蒼「ねぇマスター。新聞のこの記事見てよ」
マ「ん?」
蒼「難病の子供を元気づけるロボットだって・・・なんだか可愛い顔だね」
マ「へぇ・・・凄いじゃないか」

蒼「僕達も、こうやって人間を元気づける為に、生まれたんだと思う。
  ・・・マスター、僕はちゃんとマスターの役に立ってるかな。
  ・・・ちゃんと、マスターの事元気づけてあげられてるのかな。
  僕は・・・翠星石みたいに女の子らしくないから・・・」

 ぺしっ

 近寄って屈むと、マスターは蒼星石の額を軽く弾いて言った。

マ「そうやって翠星石と自分を比較しちゃ駄目だぞ。ドールは主人を選ぶって言うけど、
  自己評価の低いとこなんか俺にそっくりだよな。
  ・・・俺だって蒼星石の役に立ちたいし、元気づけてあげたいって思ってるんだよ」

 マスターは軽々と蒼星石を持ち上げ、びっくり顔のドールに耳を寄せて囁いた。

マ「・・・それに十分、女の子だよ」

 耳まで真っ赤にしてマスターから目を逸らした蒼星石。
 その頬に優しく口付けると、困惑顔だった彼女が不意に振り向き、マスターの唇を奪った。

蒼「ふふ・・・お返しだよ・・・」

 小さな唇と大きな唇の触れ合う感触に、しばしぼんやりしていた二人。
 やがてどちらかともなくクスクスと笑いだし、春の涼しい夜に笑い声が溢れた。