「マスター、この映画面白いかなぁ?」
この映画というのは今さっきCMが流れたダ・ヴィンチ・コードの事だ。
今世界で一番話題となっている映画だから蒼星石も興味があるらしい。
「そうだな、キャストも豪華だし面白いとは思うけど、俺はあんまり興味ないな。」
「どうして?」
「俺にとってキリストの事なんかどうでもいい事だから。」
そういえば、蒼星石は宗教思想などあるのだろうか。
今まで疑問を抱いた事はなかったがふと気になったので聞いてみた。
「ところで蒼星石は宗教って何教徒なんだ?」
「僕?そっか、今まで気にしてなかったから知らないんだよね。
実は僕、というより僕達ドールズは基本的にみんな無宗教なんだよ。
契約したマスターに合わせたりする事はあるんだけど、僕達は人形だから
人間の死に対する思想とかには無関係だし、そもそも必要がないんだ。」
「なるほど、確かにそうだよな。」
「それにね・・・聖書より、お経より、マスターの存在が一番心の支えなんだ・・・・」
「嬉しい事言ってくれるな、蒼星石。」
そして更に頬を赤く染めて最大級のインパクトがやって来た。
「だからね・・・・マスターが・・・・僕にとってのイエス様・・・・・
なんてね・・・ハハハ・・・・あぁもう何を言ってるんだ僕は!」
その言葉を言い終えると蒼星石は顔を手で覆って畳の上をのた打ち回っていた。
「言っとくけど本気にするタイプだからな、俺は。」
「やめてよ!お願い!さっきのは忘れて!」
「無理だなぁ~、あんな事言ってもらってそう簡単には忘れられないよ。」
「だったら、無理やりにでも忘れてもらうよ!」
「鋏はまずいって!よし、俺は逃げる!」
「あぁ待ってよマスター!逃がさないからね!」
その後、結局単なる遊びに姿を変えて俺と蒼星石の鬼ごっこは続いた。