辺りがすっかり真っ暗になっていた。
俺は居間でゆっくりのんびりしていた。
「えいっ」
「ぎゃっ!…何するですか人間!これ以上やったら本当に叩きのめすですよ!」
「あはは…面白いな義姉さん」
「だから義姉さんと呼ぶなとあれほど言ったのにまだわからんですか!それに面白いなんて…」
そんなこんなで翠星石をからかっていた。
その直後にひどい眠気に襲われた。
「ふあぁ…おやすみ蒼星石、義姉さん」
「僕も寝ようかな…おやすみマスター。」
「ま、待つです人間…まだ話は…」
バタン
「ま、まぁまぁ翠星石。マスターも疲れてるんだから、あんまり怒らないで…」
「…おやすみです蒼星石」
スッ
「お、おやすみ翠星石…何かあっさりしてるなぁ…」
俺は寝室へと向かった。
「…ねむ…い…ドサッ」
そのままベッドに倒れ込み、深い眠りに入った。
数分がたった。
キィィ
ドアを開ける音が寝室に響き渡る。
「ふふ…こうも簡単に寝るとは隙だらけな奴ですぅ」
どこからか声がする。俺は熟睡していた。
「今までの恨み…どう返すか悩むですぅ…」
そう言うと翠星石はベッドにゆっくり近付く。
午前五時。
ふとした拍子で目が覚める。
「ふぁぁ…よく寝た…?」
直後に体に不快感を覚えた。
なぜならベッドと俺をしがみつけるように鎖が縛られていた。
「な、何だコレ…?」
「気づいたですかぁ?人間」
「義姉さん?」
「…っ!…まぁいいです。そのへらず口が動くのも今だけですぅ。」
そう言うと水を吸ったタオルを数枚持って来た。
「な、何すんの…?」
「このタオルを顔に強く巻けば、息が出来なくなって…窒息して死んでしまうという恐ろしいタオルですぅ。水に濡れてて吸着性能もアップ!ふふふふふ…」
「え…?待て…」
「つまらん意地を張ってたら、死ぬですよ人間。翠星石の靴を舐めて慈悲を持って謝るのが人間の義務ってもんですよ?」
「な、何で舐めなきゃ…」
「決定権はこっちにあるですよ?さぁ…さぁ…!」
俺は首を横にぶんぶん振った。
「だ、誰がそんなことやるか…」
「はぁ…残念ですぅ。人間はもうちょっと賢いかと思ったんですが…」
「じゃあ殺るですぅ」
そう言い、俺の顔元まで来る。
ばさっと濡れたタオルが俺の顔に掛かる。
その量はどんどん増えていく。「苦しい…」
「その苦しさから逃げる方法は負けを認める事だけですぅ」
「うう…」
「早くしないと殺るですよ?」
「……分かった…認める…」
「最初から素直にそう言えばいいものの…ふふふふ」
そう言うと、目の前が、急に明るくなった。がちゃがちゃと鎖が外れていく。
「さて人間、舐めろです。」
そう言い靴を出して来た。
「嫌だ…」
「嫌なら翠星石にぶちのめされるでもいいですぅ。」
まだマシか…
「くっ…んじゃそれで」
そう言った時、体から力がどんどん抜けていった。


「おはようマスター…って大丈夫!?どうしたの?」
そこにはボロボロのマスターが居た。
「翠星石は…良い人」
その言葉は植え付けられたように頭に残っていた。俺は気絶した。
側で翠星石は和やかに笑っていた。