君を守れなかっただからこれは罪の証
遠く響く救急車のサイレン近づくと高くなる音遠ざかると低くなる音
ただのドップラー効果
遠ざかると言うことは俺を迎えに来たわけではない。
それもそのはず、この痕は俺の聖域下らない奴等の手が触れるわけでもないし気付かれないようにやっている
君は笑っていた儚げに優しく微笑んでた
でも俺は俺を許せなかった否、だから俺は俺を許せなかった
夜空にたなびく紫煙命を縮める魔法の煙
ようは煙草の副流煙
手を振ると先端部から一筋の光の軌跡が描かれる
俺の光は永遠に失われてしまったただ盲目に君の事を見ていた時の方が光を感じられた
だからこれは罪の証
女々しいことに胸にしか証を刻めない気付かれないように、と言ったが気付かれたくないからだ
サイレンの残響が空を響かせる君の声も残響となって永遠に俺の中で反響している
『……ます…た…ぁ…僕が……いなくても……幸せに……なってね………』
ごめんね幸せにはなれなかったよ
唯一の幸せ、俺のレゾンデートルは失われてしまったから
だから俺はこの身に痕を刻むあの子が望んでないと知りつつも
ようは逃避
戒めによって自己満足するだけ醜く弱い行為
でもやめない
君が俺の幸せを望むなら俺は幸せを失ってしまったなら
不幸を和らげることだけが俺の幸せだ
煙草の煙は既に根元から発せられている
輝く光を俺は胸元に押し付けた
肉の焦げる匂いが辺り一面を覆っていった
ようは自傷
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