ♪」
 マ「ただし、目立たないようなカッコをして言動にも注意すること!もしも守れなかったら即刻中止だからね。」
 翠「ふっ、任せておけです。最初にベルト上に回ってるのを全部取ったら後は黙々と食べるだけですから。」
 マ「・・・それをやったらいろんな意味で放って帰っちゃうからね。」



  そして近所では唯一の回転寿司屋に行くと、店員が告げた。
 店「申し訳ございません。本日予約が入っている関係で混雑しておりまして、カウンター席が二つしか空いておりません。」
 マ「えーと、三人分の席が空くまで待つとどのくらいかかりそうですか?」
 店「そうですね、この分ですと30分から一時間はお考えいただいた方が・・・。」
 マ「その二席というのはどちらで?」
 店「あちらの・・・ちょうど予約席の隣ですね。」
  示された場所は隅の方。幸いなことに予約席の空席と合わせると周囲に他の客がいない形になる。
  いろいろなトラブルの可能性を考えれば絶好のポジションとさえ言えるだろう。
 マ「二席なら今座れるんですよね?でしたらそれでお願いします。」
 蒼「マスターどうするの?」
  店員さんの手前、蒼星石が小声で聞いてくる。
 マ「まあ、仕方がないから・・・