マ「やっべー、急いで帰らないとな。」
俺は自宅へと早足で歩き出した。
この3連休中は実家から呼び出しがかかって帰省していたのだ。
なんでも、台風が来る前に果実の収穫をしたかったのだが人手が足りなかったら
しい。
マ「蒼星石は大丈夫かなぁ・・・。」
いつもならば柴崎さんのお宅に蒼星石を預けるのだが、今回は違っていた。
柴崎さん夫婦は町内会で旅行に出かけるので蒼星石は預かれないとのことだった

そのため、蒼星石はこの3連休を一人で過ごしていたのだ。
マ「ただい…」
蒼「ますたぁー!さびしかったよぉー」
そういって蒼星石が俺に抱きついてくる。
マ「ごめんごめん、本当はもう少し早く帰ってきたかったんだけど、台風の影響
で電車が遅れちゃってね。」
マ「それよりも蒼星石一人で大丈夫だったか?」
蒼「日中は翠星石たちの所に行ってたから大丈夫だったけど、夜は一人ぼっちで
とっても寂しかったんだ…」
マ「そうか、ごめんな。本当ならば蒼星石も一緒に連れて行ってやりたかったん
だけど、
  連れて行ってもかまってあげられないし…」
マ「その代わり明日は有休を取っておいたからたくさん遊ぼうな」
蒼「うん…。わかった!」
蒼「でもね、マスター。その前にひとつお願いをしてもいいかな…?」
マ「ああ、いいとも。ところでそのお願いってのは?」
蒼「頭を撫でてほしいんだ。マスターに頭を撫でてもらうと僕、とっても落ち着
くんだ。」
マ「そんなことでいいのかい?それだったらおやすいごようさ。」
俺は蒼星石を膝の上に乗せた。
蒼星石の頭を撫で始める。
蒼「えへへ、マスターの手のひら、温かいや…。」
蒼星石がうっとりとした声で小さくつぶやく。
それから10分くらいずっと蒼星石の頭を撫でていた。
ふっと本音が漏れてしまう。
マ「こんな時間が永遠に続けばいいのにな…」
蒼「そうだね、マスター…。でもね、僕はドールでマスターは人間。いつかはお
別れしなくちゃいけないときがくるんだ。」
蒼「それにね、また次にいつアリスゲームが始まるかわからない。だから、こう
していられる「今」を大切にしたいんだ。」
マ「「今」を大切に…か…。そうだな、もう二度とくることのない今を存分に楽
しませていただきますか。」
マ「でも今晩はもうだいぶ遅いからもう寝させてくれないかな?」
蒼「あっ、そうだね。マスターは疲れてるんだもんね。それじゃあ今日は…って
わぁ!」
俺は蒼星石を抱き上げた。
マ「今を楽しむってことで今晩は一緒に寝ないか?いやなら別にいいんだけど…

蒼「えっ?一緒に寝てもいいの?うれしいな」
マ「よし、じゃあ今日はもう寝ますか。」
俺は蒼星石を抱きかかえたまま寝室へと向かった。

                   その夜


蒼「ねぇ、マスター?」
しばらくたってもマスターからの返事はない。
蒼「もう寝ちゃったのかな?」
蒼星石は上半身を起こしてマスターの顔を見た。
案の定、マスターは小さな寝息を立てながら安らかな顔で眠っていた。
蒼「ふふふ、マスターの寝顔かわいいや。」
マスターの顔をまじまじと見つめる。
蒼「おやすみなさい、マスター…」
そういって愛するマスターのほっぺに軽くキスをして蒼星石も眠りについた。
蒼「いい夢が見れますように…」

           END