※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

身にしみるように冷たい風が吹く季節も終わりを告げ
服装も軽くなってきた頃
俺は手の中にあるそいつを見ながら震えていた

マ「こ、これは・・!」





マ「ただいまー!」

俺が弾むような気持ちでドアを開くと
ぱたぱたと足音を立てながら蒼星石がやってきた

蒼「おかえりなさい、マスター。」

ああ、なんて眩しい笑顔だろう
そりゃこんな顔を見たら疲れなんてどこかに吹っ飛んで顔も緩むさ

蒼「今日もお仕事お疲れ様です。」

蒼星石は小さな手を差し出し俺のカバンを受け取った

マ「と、そうだ忘れるところだった今日はお土産があるんだ。」

蒼が首をかしげる
ふふ・・その無表情を感嘆と歓喜の色に染めてやろう

マ「あ、最初に言っておく!俺はかーなーり今日から連休だ!」
蒼「は、はぁ。」

どうやら蒼は俺の高いテンションについていけてないようだ
ああ早く言っちゃいたいけどまだだ!最大限に嬉しいタイミングを見出すんだ!

マ「連休というのはな、つまり仕事が休みなんだ。しかも1週間ももらっちまった。」
蒼「うん、それで?」
マ「そう!そこでこいつが登場するんだああああああああ!!!!」

完璧なタイミングで手のひらに握られたそれを出す俺
そう、それは・・





「大当たりー!一等の2泊3日高級温泉旅館宿泊券2枚でーす!」

俺の前に転がる金色に輝く玉を見て
店員さんは手に持っていた大きな鐘をガランガラン鳴らし言った

マ「え・・えええ?」

し、信じられん!
ちょっと商店街で買い物に寄ったら福引券もらったんで
せっかくだしやってみるかという軽い気持ちで望んだら!
い・・一等?

「いやー、お客さん!運が良いですね!はいこちら!
彼女さんとでも!ご友人とでも!お好きな方と思う存分楽しんできてくださいねー!」

やけに声の通る店員のお兄さんに券2枚を差し出された
未だに信じられないながらもそっとそれを受け取る俺

それにしても・・一等!高級温泉旅館!
券に描かれた写真を見る限り海に面してるようだ

う、うおお・・これは!これは!
蒼星石とエンジョイするしかあるまい!
丁度会社も明日から連休だ!なんていう幸運だ!ありえねぇ!
速効で家に帰って蒼星石をご招待じゃあああああああああああ!





マ「と、いうわけなんだ。」
蒼「う・・うわぁ・・す、すごい・・」

蒼星石は眼をキラキラ輝かせながら宿泊券を夢中で見ていた
ああもう可愛いんだから!

蒼「えっと、その、あの、マスター?それじゃあこれでもしかして・・?」

蒼星石が何を聞こうとしてるのかはわかったが
ちょっともじもじしてるのに気付いたので少しイジワルしてみることにした

マ「ん?もしかして・・何?」
蒼「うう・・だからぁ・・僕と、ふ・・2人っきり・・で行くの?」

頬を染めながら消え入りそうな声で蒼星石が呟いた
それを聴いた瞬間俺は理性など台所の三角コーナーに突っ込み蒼星石を抱き上げた

蒼「あうっ!ま、マスター!?」
マ「当たり前だろー!だからこんなにテンション上がってるんじゃないかー!」

俺はそのまま抱き上げた蒼星石に頬擦りをかました

蒼「あ、う、あうう・・」
マ「・・どうした?行きたく・・ないか?」

蒼星石の反応が悪かったので不安になり聞いてみる

蒼「いや・・あの、凄く嬉しいんだ・・本当にありえないくらい嬉しくて・・
その・・どう振舞って良いかわかんなくて・・その・・ごめんなさい・・」

腕の中でもじもじしながら俯く蒼星石
俺は蒼星石の頭の上の帽子をそっと取り、そして頭を撫でてやった

マ「いいっていいって。喜んでくれてるんなら態度に表せなくっても
それだけで俺も嬉しいからな。」
蒼「マスター・・・大好き。」
マ「ん?何か言ったか?」
蒼「なんでも無いよっ!」

??
俺が怪訝そうに見つめると蒼星石は腕の中から降り
真っ赤な顔のままリビングに走っていった

蒼「ほらっ!早くご飯食べて明日の支度しなきゃ!」
マ「あ、ああ」

何だか突然テンションが上がったみたいだけど
いつも通り元気になってくれたみたいだし、ま、いいか!

蒼(それにしても・・マスターと・・二人っきりで・・旅行・・かぁ・・)

夜、静寂に包まれた闇の中に波の音だけが響いていて・・
そして誰も居ない砂浜に並んで座るマスターと僕・・

マ「いやぁ、やっぱり夜の海ってのもいいなぁ・・月が海面に映ってとても綺麗だ・・」
蒼「そうだね・・とっても綺麗・・」

さりげなくマスターに近づき、身を預ける僕

マ「ふふ、何だか今日は大胆だな。」

そう言いながら片手で僕を抱き寄せるマスター

蒼「マスターこそ・・」
マ「・・やっぱりだ。」
蒼「へ?何が?」

マ「海なんかよりずっと蒼の方が綺麗だよ。」
蒼「あっ・・」

蒼(ダメだよますたー・・誰も見てないからってこんなとこいきなりキスなんt・・
ってうわわ!ぼ、ぼくは何を考えてるんだ!こんなはしたない妄想だめだめだめ!
マスターは純粋に僕に喜んでほしいと連れてってくれるんだから!)

マ(それにしても・・蒼と・・二人っきりで・・旅行・・かぁ・・)

夜、静寂に包まれた中に波の音だけが響いていて・・
そして二人っきりの部屋で俺の上に座る蒼星石・・

蒼「今日は楽しかったね、マスター」

にっこりと笑いながら俺によりかかる蒼星石

マ「ああ、・・でもな、お楽しみはこれからだぞ?」

俺は後ろからそっと蒼星石の身体に手を伸ばす

蒼「あっ・・んん・・だめ・・ますたぁ・・」
マ「まぁまぁ、いいじゃないか、折角の旅行なんだしさ」

俺が触れるたびにあっと短い吐息を漏らす蒼星石に
俺も止められなくなりどんどんイタズラを続けていく

蒼「あっ、んっ、だめ、だってば・・声、聞こえちゃう・・!」

マ(じゃあ俺だけに聞かせてくれよ・・蒼星石の可愛い声・・
ああ・・楽しみだなぁ・・旅行・・ふふ・・ふふふふふ・・・)

それぞれの思惑(妄想)を胸に秘めながら旅支度に勤しむマスターと蒼星石であった


続く
















金「こ、これは良い情報を聞いてしまったかしら・・
さっそくこの情報を一番高く買ってくれそうな「あの人」に売りに行くかしらー!」