~蒼星石とお花見~

「わぁ、すごい綺麗だね!マスター」
「ほんと、噂以上だなぁ」

今、俺達は休日を利用して花見に来ている。
ここは公園一帯にずらっと桜が咲き誇っており、特に夜桜が美しい。
勿論、蒼星石には子供服を着せ、いかにも親子といった感じでカモフラージュしている。

「人がすごいいっぱいいるよ」
「はぐれるといけないからちゃんとつかまってろよ?」
「うん、絶対に離さないよ」

そう言うと蒼星石は俺のシャツをぎゅっと握った。
しばらく歩くと、屋台がずらーっと並んでいた。
少々趣は失われるが、この辺が一番賑わってるのも事実である。

「ねぇねぇ!マスター!」
「ん?どうした?」
「あれほしい!ほら!あれ!」
蒼星石が指さした先にはリンゴ飴の屋台。

「しょうがないなぁ~。じゃあ、一つください」
「へいらっしゃい、一本200円だよ」

どう見てもその筋の兄ちゃんに200円を手渡すと、ほぼ同時にリンゴ飴が2本蒼星石に手渡される。

「えっ?えっ?」
「お嬢ちゃん可愛いからおまけしとくよ」
「わぁ、ありがとう!」
「そんな、いいんですか?」
「おう、全然構わないぜハッハッハ 彼女大事にしろよ!」

「彼女だってさ」
「・・・・・///」

見た目にそぐわない優しさを持ち、
見た目通りの豪気な笑いをあげる兄ちゃんに別れを告げ、
二人でリンゴ飴をなめながら静かな場所へ。
「なぁ、蒼星石」
「どうしたの?マスター」
「桜って、こんなに綺麗だけどもう明日明後日には散っちゃうんだよな・・・」
「でもね、マスター。散ったあとも桜は生き続けてる。来年の春、また花を咲かせる時のためにエネルギーを蓄えてるんだよ」
「なるほどなー」
「だから僕も・・・」
「ん?」
「ううん、なんでもない」

こうして俺と蒼星石は一日中桜の木の下でのんびりしましたとさ。


~END~