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薔薇乙女たちが運動会5 昼食兼第二種目」(2006/10/09 (月) 17:34:40) の最新版変更点

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 昼食兼第二種目   銀:98  金:30  翠:68  蒼:100 真:100 雛:×  白「ふっふっふ・・・・皆さん、騒ぐ前にこれをご覧下さいな。」  み「あ、あれってもしかして!くんくんが捜査のためにお見合いした時の貸衣装!!」  マ「ご存じなんですね・・・ネットオークションをやり込んでるからかな?」  み「なかなか定評のあるデザインなのよね・・・。カナに着せてみたいーー!!」  マ「待てよ・・・じゃあもしかして!」  白「はい、その通り!これは今から始まる第二種目の賞品です。第二種目の内容は簡単。    今のお弁当をとにかく全部消費すればOKです。名づけて『食欲の秋、早食いの秋』!」  マ「自分の手で食べられないのか・・・キンチョーするな。」  白「あっ、ミーディアムが食べなくても構いませんよ。ただここで補給しとかないと午後が大変になりますよ。」  ジ「待てよ!失格になった雛苺の分も食べさせられるのか!?」  白「まあ先程お弁当として持ってきたものをとにかく完食していただくという趣旨の競技ですので。    その代わり雛苺さんも能力を使わなきゃ食べるのにも食べさせるのにも参加していいですから。」  真「さあジュン、さっそく食べるのだわ。」  ジ「これって餃子か?まあなんとか形になってるかな。」  真「・・・サンドイッチなのだわ。」  ジ「なんでサンドイッチが餃子に化けるんだよ!?破滅的な腕なのに無謀にもお弁当なんて作るなよ!」  真「失礼ね下僕なら感謝してお食べなさい!」  ジ「おい、翠星石のは何なんだ?」  翠「特製のスコーンですよ♪」  ジ「おっ、こいつはまともそうだな。じゃあ手始めにそれをくれ。」  翠「ほーらチビ人間しっかりと味わって食えですよー!」  ジ「もぐもぐ・・・んんっ!!一体何なんだよこの味は!?」  翠「運動会ですから精がつくように塩辛を入れてみたですよ。心遣いに感謝しやがれです。」  ジ「もういい!で、雛苺のは・・・。」  雛「トモエ直伝のスパゲティなのー♪」  ジ「・・・・・・。」  真「早くお食べなさい!」  翠「とっとと食えです!」  雛「ジュン、食べてなのー!」  ジ「嫌だ!絶対にそんなもん食べないぞ!!もう口を開けるもんか!!」  翠「くっ、こいつ脇をくすぐってやるです!」  真「翠星石、そんな手荒な真似はおよしなさい。・・・こういう場合には鼻をつまんだ方が効果的なのだわ。」  ジ「~~~~~~~~」   さ、さながら地獄絵図だな・・・。   さて金糸雀の方へと目をやると・・・。  金「甘ーいかしらー♪とっても幸せかしらー♪」  み「きゃー、卵焼きをむさぼってるカナもかわいいーー!!」  金「みっちゃんも食べるかしら?」  み「卵焼きを突き出して勧めてくるカナもかわいすぎるー!!ああっ、写真に収めたーい!!」  金「食べないのならカナが食べちゃうかしらー。」  み「ああっ、もう今すぐ頬ずりしちゃいたーーい!!」   なんか・・・二人の間に異様にテンションの差があるな。   しかし、みっちゃんさんは清々しいまでに食べる気がなさそうだな。   だけどああいう人を自分が良く知っている気がするのはなぜだろう?  蒼「マスター、よそ見ばっかりしてないで僕らも食べよ?」  マ「よーし、ガンガン食べちゃおっか。」  蒼「駄目だよ、ちゃんとよくかんで食べないと。」  マ「でも賞品のくんくんの衣装がもらえなくなっちゃうかもよ?」  蒼「いいんだよ、そんなの。マスターが健康でいてくれた方がずっといい。」  マ「今回早食いしたって必ずしも不健康にはならないかもしれないじゃない。」  蒼「早食いしたって必ずしも、ってのは賞品の方も同じでしょ?だから気にしないの。」  マ「じゃあお言葉に甘えちゃおうかな。本当は蒼星石の手料理だからじっくりと味わいたかったんだ♪」  蒼「もう・・・はい、あーんして。」  マ「うん、あーん・・・。」  蒼「それじゃあ最低でも三十回はかんでね。」  マ「はーい♪」  白「いやー、こいつら揃いも揃って早食いする気ゼロっすね。おっ!?水銀燈さんだけは頑張ってますね。」   三者三様の理由で遅々として食事が進まない中で水銀燈が豪快な飲みっぷりを見せている。  銀「ふっ、どうかしら?圧倒的な早さで一位通過じゃない?」  白「確かにそうっすね。でもめぐさんの方がまだですから、サーセン。」  銀「ちょっと!それってただ待つより外ないじゃないの!!」  白「そういうことになりますかね。まあ多少フライングしてたので帳消しって事で。」  銀「くっ・・・こんなことならもっと味わって飲むんだったわぁ・・・。」   哀れ水銀燈。そしてこの勝負の実質のタイムリミットがこれで決定したことになる。   要するにあの点滴が尽きそうになるまでは特に慌てなくてもいいわけだな。  真「やったわ、ついに口を開けたのだわ!」   肺活量の限界に挑んでいたと思われるジュン君がついに陥落する。  翠「むさぼれ、翠星石のスコーンをむさぼって平らげやがれですぅ、このチビ人間がッ!」  雛「ヒナも~!」  翠「チビ苺はそれを自分で片すです!」  真「そうね、もうだいぶ後れを取ってしまったわ。あなたはそれが好きなんでしょ、早くお食べなさい!」  雛「わかったのー。・・・あー!蒼星石たちもう食べ終わっちゃいそうなのー。早いのー。」  翠「マジですか!?ちいっ、妨害してやるです。」   翠星石が細い蔓を鞭のように伸ばして蒼星石の手元を襲う。  マ「蒼星石、危ないっ!」  蒼「えっ?・・・あっ!!」   フルーツを食べさせるために手にしていたフォークが弾き飛ばされる。  翠「よっしゃあ!!これで少しは時間が稼げるはずですよ!」  マ「でももう残ってるのはミカンだけだもんね。へっへー♪」  翠「くっ、それじゃあフォークを弾いた意味がねえです。でも蒼星石と争ってまで妨害するのも・・・。」   葛藤する翠星石を尻目に蒼星石は黙々とみかんの皮をむいてくれている。  マ「やったあ、むけたね!それじゃあ早く食べさせて。」  蒼「ちょっと待って、これからスジを取るからね。」  マ「それって栄養があるんだし、別に気にしないからいいよ。さあ早く食べ終わっちゃおう。」  蒼「でもやっぱりマスターに食べてもらうものには何かしら自分で手を加えたいんだ。    まあ、たかがスジむき程度でちょっと大げさだけどね。」  マ「ああー!そんな些細なことにまで向けられる配慮。自分はなんて幸せ者なんだろう!!」  雛「翠星石どうするのー?」  翠「あの二人はもう放っとくです・・・。構った翠星石が馬鹿だったですよ・・・。」   きれいにスジの取られたミカンを蒼星石と二人で分けて食べる。  蒼「はいあーんして。どう、美味しいかな?」  マ「甘い、甘いよ。蒼星石と一緒に食べてるだけで糖度120%だよ。」  蒼「ふふふ。言っている事が無茶苦茶だよ?でも、僕もなんだかいつもより甘い気がするな・・・。」  マ「じゃあ最後の一個は蒼星石がどうぞ。」  蒼「いいよ、マスターが食べて。」  マ「いやいや、蒼星石は午後も頑張らなきゃだから。」  蒼「ミカン一つでそんなに変わらないよ。」  マ「じゃあそのミカンに僕の愛情を込めちゃうぞ!!」  蒼「そうだ。だったらさ・・・マスターに食べてもらって、そのエネルギーを・・・僕が使うってのはどうかな?」  マ「ミカン一つでそんなに変わるかな?」  蒼「でも・・・その・・・マスターを経由したと思えば、僕にとっては・・・・・・何百倍もの力になるから・・・。    ・・・もうっ、何言わせるのさ!!早く食べてよ!」  マ「はーい、あーーん。・・・もぐもぐもぐ・・・やった、食べ終わった!」  白「はい!蒼星石さんチーム二位通過おめでとうございます。」  マ「えっ、二位?」  白「ええ、金糸雀さんが先程すでに完食しちゃいましたので。」   ひょっとして・・・あの卵焼きを一人で全部食べたのか!?恐るべし・・・。  白「あまりにも目立たなかったのが幸いしたみたいですね。」  マ「これは影の薄さにやられたな。正直まったく気にしてなかったから。」  蒼「とんだ伏兵だったね。まさに眼中に無かった、恐ろしい策だよ。」  金「なんで誰も褒めてくれないのかしらー!」  み「ああっ、イジられてすねるカナもかわいいわー!」  白「しかしまあ、清々しいまでに見事な自分たちのもたつきの棚上げっぷりですね。」   一方その頃の水銀燈チーム。残りの点滴はあと少しだが、ひたすら待つというのはやはり退屈そうだ。  銀「待ってるだけって暇だわぁ・・・そうだわ、力を使って他を妨害すれば・・・。やめとくわ、くぅだらなぁい。」   背後からの何かを期待する視線を感じて水銀燈が考えを撤回する。  め「どうする水銀燈。チューブから点滴を直接飲んじゃう?」  銀「そんな奇妙な行為はおよしなさい・・・。」  め「それともパックをグッと押しちゃう?」  銀「おやめなさいっての!」  真「なんとか・・・」  翠「食べさせられたですね・・・。」   点滴が空になるまであと僅かといったところで二人の『お弁当』が空になった。   すでにジュン君が別世界へと旅立ってしまっているようなのは気のせいだろうか・・・気のせいだとしておこう。  翠「後はチビ苺が自分の弁当を平らげてしまいさえすれば・・・」  雛「うゆー、食べきれないのー。お腹一杯なのー。」  翠「こら、チビ苺!てめえで作った物なのに残すんじゃねえです!」  雛「ノリのお弁当でもうお腹たまっちゃたのー。」  真「くっ、仕方ないわね。」   今は亡きジュン君の指輪が光を放つ。いや、生きていたって事なのか、めでたい、めでたい。  真「ホーリエッ!」   お弁当箱の周りを真紅の人工精霊が舞う。  真「そのスパゲティを、時間を巻き戻して材料別のところまで戻すッ!」   見る見るうちにスパゲティが分離され、麺とトマト、そして苺が現れる。   ・・・苺?なんでスパゲティに苺が・・・。   思うにさっきの塩辛をこっちに使って、苺をスコーンに使っていればまだ普通に食べられたんじゃ・・・。   なんでわざわざそこで冒険者になってしまったんだろうか。   ・・・おそらくは、そのことに対する自覚が無いのが一番の問題なんだろうな。  真「さあ、私はトマトを食べるから、翠星石は麺を、雛苺は苺を片付けるのだわ!」  翠「麺って・・・茹でる前まで戻ってますよ・・・。」  真「ポッキーとでも思ってお食べなさい!急ぐのよ!!」  翠「くうーーっ。乙女は度胸ですーーぅ!」  雛「わーい、苺なのー!おしいいのー♪」   点滴が・・・尽きた!!  白「はい、ほんの僅かの差でしたが・・・」   会場の誰もが固唾を飲んで見守る。  白「真紅チームの勝利です!!」  め「ごめんなさいね水銀燈、私が不完全なジャンクだから・・・。」  銀「ふん、別にいいのよ。こんなお遊びにはいい加減うんざりしていたところだったから。ちょうど良かったわぁ。」  め「ありがとう、水銀燈・・・本当は足手まといにはなりたくなかったんだけど・・・もう無理みたい・・・。」   そこまで言ったところで体が力を失って倒れこむ。  銀「ちょっと!脈絡無く倒れてんじゃないわよ!!」   みんなで力を合わせ、ぐったりとした体を大急ぎでそばにあった台車に乗っける。  白「発作ですかね!?あっ、あの鏡が病院につながってますから。お大事に!!」  銀「お退きなさーーーい!!」   ものすごい勢いで台車を押して、水銀燈が去っていった。   あれだけ大事に思ってくれる存在がいるんだ、根拠は無いがきっと助かるに違いない。  白「えー、ではめぐさんの無事を祈りつつも次の競技へと移らさせていただきます。」

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