それは、ある日、蒼星石とそのマスターの絆に入った亀裂から、全てが始まった。
その日の晩御飯の後、蒼星石のマスター、川口高史は、蒼星石のもとへと向かった。
蒼星石は、翠星石のマスター、川口浩司の部屋で、鞄に閉じこもっていた。
高史は、蒼星石の鞄の前に正座した。

高史「蒼星石、俺の言い方が悪かった・・・
   いや、全部俺が悪かった。
   めがっさ本当に申し訳ない。」

高史は土下座した。
しかし、蒼星石は返事もしない。

高史「やっぱだめ、ですかい・・・
   悪いけど、しばらくお前とは顔を合わせないことにしたわ。
   そのほうが、お前も少しは苦しまずにすむと思うしな。
   んじゃ、俺行くから。
   後、二度と姿を見せてほしくないなら、伝言ででもいいからそう言え。」

言い終わると、高史は浩司の部屋を出て、自分の部屋へ戻った。

雛「・・・仲直りしなきゃやなの・・・」
翠「・・・チビ苺の言ってることは間違っちゃいないです。
  ですが、信頼というものは樹と同じで、育てるのはちょっとずつ
  ちょっとずつ大きくしていくしかないのですが切り倒してしまうのは
  一瞬なのです。
  たとえ辛くてもあの人間はこれからその「償い」をしなきゃいかんのです。
  そうじゃなきゃ見せ掛けだけで本当の意味で望んでいた関係にはなれません。」
春花「どうして、こんなことになっちゃったんだろうね・・・」
雛「雛には・・・わからないの・・・」

そして次の日、高史は翠星石の元へと向かった。

高史「翠星石、頼みあんだけど、いいか?」
翠「何ですか?馬鹿人間。」
高史「馬鹿は余計・・・いや、否定できんな。
   んで、今の俺は、蒼星石にとってどういう存在なのか、聞いてきてほしいんだが。
   どうか、頼むわ。」
翠「しょうがねえです、わかったです。」

一時間後、翠星石は高史の前に現れた。

翠「聞いてきてやりましたよ、馬鹿人間。」
高史「・・・なんつってた?」
翠「はっきりとは言わんかったですが、双子の姉の目から見るに、
  内心は怒ってます、悲しんでます、悩んでます!
  ・・・それだけ大きな存在だったんでしょうねえ。」
高史「・・・・・そうかい・・・」
翠「心無い一言でも相手の心を大きく傷つけてしまうことはあるのです。
  まあここでどう行動するかでお前が無力なパチモンかわかるから
  せいぜいあがきやがれですっ。」
高史「そうかい・・・悪いな、翠星石、こんな愚か者なんかにつき合わせちまって。」
翠「・・・今さら自覚すんなです。」

そういうと、翠星石は高史の部屋を出た。
高史は、パソコンの電源を切ると、蒼星石のもとへ向かった。