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 夏のある蒸し暑い夜。蒼星石と静かに過ごしていたいと思っていたが、招かざる客によりそれは阻止される。
いつものヤツだ。ヤツはいつものようにガラスを粉微塵にして侵入する。
「呼ばれてないけど飛び出――」
言い終える前にガラスにぶつかった勢いで鞄から体が飛び出し、壁に激突した。
「う~・・・痛いですぅ・・・」
ヤツ、翠星石が頭を両手で隠すように多いながら立ち上がった。壁は多少へこんでいた。ガラスの次は壁か・・・。
いつか必ず翠星石のマスターに請求書を送りつけてやろう。
「やあ翠星石。久しぶりだね」
などと蒼星石までもがのん気な声で話し掛ける。もうどうにでもなってくれ。
「デカ人間」
翠星石が不意にカチン、くるような代名詞で俺を呼んだ。おまえらドールにとって人間はみんなデカ人間に値するのでは
 ・・・。
「お茶を淹れて来いですぅ。緑茶でもアバ茶でも何でももってこいですぅ」
前者は蒼星石が毎月仕入れるから出せる。しかし後者はいかがなものか。翠星石のマスターから伝染したものと考えられる。
響きからして新手の高級茶とでも思ったのだろうか?
「めんどくっさいなぁ・・・。そうだ、ここはじゃんけん一本勝負なんてどうだろう?」
「それはいい考えですぅ。じゃ、翠星石はジャッジということで・・・」
「うわ、せこ」
翠星石が自らジャッジへと逃げた。こうなれば俺と蒼星石での一騎打ちだ。しかしここまで来たらやるしかない。
「・・・よし。俺はグーを出そう。」
「っ・・・心理戦を仕掛けてくるなんて。こっちも手を抜くことはできないな。」
俺が種をまき終わり次第、翠星石が仕切る。
「はい、じゃあいくですよぉー。じゃーんけーんぽいっ!」
俺は宣言どおりグー。考えすぎる蒼星石だからチョキを出すに違いない。三段読みで俺の勝利だ。
 ・・・ぬ?
「――“レンピカ”――」
ちょ、何つぶやいてんの俺の嫁・・・!?
「取った――じゃんけん・・・死ねぇ・・・!」
どう見ても死亡フラグです。ありがとうございました。

「・・・ふう。僕の勝ちだね、マスター。」
それはそうだ。俺がグーを出して蒼星石がチョキを出しても力の関係上俺が負けるんだもん。おかげで俺の右手首から上が
どこかへ斬り飛ばされてしまった。これが暗黒面の蒼星石か。
「やってはいけないことを平然とやってのける!さすが翠星石の妹ですぅ。」
 ・・・ああ、俺はいらない子なんだな。