前回までのあらすじ

朝起きたら、なんと蒼星石になっていた!
巴の助力もあり、なんとか桜田家に到着することが出来たが、来て早々雛苺に怪しまれる!
なんとかはぐらかせたが、双子である翠星石と聡明な真紅に悟られずにいられるのか!?


俺はのりちゃんに招かれてリビングに入った。

するとやはり、いた。
翠星石に真紅だ。

二人はテレビを見ていたが、こちらに気がつき、声をかけてきた。

「蒼星石……。」
「久しぶりね、蒼星石。せっかく来てもらって悪いけど今はくんくん探偵の時間なのだわ。少し待っていてくれる?」
「でも、真紅……せっかく蒼星石が来たですよ?」

「大丈夫だよ、積もる話もあるけど、終わるまで待っているよ。君たちのマスターに挨拶もしたいし」
俺はジュン君とも接触する必要がある。
なぜなら、桜田家の中で一番俺の正体を明かしても安心そうな人物だからだ。
まず翠星石は一気にどん底に叩き落された気分になるだろうし、真紅だって「人間のオスは下劣」とか言ってたから正体を明かしたら危険かもしれない。
のりちゃんはいまいち事態を把握できないだろうし、雛苺に関しては論外。全員にばらされる恐れがある。
そう考えると、消去法でジュン君しかいないのだ。

「わかったです。終わったら話すです。」
俺の思考は、翠星石の一言によって中断された。

「うん、またあとで。」

とりあえずジュン君の部屋に乗り込む。

ドアを二回ノックしてから、ドアを開けた。
彼も男なのだから、部屋に入る時にこれをしておくのは最低限のマナーだろう。

「初めまして。君が翠星石と真紅、そして雛苺のマスターかい?」

「……だれだ?お前」

「僕はローゼンメイデン第4ドール、蒼星石。 あ、身構えないで。戦いに来たわけじゃない。」

「……じゃあ何のようだ?」

思った以上に警戒心が強い子だな。 こうなったらやっぱり当初の予定通り洗いざらい話すしかないか。

「いいかい、これから僕、いや、俺が話すことをよく聞いて欲しい。桜田ジュン君。」

「……! 何故僕の名前を……!」

それから俺は自分の正体と今までの事を全て話した。
いや、もちろんローゼンの漫画やアニメの事とか蒼星石に憧れてた事とかは話してないぞ。
ジュン君の瞳には、同情の色が浮かんでいた。

「……大変でしたね。」

「ああ、君は同じ男として信頼できるからこの事を話した。ところで……くんくん探偵が終わるのって何時ごろかわかるかい?」

「ああ、今日やってるのは再放送ですから…… 1時30分ですね。」

ジュン君のPCの時計は1時3分か……まだ時間があるな。

「なあ、ジュン君。 なにか古くて変わったものとかないか? 元に戻るための手がかりになるかもしれない。」

「ああ、それなら沢山ありますよ。 ついてきてください。」

「すまないな。」

たぶんでっかい鏡がある部屋だろう。

実は全然元に戻る目星がついてないが、まあなんとかなるだろう。