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真剣勝負」(2007/05/09 (水) 22:48:50) の最新版変更点

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  僕は今蒼星石の小さな手を握っている。   蒼星石の可愛い手も僕の手を力いっぱい握っている。  蒼「く・・・!」   必死で頑張る姿を眺めているとなんだか和んでしまう。   ただの腕相撲をこれ程まで楽しく思った事はない。  蒼「うん・・・しょ!」   蒼星石が力を入れるがびくともしない。   そもそも体のサイズが違うし、特殊な能力があるとは言えやはり女の子だ。  マ「ふふ・・・。」   思わず笑いがこぼれる。  蒼「マスター、真剣にやってないでしょ!」  マ「いや真剣だよ?」  蒼「じゃあ何で笑うのさ。」  マ「蒼星石が可愛いなあって。」   時折見せる冷たく鋭い雰囲気は微塵もない。   まるでごくごく普通の女の子だ。  蒼「・・・ほら真剣じゃない。」   そう言ってまた頑張り始める。   人間と違って筋肉が疲れるような事もないのだろう。   形勢は変わらないものの一向に疲れを見せない。  マ「じゃあ真剣勝負になるようにするか。」  蒼「何?」  マ「勝ったら蒼星石にキスさせて♪それなら必死で頑張っちゃう。」  蒼「え!?マスターから?僕に?」  マ「そ。唇と唇でチュッとね♪」  蒼「な、な・・・!」  マ「はい決めたー。じゃあいくぞー。」   そう言って腕に力をこめようとする。   瞬間、膠着が崩れた。   ただし、自分が押し負ける方へと。  マ「あれ?」  蒼「真剣勝負でいいんだよね?」   蒼星石が冷静にそう言った。  マ「く・・・。」   事態はすぐに飲み込めた。   蒼星石の力が増しただけではない。   同時に脱力感に襲われていた。  マ「くそっ!」   慌ててテーブルの端を左手でつかむ。   その薬指には灼け付く感覚。   なんとか互角の位置まで戻した。  蒼「へえ、やるね。」   いつまでも消耗しない蒼星石と急速に消耗し続ける自分。   勝つには短期決戦しかない。   少しずつだが押し込んでいく。  蒼「くぅ・・・。」   蒼星石にも焦りが窺える。   あと少し・・・。   もうちょっとで勝ちというところで手がぴたりと止まる。  マ「く、く・・・!」   力を振り絞るも固定されたようにびくともしない。   ふと見ると蒼星石の顔には笑みが浮かんでいた。  蒼「はい、それまで。」   余裕の声と共に圧倒的な力で押し返される。   そして丁度さっきまでと反対の位置で手が止められる。  蒼「ふふふ、勝っちゃうよ?」   必死で抵抗する。   しばらくして、  蒼「はいお終い。」   手がテーブルに触れた。   そのまま体ごとこてんと倒れてしまう。   もうへとへとで起きられない。   いわゆる『ハナクソほじる力も残ってねえ』って有様だ。  蒼「あーあ、あんな風に無駄に粘るからだよ。」   僕をからかっていた蒼星石が意地悪く言う。  マ「キスが嫌なら・・・言ってくれれば・・・しなかったのに。」  蒼「嫌じゃないよ?」   蒼星石が帽子を脱いでテーブルに置く。  蒼「ただ・・・ダメでしょ?」   蒼星石が倒れた僕の顔をのぞきこむ。   そのまま顔と顔が接近し、唇と唇が触れた。  マ「ん・・・・・・はあっ。」  蒼「忘れちゃったの?そういう事をする時はあなたはマスターだけど、ご主人様は僕。」   蒼星石が横になったままの僕のシャツのボタンを外す。  蒼「ご主人様に自分から手を出そうなんていけない子だ。」  マ「な、何を・・・?」  蒼「マスターの負けだから罰ゲームだよ。」   あっという間にベルトまで外されてしまった。  蒼「きちんと躾けてあげるよ。いろいろとお仕置きしながらね。」   笑いながらも冷たく鋭い雰囲気を湛えた蒼星石がそう宣言した。

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