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年に一度の日」(2006/10/26 (木) 04:06:06) の最新版変更点

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 蒼「マスター、マスター!起きて、起きて!!」   何やらいつもよりも慌ただしく起こされる。  マ「んあ・・・どうしたのこんなに早く?」   上体を起こして寝ぼけまなこで時計を見るとなんと四時過ぎ、いつもよりも一時間ほど早い。  蒼「もう!ちゃんとこっちを見てよ。」   言われるままに中腰の蒼星石の顔を見上げる。   うんうん、今日もかわ・・・あれ、なんで中腰なのに見上げてるんだ?  マ「な・・・!!」   一気に眠気が吹っ飛ぶ。   なんと・・・蒼星石は人間サイズになっていたのだ!  マ「な、な、な、なんで!?」   こちらの驚きぶりに蒼星石が愉快そうに笑いながら言った。  蒼「今日は年に一度の特別な日なんだよ。」   そう言われてもさっぱり訳が分からない。  マ「・・・どういうこと?」  蒼「マスターも真紅から聞いた事はあるでしょ?もしも僕らが過剰に力を使うとどうなるか・・・。」   そこで声のトーンが落ちる。  マ「ああ・・・ミーディアムはドールに同化し、取り込まれて命を落とす・・・。その時は姿もシンクロするんだっけ?」   以前の雛苺はそれで巴ちゃんを殺めかけてしまったとか・・・。  蒼「そう、今回はその逆だよ。今まで少しずつ貯めてきたマスターのエネルギーで僕が人間の姿になってるんだ。」  マ「じゃあ、一年に一度というのは・・・。」  蒼「そう、大体そのぐらいの期間エネルギーを蓄えてやっと一日分が貯まるんだ。」  マ「じゃあ本当に貴重な時間って訳だね。」  蒼「そうだよ、だから早く起きて!」  マ「はいはい。」   なんとなくはしゃぎ気味の蒼星石に促されるまま起床する。   睡眠時間は短いものの、なんだか興奮して寝ろと言われても眠れなそうなくらいだ。  マ「・・・でさ、今日はどう過ごすの?」   普段より早めの朝食をとりながら同じ目線の高さで話す。こんな事も初めてだ。なんかドキドキする。  蒼「せっかくこの姿になったんだから、マスターと一緒に堂々とお出かけしたいな。」  マ「だよねえ。全くもって同意。じゃあさ、どこに行こうか?」  蒼「うん・・・あのね、実は前からこの日のために考えていた事があるんだ。それでいい?」  マ「もちろんいいともさ!それでいこう。」  蒼「内容も聞かないでいいの?マスターのしたい事とは全然違っているかもよ?」  マ「僕のしたい事が具体的になんであれ、その目的は蒼星石に喜んでもらう事だからね。    だったら僕の考えとは違っていても本人がしたい事が一番でしょ?」  蒼「もう、マスターったら。・・・ありがとう。」  マ「それじゃあ今日一日の行動は蒼星石に全て委ねるからよろしく頼むね。」  蒼「うん、分かった!!」   本当に嬉しそうにそう答えてくれた。それだけでも今日という日に満足できそうだ。  蒼「じゃあお弁当を作るね。マスターのエプロンを借りちゃうよ?」  マ「どうぞどうぞ。」   蒼星石がお弁当を作ってくれている。   そんないつも通りの事が、いつもとは全然違っている。   料理している蒼星石を背後からそっと抱きしめる。   いつもなら台に乗って料理しているから危なっかしい気がしてこんな事は出来ないが、この身長ならそんな心配も無縁だ。   蒼星石も手は休めず平然としている。  マ「あったかいや・・・。」  蒼「いつもよりも?だとしたら人間の姿をしているからかな?」   蒼星石が笑いながら言った。  マ「それでいつもよりもふくよかだ。」  蒼「・・・マスターって案外エッチなんだね。」  マ「いや、そんな不純な意味では!・・・お手伝いするから許して!」  蒼「はいはい、それじゃあ二人で一緒に作ろうね。」   二人で肩を並べての共同作業。   これも今まで未体験の事だ。   一緒に料理をしている、ただそれだけなのになんだかときめいてしまった。   そうして二人がかりのお弁当も無事に完成した。  マ「じゃあ出かけるか。でも蒼星石の服装はどうしようか・・・。」   蒼星石の服は普段のものがそのまま大きくなっていた。   自分は見慣れているからか特に気にしなかったが、外出するとなるとやはり目立つ、というか浮くだろう。  マ「とりあえず僕の服で我慢してもらって、どこかお店が開いたら買ってすぐ着替えちゃう?」  蒼「ちょっと待っててね。」   そう言うと蒼星石が寝室にひっこむ。   数分後、   蒼「えへへ、どうかな?のりさんに頼んで用意してもらったんだけど・・・似合う?」   春らしいフローラル柄のワンピースに着替えて浅黄色のカーディガンを羽織って登場した。   どうやら本当に前々から準備をしていたらしい。  マ「・・・・・・・・・。」  蒼「今までこんな格好をした事なかったし、やっぱり見てて変?」  マ「あ、悪い。見とれて言葉が出なかった。」  蒼「またマスターったらそんな事を言って!」  マ「あ、いやもちろん普段の姿も今まで通り可愛かったけどさ。    なんていうかこう、自分の理想が具体化したみたいというか・・・。」  蒼「・・・マスターって口が達者だからな。話半分に聞いておかないと。」  マ「誤解だって!どっちかといえば口下手だし・・・思ってなきゃそんな事言えないって!!」  蒼「ほら、そこが危ない。・・・まあいっか、じゃあもう出かけようか。」   こんな風に気軽に冗談を言える関係にも憧れていた。なんだか気の置けない感じがしていい。  マ「あ、ちょっとだけ待って。」  蒼「どうしたの?時間が無くなっちゃうよ。」   蒼星石の前に屈みこむとお姫様だっこで抱き上げる。  マ「・・・こんなこと、外じゃあ出来ないからさ。」  蒼「うふふ、なんだか新鮮だね。でも重いから大変でしょ?」  マ「さすがにこの状態だと普段のようにはね・・・。でも蒼星石ならスリムだから平気だよ。」  蒼「へー、ほんと?・・・で、それって誰と比べたのさ?」   意地の悪い顔をして蒼星石が尋ねてくる。  マ「あ、いや、それは・・・。別に誰かと比べた訳じゃないけどなんとなく、さ。」  蒼「はいはい、どうせ僕は貧弱な体つきでスレンダーですよーだ。」  マ「そんなんじゃないってば!」  蒼「もう、傷ついちゃったんだからね。この分は覚悟しておいてよね?」   蒼星石がこちらの首に手を巻きつけてしがみつきながらそう言った。   なんだか姿が変わったせいか性格も開放的になっている気がする。これもまあ自分の望み通りの事とも言えるが。   まず最初はショッピングだった。意外なことではあったがいきなりブティックに入る。   「こちらなどいかがでしょう?本日出たばかりの四月の新作です。」   店員の勧めにしたがって蒼星石がいろいろと試着してみる。   どれもよく似合っていたが、とりわけそのうちの一着がお気に召したようだった。  蒼「こんな服もいいなあ。普段の僕じゃあ似合わないだろうし、着られないけど。」  マ「デニムのミニスカートか。活動的な蒼星石にはぴったりだと思うけど、確かに今だけだね。」   いつものドールサイズで履いた所を想像して思わず笑いが漏れる。  蒼「笑ったね。僕だってオシャレぐらいしたかったのに。」  マ「ごめんごめん、気に入ったのなら買っちゃえばいいさ。」  蒼「え、でも今日一日で終わっちゃうのにもったいないよ。」  マ「いいっていいって、思い出にお金を使うんだからちっとも惜しくないさ。」  蒼「えへへ、ありがとうマスター。大好きだよっ!」  マ「ははは、何やら今日は現金だなあ。」  蒼「今日は特別な日だもん。」  マ「そうだね、それじゃあ他にも欲しいものがあったら何でも買っちゃうよ。」   次に入ったアクセサリーショップではダイヤの指輪なんてものを勧められてしまった。   さすがに手が出せないので給料の三か月分の時に、とごまかしたら蒼星石は苦笑していた。   だが別に不快感を覚えた訳ではなさそうなのでほっとした。   そこでは二人おそろいの瑠璃のペンダントを買った。   その後はいろいろなお店をはしごする。   およそ普段の蒼星石とは別人のようだ。   買う気もないだろうにランジェリーショップに付き合わされるなんて意地悪もされてしまった。   ・・・まあ買うつもりがあったのなら買うつもりがあったでそれはオーケーなのだが。   まるで漫画か何かのように両手いっぱいに荷物持ちをさせられててんやわんやになる。   こんな辛いはずの事も妙に楽しくってたまらない。   こうして振り回されるなんて今までは無かったからかもな。   その後は荷物をコインロッカーに入れて公園に行った。   太陽の光がさんさんと降り注ぐ下、芝生にお弁当を広げて二人で食べる。   こんな風に大っぴらにやれるなんて初めてだ。   今までのように、どこかこそこそと人目を気にする必要がないだけで楽しさも段違いだ。   食事の後、あまりにいい陽気だったので蒼星石に腕枕をしながら日向ぼっこをした。   気づいたらいつの間にか眠っていたようで、起きたら逆に蒼星石に膝枕されていてびっくりした。   日向ぼっこをしていたせいか、多少のどの渇きを覚えて喫茶店に入る。   とりあえず紅茶を注文するとデザートを勧められた。   「当店では一の位が1の日に苺の特別メニューを用意しておりますがいかがでしょうか?」  マ「今日のは何ですか?」   「パンナコッタと苺尽くしサンデーですね。」  蒼「どうする?」  マ「一つずつ頼んで二人で分けようよ。」  蒼「そうだね。それがいいや。」   しばらくすると蒼星石の頼んだサンデーが先に来た。   溶けるといけないので先に食べ始めてもらう。   蒼星石はとっても幸せそうに食べている。  マ「それ美味しそうだね。ちょっと頂戴。」  蒼「まだ僕が食べ始めたばっかだよ。それにマスターは遠慮なく食べちゃうんだから。」   体が大きくなったせいか、蒼星石もたっぷりと食べたいようだ。  マ「そりゃ失礼。ごゆっくりとどうぞ。」  蒼「・・・だからね、今はこれだけしかあげないよ。」   自分が食べていた長いスプーンにすくい取ってこちらに差し出してきた。  蒼「あれ、食べないの?」  マ「・・・いただきます。」  蒼「どう、お味は?」  マ「・・・ものすごく甘い。」   その甘さは苺やクリームの甘さだけではなかった。   それから本日公開という看板がでかでかと掲げられていた映画を見た。   内容としてはありきたりだと思われる甘い恋愛映画だった。   だが、蒼星石と二人で見ているという事実がそんなのどうでもいい位に自分を喜ばせる。   見ながら涙ぐむ蒼星石にそっとハンカチを差し出したり、まさに至福の一時だった。   映画で感動した後は、ちょっと背伸びをして高級そうなレストランでお食事。   スカイラウンジとでも言えばいいのか、ビルの高いところにあるやつだ。そしてお値段も高い。  蒼「いいの、こんなに贅沢しちゃって?」  マ「平気平気。お金は道具なの。また頑張って働けばいいの。」  蒼「でもさ、もっと有効な使い方があったんじゃ・・・。」  マ「今日という日しか機会がないならこれでも安い位さ。」  蒼「じゃあ遠慮なくご馳走になっちゃうからね。」  マ「ただ料理に大金を投じてもキリがないのも確かだよね。」  蒼「食道楽ってやつだね。」  マ「いや、どんなにお金を積もうとも味は蒼星石の手料理には敵わないわけだからね。」  蒼「またそんな調子のいい事を言っちゃって。」  マ「いやいや、嘘じゃないですよ。」   蒼星石もまんざらではない様子だった。  蒼「景色・・・綺麗だね。」   四十一階という超高層から眼下に広がる夜景を眺めつつそう言う。  マ「でもさ、そんなものより・・・」  蒼「そんな事ばかり言うと安っぽく聞こえるよ?」  マ「・・・自重します。」   蒼星石がふふふ、と笑った。   そのまま和やかにディナーを堪能した。   食事を済ませて一階まで直通の下りのエレベーターに乗る。   乗っているのは自分と蒼星石だけだった。   蒼星石がもたれかかってきた。  マ「大丈夫?ワインにでも酔った?」  蒼「違うよ・・・。」   蒼星石がとろんとした目で見上げてくる。  蒼「言うなれば・・・マスターに酔っちゃったのかな?」   そのまま蒼星石が正面から僕の肩を引き寄せて唇を奪ってきた。   普段の体格差からでは考えられない、蒼星石からの大胆なキス。   エレベーターが止まるまでの、長い、長いキスだった。   さっきまでの余韻に浸りながら建物を出る。   周囲にいくつかあった時計のうちの一つを見ると九時過ぎ、ここまではまさに理想通りの展開だった。   そうだな、この後は家に帰って寄り添いながらゆっくりとお話しして、気づいたらそのまま二人で寝ちゃってて・・・。  蒼「ねえ、マスター。・・・次はあそこに行こう。」   そんな事を考えていたら蒼星石に声をかけられた。  マ「え・・・あそこ!?」  蒼「そう、あそこ。・・・イヤ?」   あそこというのは・・・どう見てもラブホテルというやつだ。  マ「でもあんなところで何を・・・。」  蒼「何って、そんな事を女の子の口から言わせる気?」   自分の中にはっきりと広がる醒めた感覚。   ・・・どうやらこれまでか・・・。  蒼「マスター?」   かつては少し脳裏をよぎった願望。   いつしかどうでもよくなっていた願望。   ひょっとしたら、心の奥底では捨て切れてはいなかったかもしれない願望。   ・・・今のこれが自分の願望か蒼星石の願望かは分からないが。  蒼「どうしたの、急に黙っちゃって。大丈夫だよ、肉体的にはちゃんと女性の姿だから。」  マ「・・・・・・・・・。」   さっきまでの事とは重みが違う。   これは人とドールでは絶対に出来ぬ事。   多少違った形であれ実現可能ではあるショッピングやお食事なんかとは違って。   それゆえに決して越えてはならない一線。   これをしてしまえば蒼星石が傷つくであろうという行為。  蒼「早くしないと時間が無くなっちゃうよ?ドールの僕じゃ・・・絶対に出来ない事なんだから。」   僕の心を試すように蒼星石が急かしてくる。  蒼「マスターは、その、僕相手じゃ嫌なの?」   嫌だと言ったら嘘になるだろう。   だがこれだけは受け入れてはいけない気がした。   嘘を言ってでも拒まねばならない。   今まで大体の察しがついていながら、気づかぬふりをして甘えてしまったからこそ。  蒼「僕はいいんだよ?だって今日は・・・」  マ「年に一度の・・・」  蒼「特別な日だからね。」   蒼星石が僕の言葉の後を継ぐ。   だが、それに構う事なくつぶやく。  マ「・・・エイプリルフール・・・。」  蒼「・・・・・・・・・。」   蒼星石の笑顔が曇り、さびしいものに変わって・・・消えた。  蒼「・・・ご名答・・・。」   淡い光と共に人間の姿をした蒼星石が虚空へ溶けた。   そして現れたのは、いつもの姿、いつものドールとしての蒼星石。   共通していたのは沈んだ表情だけだった。  蒼「さすがだねマスター、騙し通せると思ったんだけどな。」   どことなく悲しげに俯きがちの蒼星石が言った。   嘘だ。気づけと言わんばかりだったくせに。   四月の新作、ダイヤモンド、喫茶店の特別メニュー、映画の公開日、41階のレストラン、そして今周囲にある時計。   今までに手を変え品を変え、あまたと与えられてきたヒントだ。   ご丁寧に日付がでかでかと表示された、答えそのものといえるものまであった。   これらはすべて蒼星石の悲鳴。   嘘に気づき、虚像を拒み、いつもの自分の方を受け入れて欲しいという訴え。   まだ気づいていないと嘘をつき、今の今まで自分が見て見ぬふりしていた蒼星石の心の叫び。  マ「ここは僕の夢の中・・・。」   二人の嘘が作り上げていた世界。   今朝の会話とは裏腹に、蒼星石は僕のしたい事ばかりをし、僕は自分自身を喜ばせる事だけをしていた。  蒼「ごめんなさい、エイプリルフールだし許してくれないかな?」  マ「・・・なんでこんな悲しい嘘をついたんだい?」  蒼「ごめんね、ぬか喜びさせちゃって。」  マ「違う、なんで自分を傷つけるような嘘をつくんだ!?」  蒼「ごめんね、僕は人間じゃなくって、ああいう風には出来なくて。    今までのがマスターにとって理想の僕・・・。僕とは全くの別人・・・。」  マ「そんなことない!今の蒼星石が好きさ。」  蒼「マスターのうそつき・・・いいよ、許してあげる。今日はエイプリルフールだから。」   寂しさを隠し切れぬ笑顔でそう言う。  マ「嘘じゃないさ。そりゃあこうだったら、って思う事だってある。蒼星石に対しても・・・自分に対しても。    だけど理想なんて幻はいらない、現実の、本物の蒼星石が好きだ。」  蒼「うそつき・・・ついさっきまであんなに楽しそうにしてたじゃない。でもいいよ、マスターの嘘は優しい嘘だから。」   平気な訳ないくせに蒼星石はそんな嘘をつく。   だめだ・・・ただ口で言っただけでは。   当たり前か、蒼星石にしてみれば夢という形でこちらの本音を目の当たりにしたんだ。   それを今さらさっきまでのは違うんだと言ったって説得力なんかある訳がない。   言葉以外にも、何らかの形で気持ちを示さなくてはならない。   なんとかして蒼星石に自分の言葉が本心からのものだと伝えないと・・・何を言っても嘘でしかない。  マ「ここは僕の夢の中・・・。」  蒼「そうだよ、マスターが心の奥底で本当に望む事がなんでも叶う世界。・・・たとえ、それがどんなに不可能な事でも。」   そう、自分の本心が投影される世界。なら・・・。   蒼星石に周りを見るように促す。  マ「もう一度言うよ、蒼星石自身が好きだ。今目の前にいてくれる蒼星石が一番大好きなんだ!」  蒼「・・・嘘だ。」   周りを見回していた蒼星石が驚きながら言った。  マ「嘘じゃない、そんなうわべだけの言葉じゃない。だってここは僕の心が反映される世界、だよね?    ほんのわずかでも嘘をつくつもりがあれば・・・こうはならないはずだよね?」  蒼「・・・もう4月1日じゃないんだからね・・・。嘘だったら許してあげないからね。」   いつの間にか周囲の時計は異常なまでに時を進め、日付も4月2日に変わっている。  マ「構わないさ。蒼星石につく嘘なんてない。」   蒼星石が胸に飛び込んでくる。  蒼「・・・・・・マスター、愛してる。」  マ「僕もだ・・・。」   ここは嘘のない世界。   二人の気持ちが作り上げる世界。

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