休日の過ごし方


「よし、付いたぞ。」
今日は休日を利用して動物園と遊園地の合同施設に来ていた。
「うわぁ・・・マスター、早く入ろうよ!」
蒼星石は初めて来た場所に興奮しているようだ。
俺は蒼星石に引っ張られながら、チケットを購入して入場した。

「マスター・・・やっぱりこの服やだ・・・」
「しょうがないだろ、あのままだと怪しまれるんだから。」
これだけ人が多い所に行くのだから、あの格好ではまずいので、
子供服を着せ、黒いカラコンも入れさせていたので、蒼星石は不機嫌なようだ。
「だからってこんな服・・・あっ!ペンギンだ!!」
すねる蒼星石の目の前に、突然ペンギン達がやって来た。
「ほらマスター見て見て!僕と身長同じくらいだよ!!」
蒼星石はペンギンに並んで興奮気味に話しかけてくる。
「すごいねマスター!早く次に行こうよ!」
蒼星石は飛び跳ねながら他の動物が見たいと俺に移動を促した。

「マスター、やっぱりキリンって首長いね!」
当たり前の事だが、改めてその大きさを実感しているようだ。
「あっ、エサあげられるんだって!買ってきてマスター!」
「分かった、ちょっと待ってろ。」
俺はそう言ってすぐにエサを買って持ってきた。
「ありがとうマスター!ほら食べてキリンさん!」
と言って蒼星石はキリンにエサをあげようとしたのだが、
「んっ、うーん・・・マスター・・・届かないよ・・・」
背が低くてキリンに届かないようなので、蒼星石を抱き上げ、
エサが届くようにしてあげると、キリンはエサを食べてくれた。
「ほら見てた?食べてくれたよマスター!」
「あぁ、良かったな蒼星石。」
「うん!じゃあ他の動物も見に行こうよ!」
蒼星石に言われるがままに園内を周って、昼食の後は遊園地に行く事にした。

「蒼星石、観覧車乗るか。」
乗れるのはこれぐらいなので、観覧車に乗る事にした。
「マスター・・・膝に乗ってもいい?」
中に入ると蒼星石に頼まれたので、俺は蒼星石をそっと膝の上に乗せた。
そして蒼星石は視線を落とすと、思い出したように質問してきた。
「マスター、なんでこの服選んだの?スースーするんだけど・・・」
普段着てないスカートはやはり嫌だったらしい。
「より女らしくなっていいと思うけどな。」
「よっよよよりなんて・・・僕は別に女らしくなんか・・・
喋り方も・・・格好も・・・」
「外見じゃなくて中身の問題だよ。」
「中身は・・・・・・・えっと・・・・・」
「な、男みたいなとこなんてないだろ?」
「うぅ・・・・・」
そんなやり取りをしているうちに観覧車は一周したので、
俺達は次のアトラクションを探しに歩いた。

「よし、今度はお化け屋敷にするか。」
「えぇ・・・お化け屋敷ぃ・・・・?」
「怖いのか?心配するなって。」
「入ってもいいけど・・・絶対離れないでね・・・」

蒼星石は俺の服を掴みながら背後を付いて来ている。
「後ろの方が逆に危ないと思うぞ。」
おどかすのは後ろからがセオリーなので、俺は蒼星石に前に来ることを勧めた。
「でも、マスターが前にいた方が安心するから・・・」
[グアァァァァーッ!!]
「きゃぁっ!!」
蒼星石は驚いて、俺の足にしがみ付いてきた。
「な、前の方がいいだろ?」
「うん・・・分かった・・・」
蒼星石も体で理解したようなので、前を歩くことに同意した。
そしてもう少しで出口に辿り着くという頃、
[グォォァァァ!!!!]
「うわぁぁぁっ!!」
二度目の咆哮で驚いた蒼星石は出口に向かって一目散に駆け抜けて行った。
「おーい、大丈夫か?」
「ますたぁ・・・怖かった・・・」
出口に向かうと、蒼星石は俺に涙目になりながらしがみ付いてきた。
「ハハハ、もう大丈夫だって。」
そう言って頭を撫でたのだが、髪質に違和感を感じた。
「蒼星石、髪傷んでないか?」
「えっ、そう?動物園で砂埃浴びちゃったからかな?」
「帰ったら俺が洗ってやるよ。」
「それって・・・一緒にお風呂に入れって事?」
「そういうこと。」
「だっ大丈夫だよ、自分でできるから。」
「いいっていいって、俺がやってやるよ、とにかくまずは帰ろうか。」
「うん、分かったよ。」
もう行く所も無いので、俺達は家に帰ることにした。

「よし、じゃあ風呂に入るぞ。」
家に入って、俺はまずそう言った。
「本当に・・・入るの・・・?」
「当たり前だろ、先に入ってるから入ってこいよ。」
そう言って俺が風呂に入って少し経つと、
「マスター・・・入るよ・・・」
蒼星石はタオルを巻いて風呂場に入ってきた。
「よし、じゃあここに座れ、頭洗ってやるから。」
「いいよマスター、そうだ、僕が背中流してあげるよ」
俺はその間に説得すればいいと考え、先に背中を流してもらう事にした。

「いつもありがとうな、蒼星石。」
「そんな・・・感謝しなきゃいけないのは僕の方だよ・・・今日だって・・・」
「どっちの方が感謝してるかなんていいんだよ、
どっちも感謝しているからおあいこ、それでいいだろ?」
「そっか・・・そうだね。」
「だからおあいこで俺が頭洗ってやるよ。」
「分かった・・・じゃあお願い、マスター。」
そして今度は俺が頭を洗ってやり、洗い終わった後、二人で湯船に浸かった。
「マスター、明日も・・・一緒にお風呂に入っていいかな?」
「もちろん、大歓迎だよ。」
「ホント?良かった、じゃあ約束だよ。」
そして俺と蒼星石は指切りを交わした。