「ふぅ……。」PCの電源を切り、俺はその場に寝っ転がった。今に始まったことじゃないが、何で俺はこんな人生を送ってるのかと思う。寝て、起きて、飯食って、バイトして、PCやって、飯食って、寝て……。その繰り返しだ。「あぁ……せめて蒼星石が家にいてくれたらなぁ……。」 バカげた考えだとはわかっている。しかし、俺の視界にたまたま神棚が見えたもんだから、お願いしちまった。「(どうか神様、俺のところに蒼星石が来ますように……そしてあんなことやこんなこと……いやもういっそ蒼星石にしてくれ!)」アホらしいと思いながらも願いを終えて、目を瞑った。とたんに眠気が襲ってくる……。『あぅあぅ♪なぜだかこの人の願いを聞き届けてしまったのです。これも何かの縁ですし、叶えてあげるのです♪』
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「いでっ!」 目を覚まし、身を起こそうとした途端、何か硬いものに頭をぶつけてしまった。しかもよく見たら真っ暗だ。いったいどうなってんだ?さっきぶつかった所を手で押してみると、あっさりと動いた。それと同時に、光が射し込んでくる。「うおっ、まぶしっ!」光を手で防ぎつつ、身を起こした。そして今まで寝ていた場所に目をやり、俺は愕然とした。「え? これは……『鞄』!? しかもローゼンメイデンが入ってるやつみてーなッ! まさか……拉致されたのか!?」寝起きということもあり、頭がパニック状態だ。しかし、俺は起きた部屋にある鏡を見てしまったことで、余計にパニックの園へ落ちていくことになってしまった。「え……! え!?」言葉が出なかった。鏡に映ってるのは俺じゃあない。シルクハットに、茶色のショートカット。緑と赤の、宝石のように綺麗なオッドアイ。そしてなによりも、大事なものがついてない。そう、鏡に映っていたのは、ずっと憧れ、恋い焦がれてきた、蒼星石そのものだった。
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