後ろから、
「そーうー!」
「きゃっ!」
夕飯の支度をしている蒼星石の胸をセクハラタッチする俺。
「はぅ~蒼可愛いよぉ。持ち帰って食べちゃいたい~」
頭撫で撫で、ほっぺ擦り擦り。
「ダメ、台所でなんてダメだよ……」
とか言いつつもまんざらではなさそうな蒼星石。

互いの気持ちを確かめ合ったあの日から、俺達は毎晩の様に体を重ねていた。
初めのころはお互いぎこちないモノだったが今となっては慣れたもので、蒼星石の方から求めてくることもある。稀に。

どうみてもバカップルです。本当にありがとうございました。
「今日も・・・さ?」
「まったくもう・・・嫌だと言っても無理矢理ベッドに引き込むくせに・・・」
頬を染めて俺を横目に見る蒼星石。
「じゃ、じゃあ・・・いつもの時間に・・マスターの部屋に行くから・・・」
「把握した」


その日、夕食には何回目とも付かないレバニラと山芋おろしが出た。


        ▼△


ギィィ・・・とゆっくり部屋のドアが開かれる。
当然、向こうからは、
「マスター・・?」
おずおずと蒼星石が姿を現す。
「俺 と 一 夜 を 過 ご し て み ま せ ん か ?」
パンパンとベッドを叩く俺。
「うぅ・・その、優しくして・・ね?」
ぼふ、と俺の胸に飛び込む蒼星石。
うーむ、いつも俺の方を受け止めてくれるのはいいんだが。
「蒼」
「?」
蒼星石が俺を見上げる。
「たまには別のプレイをしてみようか」


「ほら、こんなんだ」
「ちょ、ちょっとコレって・・」
俺の見せたアブノーマルな雑誌に、蒼星石の顔が真っ赤に染まる。
特にその中のSMページを見せてみた。
「世の中には虐められても快感を覚える人もいるんだ」
俺だ。
「ふぅん・・すごいなぁ・・・アシコキ・・テコキ・・・」
本に見入る蒼星石。その目は重点的にSのページを見ているようだ。
これは良い兆候やもしれん。
「でさ、俺がやると力加減が難しいから、蒼がS役やってよ」
「っ、えぇっ!?ぼ、僕がマスターを虐めるの?!」
その発想はなかった、という顔をする蒼星石。
「いいじゃない。恋人同士ならどんなマニアックな趣味を受け止めるものですわよ」
「恋人って・・(///) なら、僕頑張ってみる・・けど、」
パラリ、と蒼星石がページを捲る。
「マスター、このくそみそテクニックって?」
「世の中には闇の住人がいるってことだよ」


        ▼△


とりあえず体勢から始めてみる。
俺が壁に寄りかかって、蒼星石がその前に仁王立ち。
「今夜は俺を蒼の自由にしていいから、好きにやってみて」
「じゃ、いくよ?マスター」
蒼星石がゆっくりと体を前に―


「ほ、ほれほれチビ人間!こうですか?!これがいいんですか!?」
ぎこちない動きで、足で刺激する蒼星石。
どうみてもサディスティックな様には見えなかった。
呆けてる俺に感づいたのか、
「ぁ・・・ごめんね、マスター・・やっぱり翠星石がやるように上手く出来ないよ・・」
「そっk・・・・ん?義姉さんがそんなことするのか?」
「前に一度、ジュン君にしているのを・・・(///)」
ジーザス。
「それはそうとして、何かこう・・蒼らしさを出してほしいっていうか・・・」
「・・じゃあ本当に、とことん僕の思い通りに虐めてもいいの?」
やっぱり抵抗とか遠慮があったのだろうか。
「構わん。どんとこい」
ふぅ、と息をつき目を伏せる蒼星石。
「まったく・・」
ゆっくりとその瞼が開く。
「仕様のないマスターですね」


「っ!」
あの目だ。
初めて出会った時、俺を捉えていたあの無機質な目。
同時にさっきまでの柔かい表情は消え、その顔には何の感情も浮かんでなかった。
「こんな、変態なんか、」
すっと取り出した鋏を俺の胸元へ向け、
「メチャクチャになってしまえばいい」
力を込めて俺を踏み付ける蒼星石。
「モルスァ!」
「喋るな」
くん、と鋏の切っ先が首元へ近づく。
「今の貴方は僕の自由。僕の望むだけのことをすればいいんです」
冷徹な声で言い放つ蒼星石。
その変貌振りにゾクゾクしながらも黙って頷く俺。
雰囲気的に既に選択権は与えられていな-
「ぐっ!」
「うわっ何だよこれっ」
再度息子に強い痛みを感じる。
蒼星石がまた踏み返したらしい。
「踏まれたってのにどんどん大きくなって、まさか気持ち良いんですか?」
嫌悪をそのまま声に表したように問い掛けられる。
首を縦に振りかけた時、
「・・変態」
ぽつりと呟き、乱暴に足を動かし始める蒼星石。
その感覚に堪えれるはずもなく、
「うあっ!っ・・くぅっ・・・ああっ!」
「良い・・良いよマスター!もっと鳴いてみせなよ!」
無様に喘ぐ俺を見て、蒼星石が残虐そうな笑みを浮かべる。
がむしゃらにやる分、こうかは ばつぐんだ。俺に。
「あぁ・・可愛いよますたぁ・・ますたぁ・・・貴方はもう、僕だけの物だ・・・」
次第にその声が熱を帯びてゆき、寝間着をはだかせて鋏先で俺の身体を愛撫し始める蒼星石。
ヒヤリとする感触が緩急、強弱をつけて全身を舐め回す。
「・・・っ・・」
「あっ、血が・・・」
その声に、下に目を落とす俺。
右胸辺りから小鳥の舌の様に血が小さく垂れている。
たった今傷ついたのだろうが、痛みは全く、と言っていい程感じられなかった。
「ったく、勿体ないなぁ」
足の動きを止め、
「僕が貰うね」
傷口に吸い付く蒼星石。
「!やぁっ・・蒼、吸わ・・ないでっ・・・!」
「うふふっ。まふふぁの、おいひいれふよ?」
ぢゅーっ、と音をたてながら、蒼星石が俺を見上げる。
「んんっ」
一際強く吸い上げた後、やっと口を離した蒼星石。
その部分は朱に染まり、唾液で照っていた。
「はぁっ・・はぁっ・・・」
痺れるような感じが身体を包m―
「何、休んでるんですか?」
そのまま覆いかぶさる様に小柄な身体が俺を押し倒した。
無理矢理唇を重ねられて乱暴なまでにその小さな舌で俺の口を犯す蒼星石。
息さえも許されず、甘い感覚に浸るしかない俺は為す術なく蒼星石を受け入れるしかなかった。
「っ、出・・っ!」
「えっ?」
絶え間無く続く快感に身体を震わせ、絶頂を迎える俺。
溜まりに溜まった悦びの種々が蒼星石の服を、髪を、顔を汚していく。
「へぇ・・・いっぱい出ましたね、マスター」
自分の手に付いた俺のを舐めとる蒼星石。
「フシギな味がする・・・変なの」
「も、もういいだろ?」
ヘロヘロになった体を起こす俺。
「正直、蒼がここまd『喋るなって言った筈だよ』かはっ!」
再び乱暴に俺を床に押し倒す蒼星石。
そして、また唇を重ねられる。
「愛してますマスター・・・だから、今夜だけはもっともっと僕が貴方を愛してあげる」


どうやら一晩中止まる様子はなかった。



END?