漆黒の天空を切り裂くかのごとく迸る紫電。
その閃光によって照らし出される、禍々しき色合いの空模様。
雷鳴は地を鳴らし、雨音は静寂を掻き消す。
停電によって「現代人的生活」という名の自由を束縛されてしまったオレにはたった一本の懐中電灯だけが頼りだ。
…だがその明かりも大して意味は無く、オレは完全に束縛されていた。
それは当然精神的にではなく、肉体的な問題で。

「ひあぁ!助けてですぅ!」
頭には翠星石がしがみ付いている。

「速く電気を点けて頂戴…。何も見えなくて…安心出来ないのだわ…」
正面にはオレの腰に手を巻きつける真紅が。

「ちょっとぉ、何なのよ…。何でこんな天気に……いやぁっ!また落ちたぁ!」
背後にはオレのシャツの裾を掴んで身を振るわせる水銀燈が。

「暗いよ…」
「怖いよ…」
右には雪華綺晶が、左には薔薇水晶が、それぞれオレの手をきゅっと握り締める。

「うゅ…。かみなりさん怖いのぉ…」
「あー!今ピカッて光ったかしらー!」
右足には雛苺が抱き付き、左足には金糸雀が抱きついている。

無論、オレが動けないのは7人の麗しき乙女たちの所為なんだが。

「蒼星石?何でそんな隅っこにいるんだ?」
「あのね、僕は隅が好きなんだ。だから今もこうして…ふやぁっ!?」
「何だ、やっぱり蒼星石も雷が怖いんじゃないか。
 遠慮してないで蒼星石もこっちにおいでよ」
「あ…うん……」


「さっきまで鳴ってた雷のおかげでこんな妄想が思い浮かんだんだけど」
「貴方ってほんっとぉに下らない事しか考えないのねぇ…」
「そんな事あるわけ無いのかしらー!」
「さっさと消え失せろですぅ!」
「…僕はちょっと席を外させてもらうね」
「正真正銘の馬鹿なのだわ」
「なのー!」
「ヘンタイさん…」
「ロリペド…」