「それじゃあ始めるよ・・・少しは粘ってね・・・」
鞭を手に、蒼星石が妖しく微笑む。
しかし今日は一方的にではなく勝負がかかっている。
交互に攻めと受けを入れ替えどちらかが降参するまで続ける。
という簡単なルールで、蒼星石が先攻になった。
鞭を持つと、というよりこういう時は覚醒するから困ったものだ。
「ビシッ!!」
「うあぁっ!」
振るった鞭が俺の背中を捉え、思わず声を上げるしまった。
「ふふっ・・・いい声だよマスター・・・ほら、もっともっと・・・・・」
一回、二回、三回と、鞭は確実に俺を捉えていく。
「鞭には強いみたいだね・・・じゃあ今度は・・・」
鞭での攻撃が終わったあと、蒼星石は電気を消した。
そして同時にろうそくが蒼星石の顔をぼんやりと照らした。
「うつ伏せで・・・じっとしててね・・・」
指示にしたがいうつ伏せになっていると、じゅっ、という音がした。
どうやらろうが俺の頬をかすめたらしい。
「わざと外したんだよ・・・今度は気を付けてね・・・」
その言葉通り、今度は俺の背中にろうが滴り落ちた。
「うぉぁっ!!・・・・熱っっっつっ!!!」
「ふふ・・・気付いたかな?いつもより熱いのなんだ・・・・」
確かにろうそく自体もいつにも増して熱いが、
さっきの鞭の痛みがろうそくの威力を強める一因になっていた。
その後も蒼星石は容赦なく俺をいたぶったが、どうにか耐え切った。
「結構頑張るね・・・楽しみは取っておくよ・・・・」
蒼星石が交代を申し出て、俺は鞭を手に取った。

マスターは僕の攻撃を耐えしのいで攻撃に移った。
僕の攻めを耐えるくらい頑丈になったのは教育のお陰だろう。
「よし、じゃあ行くぞ・・・覚悟!!」
しかし、ぺしん、という気の抜けた一発に終わった。
「どうしたの?さっきのダメージが残ってるかな?」
「かもな、よし、もう大丈夫だ。」
そう言いながら力強く素振りする姿に一瞬ぞくっとしたけど、すぐ耐える事に集中した。
(全く・・・僕はどっちが好きなんだか・・・・)
そして二度目の鞭が入る、しかしまたも力のない一撃に終わった。
(えっ・・・・またぁ・・・・・?)
そんな言葉が出かけたところで辛うじて飲み込んだ。
「ダメだな、今日調子悪い、ろうそくにするか。」
ろうそくだったら、相手の調子は関係無いから受け甲斐がありそうだ。
「えっと・・・ライターは・・・・・・うわヤッベ!」
「えっ?どうしたの?」
「水がこぼれた、あー・・・ろうそく芯濡れて使えないな。」
「そっ・・・そんなの、火で乾かせば大丈夫だよ!」
「随分必死になるな・・・もしかしてして欲しい?」
「あの・・・別に・・・そうじゃなくて・・・・その・・・」
まずい、慌ててボロが出ちゃった・・・でも・・・・・
「して欲しいなら降参しろよ、どうする?」
「うぅ・・・・・参りました・・・だから・・・・お願いします。」
「よぉし、よく言えました、それじゃあご褒美だっ!」
「んっ・・・うぅっ!・・・あぁっ!!・・・はっ、はぁっ・・・・・・
もしかして・・・マスター、さっきのはお芝居だったの?」
「ん、まーな、こっちの方が効果あると思ったから。」
「もぉ・・・意地悪マスター・・・・あの・・・もう一回お願い・・・・・・」